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第48話 エピローグ〜結婚式
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カイルのプロポーズから半年後。
ランス帝国帝都アンジュランスは、いつも以上に華やかな空気に満ちていた。
その日、アンジュランスの女神神殿分院で、ランス帝国皇帝カイルと、リオベルデ王国の姫巫女、アレシア王女との結婚式が行われるのだ。
幼くして婚約者となった2人が、無事に夫婦としての誓いを女神に捧げるこの日、ランス帝国とリオベルデ王国双方の人々が心から喜びを分かち合い、祝福しようとしていた。
いくら結婚がすでに定まっていた2人とはいえ、カイルの改めてのプロポーズからわずか半年での結婚式は、多くの人の協力があってこそ整ったものだった。
女神に仕える巫女としての立場から、アレシアは華美な式を断り、女神神殿で結婚を誓う、シンプルな式を希望した。
しかし、帝国の皇帝としては、皇帝の格にふさわしい結婚式を挙げること、さらに内外から多くの招待客を招く必要があり、準備期間も格段に少ない中、困難が予想された。
そこに助けとなったのが、アレシアの兄であるリオベルデ国王クルスと、ランス帝国のアレキサンドラ・ハロウェイ子爵令嬢だった。
クルスは持ち前のおっとりとした優しい物腰で、堂々と無理を押し、各国の王や宰相、貴族達をうまく取りまとめて招待客リストを完成させた。
結婚式、披露宴の組み立てと花嫁の衣装の準備に活躍したのは、ハロウェイ子爵令嬢。以前の名を、アレキサンドラ・オブライエン公爵令嬢。罪人となった前宰相の1人娘だ。
名前を変えて再出発し、帝国のために働いている。
アレシアの結婚式では、かつて『ランスの赤いバラ』と称えられたアレキサンドラの、社交界の花形としての知識を惜しむことなく発揮していた。
長く豊かな赤い髪を簡単に背中でまとめたアレキサンドラが、ほれぼれとした表情で、壁に掛けられたドレスを眺めていた。
「アレシア様、ついにこの日が来ましたわ。ご覧ください。姫巫女様にぴったりなドレスです」
アレシアはうっとりとした表情で、細かなレース地で作られたドレスを見つめた。
「とても綺麗だわ。それに不思議……どことなく、リオベルデの服に似ているわ」
実は、アレシアはレース地のドレスの下に着るアンダードレスは試着をしたのだが、その後はアレキサンドラの「あとはお体のサイズを変えないでくださいませ」の一言に押し切られて、仕上がったドレスを見たのはこれが初めてだった。
アレキサンドラが微笑んだ。
「これは、エレオラ様が結婚式でお召しになった花嫁衣装なのですよ。デザインが少し古すぎるところもありましたので、リフォームしましたの。リオベルデ風に、ドレスの上にチュニック風のオーバードレスを重ねたんです。アンジュランスの腕利きの職人が手刺繍を施したのですよ」
アレキサンドラが自信満々に説明してくれる。
「ヘッドドレスをご覧くださいな。真珠を1粒1粒付けて、輝くようでしょう? 神殿付属の孤児院の子供達がお祝いの気持ちを込めて、縫い付けましたのよ。これは帝国のデザインですが、生地はリオベルデから取り寄せましたの。クルス陛下がご用意くださいましたわ」
「まあ! 知らなかったわ」
「さあさあ、まだありますわよ。こちらの飾り帯をご覧ください。これはカイル様からの贈り物ですの。白一色、結婚式のために織られた、飾り帯ですのよ。どうですか、この細かな手刺繍は……!」
まるで幼い少女2人のように、アレキサンドラとアレシアが興奮した顔を見合わせる。
「素敵……なんて素晴らしい手仕事なのでしょう! もう胸がいっぱいで、倒れそうだわ……」
「アレシア様を驚かそうと、みんなで内緒に色々準備したんです。お化粧と髪はネティさんがリオベルデ風に装ってくださいますわ。だからご安心なさって」
「まあ……!」
アレシアはぎゅっとアレキサンドラの手を握った。
「失礼いたします、アレシア様……」
その時、ノックの音とともに、笑顔のサラが入ってきた。
ケガもしっかり治って、アレシア付きの侍女兼護衛として復帰したサラは、扉を開けて、誰かを部屋に招き入れた。
ニコニコと満面の笑顔で入ってきたのは、アレシアの兄のクルスである。
アレシアの親代わりとして、神殿でのエスコートをするクルスも、リオベルデの正装姿で、ピシッと決めていた。
「さあさあ、ついにこの日が来たね。大丈夫、皆で相談して協力して、ランス帝国皇后にふさわしい装いを準備した。君は、安心して美しく微笑んでいればいい」
カイルはアレシアの背中を優しく叩くと、アレキサンドラを見た。
「ハロウェイ子爵令嬢、本当に、色々ありがとう。社交界を知り尽くした君の知識や腕がなければ、ここまでできなかったよ」
アレキサンドラは顔をぱっと赤くした。
「とんでもない。過分なお褒めをいただき、恐縮でございます」
かつてアンジュランス1の美姫、ランスの赤いバラと謳われたアレキサンドラは、今日はシンプルな濃い緑のドレスを着て、裏方に徹していた。
「君にも仕事があるのに、忙しくさせてしまったな。孤児院の子供達も君がいなくて、寂しがっているだろう。……結婚式の方が落ち着いたら、一度ゆっくりお礼を言う機会を作らせてもらって、いいかな?」
アレシアは兄の言葉に、あらっ、という表情をしてアレキサンドラを見た。
アレキサンドラも、かすかに頬を染めて、小さくうなづいている。
アレシアの笑顔が深くなった。
大好きな神殿で、今日、大好きな人と将来を誓い合う。
そんな幸せな日に、アレシアの大切な人々もまた、幸せな表情をしているのが、何よりも嬉しかったのだ。
「アレシア様、お時間です」
ぱりっとした侍女の制服を着たサラが、華やかな声で言った。
* * *
この日、ランス帝国皇帝は、正式にアレシアを皇后として迎えた。
アンジュランスの女神神殿には、2人の結婚を祝う人々が集まり、花びらを撒いて祝福した。
銀色の髪をした、リオベルデから来た姫巫女アレシアの清楚な美しさは、それから長い間、人々に語り継がれることになったのだった。
純白の服を着たカイルは、純白の花嫁衣装に身を包んだアレシアに言った。
「いつでも、2人で支え合っていこう」
アレシアは答えの代わりに、カイルの手をしっかりと握りしめた。
神殿の祭壇を前に、カイルはアレシアの顔にかかる純白のベールをゆっくりと持ち上げ、アレシアの淡く彩られた唇に口づけを落とした。
柔らかく微笑むアレシアは、全身、白の婚礼衣装が清楚で、とても似合っていた。
そんなアレシアの姿に、カイルもまた満足げに微笑んだ。
「あなたには本当に、白がよく似合う。純白の姫巫女よ」
そして皇帝カイルは初々しい皇后となった姫巫女アレシアの手を取って、2人を祝福するために神殿の前に集まった人々の前に現れたのだった。
* * *
帝国に嫁いだ、純白の姫巫女は、愛する皇帝と末永く幸せに暮らした。
皇帝と姫巫女は愛らしい子供達にも恵まれた。
『どの子も等しく愛し、それぞれに合わせた役割を与えること』
エレオラからの最後のアドバイスは活かされた。
子供達は愛情いっぱいに育てられ、お互いに仲良く、長じても協力しあって帝国のために働いた。
銀髪で生まれた皇女は伯父であるリオベルデ国王の元で姫巫女となり、ランス帝国とリオベルデ王国の友好は長く称えられたのだった。
そして皇帝は皇后の出身地である緑の谷を愛し、生涯に何度もその地を訪れたと伝えられている。
皇帝の人生には、悲しい出来事もたくさんあった。
しかし、ついに皇帝は大切な人と、心の故郷、2つを手に入れたのだった。
==========
『皇家の呪いと純白の姫巫女』、本編はこれで完結となります。
この後は番外編『リオベルデ国王とランス帝国子爵令嬢』(前後編)に続きます。
ひき続きどうぞお楽しみください。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!
ランス帝国帝都アンジュランスは、いつも以上に華やかな空気に満ちていた。
その日、アンジュランスの女神神殿分院で、ランス帝国皇帝カイルと、リオベルデ王国の姫巫女、アレシア王女との結婚式が行われるのだ。
幼くして婚約者となった2人が、無事に夫婦としての誓いを女神に捧げるこの日、ランス帝国とリオベルデ王国双方の人々が心から喜びを分かち合い、祝福しようとしていた。
いくら結婚がすでに定まっていた2人とはいえ、カイルの改めてのプロポーズからわずか半年での結婚式は、多くの人の協力があってこそ整ったものだった。
女神に仕える巫女としての立場から、アレシアは華美な式を断り、女神神殿で結婚を誓う、シンプルな式を希望した。
しかし、帝国の皇帝としては、皇帝の格にふさわしい結婚式を挙げること、さらに内外から多くの招待客を招く必要があり、準備期間も格段に少ない中、困難が予想された。
そこに助けとなったのが、アレシアの兄であるリオベルデ国王クルスと、ランス帝国のアレキサンドラ・ハロウェイ子爵令嬢だった。
クルスは持ち前のおっとりとした優しい物腰で、堂々と無理を押し、各国の王や宰相、貴族達をうまく取りまとめて招待客リストを完成させた。
結婚式、披露宴の組み立てと花嫁の衣装の準備に活躍したのは、ハロウェイ子爵令嬢。以前の名を、アレキサンドラ・オブライエン公爵令嬢。罪人となった前宰相の1人娘だ。
名前を変えて再出発し、帝国のために働いている。
アレシアの結婚式では、かつて『ランスの赤いバラ』と称えられたアレキサンドラの、社交界の花形としての知識を惜しむことなく発揮していた。
長く豊かな赤い髪を簡単に背中でまとめたアレキサンドラが、ほれぼれとした表情で、壁に掛けられたドレスを眺めていた。
「アレシア様、ついにこの日が来ましたわ。ご覧ください。姫巫女様にぴったりなドレスです」
アレシアはうっとりとした表情で、細かなレース地で作られたドレスを見つめた。
「とても綺麗だわ。それに不思議……どことなく、リオベルデの服に似ているわ」
実は、アレシアはレース地のドレスの下に着るアンダードレスは試着をしたのだが、その後はアレキサンドラの「あとはお体のサイズを変えないでくださいませ」の一言に押し切られて、仕上がったドレスを見たのはこれが初めてだった。
アレキサンドラが微笑んだ。
「これは、エレオラ様が結婚式でお召しになった花嫁衣装なのですよ。デザインが少し古すぎるところもありましたので、リフォームしましたの。リオベルデ風に、ドレスの上にチュニック風のオーバードレスを重ねたんです。アンジュランスの腕利きの職人が手刺繍を施したのですよ」
アレキサンドラが自信満々に説明してくれる。
「ヘッドドレスをご覧くださいな。真珠を1粒1粒付けて、輝くようでしょう? 神殿付属の孤児院の子供達がお祝いの気持ちを込めて、縫い付けましたのよ。これは帝国のデザインですが、生地はリオベルデから取り寄せましたの。クルス陛下がご用意くださいましたわ」
「まあ! 知らなかったわ」
「さあさあ、まだありますわよ。こちらの飾り帯をご覧ください。これはカイル様からの贈り物ですの。白一色、結婚式のために織られた、飾り帯ですのよ。どうですか、この細かな手刺繍は……!」
まるで幼い少女2人のように、アレキサンドラとアレシアが興奮した顔を見合わせる。
「素敵……なんて素晴らしい手仕事なのでしょう! もう胸がいっぱいで、倒れそうだわ……」
「アレシア様を驚かそうと、みんなで内緒に色々準備したんです。お化粧と髪はネティさんがリオベルデ風に装ってくださいますわ。だからご安心なさって」
「まあ……!」
アレシアはぎゅっとアレキサンドラの手を握った。
「失礼いたします、アレシア様……」
その時、ノックの音とともに、笑顔のサラが入ってきた。
ケガもしっかり治って、アレシア付きの侍女兼護衛として復帰したサラは、扉を開けて、誰かを部屋に招き入れた。
ニコニコと満面の笑顔で入ってきたのは、アレシアの兄のクルスである。
アレシアの親代わりとして、神殿でのエスコートをするクルスも、リオベルデの正装姿で、ピシッと決めていた。
「さあさあ、ついにこの日が来たね。大丈夫、皆で相談して協力して、ランス帝国皇后にふさわしい装いを準備した。君は、安心して美しく微笑んでいればいい」
カイルはアレシアの背中を優しく叩くと、アレキサンドラを見た。
「ハロウェイ子爵令嬢、本当に、色々ありがとう。社交界を知り尽くした君の知識や腕がなければ、ここまでできなかったよ」
アレキサンドラは顔をぱっと赤くした。
「とんでもない。過分なお褒めをいただき、恐縮でございます」
かつてアンジュランス1の美姫、ランスの赤いバラと謳われたアレキサンドラは、今日はシンプルな濃い緑のドレスを着て、裏方に徹していた。
「君にも仕事があるのに、忙しくさせてしまったな。孤児院の子供達も君がいなくて、寂しがっているだろう。……結婚式の方が落ち着いたら、一度ゆっくりお礼を言う機会を作らせてもらって、いいかな?」
アレシアは兄の言葉に、あらっ、という表情をしてアレキサンドラを見た。
アレキサンドラも、かすかに頬を染めて、小さくうなづいている。
アレシアの笑顔が深くなった。
大好きな神殿で、今日、大好きな人と将来を誓い合う。
そんな幸せな日に、アレシアの大切な人々もまた、幸せな表情をしているのが、何よりも嬉しかったのだ。
「アレシア様、お時間です」
ぱりっとした侍女の制服を着たサラが、華やかな声で言った。
* * *
この日、ランス帝国皇帝は、正式にアレシアを皇后として迎えた。
アンジュランスの女神神殿には、2人の結婚を祝う人々が集まり、花びらを撒いて祝福した。
銀色の髪をした、リオベルデから来た姫巫女アレシアの清楚な美しさは、それから長い間、人々に語り継がれることになったのだった。
純白の服を着たカイルは、純白の花嫁衣装に身を包んだアレシアに言った。
「いつでも、2人で支え合っていこう」
アレシアは答えの代わりに、カイルの手をしっかりと握りしめた。
神殿の祭壇を前に、カイルはアレシアの顔にかかる純白のベールをゆっくりと持ち上げ、アレシアの淡く彩られた唇に口づけを落とした。
柔らかく微笑むアレシアは、全身、白の婚礼衣装が清楚で、とても似合っていた。
そんなアレシアの姿に、カイルもまた満足げに微笑んだ。
「あなたには本当に、白がよく似合う。純白の姫巫女よ」
そして皇帝カイルは初々しい皇后となった姫巫女アレシアの手を取って、2人を祝福するために神殿の前に集まった人々の前に現れたのだった。
* * *
帝国に嫁いだ、純白の姫巫女は、愛する皇帝と末永く幸せに暮らした。
皇帝と姫巫女は愛らしい子供達にも恵まれた。
『どの子も等しく愛し、それぞれに合わせた役割を与えること』
エレオラからの最後のアドバイスは活かされた。
子供達は愛情いっぱいに育てられ、お互いに仲良く、長じても協力しあって帝国のために働いた。
銀髪で生まれた皇女は伯父であるリオベルデ国王の元で姫巫女となり、ランス帝国とリオベルデ王国の友好は長く称えられたのだった。
そして皇帝は皇后の出身地である緑の谷を愛し、生涯に何度もその地を訪れたと伝えられている。
皇帝の人生には、悲しい出来事もたくさんあった。
しかし、ついに皇帝は大切な人と、心の故郷、2つを手に入れたのだった。
==========
『皇家の呪いと純白の姫巫女』、本編はこれで完結となります。
この後は番外編『リオベルデ国王とランス帝国子爵令嬢』(前後編)に続きます。
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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!
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