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2章 魔術対抗試験編
魔族side
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ここは魔族の領地とされている『シャドウバレー』。
シルヴァンディアの中心に人が住んでいるとすると、このシャドウバレーは海を挟んで数万メートル北に位置する。
もちろん人はその場所を知っており、魔族がそこに住んでいることを都市伝説レベルでは存じている。
だが、魔力がいくら多くてもこの数万メートルという距離を渡りきれるような人は存在せず、さらには休憩できるような土地も存在しない。
そのため、人と魔族が接触することは基本ありえない。
魔族側には海を渡りきるほどの魔力量があるため、その場合
を除いてだが。
「マルコス・グリモアハート様! リリスに続き、200年前姿を消した裏切り者ヴォルガンまで魔力を消しました。 おそらく何者かに消されたのかと 」
豪華な黒のドレスを着飾り、その上に紫色のローブを身に纏った女性がマルコスに片膝をつき、崇高するような姿勢でそう伝えた。
明らかに他の魔族と服装が目立っている。
「やはりそうか。しかしアリスターよ、お前の能力は便利なものだな。 個人の魔力を見分けられるのだから。 お前ほど探知に優れたやつもいまい 」
「有り難きお言葉! マルコス様、この2人の魔族を消したのは同一人物と思われます 」
「ほう、魔族を倒せる人間か。 そんな人間聞いたこともないわっ! 面白い 、ガハハハハッ 」
マルコスは興味深いといった表情で高笑いしている。
「……さらにその人間なのですが、神セレスティアのパートナーと思われます 」
「セレスティアだと? ヤツめ……生きておったか。そして魔族より強い人間を連れているとは何か企んでいるな 」
神の名前を聞いた途端、先程とは裏腹にマルコスの表情は険しく変化した。
「……マルコス様、如何されますか? 」
「我ら『ダークオーダー』の幹部を向かわせる。 セレスティアはどこにいる? 」
「空中都市……アークスカイです 」
シルヴァンディアの中心に人が住んでいるとすると、このシャドウバレーは海を挟んで数万メートル北に位置する。
もちろん人はその場所を知っており、魔族がそこに住んでいることを都市伝説レベルでは存じている。
だが、魔力がいくら多くてもこの数万メートルという距離を渡りきれるような人は存在せず、さらには休憩できるような土地も存在しない。
そのため、人と魔族が接触することは基本ありえない。
魔族側には海を渡りきるほどの魔力量があるため、その場合
を除いてだが。
「マルコス・グリモアハート様! リリスに続き、200年前姿を消した裏切り者ヴォルガンまで魔力を消しました。 おそらく何者かに消されたのかと 」
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明らかに他の魔族と服装が目立っている。
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「有り難きお言葉! マルコス様、この2人の魔族を消したのは同一人物と思われます 」
「ほう、魔族を倒せる人間か。 そんな人間聞いたこともないわっ! 面白い 、ガハハハハッ 」
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「……さらにその人間なのですが、神セレスティアのパートナーと思われます 」
「セレスティアだと? ヤツめ……生きておったか。そして魔族より強い人間を連れているとは何か企んでいるな 」
神の名前を聞いた途端、先程とは裏腹にマルコスの表情は険しく変化した。
「……マルコス様、如何されますか? 」
「我ら『ダークオーダー』の幹部を向かわせる。 セレスティアはどこにいる? 」
「空中都市……アークスカイです 」
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