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2章 魔術対抗試験編
到着
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「うむ、なるほど。 つまり春陽は魔族に協力している裏切り者を探していて、この街アルカナの神アーカシス様に話を伺いにきたと。そしてあの魔族は成り行きで付いてくることになって、今や目を離せない妹のような存在となっているということか? 」
このシリウスという男、理解力がバケモノだ。
大雑把に1度話しただけにも関わらず、言葉の真意まで紐解いて、伝えてもいない事実ですら汲み取ってしまっている。
たしかにエレナのことは目が離せない妹みたいな存在だなとは思っていたが言葉にはしていない。
こいつ……できる!!
「ああ、そうなんだが、そんな簡単に信じていいのか? 」
「信じるも何も、お前はこの私より強く強大な力を持っている。その気になればこの街など一瞬で消しされるはずだ。そんなお前が街を一切傷つけず、私の力を無力化させた。これ以上に信頼できることはないだろう。いや、春陽……私はそんなお前を信じたいと思ったのだ 」
「ありがとう、シリウス 」
「気にせず行け! 困ったら緋光の守護騎士団に頼ってくれ 」
シリウスは後ろで伸されている騎士団の兵隊をたたき起こしてその場を去った。
そろそろエレナは魔術学院に着いただろうか。
それ以前にセレスティアは神アーカシス様に話をつけることができたのか。
気になることは多いが、答えはきっと学院にあるはず。
◇
学院の門前まで到着した。
およそ高さ俺の身長の2倍以上はあり、幅も大きなトラックすら入れそうな広さだ。
時間にして夕刻を指しているにも関わらず、門は全開であり、中には庭園が広がっている。
そして庭園にはミアやカイルが着ていたような白いローブを着用している生徒達がたくさんいるようで、学年によってなのか、赤、青、黄色の縦ラインがそれぞれ入っているというデザインだ。
その庭園を通り過ぎ、その先にある入口から俺は学院に入った。
ザワザワッ───
ここにもたくさんの生徒がいるんだな。
あちこちで賑わっており、この学院が活発であることが伝わってくる。
「……あの、春陽さん?」
聞き覚えのある可愛い声だ。
「おぉ! ミア、こんなに人がいるのによくわかったな! 」
「……そりゃ制服を着ていない人は目立ちますよ 」
俺が当たり前の事を言ったのがおかしかったのか、そう言ってミアはふふっと微笑んだ。
それもそのはず、こんな同じ制服の中に異物が混じっているのだ。
ゾウばかりいるサファリパークにキリン1頭いるようなものかもしれない。
「そうだ! 俺学院長の部屋を探してるんだけど、知らないか? 」
「……あ、ちょうど私も学院長に呼ばれてるので、それだったら一緒に行きますか? 」
今日の俺はツイてるぜ。
とでも言いたくなるようなタイミングだった。
何を言ってるんだと思われそうなので、実際には言わないが……。
そうして、ミアの案内のもと学院長室へ出向くのであった。
このシリウスという男、理解力がバケモノだ。
大雑把に1度話しただけにも関わらず、言葉の真意まで紐解いて、伝えてもいない事実ですら汲み取ってしまっている。
たしかにエレナのことは目が離せない妹みたいな存在だなとは思っていたが言葉にはしていない。
こいつ……できる!!
「ああ、そうなんだが、そんな簡単に信じていいのか? 」
「信じるも何も、お前はこの私より強く強大な力を持っている。その気になればこの街など一瞬で消しされるはずだ。そんなお前が街を一切傷つけず、私の力を無力化させた。これ以上に信頼できることはないだろう。いや、春陽……私はそんなお前を信じたいと思ったのだ 」
「ありがとう、シリウス 」
「気にせず行け! 困ったら緋光の守護騎士団に頼ってくれ 」
シリウスは後ろで伸されている騎士団の兵隊をたたき起こしてその場を去った。
そろそろエレナは魔術学院に着いただろうか。
それ以前にセレスティアは神アーカシス様に話をつけることができたのか。
気になることは多いが、答えはきっと学院にあるはず。
◇
学院の門前まで到着した。
およそ高さ俺の身長の2倍以上はあり、幅も大きなトラックすら入れそうな広さだ。
時間にして夕刻を指しているにも関わらず、門は全開であり、中には庭園が広がっている。
そして庭園にはミアやカイルが着ていたような白いローブを着用している生徒達がたくさんいるようで、学年によってなのか、赤、青、黄色の縦ラインがそれぞれ入っているというデザインだ。
その庭園を通り過ぎ、その先にある入口から俺は学院に入った。
ザワザワッ───
ここにもたくさんの生徒がいるんだな。
あちこちで賑わっており、この学院が活発であることが伝わってくる。
「……あの、春陽さん?」
聞き覚えのある可愛い声だ。
「おぉ! ミア、こんなに人がいるのによくわかったな! 」
「……そりゃ制服を着ていない人は目立ちますよ 」
俺が当たり前の事を言ったのがおかしかったのか、そう言ってミアはふふっと微笑んだ。
それもそのはず、こんな同じ制服の中に異物が混じっているのだ。
ゾウばかりいるサファリパークにキリン1頭いるようなものかもしれない。
「そうだ! 俺学院長の部屋を探してるんだけど、知らないか? 」
「……あ、ちょうど私も学院長に呼ばれてるので、それだったら一緒に行きますか? 」
今日の俺はツイてるぜ。
とでも言いたくなるようなタイミングだった。
何を言ってるんだと思われそうなので、実際には言わないが……。
そうして、ミアの案内のもと学院長室へ出向くのであった。
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