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3章 空中都市編
銀髪のイケメン
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カイルママから聞いたことが気になるが、俺たちはあのタワーに向かうという予定は変わらない。
「ティア、そういえばノクティス様には会えるのか? 」
「もちろん会えるよ…… 」
なんだか、セレスティアが少し戸惑っているような顔をしている。
どうしたのだろうか。
「どうした、浮かない表情して 」
「いや、やっぱりノクティスはノクティスだったよ…… 」
「え、それってどういう……? 」
「ううん、なんでもないよ。 行こう 」
あのタワーはスカイタワーというらしい。
ちょうど空中都市の真ん中に位置する。
俺たちはいるのは、そこから少し離れた場所だ。
「母さんの言う通り、やっぱり街の様子もおかしい 」
「……そうだね、こんなに騎士団の人達が街にいるなんて今まで見たことないもん 」
たしかに街には、ちらほら騎士団?の人達が聞き取りやパトロール的なことを行っている。
俺は初めてアークスカイに来たため、知らなかったがこれが日常の景色というわけではないらしい。
「人が暴れている……か 」
セレスティアは難しい顔をしてボソッと呟いた。
「ティア、もしかして魔族関係だったり? 」
「可能性はあるけど、確実にそうとはいえないな 」
神ですら、そこまでは分からないか。
さすがに魔族のことは魔族にしか……!?
そういえば忘れていたが、うちにも魔族がいるじゃないか!
「エレナ! 」
「え、えっ!? どしたの主様? 」
彼女は、俺に呼ばれるとは思わなかったのか何かを握っている手を背中に回し、知らんぷりをしている。
「何持ってんだ! 」
彼女の手を無理やり掴み、開かせると、
「や、や、これはちがくて…… 」
「お前、これ昨日の干し空中魚じゃないか…… こっそりブレイズ家から持ってきたな? 」
なんだこの食い意地をはった魔族は……。
彼女はバツの悪そうな顔をしているが、今はまぁ良いか。
「エレナ、それよりも魔族の中に人を操ったり暴れさせる能力を持つやつなんているのか? 」
エレナは少し真面目な表情に変わり、
「んーそうだなぁ、上位魔族ならいた……かも? 」
「魔族に上位とか下位なんてあるのか? 」
「あるよ、ちなみに主様が戦ったリリスってやつは、もちろん下位魔族だし 」
エグい魔力量だった気がするけど、あれでも下位なんだ。
ぜひとも上位魔族とは会いたくないものだな。
「そうか…… カイルママが言ってたろ? 人が暴れてるって。 それが魔族の可能性ってありえるか? 」
「あ、今思い出したけど、魔族の中に霧魔法を使える人達がいるんだけど、その人たちならもしかして…… 」
霧……ということは幻覚を見せているのか、それとも体内に吸い込ませて何かしらの作用を引き起こすのか。
考えたって分かるものではないか。
「みんな、街のことは気になるけど俺たちの目的はノクティス様と会うことだ。 それに、この事件に関してノクティス様は何か知ってるかもしれない。 とりあえずスカイタワーに向かおう! 」
皆、快く首を縦に振ってくれた。
それじゃスカイタワーに行くか。
「春陽! 」」
どこからか男の声がした。
ここに居るカイルでもない。
でもたしかに聞き覚えはあるが、アークスカイに知り合いなんていないぞ?
「おい、聞こえないふりか? 一度剣を交えた相手を簡単に忘れてしまうなんて冷たい人間になってしまったな、春陽よ 」
それは明らかに他の兵士とは違う豪華な武装、整った顔立ちに銀髪で紫色の瞳を光らせている、そんな人物を俺は1人しか知らない。
「……シリウス! 」
シリウス・アークライト、彼とは実に2週間ぶりの再会だ。
「ティア、そういえばノクティス様には会えるのか? 」
「もちろん会えるよ…… 」
なんだか、セレスティアが少し戸惑っているような顔をしている。
どうしたのだろうか。
「どうした、浮かない表情して 」
「いや、やっぱりノクティスはノクティスだったよ…… 」
「え、それってどういう……? 」
「ううん、なんでもないよ。 行こう 」
あのタワーはスカイタワーというらしい。
ちょうど空中都市の真ん中に位置する。
俺たちはいるのは、そこから少し離れた場所だ。
「母さんの言う通り、やっぱり街の様子もおかしい 」
「……そうだね、こんなに騎士団の人達が街にいるなんて今まで見たことないもん 」
たしかに街には、ちらほら騎士団?の人達が聞き取りやパトロール的なことを行っている。
俺は初めてアークスカイに来たため、知らなかったがこれが日常の景色というわけではないらしい。
「人が暴れている……か 」
セレスティアは難しい顔をしてボソッと呟いた。
「ティア、もしかして魔族関係だったり? 」
「可能性はあるけど、確実にそうとはいえないな 」
神ですら、そこまでは分からないか。
さすがに魔族のことは魔族にしか……!?
そういえば忘れていたが、うちにも魔族がいるじゃないか!
「エレナ! 」
「え、えっ!? どしたの主様? 」
彼女は、俺に呼ばれるとは思わなかったのか何かを握っている手を背中に回し、知らんぷりをしている。
「何持ってんだ! 」
彼女の手を無理やり掴み、開かせると、
「や、や、これはちがくて…… 」
「お前、これ昨日の干し空中魚じゃないか…… こっそりブレイズ家から持ってきたな? 」
なんだこの食い意地をはった魔族は……。
彼女はバツの悪そうな顔をしているが、今はまぁ良いか。
「エレナ、それよりも魔族の中に人を操ったり暴れさせる能力を持つやつなんているのか? 」
エレナは少し真面目な表情に変わり、
「んーそうだなぁ、上位魔族ならいた……かも? 」
「魔族に上位とか下位なんてあるのか? 」
「あるよ、ちなみに主様が戦ったリリスってやつは、もちろん下位魔族だし 」
エグい魔力量だった気がするけど、あれでも下位なんだ。
ぜひとも上位魔族とは会いたくないものだな。
「そうか…… カイルママが言ってたろ? 人が暴れてるって。 それが魔族の可能性ってありえるか? 」
「あ、今思い出したけど、魔族の中に霧魔法を使える人達がいるんだけど、その人たちならもしかして…… 」
霧……ということは幻覚を見せているのか、それとも体内に吸い込ませて何かしらの作用を引き起こすのか。
考えたって分かるものではないか。
「みんな、街のことは気になるけど俺たちの目的はノクティス様と会うことだ。 それに、この事件に関してノクティス様は何か知ってるかもしれない。 とりあえずスカイタワーに向かおう! 」
皆、快く首を縦に振ってくれた。
それじゃスカイタワーに行くか。
「春陽! 」」
どこからか男の声がした。
ここに居るカイルでもない。
でもたしかに聞き覚えはあるが、アークスカイに知り合いなんていないぞ?
「おい、聞こえないふりか? 一度剣を交えた相手を簡単に忘れてしまうなんて冷たい人間になってしまったな、春陽よ 」
それは明らかに他の兵士とは違う豪華な武装、整った顔立ちに銀髪で紫色の瞳を光らせている、そんな人物を俺は1人しか知らない。
「……シリウス! 」
シリウス・アークライト、彼とは実に2週間ぶりの再会だ。
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