34 / 129
2章 魔術対抗試験編
VS魔術学院首席
しおりを挟む
「おお、早速春陽じゃないか!! それも相手は首席で入学して、現在もトップに君臨し続けているセリアさんとは!」
なるほど。
それはプライドが高くて当たり前だ。
まぁそれはいいとして、空気中の魔力を自由に使えない俺が勝てる相手なのだろうか。
とりあえずもう時間みたいだし、お馴染みの闘技場まで行きますか。
「セリア様の戦いがこんな早く見れるなんて」
「今日はどんな戦い方するんだろうな」
「一瞬で終わらなければいいのだけれど」
さすが首席。
注目の浴び方がおそらく他と段違いなのだろう。
待機室の面々からはセリアの話題で持ち切りだ。
「春陽さん、頑張ってくださいね! 」
「春陽! このセリア色の空気変えてこい!」
そうだ。
俺には2人の強い味方がいる。
それが分かっただけで十分だ。
「じゃあいってくる 」
2人に挨拶して闘技場へ向かった。
◇
闘技場で到着した。
見たところ、2日前と大きく景色は変わっていない。
まぁ変える必要もないのか。
元々頑丈にできてそうだし。
そして向かい30mほど先にはセリア・ウィンドウィスパーが立ちはだかっていた。
そういえば向こう側にも入口があるが、そこから入場してきたのだろうか。
……あ、たしかさっき待機室で、ギルド認定試験の時には開いてなかった扉が開いてた気がするな。
まぁそんなこと気にしても仕方ないか。
「こんなにも早くあなたと戦えるとはね、ハル 」
「さっそく名前を覚えてもらってて光栄だよ、セリアさん」
まず問題はどう戦うかだ。
首席相手に魔力を制限して勝てるものなのか。
一応策を講じてはいるのだが。
『えーっ第1戦目の組み合わせが決まったところで、さっそく模擬戦の方行っていきたいと思います。本日御来席頂いていますのが、魔術大学や騎士団、魔法省といったこの世界で最もといって良いほどの地位を確立されているような団体の関係者様方となっております。 例年、この試験から金の卵が発掘されることになっていますので、参加された学生達は目いっぱい自分をアピールしていって下さい。 ではお2人とも準備はよろしいですか? 』
アリアンサは挨拶が一頻り終わった後、こちらに確認をとってきたため俺は手を挙げて『OK』とサインをした。
セリアも同様に俺と同じポーズをとった。
『試合時間は10分。 では悔いのないように! 始めっ!! 』
「ではまず小手調べねっ! 」
そう言ったセリアは風のエーテルバフを身に纏い、近接攻撃を仕掛けてきた。
「……!? 速っ! 」
普段ならもう少し遅く見えたかもしれないが、何せ魔力に制限がかかっているため体感速度もいつもとは全く違う。
しかし事前に貯蓄している魔力を目に集めていたおかげで間一髪避けることができた。
ちなみに第2試験開始までに空気中の魔力をすかさず集めていたのはここだけの話。
集めていたといっても身体は人間だからか限界もあって、どうやら第1試験程度が精一杯なようだ。
つまり1500程度だと思っている。
「初手で避けられたのは初めてねっ! さすがの魔力量といったところかしら 」
「そりゃどうも 」
余裕ぶっては見せたが、こちとらギリギリだ。
とりあえず相手から漏れ出している魔力だけはすかさず取り込ませてもらう。
風に対して相性が良いのはなんだったかなぁ。
漫画の知識だと火とかだった気がするが、そもそも現実世界の知識が通用するものなのだろうか。
そうと過程して、使う魔法だが、もちろん今の魔力量じゃおそらく聖級や神級なんてものは使えないだろう。
なら使う魔法は決まった。
「さて、ハルはどんな魔法を使うのかしら……!?それは火のエーテルバフ……。風との相性を見越してならあなた、性格悪いって言われない? 」
先程まで余裕の笑みを見せていた彼女だったが、俺の身に纏ったエーテルバフを見て表情が曇り始めた。
それを見るところ、やはり風にとって火は苦手なのだろう。
相性が分かった事だし、とりあえず先手必勝だ。
「こないならこっちからいくぞ! 」
「ええっ! きなさい! 」
シュッシュッ───
拳同士が交じり合うが、実際に拳が激突するのではなく纏っているエーテルバフが擦れたような音が響いている。
そしてお互い間一髪で相手の攻撃を躱し続けている。
だがさすがに元普通の高校生にしては少々ハードだ。
1回も攻撃を当ても当てられもしてないが、一度距離をとることにしよう。
それを察して向こうも一度退いてくれたことでお互い初期位置へと戻ることになった。
ふぅ……結構疲れた。
『残り5分です!』
まじか、あと半分もあるのかよ。
残り魔力もこの感じ多く見積っても900くらいか。
なるほど。
それはプライドが高くて当たり前だ。
まぁそれはいいとして、空気中の魔力を自由に使えない俺が勝てる相手なのだろうか。
とりあえずもう時間みたいだし、お馴染みの闘技場まで行きますか。
「セリア様の戦いがこんな早く見れるなんて」
「今日はどんな戦い方するんだろうな」
「一瞬で終わらなければいいのだけれど」
さすが首席。
注目の浴び方がおそらく他と段違いなのだろう。
待機室の面々からはセリアの話題で持ち切りだ。
「春陽さん、頑張ってくださいね! 」
「春陽! このセリア色の空気変えてこい!」
そうだ。
俺には2人の強い味方がいる。
それが分かっただけで十分だ。
「じゃあいってくる 」
2人に挨拶して闘技場へ向かった。
◇
闘技場で到着した。
見たところ、2日前と大きく景色は変わっていない。
まぁ変える必要もないのか。
元々頑丈にできてそうだし。
そして向かい30mほど先にはセリア・ウィンドウィスパーが立ちはだかっていた。
そういえば向こう側にも入口があるが、そこから入場してきたのだろうか。
……あ、たしかさっき待機室で、ギルド認定試験の時には開いてなかった扉が開いてた気がするな。
まぁそんなこと気にしても仕方ないか。
「こんなにも早くあなたと戦えるとはね、ハル 」
「さっそく名前を覚えてもらってて光栄だよ、セリアさん」
まず問題はどう戦うかだ。
首席相手に魔力を制限して勝てるものなのか。
一応策を講じてはいるのだが。
『えーっ第1戦目の組み合わせが決まったところで、さっそく模擬戦の方行っていきたいと思います。本日御来席頂いていますのが、魔術大学や騎士団、魔法省といったこの世界で最もといって良いほどの地位を確立されているような団体の関係者様方となっております。 例年、この試験から金の卵が発掘されることになっていますので、参加された学生達は目いっぱい自分をアピールしていって下さい。 ではお2人とも準備はよろしいですか? 』
アリアンサは挨拶が一頻り終わった後、こちらに確認をとってきたため俺は手を挙げて『OK』とサインをした。
セリアも同様に俺と同じポーズをとった。
『試合時間は10分。 では悔いのないように! 始めっ!! 』
「ではまず小手調べねっ! 」
そう言ったセリアは風のエーテルバフを身に纏い、近接攻撃を仕掛けてきた。
「……!? 速っ! 」
普段ならもう少し遅く見えたかもしれないが、何せ魔力に制限がかかっているため体感速度もいつもとは全く違う。
しかし事前に貯蓄している魔力を目に集めていたおかげで間一髪避けることができた。
ちなみに第2試験開始までに空気中の魔力をすかさず集めていたのはここだけの話。
集めていたといっても身体は人間だからか限界もあって、どうやら第1試験程度が精一杯なようだ。
つまり1500程度だと思っている。
「初手で避けられたのは初めてねっ! さすがの魔力量といったところかしら 」
「そりゃどうも 」
余裕ぶっては見せたが、こちとらギリギリだ。
とりあえず相手から漏れ出している魔力だけはすかさず取り込ませてもらう。
風に対して相性が良いのはなんだったかなぁ。
漫画の知識だと火とかだった気がするが、そもそも現実世界の知識が通用するものなのだろうか。
そうと過程して、使う魔法だが、もちろん今の魔力量じゃおそらく聖級や神級なんてものは使えないだろう。
なら使う魔法は決まった。
「さて、ハルはどんな魔法を使うのかしら……!?それは火のエーテルバフ……。風との相性を見越してならあなた、性格悪いって言われない? 」
先程まで余裕の笑みを見せていた彼女だったが、俺の身に纏ったエーテルバフを見て表情が曇り始めた。
それを見るところ、やはり風にとって火は苦手なのだろう。
相性が分かった事だし、とりあえず先手必勝だ。
「こないならこっちからいくぞ! 」
「ええっ! きなさい! 」
シュッシュッ───
拳同士が交じり合うが、実際に拳が激突するのではなく纏っているエーテルバフが擦れたような音が響いている。
そしてお互い間一髪で相手の攻撃を躱し続けている。
だがさすがに元普通の高校生にしては少々ハードだ。
1回も攻撃を当ても当てられもしてないが、一度距離をとることにしよう。
それを察して向こうも一度退いてくれたことでお互い初期位置へと戻ることになった。
ふぅ……結構疲れた。
『残り5分です!』
まじか、あと半分もあるのかよ。
残り魔力もこの感じ多く見積っても900くらいか。
10
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーに追放されたアランが望み見る
辻田煙
ファンタジー
過去、アランは勇者パーティーにより、魔王軍に襲われた村から救出された。以降、勇者たちの雑用としてアランは彼らからの精神的肉体的な苦痛に耐えている。村を襲った魔王軍への復讐になると思って。
しかし、アランは自身を魔王軍から救ってくれたはずの勇者パーティーの不正に気付いてしまう。
さらに、警戒していたにも関わらず、ダンジョンのトラップ部屋で勇者達に殺害される。
「やーっと、起きた。アラン」
死んだはずのアランが目を覚ますと、聞こえたのはどこか懐かしい声だった――
数週間後、アランは勇者パーティーの一人である竜人ジェナの前に立っていた。
「見つけたぁ。てめえ、なんで死んでねえんだぁ?」
「遅いよ、ジェナ」
アランの仕掛けたダンジョントラップでボロボロでありながら、なおも不敵に嗤うジェナを前に、アランは復讐の炎を滾らせ戦いに挑む。
救済者と勘違いし気付けなかった過去の自分への戒めと、恨みを持って。
【感想、お気に入りに追加】、エール、お願いいたします!m(__)m
※2024年4月13日〜2024年4月29日連載、完結
※この作品は、カクヨム・小説家になろう・ノベルアップ+にも投稿しています。
【Twitter】(更新報告など)
@tuzita_en(https://twitter.com/tuzita_en)
【主要作品リスト・最新情報】
lit.link(https://lit.link/tuzitaen)
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる