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2章 魔術対抗試験編
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「春陽さん、いつまで拗ねてるんですか! 」
「そうだよ主様、ご飯食べなよっ 」
「ははっ! そう怒るなよっ 」
「俺にだけ内緒にしやがって! こうなったら今日は語り倒すぞー! 」
実は2人が旅に同行するというのはパーティ前に決まったことらしく、俺が忙しくて知らなかっただけのようだ。
それでも素直に友達へ感情をぶつけるのは気持ちいいものなんだな。
理由は分かったが、今日は友達に甘えたい気分だしこのまま感情をぶつけさせてもらおう。
「「「はいはい、付き合いますよ~ 」」」
そう言いながらもみんなとても乗り気なようだ。
◇
「……もうだいぶ遅い時間になっちゃいましたね 」
「ああ、カイルとエレナは寝ちゃったしな 」
「はい、2人ともとってもはしゃいでましたから 」
「……楽しかったな 」
俺とミアは同じベットに隣り合わせで座っている。
まるで彼女を家に連れ込んだ時のようだ。
そんなことしたことないのだが。
「……あの、春陽さん 」
「どうした? ミア? 」
「私……第3試験含めて春陽さんに助けてもらってばっかりですね 」
「友達だろ? そんなの気にしなくていいよ 」
「春陽さんは気にしなくても、私が気にするんです…… 」
「じゃあ、これからの旅でたくさん頼らせてよ。 俺がいくらでもこき使ってやろう! はっはっはっ! 」
少し冗談っぽく言う方がミアも気が楽かもしれない。
「ふふっ。 分かりましたっ! なんでも言ってくださいっ! あ、でも……エッチなのはなしですよ? 」
「わ、わかってるって! へへっ! 」
決してエッチなお願いなど想像なんてしていない。
神に誓って……いや、ここでの神は身近すぎるからあまり誓える自信がなくなってきた。
すぐに本心がバレてしまう。
「もう、なんであなたはそんなに優しいの……? 」
「え? なんて? 」
「ううん、なんでもないよ 」
ごちゃごちゃ考え事をしてて、聴き逃した。
ミアは顔を赤らめ、目を逸らしているため明らかに大事なことを言っていたのだと感じざるを得ない。
くそっ!後悔してもし切れない。
「よし、そろそろ私部屋に戻りますねっ! 」
「ああ、俺もそろそろ2人を起こして……!? 」
何か左頬に柔らかい感触といい香りが……。
「じゃ、じゃあおやすみなさいっ!!! 」
ミアが急いで自分の部屋に帰っていった。
ここから導き出されるのはただ1つ。
あれだ、ギャルゲーイベントの1つである、頬に口付けというやつだ。
うわぁぁぁぁぁっと感情を表に出したいが、ここにはカイルもエレナもいるし、根本的にここは寮内だ。
そんな気持ちを抑えて、俺は心の中で叫び、ガッツポーズをかましたのだった。
そして部屋で爆睡している2人を叩き起こし、今日のところは解散となった。
◇
あれから1週間経った。
今日が出発の日だ。
魔術対抗試験の次の日から原則長期休みに入るらしい。
そのため授業はなかったが各自魔法の勉強や演習を行っており、俺はそれに参加したり、ライラ魔王にひと勝負挑まれたりと忙しかった。
セリアにウィスパー家へ招かれたりもした。
決してお家デートという楽しいイベントではない。
ウィスパー家直々に今回のことでお礼を兼ねてと食事にお呼ばれしただけだ。
とても気を遣ったが、あれだけ感謝されるとむず痒い。
そうして1週間を過ごし、今日出発の日を迎えた。
俺たちはアーカシス様に教えてもらった転移装置でアークスカイへ向かう直前である。
「では春陽様、カイルさんとミアさんをよろしくお願いします! そしてこの世界を救ってくださいねっ 」
そう見送りの言葉を放ったのはアリアンサだ。
嬉しいことに俺たちを見送るのは彼女だけでなく、この魔術学院の生徒も大勢来てくれた。
もちろんライラやセリア、グレースもだ。
「春陽~、早く行くよっ! 」
「主様~、早く~!」
うちにはせっかちな姫様が2人いるのだ。
……仕方ない、行くか。
「みんな、ありがとうー!!! 」
そう別れを告げて俺たちは魔法陣に乗り、空中都市アークスカイへ向かった。
「そうだよ主様、ご飯食べなよっ 」
「ははっ! そう怒るなよっ 」
「俺にだけ内緒にしやがって! こうなったら今日は語り倒すぞー! 」
実は2人が旅に同行するというのはパーティ前に決まったことらしく、俺が忙しくて知らなかっただけのようだ。
それでも素直に友達へ感情をぶつけるのは気持ちいいものなんだな。
理由は分かったが、今日は友達に甘えたい気分だしこのまま感情をぶつけさせてもらおう。
「「「はいはい、付き合いますよ~ 」」」
そう言いながらもみんなとても乗り気なようだ。
◇
「……もうだいぶ遅い時間になっちゃいましたね 」
「ああ、カイルとエレナは寝ちゃったしな 」
「はい、2人ともとってもはしゃいでましたから 」
「……楽しかったな 」
俺とミアは同じベットに隣り合わせで座っている。
まるで彼女を家に連れ込んだ時のようだ。
そんなことしたことないのだが。
「……あの、春陽さん 」
「どうした? ミア? 」
「私……第3試験含めて春陽さんに助けてもらってばっかりですね 」
「友達だろ? そんなの気にしなくていいよ 」
「春陽さんは気にしなくても、私が気にするんです…… 」
「じゃあ、これからの旅でたくさん頼らせてよ。 俺がいくらでもこき使ってやろう! はっはっはっ! 」
少し冗談っぽく言う方がミアも気が楽かもしれない。
「ふふっ。 分かりましたっ! なんでも言ってくださいっ! あ、でも……エッチなのはなしですよ? 」
「わ、わかってるって! へへっ! 」
決してエッチなお願いなど想像なんてしていない。
神に誓って……いや、ここでの神は身近すぎるからあまり誓える自信がなくなってきた。
すぐに本心がバレてしまう。
「もう、なんであなたはそんなに優しいの……? 」
「え? なんて? 」
「ううん、なんでもないよ 」
ごちゃごちゃ考え事をしてて、聴き逃した。
ミアは顔を赤らめ、目を逸らしているため明らかに大事なことを言っていたのだと感じざるを得ない。
くそっ!後悔してもし切れない。
「よし、そろそろ私部屋に戻りますねっ! 」
「ああ、俺もそろそろ2人を起こして……!? 」
何か左頬に柔らかい感触といい香りが……。
「じゃ、じゃあおやすみなさいっ!!! 」
ミアが急いで自分の部屋に帰っていった。
ここから導き出されるのはただ1つ。
あれだ、ギャルゲーイベントの1つである、頬に口付けというやつだ。
うわぁぁぁぁぁっと感情を表に出したいが、ここにはカイルもエレナもいるし、根本的にここは寮内だ。
そんな気持ちを抑えて、俺は心の中で叫び、ガッツポーズをかましたのだった。
そして部屋で爆睡している2人を叩き起こし、今日のところは解散となった。
◇
あれから1週間経った。
今日が出発の日だ。
魔術対抗試験の次の日から原則長期休みに入るらしい。
そのため授業はなかったが各自魔法の勉強や演習を行っており、俺はそれに参加したり、ライラ魔王にひと勝負挑まれたりと忙しかった。
セリアにウィスパー家へ招かれたりもした。
決してお家デートという楽しいイベントではない。
ウィスパー家直々に今回のことでお礼を兼ねてと食事にお呼ばれしただけだ。
とても気を遣ったが、あれだけ感謝されるとむず痒い。
そうして1週間を過ごし、今日出発の日を迎えた。
俺たちはアーカシス様に教えてもらった転移装置でアークスカイへ向かう直前である。
「では春陽様、カイルさんとミアさんをよろしくお願いします! そしてこの世界を救ってくださいねっ 」
そう見送りの言葉を放ったのはアリアンサだ。
嬉しいことに俺たちを見送るのは彼女だけでなく、この魔術学院の生徒も大勢来てくれた。
もちろんライラやセリア、グレースもだ。
「春陽~、早く行くよっ! 」
「主様~、早く~!」
うちにはせっかちな姫様が2人いるのだ。
……仕方ない、行くか。
「みんな、ありがとうー!!! 」
そう別れを告げて俺たちは魔法陣に乗り、空中都市アークスカイへ向かった。
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