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3章 空中都市編
ブレイズ家の食卓
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食卓には豪勢な食事が並んでいる。
ブレイズ家には魚料理がほとんどだが、この家独特なのかそれともアークスカイではそういうものなのか。
聞くのも失礼な気がする……。
「さぁたんとお食べっ! 」
「そうだぞ! カイルがミアちゃん以外の友達を連れてきたなんていつぶりだ 」
急に来た俺たちのことをカイルの両親は歓迎してくれた。
さすがはカイルの親だ。
「お久しぶりです、お父さん、お母さん 」
「ミアちゃんゆっくりしてってねっ 」
カイルの母親と楽しそうに話しているあたり、ミアはブレイズ家によく来るようだな。
「美味しそうだよぉ……主様ぁ。 ジュルルッ 」
「エレナ、他人の家でヨダレまで垂らして…… 」
この娘は緊張感がないんだろうか。
「エレナちゃんって言うのか、 いいねぇ! これはアークスカイ名物の空中魚料理だ。 他じゃ食べられないだろうし、たくさん食べていきなさいっ 」
お父さんは食欲溢れるエレナを気に入ったようだな。
「うん!! いっぱい食べるぅぅ! 」
……はは、豪快な食べっぷりだ。
「それに春陽くんもそこの妖精さんも早く食べないとエレナちゃんに食べられるぞぉぉ 」
「ボクは妖精じゃないよっ! 神様っ!! 」
「ティア、そんなこと気にしている間に、エレナが全部食べちゃいそうだぞ 」
「こらぁぁ、そこの魔族っ!! ボクの分も置いててよ! 」
エレナとティア、なんか姉妹みたいにも見えてきたな。
「春陽、何ニヤニヤしてんの? 」
「……いや、別に~ 」
現実世界では一人っ子だった俺に、2人の妹が増えたような気がしてニヤついてしまったなんて恥ずかしくて言えないな。
「みんな今日は泊まってくだろ? 」
そう歓迎してくれているカイルパパはお酒に酔っている。
むかし親に「お酒は飲んでも飲まれるな」そう言われたが、これがそういう状態なのかと思った。
「ごめんねぇ、この人久しぶりにたくさん人が来たから楽しかったんだわぁ。 ほらあんた、寝室まで行くよ!! 」
カイルパパはママに担がれながら寝室へ行った。
カイルママ力持ちなんだな……。
「よし、俺達も寝室に行くかっ! 」
俺たちもカイルの案内によって寝室へ移動した。
ブレイズ家は広く、部屋もリビングの他に3つほどあるため、男女別々に寝室も準備されている。
ティアとエレナは少しの間ゴネていたが、大人しく寝室へ移動したようだ。
そうして、今夜はブレイズで一晩過ごしたのだった。
◇
次の日、俺たちはノクティスの元へ向かうべくブレイズ家から出発するのだった。
カイルパパは仕事に行ったようだ。
そのため見送りはカイルママがしてくれた。
「春陽くん、カイルをこれからもよろしくねっ 」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします 」
「みんなもまたいつでもおいでよっ 」
いいお母さんだ。
本当に心から歓迎してくれているように感じる。
「「「ありがとうございます! 」」」
外に出ようとした時、カイルママが思い出したように、
「あっ! そうだ! みんな、ここ1週間ね、事件が多いから気をつけてっ 」
「母さん、事件ってなんだ? 」
「あのね、街の人が急に暴れるんだって。 母さんは見たことないけど、カイルが昔仲良かったゴーシュくんのお父さんも西の街で大暴れしたそうよ 」
「……そうか、ゴーシュのお父さんが。 分かった、気をつけるよ 」
この空中都市アークスカイでこれから起こる暴動を、この時の俺たちはまだ知る由もなかった。
ブレイズ家には魚料理がほとんどだが、この家独特なのかそれともアークスカイではそういうものなのか。
聞くのも失礼な気がする……。
「さぁたんとお食べっ! 」
「そうだぞ! カイルがミアちゃん以外の友達を連れてきたなんていつぶりだ 」
急に来た俺たちのことをカイルの両親は歓迎してくれた。
さすがはカイルの親だ。
「お久しぶりです、お父さん、お母さん 」
「ミアちゃんゆっくりしてってねっ 」
カイルの母親と楽しそうに話しているあたり、ミアはブレイズ家によく来るようだな。
「美味しそうだよぉ……主様ぁ。 ジュルルッ 」
「エレナ、他人の家でヨダレまで垂らして…… 」
この娘は緊張感がないんだろうか。
「エレナちゃんって言うのか、 いいねぇ! これはアークスカイ名物の空中魚料理だ。 他じゃ食べられないだろうし、たくさん食べていきなさいっ 」
お父さんは食欲溢れるエレナを気に入ったようだな。
「うん!! いっぱい食べるぅぅ! 」
……はは、豪快な食べっぷりだ。
「それに春陽くんもそこの妖精さんも早く食べないとエレナちゃんに食べられるぞぉぉ 」
「ボクは妖精じゃないよっ! 神様っ!! 」
「ティア、そんなこと気にしている間に、エレナが全部食べちゃいそうだぞ 」
「こらぁぁ、そこの魔族っ!! ボクの分も置いててよ! 」
エレナとティア、なんか姉妹みたいにも見えてきたな。
「春陽、何ニヤニヤしてんの? 」
「……いや、別に~ 」
現実世界では一人っ子だった俺に、2人の妹が増えたような気がしてニヤついてしまったなんて恥ずかしくて言えないな。
「みんな今日は泊まってくだろ? 」
そう歓迎してくれているカイルパパはお酒に酔っている。
むかし親に「お酒は飲んでも飲まれるな」そう言われたが、これがそういう状態なのかと思った。
「ごめんねぇ、この人久しぶりにたくさん人が来たから楽しかったんだわぁ。 ほらあんた、寝室まで行くよ!! 」
カイルパパはママに担がれながら寝室へ行った。
カイルママ力持ちなんだな……。
「よし、俺達も寝室に行くかっ! 」
俺たちもカイルの案内によって寝室へ移動した。
ブレイズ家は広く、部屋もリビングの他に3つほどあるため、男女別々に寝室も準備されている。
ティアとエレナは少しの間ゴネていたが、大人しく寝室へ移動したようだ。
そうして、今夜はブレイズで一晩過ごしたのだった。
◇
次の日、俺たちはノクティスの元へ向かうべくブレイズ家から出発するのだった。
カイルパパは仕事に行ったようだ。
そのため見送りはカイルママがしてくれた。
「春陽くん、カイルをこれからもよろしくねっ 」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします 」
「みんなもまたいつでもおいでよっ 」
いいお母さんだ。
本当に心から歓迎してくれているように感じる。
「「「ありがとうございます! 」」」
外に出ようとした時、カイルママが思い出したように、
「あっ! そうだ! みんな、ここ1週間ね、事件が多いから気をつけてっ 」
「母さん、事件ってなんだ? 」
「あのね、街の人が急に暴れるんだって。 母さんは見たことないけど、カイルが昔仲良かったゴーシュくんのお父さんも西の街で大暴れしたそうよ 」
「……そうか、ゴーシュのお父さんが。 分かった、気をつけるよ 」
この空中都市アークスカイでこれから起こる暴動を、この時の俺たちはまだ知る由もなかった。
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