19 / 24
19晩目 ホースケさんと宿屋の主人のセリフ
しおりを挟む
下の階層へ続く入り口がある場所は、野営などに適したセーフティゾーンになっていたため、ホースケたちはその場所でテントを設置し夜を明かすことにした。
「夜の見張りは、俺が受け持つよ」
寝る必要のない身体であるため、明日に備えて二人に休むように伝えると、申し訳なさそうな表情でテントの中へ入っていった。
人懐っこいシズルは、おバカ発言はあるものの常に笑顔で場を和ませたり、ムードメーカー的存在だ。緊張の走る戦闘であっても、ガチガチではなく、自然と少し力を抜いていられるのかリラックスできていて、視野が広い。
ツカサは、弟妹の面倒を見ているだけあり、お姉さん気質も備わって、サポート役は、板についている。また、魔法も幅広く火力も申し分ないので、補助だけでなく戦力としても活躍できる。
公私ともにお互いを支え合って、良いパーティーだとホースケは思った。
視界が開けた場所のため、夜中時折現れる魔物もホースケだけで討伐出来る程度で、大したことはなかった。
そろそろ起きてくるだろう二人のために、簡単な朝食の準備をしていると、先にテントから出て来たのはシズルだった。
うーんと背伸びをし、腕や肩を回しながら「おはようっす」と笑顔で挨拶を交わす。しっかりと休息できたのか、肌の色艶がとてもよい。
「ツカサは、まだ寝ているのか?」
「いや……まあ その……寝てるっす」
「ん?」
歯切れの悪いツカサに、「意味がわからん」と首を傾げる。別に急ぐ必要はないので、しっかりと休憩してもらっても構わない。昨日の様子では、それほど疲れた様子もなかったが。
「いや、ツカッちゃん 朝は弱いんすよ」
わたわたと両手を振って、ツカサが起きてこない理由を弁明する。シズルが身支度を整えている間に、朝食が出来上がった。
「干し肉のスープにフライパンで焼いたパンだけどな」
「うわぁ いつもは干し肉齧ってたのに ちゃんとした食事ができるなんて」
涙を流しながら喜ぶシズルに、大袈裟だと思いつつも、こんなに喜ばれると嬉しいものである。
シズルに遅れること約一時間、のっそりとツカサがテントから出てきた。シズルとは異なり、気だるそうな雰囲気、頬は少し赤らみ、瞳はなんとなく潤んでいて、耳の横の髪を掻き上げる仕草が艶かしく、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。
「何か昨日の晩よりもお疲れのようだけど?」
「き 気のせいじゃないっすか?」
「そ そうよ アタシは、平気よ」
何故にシズルが?そしてふと目に入ってしまった首筋に残る無数の赤い跡。ホースケが凝視する視線を辿り、気がついたツカサが、顔を真っ赤にして蹲った。
「お 大きな虫に刺されたのよ!」
頭によぎった某有名RPGゲームの宿屋の主人のセリフを思わず口にしてしまう。
「昨日はお盛んだったようで」
そのセリフに開き直ったのはシズルだ。
「声を我慢するツカッちゃんを前に我慢なんてできないっすよ」
うわーんと泣きながら、「バカバカバカ!!」とポカポカとシズルを殴るツカサにお腹いっぱいになるホースケだった。
「夜の見張りは、俺が受け持つよ」
寝る必要のない身体であるため、明日に備えて二人に休むように伝えると、申し訳なさそうな表情でテントの中へ入っていった。
人懐っこいシズルは、おバカ発言はあるものの常に笑顔で場を和ませたり、ムードメーカー的存在だ。緊張の走る戦闘であっても、ガチガチではなく、自然と少し力を抜いていられるのかリラックスできていて、視野が広い。
ツカサは、弟妹の面倒を見ているだけあり、お姉さん気質も備わって、サポート役は、板についている。また、魔法も幅広く火力も申し分ないので、補助だけでなく戦力としても活躍できる。
公私ともにお互いを支え合って、良いパーティーだとホースケは思った。
視界が開けた場所のため、夜中時折現れる魔物もホースケだけで討伐出来る程度で、大したことはなかった。
そろそろ起きてくるだろう二人のために、簡単な朝食の準備をしていると、先にテントから出て来たのはシズルだった。
うーんと背伸びをし、腕や肩を回しながら「おはようっす」と笑顔で挨拶を交わす。しっかりと休息できたのか、肌の色艶がとてもよい。
「ツカサは、まだ寝ているのか?」
「いや……まあ その……寝てるっす」
「ん?」
歯切れの悪いツカサに、「意味がわからん」と首を傾げる。別に急ぐ必要はないので、しっかりと休憩してもらっても構わない。昨日の様子では、それほど疲れた様子もなかったが。
「いや、ツカッちゃん 朝は弱いんすよ」
わたわたと両手を振って、ツカサが起きてこない理由を弁明する。シズルが身支度を整えている間に、朝食が出来上がった。
「干し肉のスープにフライパンで焼いたパンだけどな」
「うわぁ いつもは干し肉齧ってたのに ちゃんとした食事ができるなんて」
涙を流しながら喜ぶシズルに、大袈裟だと思いつつも、こんなに喜ばれると嬉しいものである。
シズルに遅れること約一時間、のっそりとツカサがテントから出てきた。シズルとは異なり、気だるそうな雰囲気、頬は少し赤らみ、瞳はなんとなく潤んでいて、耳の横の髪を掻き上げる仕草が艶かしく、思わずゴクリと喉を鳴らしてしまった。
「何か昨日の晩よりもお疲れのようだけど?」
「き 気のせいじゃないっすか?」
「そ そうよ アタシは、平気よ」
何故にシズルが?そしてふと目に入ってしまった首筋に残る無数の赤い跡。ホースケが凝視する視線を辿り、気がついたツカサが、顔を真っ赤にして蹲った。
「お 大きな虫に刺されたのよ!」
頭によぎった某有名RPGゲームの宿屋の主人のセリフを思わず口にしてしまう。
「昨日はお盛んだったようで」
そのセリフに開き直ったのはシズルだ。
「声を我慢するツカッちゃんを前に我慢なんてできないっすよ」
うわーんと泣きながら、「バカバカバカ!!」とポカポカとシズルを殴るツカサにお腹いっぱいになるホースケだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる