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その後
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「今日は神妙な面持ちだな?」
お父さん達の家に来て僕らは俯いてソファーに座った。お父さん達も向かいのソファーに座っている。元々お父さん達の家にはソファーが一つだったので僕が作っておいたものに座っています。
「お父さん、良い話と悪い話があるんだ・・」
僕がそう言うとお父さんはコーヒーを飲む手を止めてこちらをみてきた。
「そっちにも神が来たって事か。なら話は分かってる。いい話から聞こうか」
悪い話の方は分かっているみたい。こっちの神様もお父さん達に会いに来たみたいだね。おばあちゃんはわかっていない様子だけどお母さんは理解しているみたい。
「カイト、アキノ君が来るまで待った方がいいんじゃない?」
「そうだな。アキノにも伝えておいた方がいいだろ」
お母さんがアキノさん、ユアンのお父さんに電話をかけた。あのスマホって言うのも何とか再現できないかな~。
「ルーク。今、大切な話してるから」
「え?ああ~ごめんごめん」
スマホを見ながら指を咥えているとモナーナに肘でつつかれました。ニャムとユアンにも僕の心は駄々洩れだったみたいで笑われちゃった。
しばらくするとアキノさんもやってきて、向かいのソファーに座って僕を睨んできた。アキノさんは僕のことが嫌いなようだ。ユアンを取ったとかそういう事で起こっているんだと思う。
「それで?話ってのは?」
「ああ、まずは俺達も知ってるルーク達が来ている事の弊害の話だ。神が来たっていっただろ」
「ああ、聞いてる。それ以外の話って事か?」
アキノさんがお母さんに入れてもらったコーヒーを一口口に含みながらお父さんの説明を聞いていく。チラチラと僕を睨んでくるのが気になるけどちゃんと理解しているみたい。
「良い話があるっていうんだよ」
「良い話・・・」
お父さんの言葉を聞いて、より一層僕への睨みが強くなった。
「まさか!貴様!」
アキノさんはそう言ってソファーから立ち上がる。メラメラと圧が見えるけどマナのない世界ではアキノさんは魔法を使えないはず。どうやって出しているんだろう?
「アキノもそう思ったか。俺もそっちだと思って、ウキウキしてるんだがな」
アキノさんとは対照的にお父さんは嬉しそうに頬を赤くしている。お母さんも顔のまえで両手を結んで喜んでくれてる。二人とも目が輝いています。
「私たちめでたくルークの子を授かりました」
モナーナが代表して話すとアキノさん以外が大きく喜んで三人におめでとうの握手をしていく。
「いや~めでたいね~。いきなり三人のひ孫かい?」
「俺達は孫だな」
「そうね~」
おばあちゃんとお父さん達が感慨深くうなずいている。アキノさんは固まって動かなくなってしまっている。
「アキノいい加減動けよ」
「アキノ君、ユアンちゃんが子供を授かったのよ」
お父さんとお母さんに体を揺さぶられてようやくアキノさんは動き出した。ソファーに深く座り込んで上体を逸らせて天井を見上げた。
「ユアンが子供・・・・ずっと一緒にいてやりたかったのにいられず。カイトの息子の嫁・・・俺って最低な親父だな」
アキノさんは後悔をにじませた。やっぱり、元の世界に戻ってしまったのを後悔しているんだね。それに僕の嫁になったのがいけなかったのかな?
「お義父さん・・・」
「お義父さんとか言うんじゃねえよ」
「でも・・・」
僕がお義父さんと呼ぶとアキノさんは目に溜まった涙を払った。
「お父さんは僕の事を信じてくれないの?」
「ユアン?」
「僕はお兄ちゃんを選んだ。それを信じてくれないの?」
「・・・」
ユアンが上体を逸らしていたアキノさんに顔を近づけて話した。
「信じないとかそういう話じゃない」
「そう言う話だよ。僕はお兄ちゃんを好きになって、お兄ちゃんの子供が欲しいと思ったの。それが叶ってとっても嬉しいんだよ。それなのにお父さんは僕のことを信じてくれないの?」
「ユアンは信じているさ。だけど、男って言うのはな」
「信じてないじゃん。お兄ちゃんはそこいらの男の子とは違うんだよ」
ユアンの圧が強くなりアキノさんはソファーから立ち上がりソファーで挟んでいた机に乗り上げてしまう。ユアンの言葉を聞いて、モナーナとニャムが頷いていて僕は何だか恥ずかしかった。
後ずさりするアキノさんにユアンは構わず追い込んで言葉をつづける。
「お兄ちゃんはとてもやさしくて強くて可愛い。僕らを平等に愛してくれる。お父さんに何と言われても僕はお兄ちゃんの子供を授かって嬉しいの。だからお父さんにもおめでとうって言ってほしい」
「わかってるさ・・・。ユアンは俺の娘だ。間違った男を選んだなんて思ってない。だけど、こんなに早く娘に夫がいて、ましてや子供まで・・・そんな簡単に受け入れられるかよ」
「お父さん」
「・・でも、お前の頼みだから、これだけは言うよ。おめでとう」
「ありがとうお父さん!!」
机の上でユアンをアキノさんが抱きあげて回転している。身重な体なのだからあんまり無茶はしないでね。
「よし!アキノの問題も解決したし。悪い方の話をしようじゃないか」
お父さんが手を叩いて仕切り直しと話し始めた。アキノさんとユアンもソファーに座りなおす。
「このまま、世界が繋がっていると引き合ってしまい世界が消滅してしまう」
「なんだいそりゃ」
おばあちゃんは初耳なようだ。お母さんが耳打ちで説明していっている。おばあちゃんは残念そうな顔でうつむいてしまった。その姿を見て僕は悲しくなった。
やっと会えて僕の子供を見せることができると思ったのに、こんなのないよ。
お父さん達の家に来て僕らは俯いてソファーに座った。お父さん達も向かいのソファーに座っている。元々お父さん達の家にはソファーが一つだったので僕が作っておいたものに座っています。
「お父さん、良い話と悪い話があるんだ・・」
僕がそう言うとお父さんはコーヒーを飲む手を止めてこちらをみてきた。
「そっちにも神が来たって事か。なら話は分かってる。いい話から聞こうか」
悪い話の方は分かっているみたい。こっちの神様もお父さん達に会いに来たみたいだね。おばあちゃんはわかっていない様子だけどお母さんは理解しているみたい。
「カイト、アキノ君が来るまで待った方がいいんじゃない?」
「そうだな。アキノにも伝えておいた方がいいだろ」
お母さんがアキノさん、ユアンのお父さんに電話をかけた。あのスマホって言うのも何とか再現できないかな~。
「ルーク。今、大切な話してるから」
「え?ああ~ごめんごめん」
スマホを見ながら指を咥えているとモナーナに肘でつつかれました。ニャムとユアンにも僕の心は駄々洩れだったみたいで笑われちゃった。
しばらくするとアキノさんもやってきて、向かいのソファーに座って僕を睨んできた。アキノさんは僕のことが嫌いなようだ。ユアンを取ったとかそういう事で起こっているんだと思う。
「それで?話ってのは?」
「ああ、まずは俺達も知ってるルーク達が来ている事の弊害の話だ。神が来たっていっただろ」
「ああ、聞いてる。それ以外の話って事か?」
アキノさんがお母さんに入れてもらったコーヒーを一口口に含みながらお父さんの説明を聞いていく。チラチラと僕を睨んでくるのが気になるけどちゃんと理解しているみたい。
「良い話があるっていうんだよ」
「良い話・・・」
お父さんの言葉を聞いて、より一層僕への睨みが強くなった。
「まさか!貴様!」
アキノさんはそう言ってソファーから立ち上がる。メラメラと圧が見えるけどマナのない世界ではアキノさんは魔法を使えないはず。どうやって出しているんだろう?
「アキノもそう思ったか。俺もそっちだと思って、ウキウキしてるんだがな」
アキノさんとは対照的にお父さんは嬉しそうに頬を赤くしている。お母さんも顔のまえで両手を結んで喜んでくれてる。二人とも目が輝いています。
「私たちめでたくルークの子を授かりました」
モナーナが代表して話すとアキノさん以外が大きく喜んで三人におめでとうの握手をしていく。
「いや~めでたいね~。いきなり三人のひ孫かい?」
「俺達は孫だな」
「そうね~」
おばあちゃんとお父さん達が感慨深くうなずいている。アキノさんは固まって動かなくなってしまっている。
「アキノいい加減動けよ」
「アキノ君、ユアンちゃんが子供を授かったのよ」
お父さんとお母さんに体を揺さぶられてようやくアキノさんは動き出した。ソファーに深く座り込んで上体を逸らせて天井を見上げた。
「ユアンが子供・・・・ずっと一緒にいてやりたかったのにいられず。カイトの息子の嫁・・・俺って最低な親父だな」
アキノさんは後悔をにじませた。やっぱり、元の世界に戻ってしまったのを後悔しているんだね。それに僕の嫁になったのがいけなかったのかな?
「お義父さん・・・」
「お義父さんとか言うんじゃねえよ」
「でも・・・」
僕がお義父さんと呼ぶとアキノさんは目に溜まった涙を払った。
「お父さんは僕の事を信じてくれないの?」
「ユアン?」
「僕はお兄ちゃんを選んだ。それを信じてくれないの?」
「・・・」
ユアンが上体を逸らしていたアキノさんに顔を近づけて話した。
「信じないとかそういう話じゃない」
「そう言う話だよ。僕はお兄ちゃんを好きになって、お兄ちゃんの子供が欲しいと思ったの。それが叶ってとっても嬉しいんだよ。それなのにお父さんは僕のことを信じてくれないの?」
「ユアンは信じているさ。だけど、男って言うのはな」
「信じてないじゃん。お兄ちゃんはそこいらの男の子とは違うんだよ」
ユアンの圧が強くなりアキノさんはソファーから立ち上がりソファーで挟んでいた机に乗り上げてしまう。ユアンの言葉を聞いて、モナーナとニャムが頷いていて僕は何だか恥ずかしかった。
後ずさりするアキノさんにユアンは構わず追い込んで言葉をつづける。
「お兄ちゃんはとてもやさしくて強くて可愛い。僕らを平等に愛してくれる。お父さんに何と言われても僕はお兄ちゃんの子供を授かって嬉しいの。だからお父さんにもおめでとうって言ってほしい」
「わかってるさ・・・。ユアンは俺の娘だ。間違った男を選んだなんて思ってない。だけど、こんなに早く娘に夫がいて、ましてや子供まで・・・そんな簡単に受け入れられるかよ」
「お父さん」
「・・でも、お前の頼みだから、これだけは言うよ。おめでとう」
「ありがとうお父さん!!」
机の上でユアンをアキノさんが抱きあげて回転している。身重な体なのだからあんまり無茶はしないでね。
「よし!アキノの問題も解決したし。悪い方の話をしようじゃないか」
お父さんが手を叩いて仕切り直しと話し始めた。アキノさんとユアンもソファーに座りなおす。
「このまま、世界が繋がっていると引き合ってしまい世界が消滅してしまう」
「なんだいそりゃ」
おばあちゃんは初耳なようだ。お母さんが耳打ちで説明していっている。おばあちゃんは残念そうな顔でうつむいてしまった。その姿を見て僕は悲しくなった。
やっと会えて僕の子供を見せることができると思ったのに、こんなのないよ。
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