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第三章 王都リナージュ
第二十七話 人質確保
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マゲンに睨みつけられた僕、びっくりしすぎて硬直しています。こんな怖い顔で睨みつけられるのは久しぶりでした。
「ルークさん・・」
「えっ」
ルナさんがマゲンに睨み付けられて石化していく。比喩ではなくて本当に石になっていく。
「なぜおまえは石にならんのだ。まさか闇魔法を極めた私と同等?いや、上だというのか?」
「闇魔法?」
マゲンはうろたえて後方に下がっていった。あまりのショックで立ち眩みを起こしているみたい。
僕は闇魔法と聞いてルナさんの体に触れる。石になりつつあった腕が元の体に戻っていった。
「おまえ、なぜそれを治せる!私は闇魔法が5なのだぞ」
「5?」
あれ?極めたって言っていたのにスキルレベルが5なんだね。7が最高のはずなんだけどな。
「驚かないところを見るとまさかお前・・・勇者だというのか?」
マゲンはうろたえながら物騒なことを言っている。僕が勇者なわけがないじゃないか、やめてください。
「勇者ではないですよ」
「そんなわけがあるか、しかし、勇者であろうがなかろうがそんなことはどうでもいい。この光景を見てしまったものには死がまっているのだから」
マゲンが手を挙げると口から木を生やしていた人たちの数人が動き出して僕らに迫ってくる。
「ハッハッハ、お前たちはここで死ぬのだ」
マゲンは勝った気でいるようです。だけど、木を生やしている人たちは動きが遅くて脅威を感じない。
「ほ~、恐れないか。ではこれならどうだ!」
マゲンの合図で木が蠢き僕らへと枝や幹を突き付けてきた。鋭利な枝や幹のようで周りの壁などを傷つけている。
僕の木の魔法で通用するかわからないけど種に戻してみようかな。
「どういうことだ。まさか、お前は、ノルディックなのか?」
広間にいた全員の木を種に戻した。木を生やされていた人たちはみんなその場に倒れこんでしまう。するとマゲンはうろたえすぎて壁まで後ずさり物騒なことを言い始めた。勇者通り越して神様まで行ってしまいました。やめてください。
「それであなたは誰なんですか?」
「・・・クックック、勝ったつもりか!ユアン出てこい」
「ユアン?」
マゲンの口からでた言葉に僕は驚愕してマゲンの視線の先を見てさらに驚愕した。
「兄さん・・・」
「ユアン、大丈夫?」
ユアンは輝きの曇った眼で僕を見据えている。意識はあるようで僕を見て目を潤ませた。
「よかったユアン」
「ごめん兄さん・・」
「えっ」
僕はユアンに駆け寄った。話せるのなら大丈夫だと思ったんだ。だけど、ユアンは・・。
「ユアン・・」
「ごめんなさいお兄ちゃん」
涙しながら僕へと剣を突き付ける。この間、あげたばかりの漆黒の剣が僕の肩を貫いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「痛い、痛いな~。でも何だか嬉しいよ。ユアンとは喧嘩もしたことなかったから、これで本当の兄弟になったような。そんな気持ちだよ」
「お兄ちゃん・・」
「大丈夫、大丈夫だから、今はお休み・・」
どうゆう状況でこんなことになったのかな。僕の大事なユアンになんて言うことをさせるんだろう。なんだろう、この気持ちは。なんだかすべてがどうでもいいようなそんな気分だよ。
「そんな、この国で一番強いと名高いユアンを眠らせたのか。ありえん」
ユアンを抱き寄せながら僕は眠りのポーションを吹きかけた。華奢なユアンの体はとても軽くて何だか女の子みたいだった。
マゲンはやっちゃいけないことをやった。これは許されない。
「[エアープレス]!!」
「グゲッ」
僕がアイテムバッグから月下の剣を取り出してマゲンに肉薄しようとしていると横の通路から声が聞こえてマゲンが床に押し付けられた。僕の怒りは少し和らいで肩の傷の痛みが強くなってくる。すぐにポーションで治すとモナーナが抱き着いてきた。
「ルーク、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。だけど、ユアンが」
ユアンをどうやって操っていたんだろう。闇魔法でそれは可能なのかな?
「ユアンの手首に何かついてるよ」
「これは・・」
隷属の首輪の腕輪版かな。変な宝石みたいのが輝いている。
「こんなもの、ホイッとそしてマゲンに装着っと」
ユアンから腕輪をはがしてマゲンに取り付ける。剥がすときに腕輪が壊れたんだけどすぐに直して付け直した。これでマゲンから証言がとれる。ユアンのことで僕はマゲンを間違いなく殺してしまうところだったけど、モナーナのおかげで殺めずに済んだ。よかったよ、本当に。
「大丈夫かいユアン?」
「あっ兄さん、それにみんなも」
ユアンを介抱しているとルワースさんたちも合流した。別の道にも同じように人の口から木を生やしている人たちがいて僕はユアンを膝枕しながら木を種にしていった。全員命に別条はなかったけどいくらかけがをしていたのでモナーナがポーションを使って回ってくれた。とりあえず、ひと段落だね。
ユアンが気が付くと僕を見上げて頬を赤く染めていた。まったくかわいい弟です。
「兄さんケガは大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ。ユアンとの初めての喧嘩だから、傷を残そうか悩んだんだけどね」
「兄さん・・」
ケガの心配をするユアン、何だかいじめたくなったので僕が傷を残そうとしたことを話すと恥ずかしそうにうつむいた。
「そうだ!アルテナ様たちが危ない!」
うつむいていたユアンが顔をあげて叫んだ。ユアンが操られたということは宮殿の守りが負けたってことだよね。ということは宮殿にいた人たちが危ない!
「ルークさん・・」
「えっ」
ルナさんがマゲンに睨み付けられて石化していく。比喩ではなくて本当に石になっていく。
「なぜおまえは石にならんのだ。まさか闇魔法を極めた私と同等?いや、上だというのか?」
「闇魔法?」
マゲンはうろたえて後方に下がっていった。あまりのショックで立ち眩みを起こしているみたい。
僕は闇魔法と聞いてルナさんの体に触れる。石になりつつあった腕が元の体に戻っていった。
「おまえ、なぜそれを治せる!私は闇魔法が5なのだぞ」
「5?」
あれ?極めたって言っていたのにスキルレベルが5なんだね。7が最高のはずなんだけどな。
「驚かないところを見るとまさかお前・・・勇者だというのか?」
マゲンはうろたえながら物騒なことを言っている。僕が勇者なわけがないじゃないか、やめてください。
「勇者ではないですよ」
「そんなわけがあるか、しかし、勇者であろうがなかろうがそんなことはどうでもいい。この光景を見てしまったものには死がまっているのだから」
マゲンが手を挙げると口から木を生やしていた人たちの数人が動き出して僕らに迫ってくる。
「ハッハッハ、お前たちはここで死ぬのだ」
マゲンは勝った気でいるようです。だけど、木を生やしている人たちは動きが遅くて脅威を感じない。
「ほ~、恐れないか。ではこれならどうだ!」
マゲンの合図で木が蠢き僕らへと枝や幹を突き付けてきた。鋭利な枝や幹のようで周りの壁などを傷つけている。
僕の木の魔法で通用するかわからないけど種に戻してみようかな。
「どういうことだ。まさか、お前は、ノルディックなのか?」
広間にいた全員の木を種に戻した。木を生やされていた人たちはみんなその場に倒れこんでしまう。するとマゲンはうろたえすぎて壁まで後ずさり物騒なことを言い始めた。勇者通り越して神様まで行ってしまいました。やめてください。
「それであなたは誰なんですか?」
「・・・クックック、勝ったつもりか!ユアン出てこい」
「ユアン?」
マゲンの口からでた言葉に僕は驚愕してマゲンの視線の先を見てさらに驚愕した。
「兄さん・・・」
「ユアン、大丈夫?」
ユアンは輝きの曇った眼で僕を見据えている。意識はあるようで僕を見て目を潤ませた。
「よかったユアン」
「ごめん兄さん・・」
「えっ」
僕はユアンに駆け寄った。話せるのなら大丈夫だと思ったんだ。だけど、ユアンは・・。
「ユアン・・」
「ごめんなさいお兄ちゃん」
涙しながら僕へと剣を突き付ける。この間、あげたばかりの漆黒の剣が僕の肩を貫いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「痛い、痛いな~。でも何だか嬉しいよ。ユアンとは喧嘩もしたことなかったから、これで本当の兄弟になったような。そんな気持ちだよ」
「お兄ちゃん・・」
「大丈夫、大丈夫だから、今はお休み・・」
どうゆう状況でこんなことになったのかな。僕の大事なユアンになんて言うことをさせるんだろう。なんだろう、この気持ちは。なんだかすべてがどうでもいいようなそんな気分だよ。
「そんな、この国で一番強いと名高いユアンを眠らせたのか。ありえん」
ユアンを抱き寄せながら僕は眠りのポーションを吹きかけた。華奢なユアンの体はとても軽くて何だか女の子みたいだった。
マゲンはやっちゃいけないことをやった。これは許されない。
「[エアープレス]!!」
「グゲッ」
僕がアイテムバッグから月下の剣を取り出してマゲンに肉薄しようとしていると横の通路から声が聞こえてマゲンが床に押し付けられた。僕の怒りは少し和らいで肩の傷の痛みが強くなってくる。すぐにポーションで治すとモナーナが抱き着いてきた。
「ルーク、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。だけど、ユアンが」
ユアンをどうやって操っていたんだろう。闇魔法でそれは可能なのかな?
「ユアンの手首に何かついてるよ」
「これは・・」
隷属の首輪の腕輪版かな。変な宝石みたいのが輝いている。
「こんなもの、ホイッとそしてマゲンに装着っと」
ユアンから腕輪をはがしてマゲンに取り付ける。剥がすときに腕輪が壊れたんだけどすぐに直して付け直した。これでマゲンから証言がとれる。ユアンのことで僕はマゲンを間違いなく殺してしまうところだったけど、モナーナのおかげで殺めずに済んだ。よかったよ、本当に。
「大丈夫かいユアン?」
「あっ兄さん、それにみんなも」
ユアンを介抱しているとルワースさんたちも合流した。別の道にも同じように人の口から木を生やしている人たちがいて僕はユアンを膝枕しながら木を種にしていった。全員命に別条はなかったけどいくらかけがをしていたのでモナーナがポーションを使って回ってくれた。とりあえず、ひと段落だね。
ユアンが気が付くと僕を見上げて頬を赤く染めていた。まったくかわいい弟です。
「兄さんケガは大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ。ユアンとの初めての喧嘩だから、傷を残そうか悩んだんだけどね」
「兄さん・・」
ケガの心配をするユアン、何だかいじめたくなったので僕が傷を残そうとしたことを話すと恥ずかしそうにうつむいた。
「そうだ!アルテナ様たちが危ない!」
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