5 / 44
第1章 オークランド王国編
第5話 王城のウサギ部屋(2)
しおりを挟む
「お嬢様、お部屋はちょっと小さめですけれど、日当たりはいいですし、窓からの眺めもいいですよ。ウサギさん用に、あの箱とバスケットも置いてあります」
「ありがとうエマ」
白い髪に、ピンクの瞳をした少女は、そう言うと、にっこりと微笑んだ。
彼女が着ているのは、ハリのあるクリーム色の布地で作られたデイドレス。
襟周りにぐるっと付けられたお花が可愛らしい。
すっかり少女の侍女と化しているエマが、女官長である母親に頼んで、必要な衣類は用意した。
少女とエマは、改めて、少女のために用意された部屋にいた。
ドレイク曰く、『ウサギ部屋』だ。
いや、ドレイクは今まで通り自分の部屋にウサギを置いておけばいい、自分はどうせ寝るだけにしか部屋を使わないから、と言ったのだが、エマが「少女に変身する以上、陛下のお部屋に置くわけにはいきません!!」と主張して、国王付きの侍女が使う、控え部屋のひとつを、ウサギ用に急きょ整えた。
国王の寝室、居間、客間、浴室などがある私的な居室の一角にあり、外廊下を通らずに国王の元に行くことができる。
おかげで、ウサギ姿の時も、ぴょんぴょん、と国王の寝室まで遊びに行けるわけだ。
これには、ウサギ自身も大満足の様子だった。
「とても素敵! ここならウサギになっている時も安心だわ」
それを聞いてユリウスはびっくりしていたが、少女姿の時は、普通に喋れるのだ。普通に、というか、十分、上品に、だ。
少女は自分の名前はわからない、と言い、悩んだ挙句、エマは『お嬢様』と、ドレイクはそのまま『ウサギ』と呼んでいる。
一方、ユリウスは『保留』。その正体がまだはっきりしていないからのようだ。
とはいえ、少女のことを話す時は、秘密がバレないように、という意味もあり、全員『ウサギ』で統一。
とはいえ、『ウサギ』の名前はもちろん、肝心のいつウサギになるのか、元々ウサギなのか、といった疑問は一切解決されていない。
少女自身にもよくわからないのだ。
少女は自分はウサギだと思っている。
「そんなわけはないだろう」
ため息をつきながら、ドレイクは少女の口元に、ニンジンを一切れ、運んでやっていた。
「おい、ウサギ!」
突然呼びかけられた少女は、驚いて目を白黒させ、慌てて口の中のニンジンを飲み込んだ。
「はい、ドレイク様!」
ウサギが返事をして、じっとドレイクを見つめる。
元々ウサギ姿でやって来た少女は、動作も妙に小動物っぽくて、可愛らしい。
化粧ひとつしていないが、整った顔立ちで、かなりの美少女であることに、ユリウスは気づいた。
こうしていると、普通に、愛らしい少女にしか見えない。
とはいえ、ドレイクの『お相手』を務めるには、14、5歳にしか見えない少女では若すぎる。
一方、ドレイクに言われたように「ドレイク様」とちゃんと呼び、返事をしているにもかかわらず、黙って何も言わないドレイクに焦れたのか、少女はふわふわの白い髪を揺らしながら、ドレイクの膝の上に乗り上がり、「えいえい」とドレイクの顎の下に頭を擦り付けていた。
そうされても顔色ひとつ変えずに、少女の好きにさせているドレイクに、ユリウスは何か不気味なものを見たような顔をした。
なんだかんだ言って、ドレイクはこの少女をかなり気に入っているようだ。
エマもなんとか笑みをこらえようとしているが、口元がひくひくと動いている。
ユリウスは長いため息をついた。
「……名前を付けてあげては?」
ん、とドレイクがユリウスを見た。
「いつまでもウサギ呼びでは支障があるでしょう。仮の名前と、身分を考えて……」
「お前にしてはずいぶん親切なことを言う。こいつを外に出すつもりはないが。うん、まあ、そうだな。名前くらいは……」
ドレイクがうーんと腕を組み、そのまま数分経った。
「……シロ?」
「さすがに女性の名前をお付けください」
再び、ドレイクがうーんと唸り出した時、エマが「怖れながら……」と声をかけた。
「実は、お嬢様のドレスを手に入れる時に、母が少々不審げな顔をしておりまして……あの、陛下も、うちの母のことはよくご存知ですよね……? 何か勘づいて、陛下の元に押しかけてもいけません。しばらくは、『お嬢様』『ウサギ』で通した方が、安全かもしれません」
「そうだな。エマ、お前にも面倒をかけるが、よろしく頼む。こいつが不自由したり、危険なことのないように、見てやってくれ」
ドレイクにそう言われて、エマはニコニコしながらうなづいた。
「さて、仕事に戻るか。ユリウス、あの続きを……」
さっとベッドから立ち上がり、ウサギ部屋を出ようとすると、少女がパタパタと走ってきて、ドレイクの腰に後ろから抱きついた。
「おわっ!! 何をしているんだ、お前は」
少女をパリっと剥がし、そのまま行こうとすると、少女がまたついて行こうとする。
「一緒に行きますっ!」
「はぁ!? 何を言っている! お前はウサギなんだから、部屋で待っていろ。仕事が終わったら……」
「仕事が終わったら……?」
少女がピンクの瞳で、ドレイクを見上げた。
目がキラキラして、期待に満ちている。
「帰ってきますか?」
次の瞬間、ドレイクの顔がぼっと、まるで火がついたように、赤くなった。
そしてすごい勢いでダッシュすると、ウサギ部屋を出て、居間を突っ切り、廊下に出て行ったのだった。
ユリウスとエマは思わず顔を見合わせた。
「……エマ、じゃあ、ウサギを頼む……」
ユリウスもまた、何か毒気を抜かれたような様子で、フラフラとウサギ部屋を出たのだった。
ドレイクは部屋を出て行ってしまったし、ユリウスも後を追って行った。
ぽつんと取り残された少女は、不安げに閉じられたドアを見つめていた。
「エマ……」
「大丈夫ですよ、お嬢様。夜には陛下はお戻りになりますからね。それまで、お部屋の中で過ごしましょう。お腹は空きましたか? お茶とお菓子をご用意しましょうか?」
その後、優しいエマに付き添われて、おいしいお茶の時間を過ごした少女は、ウサギ部屋でぐっすりと眠り込んだ。
今のところ、少女の姿を保っているが、いつまたウサギになるかわからない。
エマは注意深く、少女を見守るのだった。
少女の姿をしていても、動作のあちこちにウサギのような仕草がある彼女は、とても愛らしかった。
あの強面で、一切表情を崩すことのなかったドレイクが、少女を前におろおろしている様子は、国王には申し訳ないけれど、とても面白かった。
そして、『ウサギ』はあの無愛想なドレイクが、大好きなのだ。
まるで後追いをするかのように、少女の姿でも、ウサギ姿でも、ドレイクの後を付いて回ろうとする。
「本当に(こんな)陛下(なのに)好きなんですねえ……」
エマはそっと呟いた。
ウサギが目覚める頃には、ドレイクは執務を終えているだろうか?
もしドレイクがウサギ部屋に来なかったら、少女を連れて、ドレイクの部屋に行ってみよう、優しいエマはそう思うのだった。
「ありがとうエマ」
白い髪に、ピンクの瞳をした少女は、そう言うと、にっこりと微笑んだ。
彼女が着ているのは、ハリのあるクリーム色の布地で作られたデイドレス。
襟周りにぐるっと付けられたお花が可愛らしい。
すっかり少女の侍女と化しているエマが、女官長である母親に頼んで、必要な衣類は用意した。
少女とエマは、改めて、少女のために用意された部屋にいた。
ドレイク曰く、『ウサギ部屋』だ。
いや、ドレイクは今まで通り自分の部屋にウサギを置いておけばいい、自分はどうせ寝るだけにしか部屋を使わないから、と言ったのだが、エマが「少女に変身する以上、陛下のお部屋に置くわけにはいきません!!」と主張して、国王付きの侍女が使う、控え部屋のひとつを、ウサギ用に急きょ整えた。
国王の寝室、居間、客間、浴室などがある私的な居室の一角にあり、外廊下を通らずに国王の元に行くことができる。
おかげで、ウサギ姿の時も、ぴょんぴょん、と国王の寝室まで遊びに行けるわけだ。
これには、ウサギ自身も大満足の様子だった。
「とても素敵! ここならウサギになっている時も安心だわ」
それを聞いてユリウスはびっくりしていたが、少女姿の時は、普通に喋れるのだ。普通に、というか、十分、上品に、だ。
少女は自分の名前はわからない、と言い、悩んだ挙句、エマは『お嬢様』と、ドレイクはそのまま『ウサギ』と呼んでいる。
一方、ユリウスは『保留』。その正体がまだはっきりしていないからのようだ。
とはいえ、少女のことを話す時は、秘密がバレないように、という意味もあり、全員『ウサギ』で統一。
とはいえ、『ウサギ』の名前はもちろん、肝心のいつウサギになるのか、元々ウサギなのか、といった疑問は一切解決されていない。
少女自身にもよくわからないのだ。
少女は自分はウサギだと思っている。
「そんなわけはないだろう」
ため息をつきながら、ドレイクは少女の口元に、ニンジンを一切れ、運んでやっていた。
「おい、ウサギ!」
突然呼びかけられた少女は、驚いて目を白黒させ、慌てて口の中のニンジンを飲み込んだ。
「はい、ドレイク様!」
ウサギが返事をして、じっとドレイクを見つめる。
元々ウサギ姿でやって来た少女は、動作も妙に小動物っぽくて、可愛らしい。
化粧ひとつしていないが、整った顔立ちで、かなりの美少女であることに、ユリウスは気づいた。
こうしていると、普通に、愛らしい少女にしか見えない。
とはいえ、ドレイクの『お相手』を務めるには、14、5歳にしか見えない少女では若すぎる。
一方、ドレイクに言われたように「ドレイク様」とちゃんと呼び、返事をしているにもかかわらず、黙って何も言わないドレイクに焦れたのか、少女はふわふわの白い髪を揺らしながら、ドレイクの膝の上に乗り上がり、「えいえい」とドレイクの顎の下に頭を擦り付けていた。
そうされても顔色ひとつ変えずに、少女の好きにさせているドレイクに、ユリウスは何か不気味なものを見たような顔をした。
なんだかんだ言って、ドレイクはこの少女をかなり気に入っているようだ。
エマもなんとか笑みをこらえようとしているが、口元がひくひくと動いている。
ユリウスは長いため息をついた。
「……名前を付けてあげては?」
ん、とドレイクがユリウスを見た。
「いつまでもウサギ呼びでは支障があるでしょう。仮の名前と、身分を考えて……」
「お前にしてはずいぶん親切なことを言う。こいつを外に出すつもりはないが。うん、まあ、そうだな。名前くらいは……」
ドレイクがうーんと腕を組み、そのまま数分経った。
「……シロ?」
「さすがに女性の名前をお付けください」
再び、ドレイクがうーんと唸り出した時、エマが「怖れながら……」と声をかけた。
「実は、お嬢様のドレスを手に入れる時に、母が少々不審げな顔をしておりまして……あの、陛下も、うちの母のことはよくご存知ですよね……? 何か勘づいて、陛下の元に押しかけてもいけません。しばらくは、『お嬢様』『ウサギ』で通した方が、安全かもしれません」
「そうだな。エマ、お前にも面倒をかけるが、よろしく頼む。こいつが不自由したり、危険なことのないように、見てやってくれ」
ドレイクにそう言われて、エマはニコニコしながらうなづいた。
「さて、仕事に戻るか。ユリウス、あの続きを……」
さっとベッドから立ち上がり、ウサギ部屋を出ようとすると、少女がパタパタと走ってきて、ドレイクの腰に後ろから抱きついた。
「おわっ!! 何をしているんだ、お前は」
少女をパリっと剥がし、そのまま行こうとすると、少女がまたついて行こうとする。
「一緒に行きますっ!」
「はぁ!? 何を言っている! お前はウサギなんだから、部屋で待っていろ。仕事が終わったら……」
「仕事が終わったら……?」
少女がピンクの瞳で、ドレイクを見上げた。
目がキラキラして、期待に満ちている。
「帰ってきますか?」
次の瞬間、ドレイクの顔がぼっと、まるで火がついたように、赤くなった。
そしてすごい勢いでダッシュすると、ウサギ部屋を出て、居間を突っ切り、廊下に出て行ったのだった。
ユリウスとエマは思わず顔を見合わせた。
「……エマ、じゃあ、ウサギを頼む……」
ユリウスもまた、何か毒気を抜かれたような様子で、フラフラとウサギ部屋を出たのだった。
ドレイクは部屋を出て行ってしまったし、ユリウスも後を追って行った。
ぽつんと取り残された少女は、不安げに閉じられたドアを見つめていた。
「エマ……」
「大丈夫ですよ、お嬢様。夜には陛下はお戻りになりますからね。それまで、お部屋の中で過ごしましょう。お腹は空きましたか? お茶とお菓子をご用意しましょうか?」
その後、優しいエマに付き添われて、おいしいお茶の時間を過ごした少女は、ウサギ部屋でぐっすりと眠り込んだ。
今のところ、少女の姿を保っているが、いつまたウサギになるかわからない。
エマは注意深く、少女を見守るのだった。
少女の姿をしていても、動作のあちこちにウサギのような仕草がある彼女は、とても愛らしかった。
あの強面で、一切表情を崩すことのなかったドレイクが、少女を前におろおろしている様子は、国王には申し訳ないけれど、とても面白かった。
そして、『ウサギ』はあの無愛想なドレイクが、大好きなのだ。
まるで後追いをするかのように、少女の姿でも、ウサギ姿でも、ドレイクの後を付いて回ろうとする。
「本当に(こんな)陛下(なのに)好きなんですねえ……」
エマはそっと呟いた。
ウサギが目覚める頃には、ドレイクは執務を終えているだろうか?
もしドレイクがウサギ部屋に来なかったら、少女を連れて、ドレイクの部屋に行ってみよう、優しいエマはそう思うのだった。
10
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
【完結】番が見つかった恋人に今日も溺愛されてますっ…何故っ!?
ハリエニシダ・レン
恋愛
大好きな恋人に番が見つかった。
当然のごとく別れて、彼は私の事など綺麗さっぱり忘れて番といちゃいちゃ幸せに暮らし始める……
と思っていたのに…!??
狼獣人×ウサギ獣人。
※安心のR15仕様。
-----
主人公サイドは切なくないのですが、番サイドがちょっと切なくなりました。予定外!
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる