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第十一章 先へ、なう

264話 移住なう

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「ここだ。月々の家賃は大金貨三枚。値段の割にはいい部屋だぞ」

 冬子が井川に案内したのは、中心部から少し離れた住宅街にあるアパート。市場まで徒歩五分程度、AGギルドまで十分程度。庭も井戸もちゃんとついている、かなりの優良物件だ。
 AGたちが住んでいる(というか宿をとっている)区画からは離れており、スラムは真反対にあるので、治安も良い。

「築年数はそれなりだが、そこは我慢してくれ」

「別にいい。ワンルームのつもりだったが、1LDKだしな。とはいえ……シャワーも無いのは辛いな」

 トイレは共用、残念ながら風呂は無い。

「水を出す魔道具は自分で買ってね。高級品だからこの部屋には設置されてないんだ」

 美沙は肩をすくめて井戸を見る。大量に水を使うなら大概は、井戸からくみ上げた方が安上がりだ。

「そうか……水を出す魔道具ってどれくらいの値段なんだ?」

「ザッと大金貨四十枚くらいだったと思う。金が無ければ、京助がトイチで貸してくれるぞ」

「トイチ……十日で一割って、ぼったくり過ぎだろう」

「いや、十分で一割だ」

「法外すぎる!」

 冬子と美沙はケラケラと笑いながら、井川に家の鍵を渡す。普通なら不動産会社(今回であればティアール商会)か、管理人さんが渡すものだが……井川が、どうしてもとお願いしてきたのだ。木原が極力人と会わなくて済むように。

「……さて、部屋に入る。土足、だよな」

「ああ」

 我が家は玄関で靴を履き替えるが、この国は基本的に土足文化だ。未だにマリルさんなんかは忘れてそのまま入ろうとしたりする。

「じゃあそのままでも大丈夫か」

「ああ。馬車の馬は放っておいて平気なのか?」

「躾けはきっちりされているよ。何せ王宮の馬なんだから」

 それなら安心。
 井川が馬車の中に入り、気配が消える。転移したのだろう。

「木原さんって金髪だったよね」

 井川の気配が消えてから、そんなことを問うてくる美沙。先ほど馬車に乗った際、チラッと見えた彼女の髪色は黒だった。

「あれは染めていたんだろう。冷静に考えれば、日本人なんだしな」

 そして今は、染め直す元気もないと。
 まじまじと見たわけでは無いし、冬子は精神鑑定のプロでは無いが……それでも、今の木原が戦いに参加出来る精神状態じゃないのは一目でわかった。
 冬子はアイテムボックスから飲み物を取り出し、美沙に投げる。

「冷やしてくれ」

「一本くれるならいいよ」

「もちろん」

 彼女が魔術を使い、水筒の中身を冷やしてくれる。十分冷えたところでそれを受け取って、ぐびぐびと喉に流し込んだ。

「ねぇ、冬子ちゃん。私も戦うのってそんなに得意じゃないんだけどさ」

「……お前が?」

「なんで意外そうな顔してるの」

 ジロッと睨まれる。

「いや、ほら。相手を殺すのに微塵も躊躇が無いだろう?」

「相手を殺すのと、戦うのとは違うじゃん。それに苦手だからって見逃して、京助君に迷惑をかけるわけにいかないもん。別に自分が知らない人が死のうが生きようがどうでもいいし」

 何となく耳の痛いセリフ。

「苦手とやらないは違うでしょ。ま、今はそれはいいの。……戦いは苦手だけど、どれだけボコボコにされてもああはならないと思う。ただボコボコにされただけなら、ね」

「ふむ」

「そして、木原さんもどちらかというと戦いたい方じゃないんだと思う。でも、彼氏のために命を懸けることは出来る子だった。……なのに、ああなってる」

 要するに、ただ敗けただけじゃないと。

「なら、何があったんだろうな」

「そもそも心が折れて生き残れるっていう情報が稀有だと思うんだよね。ちょっと聞いてみたい気もするけど」

「やめておけ。傷は抉るものじゃない」

 美沙も流石に冗談だったのか、肩をすくめるだけに留める。

「後は買い出しだっけ」

「ああ。家具類は揃っているが、白物家電が無いからな。街の案内も兼ねて、色々回った方がいいだろう」

 家電と言うと何となく語弊はあるだろうが、要するに魔道具だ。魔魂石を主動力として、水を出したりちゃんと物を冷やしたり。
 どれもこれも高価だが、現代日本人からすれば無いのは考えられないものばかり。

「そう考えると、京助は何か月かとはいえ……よく宿屋暮らしが出来たものだ」

「慣れるものなんじゃないかなぁ。私たちは無理だったけど」

 冬子たちが塔を巡っていた頃は、水の出る魔道具とその他の物品で簡易シャワーのような物を作り、アイテムボックスで持ち歩いていた。
 今考えたら、野営の時にシャワーを浴びるとか……不用心極まりない。

「阿辺君の魔法があったから出来たことだよね」

「ああ。あの結界魔法の腕前は大したものだった」

 阿辺の人間性は最悪だったが……実力は異世界人の誰もが認めていた。純粋な戦闘力という点においては、天川、白鷺、冬子の次に来るほどだっただろう。

「京助君は簡単に使ってるけど、そもそも結界魔法って大変なんだよ。私、まだ防御結界しか張れないもん」

「そうなのか」

 頷く美沙。

「結界魔法って超高等技術なんだよ。リューさんすら、防御結界と姿を消す結界くらいでしょ?」

「リューさんは防御結界も滅多に使わないな。一方向にのみ炎の壁を出してガードすることが多いから」

 京助もキアラさんも簡単に使っているのでそんなイメージは無かったが、言われてみればあれほど簡単に何種類も扱う魔法師は見たことが無い。
 それこそ、阿辺以外では。

「惜しい人間を無くしたものだ」

「死んでないと思うよ。憎まれっ子世に憚るって言うし」

 まあ、タローさんからの報告でもすぐに殺されることは無さそうだったしな。

「……SランクAGから逃げ切れる奴が裏切ったのか。美沙、お前なら逃げ切る自信はあるか?」

「よほど相性が良ければなんとか? 味方だと迷惑なのに、敵に回るとこれ以上ないくらい鬱陶しいね」

「それが阿辺だ。オレたちも心底困らされた」

 ふっ、と。
 美沙と冬子の前に井川が現れる。息を吸うように転移するな、こいつは。

「ああ、そう言われてるんだ。『転移を必殺技だと思うな。通常技だと思え』と」

「ほう」

 とにかく日常生活で使って慣れるように指導されているのか。誰が指導員なのかは知らないが。

「あー、それ私も言われた。息を吸って吐くのと同じように、魔法を使えって。私もリューさんも苦笑いしか出来なかったけど」

「誰に言われ……って、キアラさんか」

「うん。魔法って考えて使うんじゃなくて、反射で使えるようにならないと一人前になれないんだってさ」

 冬子は魔法を使えないからそれがどれだけ無茶なことを言っているのかは想像することしか出来ないが……二人の反応からして、常識はずれなのは間違いないのだろう。

「ま、何にせよだ。取りあえず家電類を揃えよう。その前に、馬車をうちに置いてくるか」

「ああ」

 井川が馬車に手を触れると同時に、景色が変わる。自分たちが動いたのではなく、周りが動いたように錯覚する転移。

「……キアラさんの転移みたいだ」

「うん。凄いねー」

 王都動乱から少ししか経っていない。
 しかし井川は目に見えて成長している。

「どの辺に停めたらいい?」

 難波も、精神面で如実に成長していた。

「そうだな、いつもオルランドさんが来た時に停めている場所がある。そっちに動かそう」

 皆、成長している。

「ねぇ、冬子ちゃん。なんか顔が怖いよ?」

「え? あ、ああ。何でもない、大丈夫だ」

「完全に何でもない顔じゃなかったけど」

 馬車を停めて、さてと井川がこちらを向く。

「それじゃあ、案内してくれ」

(私は――?)


~~~~~~~~~~~~


 夜。
 本日のメニューは、昼のリクエスト通り、ビーフシチューだ。

「で、難波は結局どこに泊めさせたんだ?」

「『三毛猫のタンゴ』に放り込んできた。さっそくリルラから『剣を振って!』って頼まれてたよ」

「ヨホホ、リルラさんの武器フェチはまだ続いてるんデスねぇ」

 三つ子の魂百まで……とは少し違うけど、たぶん死ぬまでその嗜好は変わらない。

「井川家、難波家がアンタレスに移住か……そのうち、異世界人皆こっちに移住することになったりしてね」

「その都度、マスターを頼られても困りますが」

「でも京助君しか頼る人もいないし?」

「キョウ君がちゃんとお金を取るなら大丈夫だと思いますよー」

 大丈夫、その辺の線引きはしっかりしているからね。
 俺は人情モノみたいに無料で依頼を受けたりはしない。

「王都救援の時にアップルパイで引き受けたのは誰でしたっけー?」

「誰だっけー」

 しらーっとそっぽを向いて誤魔化したのだが、マリルから上目遣いで睨まれた。ついでに何故か谷間を強調している。何してるのさ。

「キョウ君がちゃんと線引きしてるのは分かっていますけどー、逆に言えば『報酬を貰うこと』が『線引き』なんであって、その額に関しては頓着してないんですよねー」

 なかなか痛いところを突くマリル。

「AGになり立てのキョウ君はもう少しお金、お金って感じだったんですけど」

「あら、そうなんですか。あまりマスターのイメージにそぐいませんが」

「ヨホホ、確かにあの頃のキョースケさんはもう少しギラギラしていましたデスね」

 ギラギラ、と言われると少し違う気もするが……マリルの言う通り、あの頃はもう少しお金に拘っていた。ちゃんと依頼人に値段交渉とかしてたし。

「高校生の頃の京助は、金どころか勝負事にすら興味が無かったからな。草食系男子を地で言っていたあの時よりは、今の方が健全な気がする」

「誰が草食系男子だ」

「そうだよ、冬子ちゃん。今の京助君って据え膳すら無視する絶食系男子だよ?」

 誰が絶食系男子だ。自制心があると言って欲しい。

「キョースケは絶食系というよりは断食系ぢゃろうな」

「俺は断食も絶食もしてないよ。それはさておいて、ほらコレ」

 なんか話が妙な方に進んだので、俺は懐から一枚の手紙を取り出す。
 今日、ギルドに届いていた――パインからの手紙だ。

「お、京助。結局どうなったんだ」

「許可が出ました、ベガまで来てくださいってさ」

 皆から「おー」という感心の声が聞こえてくる。

「温泉旅行デスねー。タローさんが紹介してくださった宿はそこにあるんデスよね」

「楽しみですね、ダンジョン。私の持つ武器のように、良い武器が出たら良いのですが」

「私は防具が欲しいな。志村に言えばカッコいい近未来な鎧がもらえるのかもしれないが、せっかくだし異世界に合わせたい」

 あいつだけ作品が違うもんね。
 そういう意味では、俺も鎧が欲しいかもしれない。

「いつ頃、行くんですか?」

「一か月後。色々手続きがあるらしい」

 リャンの問いに、俺は手紙を見ながら答える。『EXランクダンジョン』に『Sランクチーム』が挑む……のは、色々と手続きが必要らしい。

「ダンジョンの練習もしないとね、その間に」

「ああ……マスターは私とお遊びしかしてませんもんね」

 最初の『レギオンの横穴』はまだしも、それ以降のCランクダンジョンはタイムアタックして遊んでたからね。
 ちなみに冬子たちはダンジョンの経験すら無いはずだ。

「どんな感じなのかな、EXランクは」

「分かりやすい例だと、セブンさんの大剣なんかはEXランクから出たはずですよー。その後、そのダンジョンはSランクと判定されましたけど」

 アレはそんな業物だったのか。いやまあ、そりゃそうか。Sランカーの装備だもんね。

「しかしマスター、ダンジョンとなれば装備の更新は必要ですよ」

「うっ……はぁ、そうだよねぇ」

 俺は自慢じゃないが、装備を一切更新してない。たぶん最後に更新したのって、塔を出てから防具類をさくっと揃えた時だと思う。

「まあ、ダンジョンアタックをしつつ少しずつ揃えれば良いとは思いますが。トーコさんは……そろそろ良い装備にしてみては?」

「ふむ、考えてみるか。……お金との相談にもなるが」

「別に言ってくれたら出すのに」

 というか、冬子はAランク。稼ぎはそこそこだし、良い装備を買えないってことは無いと思うんだけど。

「まあトーコさんは貯金に大きく回していますからねー。……キョウ君は稼ぎ頭ですけど、実質的に三人養っていますから、老後資金を貯められるってわけでも無いですしー」

 この年齢から老後資金って言うのも変な話だが。貯金も結構あるんだぞ、これでも。

「いやまあ、Sランクになって色々と契約してからドバっと増えたんで……これからはもうちょっと貯金に回せるとは思うんですけどねー」

「っていうか、冬子も商会なり貴族なりと契約する? 伝手を辿ればちょっといい契約出来るかもよ」

「ああ、それはいいかもな。京助程じゃないだろうが、固定でお金が入るのは良いことだ」

 資金繰りも考えていけば、装備を整えるだけじゃなくてもっと贅沢出来るかもね。

「いや今でも結構贅沢している方じゃありませんか?」

「え? そう?」

「ヨホホ……毎日湯船にお湯を張ったり、家事を楽にする魔道具をたくさん買ったりと、結構贅沢だと思いますデスよ」

 あー……。
 日本の感覚だったけど、よく考えたら結構お金かかるもんな。普通なら。

「でもほら、風呂のお湯は俺が沸かしてるし」

「マスターってたまに自分の能力と、平均のすり合わせに失敗しますよね」

「あ、贅沢と言えば乗り物欲しいですねー。買い物の時は良い運動になるんですけどー、この家から商店街って遠いんですよー」

 ああ、そういえば言ってたね。
 かと言って馬車は維持にお金がかかるしな……。

「馬車以外の乗り物ってあるの?」

「一品ものになるが、自転車はあるぞ。最も、あまり妾は勧めぬが」

「なんで?」

「停める場所が無いからのぅ。すぐにパクられるぞ」

 なるほど。

「じゃあ盗まれない自転車が必要だね。自動で走る自転車で、盗まれそうになったら勝手に走り出すとか」

「自動で走る自転車は、それはもうバイクだ京助。もしくはバイ〇ゲーマーレベル2だ」

「そもそも勝手に走るバイクって怖く無い? ゴース〇ライダー出てきそうだよ。あ、京助君にはセ〇ティって言った方が分かりやすいかな」

「デュ〇ララは見てないし、そもそもあれってバイクが自動で動くんじゃなくて首なしライダーなりが乗ってるんだからジャンル違いでしょ」

 バイクだけで動くのは某バッタの改造人間シリーズの乗るマシンだけだ。

「ま、何にせよ一か月後だ。それまではのんびりしよう」

 ダンジョンの練習はしなくちゃならないし、クエストを受ける必要もある、美沙の教導もしないといけないし。
 でも、急ぎのデカい案件は無いわけだ。

「キョウ君は手紙の処理に専念できますねー」

「ああ……思い出させないで……」

 嘆息する。イーピンの事件の後もまだまだ届いている。とはいえSランカーになってすぐに比べたらだいぶ減ってきた。
 後はアポイントを取って会いに行くだけだ。条件が合うといいんだけどね。

「私もオルランドさんにちょっと相談してみよう」

 人との繋がりっていうのは、得難いものだ。俺には興味が無かった人も、冬子になら興味があるかもしれない。そうして人脈を広げていくのは良いことだろう。
 冬子が貴族や、商会と契約を結ぶ……か。

「冬子って美人だし、それ目当ての人が来そうで嫌だな……」

 よく考えたら、俺のチームメンバーは美女ばかり。もしかすると……彼女らに近づきたくて、俺に契約を打診している人もいるかもしれない。
 それは……嫌だな。

「キョウ君、声が漏れてますよー。……それにしても、珍しいですね」

「おっといけない」

 俺は口を手でふさぎ、肩をすくめてからビーフシチューを食べる。彼女らを邪な目で見ない奴だけに限定するか、そもそも会わせないか……。
 って、珍しい?

「何が?」

「私たち目当てで自分を中継役にされたんじゃないかっていう発想もー……私たちが誰かから『女性として』狙われるんじゃないかっていう発想も、両方ですねー」

 マリルに言われ、俺は確かにと手を打つ。

「イーピンの事件で、目に見えるところ以外にも人との関りが発生せざるを得ないって分かったからね」

「事実とはいえ、美女と言われると照れますね。ありがとうございますマスター」

「皆に言ったんだからな。何で自分だけ言われたみたいに受け取っているんだ、ピア」

 皆が美人なんて、誰が見ても明らかな事実だし。今更照れる必要も無いだろうに。
 俺はビーフシチューの最後の一口を放り込み、手を合わせる。

「ご馳走様。美味しかったよ。シュリー、キアラ、美沙。吸いに行くけど行く?」

「ヨホホ、ではお付き合いしますデス」

「妾は飲んでから行くから放っておけ」

「あ、じゃあお供するー」

 俺は二人を引き連れて外の喫煙所へ向かう。

(――女性として、誰かから狙われる)

 言われてみれば、考えたことも無かった。
 彼女らが美人だとか、誰かから好かれるかもということを考えなかったわけじゃない。
 彼女らが誰かから見初められ、自分の元から離れるかもしれない。
 その可能性に対して、嫌悪するなんて。

(ああもう、どうしたんだ俺は)

 なんで、俺は――彼女らが、ずっと一緒にいてくれないと嫌だと思っているのだろう。
 なんで、俺は。

「京助君、なんか変な顔してるよ? ちょうだい、活力煙」

「ヨホホ、眉間にしわが寄っているデスよ」

「そう?」

 活力煙を咥えて、火をつける。
 紫煙が夜空に溶けていく。

(どうすればいいんだろうね)

 月は綺麗なのに、何も答えちゃくれなかった。
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