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2章 魔術対抗試験編
第2試験開始
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どうやら第2試験は模擬戦のようだ。
対戦相手はランダムで決められ、試合時間は10分、決着がつかなかった場合でも強制的に終了となる。
もちろん空気中の魔力が使えないというルールも継続。
会場は現在この街で1番印象深いであろうギルドの闘技場らしい。
あそこが観客も入ることを考えると1番場所的にはいいんだろうな。
ちなみに第2試験は今から3時間後だそうだ。
それまでは各自自由時間だ。
「春陽! 試験まで時間もあるし、飯でも食いに行くか! 」
「カイルくん……ご飯はちょっと早いよ……」
「そうか! はっはっはっ!」
ご飯か、たしか試験は昼過ぎだったよな。
「でも試験までには何か食べたいところだな 」
「……だったら私美味しいお店知ってるのでそこ行きますか?」
ミアがそう提案してきた。
「さすが、女の子だな。 そういうのに詳しいんだ 」
「……女の子 」
ミアはそう言うと頬を赤らめて口元を隠している。
何か恥ずかしくさせてしまうことを言ってしまったのだろうか。
見た目通り、おれは現実世界でも女の子と喋ったことがほとんどない。
だから女心というものを全くといっていいほど分からないのだ。
「よし、ミア! エレナお嬢も誘ってそこに行こう!! 」
◇
俺たちはミアがオススメしてくれたお店へと足を運んだ。
「あ~あぁ、エレナも第2試験受けたかったなぁ……」
「エレナお嬢、加減していただろ! 」
「そうだよ、エレナちゃん…… もったいない 」
「だって……主様がぁ 」
「え、ごめんって 」
「!? 春陽が加減しろと言ったのか!! 」
「春陽くん、本当ですか?? 」
なぜ俺が責められる形になったのだ。
俺はただ試験が始まる前に、ギルド認定試験みたいなことしちゃダメだぞって言っただけなのに。
だって皆エレナの力見たらびっくりしちゃうだろ。
「そ、それよりさ……ティアがどこ行ったか知らないか? 」
「主様、話変えた……」
「変えましたね……」
「うむ、変えたな!」
「……けどセレスティア様はこの3日間1度もお会いしてませんね。 そもそもそんな簡単に神様に会える方がおかしいんですけどね 」
「エレナも知らな~い 」
「もちろん俺も知らんぞ! 」
そうだよな。
久しぶりに会ったアーカシス様と積もる話でもあるのだろうか。
「ボクのこと呼んだかい? 」
目の前には3日ぶりに会った妖精……いや神様がいた。
「ティア! どこ行ってたんだ? 」
「春陽くん、心配した? ねぇ心配したの? 」
セレスティアは小さな肘で小突いてきながらそう言ってきた。
確かに心配してなかったと言えば嘘になる。
こっちの世界に来て、初めて会い、ずっと一緒に居たのだから。
「はいはい、心配しましたよ! で?どこ行ってたんだ? 」
すると、セレスティアの顔色が曇っていき、
「アーカシスに魔力障壁のこと、魔族のこと、魔力抗争のこと1から叩き込まれたんだ……」
よほどアーカシス様の指導がきつかったんだろうな。
◇
第2試験開始までもうすぐのため、俺たちは会場まで移動した。
ちなみに神は試験の公平性を期すために同席が禁じられているためアーカシスと共に試合をみるらしい。
そして待機室で模擬戦まで待てば良いらしい。
試合開始まであと10分、さすがにほとんど揃っており、ギルド試験の時はガラガラだった待機室もかなり混雑している。
だが、1人1人座る場所はあるようだ。
そうしているともう今は見慣れたモニターから、
『皆さんお集まり頂けたでしょうか? 第2試験 1試合目の組み合わせを発表いたします 』
アリアンサだな。
もう発表されるのか。
しかし25試合あるのだから気が遠くなるな。
『高橋 春陽 VS セリア・ウィンドウィスパー 』
……早速だし、エリートとじゃん。
空気中の魔力が使えない俺、どうしようか。
対戦相手はランダムで決められ、試合時間は10分、決着がつかなかった場合でも強制的に終了となる。
もちろん空気中の魔力が使えないというルールも継続。
会場は現在この街で1番印象深いであろうギルドの闘技場らしい。
あそこが観客も入ることを考えると1番場所的にはいいんだろうな。
ちなみに第2試験は今から3時間後だそうだ。
それまでは各自自由時間だ。
「春陽! 試験まで時間もあるし、飯でも食いに行くか! 」
「カイルくん……ご飯はちょっと早いよ……」
「そうか! はっはっはっ!」
ご飯か、たしか試験は昼過ぎだったよな。
「でも試験までには何か食べたいところだな 」
「……だったら私美味しいお店知ってるのでそこ行きますか?」
ミアがそう提案してきた。
「さすが、女の子だな。 そういうのに詳しいんだ 」
「……女の子 」
ミアはそう言うと頬を赤らめて口元を隠している。
何か恥ずかしくさせてしまうことを言ってしまったのだろうか。
見た目通り、おれは現実世界でも女の子と喋ったことがほとんどない。
だから女心というものを全くといっていいほど分からないのだ。
「よし、ミア! エレナお嬢も誘ってそこに行こう!! 」
◇
俺たちはミアがオススメしてくれたお店へと足を運んだ。
「あ~あぁ、エレナも第2試験受けたかったなぁ……」
「エレナお嬢、加減していただろ! 」
「そうだよ、エレナちゃん…… もったいない 」
「だって……主様がぁ 」
「え、ごめんって 」
「!? 春陽が加減しろと言ったのか!! 」
「春陽くん、本当ですか?? 」
なぜ俺が責められる形になったのだ。
俺はただ試験が始まる前に、ギルド認定試験みたいなことしちゃダメだぞって言っただけなのに。
だって皆エレナの力見たらびっくりしちゃうだろ。
「そ、それよりさ……ティアがどこ行ったか知らないか? 」
「主様、話変えた……」
「変えましたね……」
「うむ、変えたな!」
「……けどセレスティア様はこの3日間1度もお会いしてませんね。 そもそもそんな簡単に神様に会える方がおかしいんですけどね 」
「エレナも知らな~い 」
「もちろん俺も知らんぞ! 」
そうだよな。
久しぶりに会ったアーカシス様と積もる話でもあるのだろうか。
「ボクのこと呼んだかい? 」
目の前には3日ぶりに会った妖精……いや神様がいた。
「ティア! どこ行ってたんだ? 」
「春陽くん、心配した? ねぇ心配したの? 」
セレスティアは小さな肘で小突いてきながらそう言ってきた。
確かに心配してなかったと言えば嘘になる。
こっちの世界に来て、初めて会い、ずっと一緒に居たのだから。
「はいはい、心配しましたよ! で?どこ行ってたんだ? 」
すると、セレスティアの顔色が曇っていき、
「アーカシスに魔力障壁のこと、魔族のこと、魔力抗争のこと1から叩き込まれたんだ……」
よほどアーカシス様の指導がきつかったんだろうな。
◇
第2試験開始までもうすぐのため、俺たちは会場まで移動した。
ちなみに神は試験の公平性を期すために同席が禁じられているためアーカシスと共に試合をみるらしい。
そして待機室で模擬戦まで待てば良いらしい。
試合開始まであと10分、さすがにほとんど揃っており、ギルド試験の時はガラガラだった待機室もかなり混雑している。
だが、1人1人座る場所はあるようだ。
そうしているともう今は見慣れたモニターから、
『皆さんお集まり頂けたでしょうか? 第2試験 1試合目の組み合わせを発表いたします 』
アリアンサだな。
もう発表されるのか。
しかし25試合あるのだから気が遠くなるな。
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……早速だし、エリートとじゃん。
空気中の魔力が使えない俺、どうしようか。
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