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(本当に、え、ほんとに?)
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あれから、大人しく家に帰ったハルトリード。
受注した魔道具を作成している。
ただ、リナリの笑顔が、照れた顔がずっと頭に残ったまま。悶々と制作に取り組んだ。
(一度客に渡して使用感を……)
何てことのない、いつもの手順。しかし。
(リナリ)
ハルトリードは、自分で、この出来上がった試作品を、リナリに。
しっかりと想像してしまった。
(いや、いやいや……)
本来なら、制作者本人が客にそのような事はしない。
渡し、持ち帰った客は自分で使用し、その後要望、不具合などがあればまた製作者の元へ訪れる。大量生産品ではなく、オーダーメイドを手掛けるハルトリードのいつもの仕事手順。
それが、その手間が、リナリなら。
「そんな、つもりで……あの子と婚約したんじゃない……そう、ちょ、直接た、試すためじゃなくて、僕があの子を好っ」
そこまで口に出して、無理矢理打ち消した。
頭を抱えて唸る。
(仕方ない……しょうがないだろ、初恋だって……リナリが、僕を、好……っ)
ごくりと喉がなった。静かな部屋に響き渡ったような気がして、ハルトリードはいたたまれない。
いつもはここで、疲れた、風呂入って寝よ。で、終わる。
ハルトリードは下衣を乱し、平常に垂れるそれの術を解いた。
(何やってるんだか)
妙に呆れて冷静になりつつ、止まらない。
しばらくして、妄想と煩悩に引っ張られて、それは勃ち上がる。
目を閉じて、衝動のまま手を動かす。
数日後、結局、ハルトリードは抗えなかった。
手紙は何度かやり取りをした。
だが、二度目だ。ハルトリードにとっては二度目になる婚約者との交流なのに。
(我ながらとんでもないな。嫌だって言ってくれたらまだ、いい。嫌われたら……いや、でも)
悶々と、しかしあのリナリなら、もしかして。という思い。
「こんにちは、ハルトリード様。お招きいただいてありがとうございます」
「あ、こんにちは……ドレス、良い。似合って、る」
ベルラインの黄色と白のドレスだ。やはり爽やかでリナリのあどけなさに合っている。
(大人っぽいのにかわいい……)
「えっ、あ、ありがとうございます……」
リナリは少し俯いて、だが嬉しそうに笑う。
「こちらこそ」
よく分からない返しをして、ハルトリードは自室へ招いた。敢えての自室。
下心を大半に含んだ懇願が、今始まろうとしていた。
「リナリ。頼みがある」
「はい、なんでしょう」
微笑んで首を傾げるリナリ。何も知らない、無垢な少女のような。
ハルトリードはかつてない緊張に身を固めていた。
「その、仕事で、魔道具を、依頼されて……作ったんだ、けど」
「どうかしたんですか?」
ただならぬ様子に、リナリは不安そうにしている。
(心配してくれてる……それなのに僕は)
罪悪感が良心を蝕むが、やめようという気は起きなかった。
「嫌ならはっきり断ってくれていい。無理に、じゃないから」
「は、はい?」
「これ、なんだけど」
ハルトリードは、作成した魔性具と、説明書をテーブルに出した。
リナリはそれがどういう類の物なのかは知っているため、ぴくりと肩を揺らしつつも、頬を染めて、じっと見下ろしていた。
「これは、この間のとは形が違いますね、細くて、間接みたいなものがあって、指みた……っ」
言いながら、リナリは盛大に顔を真っ赤にして口を押えた。
気付いてしまったようだ。
「そう、これは、男の指を模した、そういうアレ」
「こ、こういうものもあるんですね」
恥ずかしそうにしているが、じっと見つめているのは、興味があるからなのか、ハルトリードの願望がそう見せているだけなのか。
「よ、読んでも?」
だが、リナリは説明書を自ら手に取った。
「ああ、読んで、ほしい」
最後の方はぼそぼそと声にならなかった。
指を模した魔性具。客に渡す製品の前身として、ハルトリードの指を模った試作品。つまり。
(ほんと、何やってるんだか)
妙に力が入ってしまったのは否めない。
「これ、を試してみて、ほしい」
言った。
確かにハルトリードは、リナリに、試用してほしいと言ってしまった。
リナリは一瞬何を言われたのか分からず、ぽかんとハルトリードを見て――。
そんなリナリは、寝室に連れられてベッドに腰掛けている。勿論部屋の主はハルトリード。いつも使用しているベッドだ。
「準備……は?」
「は、はぃ、だ、大丈夫です!」
肩肘張って、湯上りのリナリは魔性具を持ったハルトリードを潤んだ目で見上げた。
事前に何度も確認した。
直接見て、自らが調整しつつ仕上げたいだけだ。何度も、それでいいのかと。
リナリは赤い顔をして、こくりと控え目に頷いたのだ。
ハルトリードが試したいのなら、婚約者だから。そう、リナリは快諾とはいかないまでも、了承した。
(本当に、え、ほんとに? リナリ……この子、危ない奴に簡単に騙されそう……え、ほんとに?)
ハルトリード自身「危ない奴」の括りにいるのは自覚したが、棚に上げた。
リナリは、人が良いのではない。騙されやすいのでもない。
他ならぬハルトリードだから、頷いた。
(つけ込んでる、と思う。僕を好きだって、言う、から……)
ハルトリードの方もいっぱいいっぱいだ。しかし、一線は越えないつもりだった。
きちんと欲制の術はかけてあるし、その場に流されて簡単に解けないように仕掛けまで施して。
「ぜ、全部は、脱がなくて、いい。その、でも、そういう事をするし、少し……それ、らしくしてもいい?」
「それらしく……?」
ごくりと喉が鳴ったのはどちらだったのか。
「こい、びと同士、みたいな」
びく、とリナリは体を揺らし、潤んだ目でしっとりとハルトリードを見た。
(なに、その……可愛い。おかしくなる……)
「嫌じゃない、なら」
リナリはぶんぶんと首を振る。
「いえ、う、嬉しい、です」
顔が赤いまま、力が抜けたような、花開くような笑みを浮かべて。
(あー……可愛い……! だめだって、あぁ、ムラムラする)
だが、絶対に起立はしない。想いだけが堰を切って溢れて止まらない。
ハルトリードは、リナリの隣に座る。彼女は縮こまるように肩を上げた。
「キス、したい」
ハルトリードが、徐々にリナリに顔を近づけていく。リナリは目を見開き、そして、ゆっくりと目を閉じた。
(いい、って、受け入れ……いい? 本当に?)
鼓動が煩く、お互い耳まで熱くなっている。
唇同士が、触れた。
(や、わらか……ぷるぷるしてる)
一度離れ、リナリがゆっくり目を開けた時、ハルトリードは衝動のまま、再度、今度は少し深く。唇同士の隙間を埋めるように、ぴたりと口付けた。
「ぅ、ん」
リナリがつい、と口から吐息を漏らした。
(可愛い、声……可愛い)
ハルトリードは、すっかりリナリに落ちた。
小さく音を立てながら啄み、角度を変え、何度もリナリの潤んだ唇を堪能した。
舌で、固く閉じたリナリの唇をなぞる様に撫でる。
ぶる、とリナリが小さく震えた。
「っは……、ハルト、リード、さま」
ぼうっと熱に浮かされたように、リナリは呼んだ。
「ハルト、って呼んで」
「ハ、ハルトさ……ま」
もう一度、口付けた。
受注した魔道具を作成している。
ただ、リナリの笑顔が、照れた顔がずっと頭に残ったまま。悶々と制作に取り組んだ。
(一度客に渡して使用感を……)
何てことのない、いつもの手順。しかし。
(リナリ)
ハルトリードは、自分で、この出来上がった試作品を、リナリに。
しっかりと想像してしまった。
(いや、いやいや……)
本来なら、制作者本人が客にそのような事はしない。
渡し、持ち帰った客は自分で使用し、その後要望、不具合などがあればまた製作者の元へ訪れる。大量生産品ではなく、オーダーメイドを手掛けるハルトリードのいつもの仕事手順。
それが、その手間が、リナリなら。
「そんな、つもりで……あの子と婚約したんじゃない……そう、ちょ、直接た、試すためじゃなくて、僕があの子を好っ」
そこまで口に出して、無理矢理打ち消した。
頭を抱えて唸る。
(仕方ない……しょうがないだろ、初恋だって……リナリが、僕を、好……っ)
ごくりと喉がなった。静かな部屋に響き渡ったような気がして、ハルトリードはいたたまれない。
いつもはここで、疲れた、風呂入って寝よ。で、終わる。
ハルトリードは下衣を乱し、平常に垂れるそれの術を解いた。
(何やってるんだか)
妙に呆れて冷静になりつつ、止まらない。
しばらくして、妄想と煩悩に引っ張られて、それは勃ち上がる。
目を閉じて、衝動のまま手を動かす。
数日後、結局、ハルトリードは抗えなかった。
手紙は何度かやり取りをした。
だが、二度目だ。ハルトリードにとっては二度目になる婚約者との交流なのに。
(我ながらとんでもないな。嫌だって言ってくれたらまだ、いい。嫌われたら……いや、でも)
悶々と、しかしあのリナリなら、もしかして。という思い。
「こんにちは、ハルトリード様。お招きいただいてありがとうございます」
「あ、こんにちは……ドレス、良い。似合って、る」
ベルラインの黄色と白のドレスだ。やはり爽やかでリナリのあどけなさに合っている。
(大人っぽいのにかわいい……)
「えっ、あ、ありがとうございます……」
リナリは少し俯いて、だが嬉しそうに笑う。
「こちらこそ」
よく分からない返しをして、ハルトリードは自室へ招いた。敢えての自室。
下心を大半に含んだ懇願が、今始まろうとしていた。
「リナリ。頼みがある」
「はい、なんでしょう」
微笑んで首を傾げるリナリ。何も知らない、無垢な少女のような。
ハルトリードはかつてない緊張に身を固めていた。
「その、仕事で、魔道具を、依頼されて……作ったんだ、けど」
「どうかしたんですか?」
ただならぬ様子に、リナリは不安そうにしている。
(心配してくれてる……それなのに僕は)
罪悪感が良心を蝕むが、やめようという気は起きなかった。
「嫌ならはっきり断ってくれていい。無理に、じゃないから」
「は、はい?」
「これ、なんだけど」
ハルトリードは、作成した魔性具と、説明書をテーブルに出した。
リナリはそれがどういう類の物なのかは知っているため、ぴくりと肩を揺らしつつも、頬を染めて、じっと見下ろしていた。
「これは、この間のとは形が違いますね、細くて、間接みたいなものがあって、指みた……っ」
言いながら、リナリは盛大に顔を真っ赤にして口を押えた。
気付いてしまったようだ。
「そう、これは、男の指を模した、そういうアレ」
「こ、こういうものもあるんですね」
恥ずかしそうにしているが、じっと見つめているのは、興味があるからなのか、ハルトリードの願望がそう見せているだけなのか。
「よ、読んでも?」
だが、リナリは説明書を自ら手に取った。
「ああ、読んで、ほしい」
最後の方はぼそぼそと声にならなかった。
指を模した魔性具。客に渡す製品の前身として、ハルトリードの指を模った試作品。つまり。
(ほんと、何やってるんだか)
妙に力が入ってしまったのは否めない。
「これ、を試してみて、ほしい」
言った。
確かにハルトリードは、リナリに、試用してほしいと言ってしまった。
リナリは一瞬何を言われたのか分からず、ぽかんとハルトリードを見て――。
そんなリナリは、寝室に連れられてベッドに腰掛けている。勿論部屋の主はハルトリード。いつも使用しているベッドだ。
「準備……は?」
「は、はぃ、だ、大丈夫です!」
肩肘張って、湯上りのリナリは魔性具を持ったハルトリードを潤んだ目で見上げた。
事前に何度も確認した。
直接見て、自らが調整しつつ仕上げたいだけだ。何度も、それでいいのかと。
リナリは赤い顔をして、こくりと控え目に頷いたのだ。
ハルトリードが試したいのなら、婚約者だから。そう、リナリは快諾とはいかないまでも、了承した。
(本当に、え、ほんとに? リナリ……この子、危ない奴に簡単に騙されそう……え、ほんとに?)
ハルトリード自身「危ない奴」の括りにいるのは自覚したが、棚に上げた。
リナリは、人が良いのではない。騙されやすいのでもない。
他ならぬハルトリードだから、頷いた。
(つけ込んでる、と思う。僕を好きだって、言う、から……)
ハルトリードの方もいっぱいいっぱいだ。しかし、一線は越えないつもりだった。
きちんと欲制の術はかけてあるし、その場に流されて簡単に解けないように仕掛けまで施して。
「ぜ、全部は、脱がなくて、いい。その、でも、そういう事をするし、少し……それ、らしくしてもいい?」
「それらしく……?」
ごくりと喉が鳴ったのはどちらだったのか。
「こい、びと同士、みたいな」
びく、とリナリは体を揺らし、潤んだ目でしっとりとハルトリードを見た。
(なに、その……可愛い。おかしくなる……)
「嫌じゃない、なら」
リナリはぶんぶんと首を振る。
「いえ、う、嬉しい、です」
顔が赤いまま、力が抜けたような、花開くような笑みを浮かべて。
(あー……可愛い……! だめだって、あぁ、ムラムラする)
だが、絶対に起立はしない。想いだけが堰を切って溢れて止まらない。
ハルトリードは、リナリの隣に座る。彼女は縮こまるように肩を上げた。
「キス、したい」
ハルトリードが、徐々にリナリに顔を近づけていく。リナリは目を見開き、そして、ゆっくりと目を閉じた。
(いい、って、受け入れ……いい? 本当に?)
鼓動が煩く、お互い耳まで熱くなっている。
唇同士が、触れた。
(や、わらか……ぷるぷるしてる)
一度離れ、リナリがゆっくり目を開けた時、ハルトリードは衝動のまま、再度、今度は少し深く。唇同士の隙間を埋めるように、ぴたりと口付けた。
「ぅ、ん」
リナリがつい、と口から吐息を漏らした。
(可愛い、声……可愛い)
ハルトリードは、すっかりリナリに落ちた。
小さく音を立てながら啄み、角度を変え、何度もリナリの潤んだ唇を堪能した。
舌で、固く閉じたリナリの唇をなぞる様に撫でる。
ぶる、とリナリが小さく震えた。
「っは……、ハルト、リード、さま」
ぼうっと熱に浮かされたように、リナリは呼んだ。
「ハルト、って呼んで」
「ハ、ハルトさ……ま」
もう一度、口付けた。
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