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「すきに、して」
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既に感覚が無いのでは、と思うほどにリナリのそこは解され、蕩けている。
(痛い、けど、それより……あつい……)
最初は痛いもの、と口を酸っぱくして言われていた。
それでもハルトリードを受け入れたいという思いが覚悟を決めたが、執拗な前戯により、割り裂かれる痛み自体はそれほどでもなかった。
問題は。
(おおきい……? わからな……)
「っあ、あんっ……」
リナリは急に声が出てしまう。
しばらくはじっと何かに耐えていたハルトリードが思わず、と腰を動かしたからだ。本能的に、反動で、中をじんわり攻め立てられて意図せず啼く。
「っ、ごめん、むり、うごく……!」
見上げた先のむっつり顔は、脂汗を浮かべ男の顔をしていた。
獣のような目だった。
最初はゆっくり、互いの体液を擦り付けるように、リナリに形を刻むように、往復する。
リナリは、近くこうなると、関係が変わると予想して知識を得ていた。恋物語の表面上柔らかな描写ではなく、こうすべきという貴族女性の知識でもなく。
男性用の指南書から。
知るべきは、男性の目線だと、思ったからだ。
男性側が――ハルトリードが求めている事、相手を想う上で女性側がどうすればいいかを、知りたかった。
(ハルトさま、我慢、してる……? 私のこと気遣って……)
指南書通り、ハルトリードは女性優先の動きをしていた。
すぐに挿入して、すぐに腰を振って、大きく、激しく突きたいのが男だと、指南書にはあった。
頭で考える前に男性器が反応する。それを楽にするために動きたい本能が勝るのだと。
愛ある性交のためには、それを我慢してまずは女性を良くしましょう、と、あった。
(いたくない……苦しい、けど、大丈夫)
リナリの両膝を広げるようにしてゆっくり腰を動かしている体勢のハルトリードを、意図せず煽った。
両脚で挟み込むようにしたら、より体を、結合部を更に密着させる事に成功した。
「っぐ、リナリ、まって」
「ハルト様、だいじょうぶ、私、もういいです、から、もっと……すきに、して、っ、あっ!」
リナリはのけ反り喉を晒すように喘いだ。ハルトリードが辛抱堪らず挿入を深くし、回すように動かしたからだ。
「……しらない、からな、とまらない……!」
「あんっ、ああぁっ! や、あっ!」
素早い前後の動きによって体全体が揺さぶられる。
下から押し出されるような、自分でも聞いたことのない声が勝手に出る。
解れていながらしかし硬かった膣内は、何度も行き来する剛直により拡げられ、慣れる。
何より、リナリの心が、応える。一度達したのもあり快感を得やすくなっている。
ハルトリードが、動きをそのままにリナリの揺れる丘にむしゃぶりついた。
思わず縋り付くためにその頭を抱え込むようにしてしまったのが、まるで自分に押さえつけたようでリナリは羞恥を覚えた。
膣内もそう反応する。
「あぁ、すごい、リナリ……なか、僕の、を……! さそって、離さない……!」
リナリは自身の体内の事など制御できない。直接の感覚も恐らく、ない。
だが、そう言われて納得する位には、ハルトリードを求めているのは確か。
「ハルト、さまっ、ハルトさま……! すき、すきです、ん、っ、ふぅっ」
今度は唇に噛みつかれた。実際に歯を立てている訳ではないのに、本当に、食べられている錯覚に陥る。
口内も膣内も、内から喰らい尽くされるような乱暴な、しかしリナリにとっては激しく甘い感覚。苦しさに喘ぐと淫らな声も出る。
密着した肌が、互いに高まった熱で、表面を滲む汗で、溶け混じり合うようだった。
悦び、どこか未知の恐怖を伴って、じわじわと高みへ導かれていく。
(からだ、へん……っ、自分の、じゃない、みたい……!)
広がる快感は何処から来て、何処へ行くのか、リナリは全く知らないし予想が出来ない。
絶頂の経験はあるが、それよりもっと質の違ったものが這い上がり、身体を満たしていく。
脳が、何も考えられない。
粘着質だったり、逆に肌を打ち付ける乾いた音だったり。そんな耳から入ってくるだけの、淫猥な色々絡み合った音の元など分からない。
ただ、ハルトリードが快感に染まった顔をしてリナリを見ている。呼んで、愛を囁く。激しく求めている。
それだけ分かればいい。
リナリの膣内が伸縮し出した。小さく細かい絶頂だ。来る大きな波の前兆でしかないそれに翻弄された。
自分ではどうしようもない、届きそうで届かない。
「ハルトさま、やっ……! だめ、たすけて、もっと……、おねが……っ」
両手を真っ直ぐ伸ばし、意識せずはしたなく懇願した。
「リナリ、かわい、っ……ああ、もうすきだ……わかった、から、奥は、まだきついとおもう、っ」
ハルトリードは一度腰を引き、少し浅いところで腰を揺らした。小刻みに、激しく。先端を形作る引っ掛かりで、リナリの中を擦り押し上げる。
「あ、それ……っ、まえっ、へんになる、とこ……!」
リナリの性感帯を一点に内から攻め出した。指とは違う、太く熱いもので。
動きは止まらない。
「や、だめ、あっ、あん、あ……っ、ハルト、さま、ハルトさま……っ」
リナリは、大きく跳ね、息を詰めて、襲い来る快感を受け止めた。生理的な涙が目尻を伝い流れる。
いつまでも息は止めておけない。呼吸のために開いた口からは悲鳴に近い嬌声が出てしまう。
「っ、もう、むりだって……むっつり、すけべでもいい」
(むっつり、すけべ?)
ハルトリードが完全に理性を失くしたように。がつがつと喰らうかのように激しい前後運動を再開した。時折突き上げ、腰を回す。
お互い、まるで獣のようにまともな言葉などなく、求め合った。
どれだけ時間が経ったのか、二人は知る由もない。その間、リナリは何度も達した。
対面だけではなく、時折上体を起こされ、または座ったまま背後から抱えるようにして。ハルトリードはリナリの至るところに口付け、至るところを目にしたがった。
「全部、リナリをみたい」
そう言われれば、羞恥などリナリにとっては我慢できた。
「射精そう……」
また対面に戻って抱き合うように、ハルトリードは腰を振りつつそう呟く。
「っ、だしたくない……だしたい」
終わらせたくないのだと、ハルトリードは言う。
そう言いつつも、動きは止まらずじわじわとその時が迫る。
リナリは、もう体力が限界に近かった。
「ハルトさま、っ、また、次に……っ、あんっ、これで、最後じゃない……からっ、あっ! やぁっ」
ハルトリードがリナリの腰を固定して、荒い息を短く何度も吐き出した。追い立てられるように激しく動くのに合わせて。
「次、つぎも、いい……!? リナリ、また抱いて……っ、あ、っ、イく、でる、でる……っ」
ハルトリードが大きく体を揺らし、前傾にリナリに圧しかかる。
余韻に腰を振り切るようにして、果てた。
(痛い、けど、それより……あつい……)
最初は痛いもの、と口を酸っぱくして言われていた。
それでもハルトリードを受け入れたいという思いが覚悟を決めたが、執拗な前戯により、割り裂かれる痛み自体はそれほどでもなかった。
問題は。
(おおきい……? わからな……)
「っあ、あんっ……」
リナリは急に声が出てしまう。
しばらくはじっと何かに耐えていたハルトリードが思わず、と腰を動かしたからだ。本能的に、反動で、中をじんわり攻め立てられて意図せず啼く。
「っ、ごめん、むり、うごく……!」
見上げた先のむっつり顔は、脂汗を浮かべ男の顔をしていた。
獣のような目だった。
最初はゆっくり、互いの体液を擦り付けるように、リナリに形を刻むように、往復する。
リナリは、近くこうなると、関係が変わると予想して知識を得ていた。恋物語の表面上柔らかな描写ではなく、こうすべきという貴族女性の知識でもなく。
男性用の指南書から。
知るべきは、男性の目線だと、思ったからだ。
男性側が――ハルトリードが求めている事、相手を想う上で女性側がどうすればいいかを、知りたかった。
(ハルトさま、我慢、してる……? 私のこと気遣って……)
指南書通り、ハルトリードは女性優先の動きをしていた。
すぐに挿入して、すぐに腰を振って、大きく、激しく突きたいのが男だと、指南書にはあった。
頭で考える前に男性器が反応する。それを楽にするために動きたい本能が勝るのだと。
愛ある性交のためには、それを我慢してまずは女性を良くしましょう、と、あった。
(いたくない……苦しい、けど、大丈夫)
リナリの両膝を広げるようにしてゆっくり腰を動かしている体勢のハルトリードを、意図せず煽った。
両脚で挟み込むようにしたら、より体を、結合部を更に密着させる事に成功した。
「っぐ、リナリ、まって」
「ハルト様、だいじょうぶ、私、もういいです、から、もっと……すきに、して、っ、あっ!」
リナリはのけ反り喉を晒すように喘いだ。ハルトリードが辛抱堪らず挿入を深くし、回すように動かしたからだ。
「……しらない、からな、とまらない……!」
「あんっ、ああぁっ! や、あっ!」
素早い前後の動きによって体全体が揺さぶられる。
下から押し出されるような、自分でも聞いたことのない声が勝手に出る。
解れていながらしかし硬かった膣内は、何度も行き来する剛直により拡げられ、慣れる。
何より、リナリの心が、応える。一度達したのもあり快感を得やすくなっている。
ハルトリードが、動きをそのままにリナリの揺れる丘にむしゃぶりついた。
思わず縋り付くためにその頭を抱え込むようにしてしまったのが、まるで自分に押さえつけたようでリナリは羞恥を覚えた。
膣内もそう反応する。
「あぁ、すごい、リナリ……なか、僕の、を……! さそって、離さない……!」
リナリは自身の体内の事など制御できない。直接の感覚も恐らく、ない。
だが、そう言われて納得する位には、ハルトリードを求めているのは確か。
「ハルト、さまっ、ハルトさま……! すき、すきです、ん、っ、ふぅっ」
今度は唇に噛みつかれた。実際に歯を立てている訳ではないのに、本当に、食べられている錯覚に陥る。
口内も膣内も、内から喰らい尽くされるような乱暴な、しかしリナリにとっては激しく甘い感覚。苦しさに喘ぐと淫らな声も出る。
密着した肌が、互いに高まった熱で、表面を滲む汗で、溶け混じり合うようだった。
悦び、どこか未知の恐怖を伴って、じわじわと高みへ導かれていく。
(からだ、へん……っ、自分の、じゃない、みたい……!)
広がる快感は何処から来て、何処へ行くのか、リナリは全く知らないし予想が出来ない。
絶頂の経験はあるが、それよりもっと質の違ったものが這い上がり、身体を満たしていく。
脳が、何も考えられない。
粘着質だったり、逆に肌を打ち付ける乾いた音だったり。そんな耳から入ってくるだけの、淫猥な色々絡み合った音の元など分からない。
ただ、ハルトリードが快感に染まった顔をしてリナリを見ている。呼んで、愛を囁く。激しく求めている。
それだけ分かればいい。
リナリの膣内が伸縮し出した。小さく細かい絶頂だ。来る大きな波の前兆でしかないそれに翻弄された。
自分ではどうしようもない、届きそうで届かない。
「ハルトさま、やっ……! だめ、たすけて、もっと……、おねが……っ」
両手を真っ直ぐ伸ばし、意識せずはしたなく懇願した。
「リナリ、かわい、っ……ああ、もうすきだ……わかった、から、奥は、まだきついとおもう、っ」
ハルトリードは一度腰を引き、少し浅いところで腰を揺らした。小刻みに、激しく。先端を形作る引っ掛かりで、リナリの中を擦り押し上げる。
「あ、それ……っ、まえっ、へんになる、とこ……!」
リナリの性感帯を一点に内から攻め出した。指とは違う、太く熱いもので。
動きは止まらない。
「や、だめ、あっ、あん、あ……っ、ハルト、さま、ハルトさま……っ」
リナリは、大きく跳ね、息を詰めて、襲い来る快感を受け止めた。生理的な涙が目尻を伝い流れる。
いつまでも息は止めておけない。呼吸のために開いた口からは悲鳴に近い嬌声が出てしまう。
「っ、もう、むりだって……むっつり、すけべでもいい」
(むっつり、すけべ?)
ハルトリードが完全に理性を失くしたように。がつがつと喰らうかのように激しい前後運動を再開した。時折突き上げ、腰を回す。
お互い、まるで獣のようにまともな言葉などなく、求め合った。
どれだけ時間が経ったのか、二人は知る由もない。その間、リナリは何度も達した。
対面だけではなく、時折上体を起こされ、または座ったまま背後から抱えるようにして。ハルトリードはリナリの至るところに口付け、至るところを目にしたがった。
「全部、リナリをみたい」
そう言われれば、羞恥などリナリにとっては我慢できた。
「射精そう……」
また対面に戻って抱き合うように、ハルトリードは腰を振りつつそう呟く。
「っ、だしたくない……だしたい」
終わらせたくないのだと、ハルトリードは言う。
そう言いつつも、動きは止まらずじわじわとその時が迫る。
リナリは、もう体力が限界に近かった。
「ハルトさま、っ、また、次に……っ、あんっ、これで、最後じゃない……からっ、あっ! やぁっ」
ハルトリードがリナリの腰を固定して、荒い息を短く何度も吐き出した。追い立てられるように激しく動くのに合わせて。
「次、つぎも、いい……!? リナリ、また抱いて……っ、あ、っ、イく、でる、でる……っ」
ハルトリードが大きく体を揺らし、前傾にリナリに圧しかかる。
余韻に腰を振り切るようにして、果てた。
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