神様のボートの上で

shiori

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登場人物紹介1

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進藤千鶴しんどうちづる

161cm、48kg

「私は、もう人間でいるのを辞めたのよ」



 進藤家の一人娘。父親の失業、家出、そして麻生一家殺人事件を機に父親が容疑者として逮捕されたことで、家族の亀裂を招いていく。

 元々大人しい性格で本を読むことが好きで、図書館にも通っている。

 目立った恋愛経験はなかったため、自分が男子にモテるような容姿であるとは思っていない。

 中学時代に大学院生の家庭教師に片想いをするが相手の就職をを機に会えなくなっていた。

 精神的ショックの末に自殺未遂をするが偶然通りかかった白糸医師に助けられ一命を取り留める。手術の際に柚季に近い処置を施したおかげで生活に不自由ない身体と同時に”他者との入れ替わりの力”を得る。

 父が家出してからの記憶がなかったが、週刊誌の記事を見つけることで、すべての記憶を思い出す。

 しかしそのことがまた自分を苦しめるものへと変質していく。

 新島俊貴にはバレていないが、元々一方的に新島俊貴のことは知っていて、とある日に公園で捨てられていた猫を拾って助けようとしていたところを見て、根は真面目で優しい性格であると知っていたことが、自分の身体を託すことを決意するきっかけになっている。



新島俊貴にいじまとしき

168cm、58kg

「夢や幻じゃなかったんだ・・・、本当にこれが自分・・・」



 新島家五人家族の長男。中学時代はテニスをしていたが今は部活をやめてしまって、ゲームをしたり、同人誌即売会にいったりと趣味を生きがいに生きている。

 進藤ちづるの持つ入れ替わりの力によって、進藤ちづるに身体が入れ替わる。

 女性経験がないため気苦労が絶えないが、女性の身体に対する興味も尽きない。

 進藤ちづるについて知っていくにつれて、その境遇の不幸さを自覚していくが、それでもなんとかこの苦境を乗り越えようと奮闘する。



進藤礼二しんどうれいじ

175cm、71kg

「俺をハメたやつを見つけ出して、罪を償わせてやる」



 進藤ちづるの父親。不動産会社の営業をしていたが失業してしまう。

 なんとか再就職をしようとするが、うまくいかず生気を失っていく。

 麻生一家殺人事件の容疑者として逮捕されるが容疑を否認し続けている。



進藤玲子しんどうれいこ

165cm、55kg



 進藤ちづるの母親。礼二が逮捕されてから生活を支えるため仕事に出ている。

 夜遅くまで仕事をしていることが多く、朝帰りすることもある。

 面倒事に巻き込まれることを避けてマスコミや警察をできるだけ避けている。



山口未明やまぐちみめい

161cm、50kg

「私もそうだけど、みんな不安なんだ。だから進藤さんを責めるつもりはないんだ。それはもちろん事件は早く解決してくれればいいなって思うけど、でもそんな簡単なことじゃないよね」



 麻生一家殺人で被害者になった麻生雫の親友でありクラス委員長。

 実家が旅館であったため、元々作法や着付けを習っている。上品さと面倒見の良さから先生たちからは信頼を置かれ、よく手伝いを頼まれている。

 旅館を閉じた後でも、広い敷地を利用して週末には茶道教室や着付け教室を開き賑わっている。

 人に頼られるような人になりたいという思いから、日々努力を続けている。



佐伯裕子さえきゆうこ

159cm、48kg

「ちづる、よく聞いて。あなたは一度事故で記憶を失っているのよ」



 進藤ちづるの昔からの親友。後遺症に苦しむちづるを常に心配している。

 ソリの合わない男子に対して強い敵愾心を持っている。

 ラーメン作りが趣味でよくちづるを実験台に試食をしてもらって、美味しいラーメンを作ろうと切磋琢磨している。



秋葉士郎あきばしろう

163cm、55kg

「でも僕はうれしいよ、こうして進藤さんと一緒に居られて、誰にも言えない秘密を共有できて」



 ちづる達のクラスメイトであり新聞部に所属する男子。

 同じクラスになってから進藤ちづるに惹かれ意識するようになる。その意識はちづるが入退院をし、さらに複雑な境遇に陥ってしまってからより大きいものになり、彼女の力になりたいと思うようになるが、その一方で彼女に対する性欲も抑えられないものになっていく。





赤月蓮あかつきれん

180cm、70kg

「いやぁ、雨が強くなってきたのでね、中で待たせてもらったよ」



 仕事に情熱を注ぐ長身の男性。東方新聞社週刊誌編集者として麻生一家殺人事件の真相を追っている。

 まだ三十代前半でおじさんと呼ばれるのに抵抗がある。

 記者という立場だが、実際には荒事にも慣れているほど、果敢に取材を続けている。



・村上警部

172cm、72kg



 刑事歴十年を越えるこの道のベテラン。警察官らしく体格もよく威圧感のある外見は頼りがいはあるが、一方で鋭い目つきからなかなか人を寄せ付けない。

 麻生一家殺人事件の捜査を続けており、内心は動機が不透明な進藤礼二より真犯人が出てくることを期待している。

 実際には多くの人が早期解決を望んでおり、進藤礼二の自供さえあれば刑事裁判によって捜査から解放される未来が来ると思っている。



柚季ゆずき

???cm、??kg



 実際の年齢はちづる達とほとんど変わらないらしい。

 ちづるとは猫の姿の時に出会ったが、ちづるを守り、願いを叶えるために新島俊貴の姿を受け継ぎ、猫の姿をちづるに引き渡した。

 進藤ちづるの姿になってしまった新島俊貴にとっては謎多き女性として映っている。

 延命のために猫の姿にまでなっているが、生き続けることに迷いを抱いている。

 そもそも人間よりも寿命の短い猫の姿に記憶を移した時点で苦肉の策ともいえる。

 本人にはそれほど願望もなかったが、ちづると一緒にいることで生きることの意味を見出していく。



麻生雫あそうしずく

???cm、??kg



 山口未明の親友。ガーデニングが趣味で植物に詳しい。

 明るく男女分け隔てなく接するところがクラスでは人気だったが、自宅にいたところを殺されてしまう。





麻生玄峰あそうげんほう

???cm、??kg



 脳科学の権威。医師会でも影響力を持っているが、その分批判にもさらされやすい。

 ある時から研究とは離れていた。詳しい理由は分かっていない。

 赤月蓮は進藤礼二以外の何者かに殺害する動機があったのではないかと疑っている。



麻生絵理子あそうえりこ

???cm、??kg



 麻生一家殺人の被害者

 恨まれるような人間ではないことから、事件現場に一緒にいたため巻き込まれたものと捜査関係者からは見られている。
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