58 / 70
第十六話「最後の力」4
しおりを挟む
今ではまるで故郷のような心境さえ浮かぶ大きな病院、ここでどれだけの時を過ごしてきたか。
年の離れた兄を探して病院の中を歩く、やはり一人で歩くのは不安だ、人に追いかけられるのは嫌なのでエレベーターは使わず非常階段の方を使って上の階にある兄の研究室へと向かう。
猫の姿でいれば足音を立てることもなく身軽だ、なんとか人に見つかり、捕まることもなく兄の姿を見つけた。
椅子に座ってパソコンと睨めっこを続ける兄の姿、それはもう見慣れた光景だった。
慌ただしかったこの数か月のことを思えばこの光景も懐かしさすら覚える。私はそんな兄の姿を音も立てずに見つめた。
兄が私のことに気付いたら・・・、話さなければならない、大切なことを・・・、今までの事、これからの事、私の決意を。
私の話を聞いて一体兄はどう反応するだろう、悲しんでくれるだろうか、それとも私のことを縛ってでもなんとかしようとするだろうか、考えれば考えるほど不安は消えることはない。でももう現実から逃げないと決めた、生きるか死ぬかは最後は自分で決める、今までお世話になった人々に感謝を込めて、私は祈った。
「柚季か・・・?」
時間の感覚も忘れるほど時が過ぎて、ようやく兄は私の存在に気付いた。私の兄、白糸隆司には私がただの紛れ込んできた猫ではないことがすぐにわかった。
「にゃー」
私は一つ、鳴き声を上げて兄の膝に乗る。兄は優しく私の身体を抱えると人目を気にして奥の個室に入った。
「ただいまです、兄さん」
懐かしさを噛みしめながら、二人きりになって私は話しかけた。
「本当に柚季なんだな、無事だったか、ずっと戻らないから心配したぞ」
白衣の兄は今日は眼鏡をしていた。表情はあまり表に出さないタイプなのは相変わらずで、声は周りの人と話すよりは穏やかで、私が帰ってきたことを歓迎してくれているようだ。
「ちづるに身体を返しました。これで彼女は元の生活に戻ると思います」
最初にそう私が伝えると、兄は「そうか」と一言呟いた。表情から感情は見えないが、深く追求する気はないようだ。
疑いの目がない辺り、やはり兄はちづるにほかの人物が憑りついていたことを知っていたようだ。
「これでアメリカに行く支度も出来た。随分世話になったこの病院ともいよいよお別れだな」
「兄さん、もう出発されるんですか」
「向こうで研究が続けられるようになった。こちらでの用事も済んだ、長居する必要もないだろう」
聞いてみれば兄の行動は予想外でもなかった。日本よりアメリカの方が臓器移植や万能細胞の研究は進んでいるし倫理的なハードルも低い、アメリカは自由の国というだけあって自己責任の範疇で出来る医療処置の範囲は日本より広い。
実際に治療に当たっている研究者と交流すれば新たな可能性も生まれるだろう。助けられる命がそこにあって、それを助けずにいられるのか、よく聞く言葉だがそれは研究の原動力でもあり理由付けにもなる。
どんな形であっても生き続けることに意味があるというのなら、自分のような存在も許されるのかもしれない。
私は兄の膝の上から机にジャンプにして兄の方に視線を合わせた。
「向こうに行けばお前の新しい身体も手に入るだろう、一緒に来てくれるか?」
次はどんな身体をと考えると胸が苦しくなった。
「それなのですが、わたしはここに残ろうと思います」
私は兄に今の気持ちを伝えた、これはもうずっと決めていたことだった。
「どうしてだ、その身体ではもう限界のはずだ」
兄が焦った口調で言う、タイミングが良かったのもあるが、なんとなく兄は私が帰ってくるのを待っていたのかもしれないと思った。
研究をずっと続けてきたのだから兄がこう言うのも無理のないことだが、私の意志が変わることはない。
「兄さん、もういいんです。私は十分に生きました、これで最後にしようと思います。
本来人間は心も身体も一つだったはずです、代わりの身体を頼ってまで生きるべきではないと思うのです。それはもう人間ではない、私であって私でないものです、だからこれで最後にしましょう」
「それじゃあ私は一体何のためにこれまで研究を・・・」
「いいんです、これからは自分のために生きてください。誰かを犠牲にしてまで生きるのは間違っています」
兄はじっと私の言葉を飲み込んでいた。久しぶりに帰ってきたのにこんなことを言わなければいけないなんて、研究を続けてきた兄にとってどれほどの苦痛だろう。
私はもうすぐ自分の身体に終わりが来ることをわかっていた、もう終わりの時は近い、ただ穏やかに終わりの時を迎えられればいい、そう思った。
兄は・・・、兄を必要とする人はアメリカにも多くいることだろう。
臓器移植なども含め、兄の外科医としての手腕は場所を変えても必要であるに違いない。
*
兄が長く勤務を続けていた病院に別れを告げ、スーツケースを持って出掛けるのを見送った。
もう兄と会うことはない、兄がアメリカで何をするのか、それはもう分からないけど、私が同行しないことを告げてからすっかり口数も少なくなり、昨晩はあまり飲まないお酒を開けて、ずっと朝方まで飲んでいた。
研究を続けることの情熱を失ってしまったのは浮かばれない事だったが、もはや私に慰めることは出来なかった。
「これで兄も自由になれたでしょうか」
兄を私から解放させた。手段がこれしかなかったとはいえ、兄が自由に生き生きとは言わなくても、私のこと以外に目がいくようになればと思った。
ずっと気を張っていたのか、兄がいなくなって一人きりになると急に体が重くなったように力が抜けていく。
「(私の願いは全部叶った、だから、もういいだろう)」
さまざまなネオンの色彩で飾られた夜の街並みをとぼとぼと歩く。
足取りがドンドン重くなっていき、意識も徐々に薄っすらと遠くなって息苦しさが増してくる。今ならわかる、今までの自分がどれだけ恵まれていたか、こんなにも身体が重いなんて・・・、苦しいのも辛いのも、私はあまり知らなかったのかもしれない、そう思えるほど、ちづると出会って、しばらくは穏やかで過ごしやすかった。
ちづる達といることが私にとって大切なことになっていたことに気付いて、急に会いたくなった。
ちづるは今のこんな私をどう思うだろう、私との別れを惜しんでくれるだろうか・・・。
そんなことを考えながら、自然と私の足はちづるの元へと向かっていた。
年の離れた兄を探して病院の中を歩く、やはり一人で歩くのは不安だ、人に追いかけられるのは嫌なのでエレベーターは使わず非常階段の方を使って上の階にある兄の研究室へと向かう。
猫の姿でいれば足音を立てることもなく身軽だ、なんとか人に見つかり、捕まることもなく兄の姿を見つけた。
椅子に座ってパソコンと睨めっこを続ける兄の姿、それはもう見慣れた光景だった。
慌ただしかったこの数か月のことを思えばこの光景も懐かしさすら覚える。私はそんな兄の姿を音も立てずに見つめた。
兄が私のことに気付いたら・・・、話さなければならない、大切なことを・・・、今までの事、これからの事、私の決意を。
私の話を聞いて一体兄はどう反応するだろう、悲しんでくれるだろうか、それとも私のことを縛ってでもなんとかしようとするだろうか、考えれば考えるほど不安は消えることはない。でももう現実から逃げないと決めた、生きるか死ぬかは最後は自分で決める、今までお世話になった人々に感謝を込めて、私は祈った。
「柚季か・・・?」
時間の感覚も忘れるほど時が過ぎて、ようやく兄は私の存在に気付いた。私の兄、白糸隆司には私がただの紛れ込んできた猫ではないことがすぐにわかった。
「にゃー」
私は一つ、鳴き声を上げて兄の膝に乗る。兄は優しく私の身体を抱えると人目を気にして奥の個室に入った。
「ただいまです、兄さん」
懐かしさを噛みしめながら、二人きりになって私は話しかけた。
「本当に柚季なんだな、無事だったか、ずっと戻らないから心配したぞ」
白衣の兄は今日は眼鏡をしていた。表情はあまり表に出さないタイプなのは相変わらずで、声は周りの人と話すよりは穏やかで、私が帰ってきたことを歓迎してくれているようだ。
「ちづるに身体を返しました。これで彼女は元の生活に戻ると思います」
最初にそう私が伝えると、兄は「そうか」と一言呟いた。表情から感情は見えないが、深く追求する気はないようだ。
疑いの目がない辺り、やはり兄はちづるにほかの人物が憑りついていたことを知っていたようだ。
「これでアメリカに行く支度も出来た。随分世話になったこの病院ともいよいよお別れだな」
「兄さん、もう出発されるんですか」
「向こうで研究が続けられるようになった。こちらでの用事も済んだ、長居する必要もないだろう」
聞いてみれば兄の行動は予想外でもなかった。日本よりアメリカの方が臓器移植や万能細胞の研究は進んでいるし倫理的なハードルも低い、アメリカは自由の国というだけあって自己責任の範疇で出来る医療処置の範囲は日本より広い。
実際に治療に当たっている研究者と交流すれば新たな可能性も生まれるだろう。助けられる命がそこにあって、それを助けずにいられるのか、よく聞く言葉だがそれは研究の原動力でもあり理由付けにもなる。
どんな形であっても生き続けることに意味があるというのなら、自分のような存在も許されるのかもしれない。
私は兄の膝の上から机にジャンプにして兄の方に視線を合わせた。
「向こうに行けばお前の新しい身体も手に入るだろう、一緒に来てくれるか?」
次はどんな身体をと考えると胸が苦しくなった。
「それなのですが、わたしはここに残ろうと思います」
私は兄に今の気持ちを伝えた、これはもうずっと決めていたことだった。
「どうしてだ、その身体ではもう限界のはずだ」
兄が焦った口調で言う、タイミングが良かったのもあるが、なんとなく兄は私が帰ってくるのを待っていたのかもしれないと思った。
研究をずっと続けてきたのだから兄がこう言うのも無理のないことだが、私の意志が変わることはない。
「兄さん、もういいんです。私は十分に生きました、これで最後にしようと思います。
本来人間は心も身体も一つだったはずです、代わりの身体を頼ってまで生きるべきではないと思うのです。それはもう人間ではない、私であって私でないものです、だからこれで最後にしましょう」
「それじゃあ私は一体何のためにこれまで研究を・・・」
「いいんです、これからは自分のために生きてください。誰かを犠牲にしてまで生きるのは間違っています」
兄はじっと私の言葉を飲み込んでいた。久しぶりに帰ってきたのにこんなことを言わなければいけないなんて、研究を続けてきた兄にとってどれほどの苦痛だろう。
私はもうすぐ自分の身体に終わりが来ることをわかっていた、もう終わりの時は近い、ただ穏やかに終わりの時を迎えられればいい、そう思った。
兄は・・・、兄を必要とする人はアメリカにも多くいることだろう。
臓器移植なども含め、兄の外科医としての手腕は場所を変えても必要であるに違いない。
*
兄が長く勤務を続けていた病院に別れを告げ、スーツケースを持って出掛けるのを見送った。
もう兄と会うことはない、兄がアメリカで何をするのか、それはもう分からないけど、私が同行しないことを告げてからすっかり口数も少なくなり、昨晩はあまり飲まないお酒を開けて、ずっと朝方まで飲んでいた。
研究を続けることの情熱を失ってしまったのは浮かばれない事だったが、もはや私に慰めることは出来なかった。
「これで兄も自由になれたでしょうか」
兄を私から解放させた。手段がこれしかなかったとはいえ、兄が自由に生き生きとは言わなくても、私のこと以外に目がいくようになればと思った。
ずっと気を張っていたのか、兄がいなくなって一人きりになると急に体が重くなったように力が抜けていく。
「(私の願いは全部叶った、だから、もういいだろう)」
さまざまなネオンの色彩で飾られた夜の街並みをとぼとぼと歩く。
足取りがドンドン重くなっていき、意識も徐々に薄っすらと遠くなって息苦しさが増してくる。今ならわかる、今までの自分がどれだけ恵まれていたか、こんなにも身体が重いなんて・・・、苦しいのも辛いのも、私はあまり知らなかったのかもしれない、そう思えるほど、ちづると出会って、しばらくは穏やかで過ごしやすかった。
ちづる達といることが私にとって大切なことになっていたことに気付いて、急に会いたくなった。
ちづるは今のこんな私をどう思うだろう、私との別れを惜しんでくれるだろうか・・・。
そんなことを考えながら、自然と私の足はちづるの元へと向かっていた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
ベスティエンⅢ【改訂版】
花閂
ライト文芸
美少女と強面との美女と野獣っぽい青春恋愛物語。
恋するオトメと武人のプライドの狭間で葛藤するちょっと天然の少女と、モンスターと恐れられるほどの力を持つ強面との、たまにシリアスたまにコメディな学園生活。
名門お嬢様学校に通う少女が、彼氏を追いかけて地元で恐れられる最悪の不良校に入学。
女子生徒数はわずか1%という環境でかなり注目を集めるなか、入学早々に不良をのしてしまったり暴走族にさらわれてしまったり、彼氏の心配をよそに前途多難な学園生活。
不良たちに暴君と恐れられる彼氏に溺愛されながらも、さらに事件に巻き込まれていく。
人間の女に恋をしたモンスターのお話がハッピーエンドだったことはない。
鐵のような両腕を持ち、鋼のような無慈悲さで、鬼と怖れられ獣と罵られ、己のサガを自覚しながらも
恋して焦がれて、愛さずにはいられない。
伽藍洞で君を待つ
宮沢泉
ライト文芸
幼馴染のさーやは、七年前から帰ってこない。
さーやが行方不明になって七年が経ち、幼馴染の小野田や元クラスメイトたちは、さーやとの思い出を巡ることになる。
思い出を一つ一つ拾っていく中で、さーやの姿が掘り下げられ、隠されていた姿が顕になっていく。そして真相は予想外に転じていきーー。
【本編完結】繚乱ロンド
由宇ノ木
ライト文芸
番外編更新日 12/25日
*『とわずがたり~思い出を辿れば~1 』
本編は完結。番外編を不定期で更新。
11/11,11/15,11/19
*『夫の疑問、妻の確信1~3』
10/12
*『いつもあなたの幸せを。』
9/14
*『伝統行事』
8/24
*『ひとりがたり~人生を振り返る~』
お盆期間限定番外編 8月11日~8月16日まで
*『日常のひとこま』は公開終了しました。
7月31日
*『恋心』・・・本編の171、180、188話にチラッと出てきた京司朗の自室に礼夏が現れたときの話です。
6/18
*『ある時代の出来事』
6/8
*女の子は『かわいい』を見せびらかしたい。全1頁。
*光と影 全1頁。
-本編大まかなあらすじ-
*青木みふゆは23歳。両親も妹も失ってしまったみふゆは一人暮らしで、花屋の堀内花壇の支店と本店に勤めている。花の仕事は好きで楽しいが、本店勤務時は事務を任されている二つ年上の林香苗に妬まれ嫌がらせを受けている。嫌がらせは徐々に増え、辟易しているみふゆは転職も思案中。
林香苗は堀内花壇社長の愛人でありながら、店のお得意様の、裏社会組織も持つといわれる惣領家の当主・惣領貴之がみふゆを気に入ってかわいがっているのを妬んでいるのだ。
そして、惣領貴之の懐刀とされる若頭・仙道京司朗も海外から帰国。みふゆが貴之に取り入ろうとしているのではないかと、京司朗から疑いをかけられる。
みふゆは自分の微妙な立場に悩みつつも、惣領貴之との親交を深め養女となるが、ある日予知をきっかけに高熱を出し年齢を退行させてゆくことになる。みふゆの心は子供に戻っていってしまう。
令和5年11/11更新内容(最終回)
*199. (2)
*200. ロンド~踊る命~ -17- (1)~(6)
*エピローグ ロンド~廻る命~
本編最終回です。200話の一部を199.(2)にしたため、199.(2)から最終話シリーズになりました。
※この物語はフィクションです。実在する団体・企業・人物とはなんら関係ありません。架空の町が舞台です。
現在の関連作品
『邪眼の娘』更新 令和6年1/7
『月光に咲く花』(ショートショート)
以上2作品はみふゆの母親・水無瀬礼夏(青木礼夏)の物語。
『恋人はメリーさん』(主人公は京司朗の後輩・東雲結)
『繚乱ロンド』の元になった2作品
『花物語』に入っている『カサブランカ・ダディ(全五話)』『花冠はタンポポで(ショートショート)』
三度目の庄司
西原衣都
ライト文芸
庄司有希の家族は複雑だ。
小学校に入学する前、両親が離婚した。
中学校に入学する前、両親が再婚した。
両親は別れたりくっついたりしている。同じ相手と再婚したのだ。
名字が大西から庄司に変わるのは二回目だ。
有希が高校三年生時、両親の関係が再びあやしくなってきた。もしかしたら、また大西になって、また庄司になるかもしれない。うんざりした有希はそんな両親に抗議すべく家出を決行した。
健全な家出だ。そこでよく知ってるのに、知らない男の子と一夏を過ごすことになった。有希はその子と話すうち、この境遇をどうでもよくなってしまった。彼も同じ境遇を引き受けた子供だったから。
行くゼ! 音弧野高校声優部
涼紀龍太朗
ライト文芸
流介と太一の通う私立音弧野高校は勝利と男気を志向するという、時代を三周程遅れたマッチョな男子校。
そんな音弧野高で声優部を作ろうとする流介だったが、基本的にはスポーツ以外の部活は認められていない。しかし流介は、校長に声優部発足を直談判した!
同じ一年生にしてフィギュアスケートの国民的スター・氷堂を巻き込みつつ、果たして太一と流介は声優部を作ることができるのか否か?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる