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2章 魔術対抗試験編
アルカナ最強の男
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俺が目の前のシリウス・アークライトに対してセラフィムの聖光剣を構えた後、エレナには魔術学院へ向かわせた。
「命令だ。あの魔族を追え! 」
彼の命令に対してハッ!と敬礼をし、遂行しようとした兵隊達に俺は重力魔法をぶつけた。
「「グハッ!」」
瞬く間に全隊員は這いつくばる姿となった。
「……!! お前何をした? 」
さすがのシリウスも俺のことを警戒したようだ。
しかしなぜかあの剣士には全く魔法の効果がない。
剣のせいか、もしくはあいつの持つ魔力が強大だからか。
どっちにしても俺は戦わなければならない。
「ただの魔法だよ。 加減はしたから、大事ないと思う 」
「そういうことを聞いてるわけではない! この人数の兵隊全てに重力魔法をかけるなど聞いたこともないぞ。 そのような魔力を人間が使えるはず……!? そしてその手に持つ剣はなんだ? まさか貴様が『魔族』だったのか」
驚きを隠せずいるのか、シリウスが急にペラペラと喋り始めた。
しかしさすが実力者といったところか、すぐに息を整え直し、剣を構えている。
そして、すかさず斬りこんできた。
ガッ───
お互いの剣が荒々しく交わる。
近くにくるとシリウスの剣が強い魔力を纏っていることがよく分かる。
しかしセラフィムの聖光剣は魔力を吸収するようだ。
交わった剣から直接魔力を吸い取っている。
それに一瞬で気づいたシリウスは俺の剣から離れるため、後方へ飛び退いた。
「貴様の実力を見誤っていたようだ。 私が生きていた中で最強の敵と言えよう 」
「それはどうも。 ではここで試合終了……というわけには行きませんかね? 」
「いかんな。 このエクリプス・ブレードの奥義で貴様を葬ることにする! 」
マジか。
果たしてあのヤバい技をこの創った剣で止めることができるのか。
「精霊の剣撃」
シリウスのエクリプス・ブレードなる剣先に魔力に似た何かが集まっていく。
それがさらに剣全体を輝かせ、より巨大にさせている。
その凄まじい輝きを纏った剣撃を斬り込むと同時に飛ばしてきた。
すると、セラフィムの聖光剣を通して魔力が俺に流れてきた。
なるほど。
どうやらこの剣を使って魔法を生み出せそうだな。
なんとかこの剣を媒体に、あの技級もしくはそれ以上のものを放つしかない。
……よし、決まった。
俺は剣先に魔力を込めた。
「聖光の結界」
俺の声と同時に剣先から目の前の剣撃より遥かに大きな結界を張り、技を受け止める。
主にこの結界は受け止めることが目的ではなく、威力を倍増させて跳ね返すことが目的であるようだが、これを跳ね返すとなると街は無事では済まないだろう。
そのため、結界を張った瞬間からこの剣撃を空へ跳ね返すと決めていた。
シュンッ───
シリウスが放った剣撃は俺の結界によって空へ跳ね返され、雲をも切り裂く威力で彼方へ消えていく。
誰も傷つかず、街も壊さない技をと神器にお願いしてよかった。
「私の精霊の剣撃を……。最早私に敵う相手ではなかったのだ……。殺せ」
シリウスは地にあぐらをかいて目を瞑っている。
いつでも殺せと覚悟を伝えてきた。
「じゃあさ、1回死んだと思って話だけでも聞いてくれない? 」
「……? 」
再び目を開けてこちらを見たシリウスは一瞬、疑問を持った顔をしたが、間もなく頷いてくれた。
そして、ここに来た経緯と目的をすべて話すことにした。
「命令だ。あの魔族を追え! 」
彼の命令に対してハッ!と敬礼をし、遂行しようとした兵隊達に俺は重力魔法をぶつけた。
「「グハッ!」」
瞬く間に全隊員は這いつくばる姿となった。
「……!! お前何をした? 」
さすがのシリウスも俺のことを警戒したようだ。
しかしなぜかあの剣士には全く魔法の効果がない。
剣のせいか、もしくはあいつの持つ魔力が強大だからか。
どっちにしても俺は戦わなければならない。
「ただの魔法だよ。 加減はしたから、大事ないと思う 」
「そういうことを聞いてるわけではない! この人数の兵隊全てに重力魔法をかけるなど聞いたこともないぞ。 そのような魔力を人間が使えるはず……!? そしてその手に持つ剣はなんだ? まさか貴様が『魔族』だったのか」
驚きを隠せずいるのか、シリウスが急にペラペラと喋り始めた。
しかしさすが実力者といったところか、すぐに息を整え直し、剣を構えている。
そして、すかさず斬りこんできた。
ガッ───
お互いの剣が荒々しく交わる。
近くにくるとシリウスの剣が強い魔力を纏っていることがよく分かる。
しかしセラフィムの聖光剣は魔力を吸収するようだ。
交わった剣から直接魔力を吸い取っている。
それに一瞬で気づいたシリウスは俺の剣から離れるため、後方へ飛び退いた。
「貴様の実力を見誤っていたようだ。 私が生きていた中で最強の敵と言えよう 」
「それはどうも。 ではここで試合終了……というわけには行きませんかね? 」
「いかんな。 このエクリプス・ブレードの奥義で貴様を葬ることにする! 」
マジか。
果たしてあのヤバい技をこの創った剣で止めることができるのか。
「精霊の剣撃」
シリウスのエクリプス・ブレードなる剣先に魔力に似た何かが集まっていく。
それがさらに剣全体を輝かせ、より巨大にさせている。
その凄まじい輝きを纏った剣撃を斬り込むと同時に飛ばしてきた。
すると、セラフィムの聖光剣を通して魔力が俺に流れてきた。
なるほど。
どうやらこの剣を使って魔法を生み出せそうだな。
なんとかこの剣を媒体に、あの技級もしくはそれ以上のものを放つしかない。
……よし、決まった。
俺は剣先に魔力を込めた。
「聖光の結界」
俺の声と同時に剣先から目の前の剣撃より遥かに大きな結界を張り、技を受け止める。
主にこの結界は受け止めることが目的ではなく、威力を倍増させて跳ね返すことが目的であるようだが、これを跳ね返すとなると街は無事では済まないだろう。
そのため、結界を張った瞬間からこの剣撃を空へ跳ね返すと決めていた。
シュンッ───
シリウスが放った剣撃は俺の結界によって空へ跳ね返され、雲をも切り裂く威力で彼方へ消えていく。
誰も傷つかず、街も壊さない技をと神器にお願いしてよかった。
「私の精霊の剣撃を……。最早私に敵う相手ではなかったのだ……。殺せ」
シリウスは地にあぐらをかいて目を瞑っている。
いつでも殺せと覚悟を伝えてきた。
「じゃあさ、1回死んだと思って話だけでも聞いてくれない? 」
「……? 」
再び目を開けてこちらを見たシリウスは一瞬、疑問を持った顔をしたが、間もなく頷いてくれた。
そして、ここに来た経緯と目的をすべて話すことにした。
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