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2章 魔術対抗試験編

魔術対抗試験開始

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 ギルド認定試験から2日経過した。
 実はあの後、初のSSランク冒険者誕生!
 なんてビラが街に配られたせいで少しばかり有名人になってしまっていた。
 初めの頃は取材がきたりと忙しかったが、エレナに幻影魔法をかけてもらい、身を隠していたおかげで騒ぎは収まっていったのだ。

 そんなこんなで今日は魔術対抗試験だ。
 そして俺たちは魔術学院の広い体育館のようなところに集められている。

「試験楽しみだなぁ!! 春陽!! 」
 カイルはこの1年に1回行われる魔術対抗試験が楽しみらしい。

「まぁ俺もこういう学生のイベントってのは楽しみだな」

「主様! エレナも全力出していいんだよね? 」

「いやいや、この前のギルド認定試験みたいなことしちゃダメだぞ……ってお前ここにいるの? 」

「エレナちゃん、自分も試験出るって聞かなくて…… 学院長にお願いしたら今回は特別にって…… 」
 ミアは少し困り顔でそう言ってきた。
 きっとこの2日大変だったのだろう。

「ミアも大変だったんだな……  」

「……いえいえ 」

 そんな話をしていると壇上では学院長アリアンサ・アークライトがマイクのテスト中をしていた。
 少し緊張しているのか声が震えている。

「皆さん、おはようございます! 」

「「「おはようございます!」」」

 さすが、マンモス校。
 挨拶もすごい声量だ。
 それもそのはず、この広い体育館に1000人近く入っているのだから。

「毎年恒例の魔術対抗試験を行います。 例年通り、試験内容は当日の発表となるので、今から第1試験の内容を発表いたします  」

 ザワザワッ───

 生徒全員気になるのだろう、少し物音や話し声が一瞬だけ大きくなった。

「ではまず第1試験ですが、魔力量測定を行います   」
 すると、入口から教員だろうか?10人ほどの大人が人サイズのクリスタルを持ち運んできた。

「見たとおり、こちらは魔力測定装置です。 これに魔力を込めると、クリスタルにぶら下がっている小さなモニターに数値が表示されるので、その値上位50名が第2試験の挑戦権か得られます   」

 なら第1試験は簡単だな。
 いつも通り魔力を取り込んで魔力測定装置に魔法をぶち込めばいいだけだ。
 たださっきから気になるのだが、この会場だけなぜか魔力濃度が薄いんだよな。
 こんなに薄い空間初めて見たんだけど。

「春陽なら余裕だろ!! 」
「……まぁそうだな  ミアとカイルは去年も受けたんだよな?  」
「私達は去年、最終試験までいってますよ」

 やはり2人は実力者だったんだな。

「尚、この魔術対抗試験は毎年、空気中の魔力をできる限り排除し、できる限り公平性を持たせております  」

 え?
 やっぱり魔力濃度が薄いと感じたのは気のせいじゃなかったのか。
 空気中の魔力を使えない俺なんてただの人だよ?

 高橋 春陽17歳。
 第1試験から難関がやってきました。
 
 
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