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最終話「好きという気持ち」7

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 その言葉は私を震撼させました。
 
 それは、私が考えないようにしてきた、私が気づかないようにしてきた秘めた想いだったからです。
 一度気付いてしまったら無自覚なままではいられない、簡単には無視できない。大切な感情が沸き上がってきて、自分の感情を止めることが出来ません。

 真奈ちゃんの方が私の気持ちをよく知っていること、私が気づかないような気持ちにも気付いてしまっていること、そのことに私は自分が分からなくなりました。

 真奈ちゃんのテレパシー能力が私の深層心理にまで達してしまっているという真実。

 そして、この言葉を聞いて、本当の気持ちに気付いてしまった私は、このことが頭から離れないほどに、この瞬間から彼のことを本気で好きになっていったのです。


 


 それを考え始めて、元を辿れば、そう、あの日、浩二君と羽月さんの情事を夢に見てしまったからだと考えました。

 二人の恋物語の中にあった確かな愛情の形。
 触れ合う身体、熱を帯びた吐息、交わる身体、刺激的な行為。

 普段、日常のように接してきた二人が愛し合い乱れる姿は、私を確実に狂わせていました。

 それはやがて、私の中で憧れや情欲へと変わって、浩二君を見る目が確実に変わっていってしまったのだ。


 ”真奈ちゃんに認められた”、それは甘美な誘惑として、魔法使いとしての私の決意を鈍らせ、彼にも私の使命に加担させようとしている……、それはとても愚かなこと。

 先読みするまでもなく、それはやがて真奈ちゃんにとっても迷惑なことだと分かりつつも、私はどうしようもないほどに彼のことを想い、彼に惹かれていくのでした。
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