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(ようやく、繋がった)

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 未来の夫婦の寝室は灯りが残ったまま、しかしどこか仄暗く、双方の顔、目の奥、瞳孔が見えるほどには明るい。
 理性と意識を保つほどに明るくなく、寝入る程に暗くもない。
 夜の空気と混じり、それは微かに甘い情事の雰囲気を醸し出すのを手伝った。

 リナリを抱擁したままの形で、抱き上げるようにしてベッドへ体を向けた。
「ハ、ハルトさま……」
 リナリは両脚が宙に浮いて少したじろぐが、しっかりとしたハルトリードの首に腕を回し、しがみついた。
(やば、やわらか)
 薄いシャツ越しに、更に薄いレースの下着に包まれたリナリの柔らかさが、まるで直接触れているような感覚を伝えてくる。
 ハルトリードはリナリの背と腰を裏から支え、ゆっくりベッドの上に下ろし寝かせた。そのままリナリの顔の横に手をつき覆いかぶさる。

「リナリ。いい?」
「……はい」
 ぼうっと、真っ赤な顔で見上げてくるリナリ。
 ハルトリードは、胸の前で揃えていた小さな手を掴みシーツに押さえつける。勿論、ゆるく、誘うようにして。
「んっ」
「……リナリ、いい匂い」
 首筋に鼻と口を押し付けるようにして、嗅ぐ。同時にリップ音を立てながら口付けも。
「あ、お風呂……ミエーラーの、入浴剤を……っ、んっ」
 二人が共通して愛用する香水のメーカーブランド。香水のみならず様々な入浴剤も販売しており、それを使ったのだ。
「良い、好きな匂い……リナリの匂い好き……」
「やっ……私の、匂いは」
「好き、リナリ……」

 浮き上がる鎖骨にまで唇が到達して、吸い上げ痕をつけながら、ハルトリードは片手でいそいそと下履きを寛げた。
 窮屈に納まっていたものが飛び出るように現れる。リナリは気付いていない。

 ハルトリードは少し上体を起こし、リナリのナイトドレスを見た。
 中央、胸元は同じ生地の透けたリボンが長く垂れて、まさに引っ張れ、と言わんばかりに主張している。
「これ」
「あ、っ、それ、引くと……前」
 する、と抵抗などなく解かれて、そのリボンは実はドレスの裾の一部だったと知った。
 解けたと同時に前が全開する仕組みのようだ。

 ハルトリードは赤い顔を隠すリナリの手を再度固定して、僅かに引っかかる裾を口で避けた。
 ドレスとセットになったフリルレースの下着が現れた。ナイトドレスは肝心の部分が見えないのではなく、この下着がしっかり透けていたらしい。
 その下着は本来の役割を果たさない。いや、男を誘うための夜着として正しく機能している。
 興奮による主張がくっきりと。
「たってる……」
「ぅ、うっ……」
 羞恥で涙目になるリナリだが、その顔は先を求めている。
 ハルトリードを、求めていた。

 胸を覆う薄い、もはや下着とは言えない布に舌を這わせた。立ち上がる先端の引っかかりがハルトリードの舌を楽しませる。
 薄いとはいえ布越し。多少舌に力を込める。
「あ、あっ、それ、や、へん……」
「へん? いや?」
「ちがっ……むずむず……? かなしい、せつない……?」
 それでもハルトリードの舌は止まらない。下から強く弾くように、跳ね上げるようにして刺激を与えていく。
「きもちよくない?」
「きもち……わかんな、っ、ちがう、とこ、お腹の下、がせつなくなる……っ」
 前は、胸には少し触れただけで、直接見てもいない。
(みたい、全部……)

「リナリ、脱がせる」
 返事を聞く前に、ハルトリードはリナリの双丘を覆うフリルレースをたくし上げた。案の定、ワイヤーなどで固定されておらずただ覆われている状態だったらしい。あっさりそれは現れた。
「あっ」
「……リナリ、きれい」
(えろ……)
 白いたわわは、下着をよけた際、反動でふる、と揺れた。淡く透き通るような先端は、ぎゅっと凝縮したように上を向いて立っている。

 ハルトリードは衝動のまま、口に含む。
「や、ぁっ」
 リナリが首を振る。
 足先を掻くようにシーツの上を滑ったから、ハルトリードはそれを徐々に広げつつ体をねじ込む。
 時折、ハルトリードのむき出しの先端がリナリの太腿にかすり、当たる。
(やば……これだけで気持ちいい、やばい)
 小刻みに腰が動いてしまう。
 そんな事は露知らず、リナリは、自身の快感を受け止めるだけで精いっぱいのようだ。

 舌で、唇で。片方の尖りは指で柔らかく触れ、こね、回す。
「リナリ……かわいい。いたくない?」
「あ、んっ、ハルト、さまっ、いたくは、なっ……あ、だめそれ」
 乳房を口に含むようにして、舌で先端を小刻みに素早く舐った。リナリの体が、腰が痙攣する。
(好き、もっと、かんじてほしい……)
「ハルトさま、っ、わたし、おかしいっ、胸、っ、あっ……ハルトさま、すき、すき……っ」
 ハルトリードの猛りが一際熱く膨れ上がる。

 ハルトリードは息も荒くほぼ理性など残っていない。そんな中でもリナリをじわじわと脱がせ、たった一枚、下だけ履いた状態にする。
 自らは破り捨てる勢いで全て脱いだ。
 胸を堪能して、その下、腹に。脇腹、腰、へそ周り。吸いつくようなしっとりとした肌全てに証を残す勢いで味わった。

 ハルトリードを挟み込む脚を開き、その中心へ指を滑らせる。
「ハルトさま、それっ」
 リナリは以前の快感を思い出したのか、身体を悦びで震えさせる。
(凄い、この前より、濡れ……っ)
 ハルトリードは生唾を飲み込む。

 ショーツの生地は薄く滑らかで、簡単に指が上下へ誘う。それ専用の下着はクロッチで水分を受け止めるように出来ていない。
「すごい、ぐっしょり、ぬれて……」
「あ、やだ……っ、はずかし……、っ」
 リナリは真っ赤な顔を隠して逃げるように顔を逸らせる。

 そのまま下着をするすると脱がせる。溢れる水の元から離れた下着は、糸を引いた。
「……は、っ……」
 ハルトリードはくらくらした。
 僅かに開いた脚の間、手前に引っ張られた糸が伸び消えていく様が、眼前につぶさに見えるのだ。
(しかくのぼうりょく……)
 すでに自分が何を考えているのか曖昧だった。

 片足だけ下着を抜き取り、ハルトリードは、てらてらと塗れて光るそこに顔を埋める。
 舌で、唇で、言葉で。前と同じように、だが前よりも執拗に解していく。
 前と違うのは、ハルトリードの両手が柔らかく揺れる胸にある事。
「やぁっ……!」
 ハルトリードが胸を揉みしだきながら先端の尖りを指でいじると、リナリがいやらしく声を上げる。
「そこ、一緒に、やっ……」
 性感帯を同時に3ヶ所攻められ、リナリは身を捩る。ぐずぐずに蕩けている。

 快感を知りすでに解れているが、それでも未通の膣口はやはり狭い。
(イかせたい)
 より解すため導いた。
 リナリは体を弓反りにしてか細く嬌声を上げた。その合間にもハルトリードへの好意が紡がれる。
(もう、やばい。すき、かわいい……すきすぎる)

「はー、はーっ……」
 ハルトリードも限界だった。
(いれたい……膣内ナカ……)
 膝立ちになり、閉じかけたリナリの脚をより大きく開く。
「リナリ、いれる……」
 先端をぴたりと慣らすように入口で動かすと、小さく音が鳴る。
 ゆっくり、腰を落として、閉じた膣口に捩じり入れ込むようにして、つぷ、と侵入する。

「い、っ、あぁ……っ!」
 何かを割り裂くような感触とリナリの変化した声色で、頭が冷える。
(やっぱり、痛い? でも、ごめん、もうむり……)
 ハルトリードの剛直は、そのままリナリの膣口を突破して、進む。
「ごめん、とまらない、リナリ、ごめん」
 目を固く閉じ、息を詰めるが、ふと、頬に熱い手が添えられた。
「あ、やまらないで、私、待って、ずっと……うれしいです……」
 リナリが眉を歪めながらも微笑んだ。
(僕も、うれしい、やっと)
 ず、と膣内でまた膨れるが、リナリは気付いているのかそれどころではないのか、シーツを掻き、握り締め、耐えている。
(ようやく、繋がった、挿入はいった。あつい、せまい、うねって……)

 結合部から伝わる快感も、胸に広がる熱も、脳を浸す多幸感もい交ぜになり体中を満たす。
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