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20晩目 ホースケさんは、オカルトが苦手
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二日目の調査は、ツカサの回復を待って遅めの開始となった。夜は、気を使って二人を休ませたにもかかわらず、身体を休めるどころか、有り余る体力を一方的に発散させてしまうことがわかったので、夜はいつも通り交代で休んでもらうことにした。
準備が整い、三人は、下の階層に続く坂道を降り始める。
「ここは、思ったより魔素の多いダンジョンっすね」
「ホントね 魔鉱石があちらこちらにあるわね」
「魔鉱石?」
魔鉱石とは、白いクリスタルのような鉱石で、魔素含有が多ければ多いほど、プリズムのような輝きを見せる。
そして、魔素が多い場所には………。
「ほら、ホースケのお仲間っすよ」
ジャキッと武器を構えるシズルは、目を細めてホースケの背後を睨みつける。ツカサは、既に詠唱を唱え始めた。
ゆっくりとホースケは、二人の視線を追うように振り返って「ピギャ」っと悲鳴をあげた。
「レイス スピリット系の魔物っすよ」
呪いのお面を被ったような、何とも言えない禍々しさを感じさせる。ホースケぼお仲間と言われ、オバケの類だと理解はするも、納得できる風貌ではない。
「あわわわわ 俺、ホラーは苦手なんだよう」
思わず腰を抜かして尻餅をついた状態で、ずりずりとツカサの後ろへ後退していく。
『んぁぁぁぁぁ』とか、『ブォォォォ』とか、『ングァ』など呻き声をあげながらレイスは禍々しい指先をホースケたちに向ける。シズルは、聖水の入った瓶を叩き割り自らの剣に浴びせかけた。そして右脚に体重を乗せ一気に現れたレイスに飛びかかった。
「ホーリー」
ツカサが呪文を唱えると神聖な光が、レイスへ浴びせられる。蠢くようにのたうち回るレイスたちを、ツカサが聖水で清めた剣で次々と寸断していった。
後に残ったのは、魔核と呼ばれる小さな魔素の結晶だった。
「ま、こんなもんっすよ」
ちゃっと剣を振り、鞘に納めるシズルが、かっこよく見える。ツカサは、大量に散らばる魔核を拾い集めている。何も役に立たなかったホースケもツカサを手伝う。まるで胡桃の実を集めて回るリスのようだ。
魔鉱石が多いと場に魔素が充満する為、スピリット系やアンデット系の魔物の出現率が上がるそうだ。
ホースケは、拾い集めた魔核の一つを手に取って除き込む。ビー玉の中に紫の焔がゆらゆらとして何とも不思議なアイテムだ。
「魔核は、高く売れるっす」
「何か、魔道士が術式を組み込んだりと便利に使っているからね」
「ふうん 何個か貰ってもいいかな?」
二人の許可を貰い、自分のリュックに魔核を数個放り込んだ。
地下一階は、少し畝りはあるものの、一本道で突き当たりで、さらに下の階層へ続く道を発見した。
暫しの休憩を取り、地下二階の調査も始める。
「何か、水が流れる音がしないか?」
「地下水脈でも通っているんすかね」
コンコンと壁を叩き、耳を押し付けながらシズルは、音の出所を確認している。僅かながら振動と滝の流れる音が聞こえる。
そして辿り着いた先は、地上まで吹き抜けとなって月明かりが差し込み、地上から勢いよく落ちていく滝。青い光で照らされる不思議な空間だった。
準備が整い、三人は、下の階層に続く坂道を降り始める。
「ここは、思ったより魔素の多いダンジョンっすね」
「ホントね 魔鉱石があちらこちらにあるわね」
「魔鉱石?」
魔鉱石とは、白いクリスタルのような鉱石で、魔素含有が多ければ多いほど、プリズムのような輝きを見せる。
そして、魔素が多い場所には………。
「ほら、ホースケのお仲間っすよ」
ジャキッと武器を構えるシズルは、目を細めてホースケの背後を睨みつける。ツカサは、既に詠唱を唱え始めた。
ゆっくりとホースケは、二人の視線を追うように振り返って「ピギャ」っと悲鳴をあげた。
「レイス スピリット系の魔物っすよ」
呪いのお面を被ったような、何とも言えない禍々しさを感じさせる。ホースケぼお仲間と言われ、オバケの類だと理解はするも、納得できる風貌ではない。
「あわわわわ 俺、ホラーは苦手なんだよう」
思わず腰を抜かして尻餅をついた状態で、ずりずりとツカサの後ろへ後退していく。
『んぁぁぁぁぁ』とか、『ブォォォォ』とか、『ングァ』など呻き声をあげながらレイスは禍々しい指先をホースケたちに向ける。シズルは、聖水の入った瓶を叩き割り自らの剣に浴びせかけた。そして右脚に体重を乗せ一気に現れたレイスに飛びかかった。
「ホーリー」
ツカサが呪文を唱えると神聖な光が、レイスへ浴びせられる。蠢くようにのたうち回るレイスたちを、ツカサが聖水で清めた剣で次々と寸断していった。
後に残ったのは、魔核と呼ばれる小さな魔素の結晶だった。
「ま、こんなもんっすよ」
ちゃっと剣を振り、鞘に納めるシズルが、かっこよく見える。ツカサは、大量に散らばる魔核を拾い集めている。何も役に立たなかったホースケもツカサを手伝う。まるで胡桃の実を集めて回るリスのようだ。
魔鉱石が多いと場に魔素が充満する為、スピリット系やアンデット系の魔物の出現率が上がるそうだ。
ホースケは、拾い集めた魔核の一つを手に取って除き込む。ビー玉の中に紫の焔がゆらゆらとして何とも不思議なアイテムだ。
「魔核は、高く売れるっす」
「何か、魔道士が術式を組み込んだりと便利に使っているからね」
「ふうん 何個か貰ってもいいかな?」
二人の許可を貰い、自分のリュックに魔核を数個放り込んだ。
地下一階は、少し畝りはあるものの、一本道で突き当たりで、さらに下の階層へ続く道を発見した。
暫しの休憩を取り、地下二階の調査も始める。
「何か、水が流れる音がしないか?」
「地下水脈でも通っているんすかね」
コンコンと壁を叩き、耳を押し付けながらシズルは、音の出所を確認している。僅かながら振動と滝の流れる音が聞こえる。
そして辿り着いた先は、地上まで吹き抜けとなって月明かりが差し込み、地上から勢いよく落ちていく滝。青い光で照らされる不思議な空間だった。
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