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第三章 王都リナージュ
第二十三話 団長
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「やあ、ルーク君」
「あっルワースさん」
バックルと話して次の日、冒険者ギルドでみんなと椅子に腰かけてくつろいでいるとルワースさんが話しかけてきた。
「バックルから聞いたよ。どうやら、王国の危機らしいね」
ルワースさんは小声で話してきた。こういった話は公にするとパニックになるからなるべく内々に済ませたいよね。
「アルテナ様がノーブルローズに乗っ取られていて、それは治した。それをしてすぐに騎士たちがルーク君を殺そうと動いた。あのゴルインが強引に君を連行してだったかな?」
「そうです。でも、全員でかかってこなかったのを見ると城の人たちが全員操られているとは考えづらいです」
「そうか」
ルワースさんは僕の返答を聞いて考えこんだ。何か心当たりがあるのかもしれない。
「私もそれなりのクランを動かしている。違和感は感じていたんだ。うちの団長にね」
「金色の旗の団長?」
「ああ」
ルワースさんとばかり会うから団長さんはアレイストさんみたいに放浪しているのかと思っていたけど王都にいるみたいです。
「金色の旗の団長というと確かダイヤさんでしたか?」
「そうです、ダイヤです。いつも私は彼の代わりにクランの経営をしているのです。ある程度の期間で帰ってくるのですが、最近は音沙汰がなくてとうとう死んでくれたかと思っていたのですが」
どうやら、ルワースさんはその団長さんにこき使われていたようです。音沙汰ないことでルワースさんは不敵な笑みを浮かべています。よっぽどダイヤっていう人にこき使われていたんだろうね。
「ダイヤを見たという人が現れたのです。まあ、それはシルフィだったのですがね。王城への門を通って行ったのを見たそうなんです。それでバックルからルーク君達の話を聞いて、いろいろと合点がいったんですよね」
ルワースさんはそう言ってヤレヤレと首を横に振った。
「ほかにも何か気になることが?」
「ええ、実は最近、王都の周りで人がいなくなるという事件が多発しているのです」
ルナさんの疑問にルワースさんが事件の話を始めた。
「魔物がいなくなったことは知っているだろ?それで調査に出していた冒険者達が近隣の村へ着くと数人の村人がいなくなっているという報告を受けたんだ。そのいなくなったものが王城の門を通ったという話も出てきて混乱していたんだよ」
村人が行方不明で王城への門に入ったのが確認された?どういうことだろう。
「私はデマだと思っていたのですが操られているというじゃないですか」
「城に人が集められているということですね」
「う~ん」
ルワースさんの話を聞いてルナさんが考察していく。ノーブルローズがそれをやっているのなら目的は恵みを分け合うっているノルディック様の考えのはずだけど、村人も団長のダイヤさんも帰ってきていないのを見ると別の何かをしようとしているのかな?
「ルーク!そういえばユアンから連絡はあったの?」
「ああっ!」
そういえば、城の調査をしてほしいって言ってからしばらく音沙汰なかった。それにクレイラット卿を守ってほしいって言ったんだった。二人は無事なのかな?
「ルークの魔法で調べられないの?」
「今やってる。・・・ユアンは輝いているからわかりやすいんだ」
光と闇のマナを使って、門の中を調べていく、全体を調べ終わるとアルテナ様がいた塔に数人の人がいてその中にユアンがいるのが確認できた。それ以外はユアンの宮殿に一人と城に複数人といった感じ。城の地下に少し反応があったので調べてみると真っ暗になって調べられなくなった。マナが入れないほどの濃いマナが充満しているみたい。
「ルーク君は本当になんでもできるんだね」
「あっとこれは内密で」
「アレイストが押してくるはずだよ。クランの話は後々だね。今は操られている人達だ」
ルワースさんは僕の報告を聞いて感心していた。早速、僕をクランに誘いたそうにしているんだけど、今はそんなときじゃないといってあきらめてくれました。これが終わったらすぐにでも王都を出よう。
「じゃあ、操られている人たちは地下にいるとみていいのかな?」
「そうですね。他はそれほど人はいないし、塔にはユアンがいるのでたぶん大丈夫。ユアンはそうそう操られないと思うから」
地下に人が多くいる、ということは操られている人が集められている可能性が大きい。ユアンは大丈夫だと思うからアルテナ様を守っているんだと思う。塔の複数の反応はティリス様とアルテナ様なのは確定だとして、あとはクレイラット様もいるとみている、反応はもう一人いるのでそれはアリス様っているティリス様のお姉さんだと思うんだけど違うかな?
「ユアンが危ないなら急いだほうがいいんじゃない?」
「ううん、大丈夫だよ。塔が襲われているわけじゃないし」
人の反応は塔の中だけでユアン達だけだ。あとは城の中と騎士たちの宿舎だけ、急ぐ必要はないはずだよ。
「知らせるだけ知らせたほうがよさそうだから行くけどね」
「お城は任せたよ。私は街に異変がないか調べよう」
僕らはルワースさんと別れて冒険者ギルドを後にした。
「あっルワースさん」
バックルと話して次の日、冒険者ギルドでみんなと椅子に腰かけてくつろいでいるとルワースさんが話しかけてきた。
「バックルから聞いたよ。どうやら、王国の危機らしいね」
ルワースさんは小声で話してきた。こういった話は公にするとパニックになるからなるべく内々に済ませたいよね。
「アルテナ様がノーブルローズに乗っ取られていて、それは治した。それをしてすぐに騎士たちがルーク君を殺そうと動いた。あのゴルインが強引に君を連行してだったかな?」
「そうです。でも、全員でかかってこなかったのを見ると城の人たちが全員操られているとは考えづらいです」
「そうか」
ルワースさんは僕の返答を聞いて考えこんだ。何か心当たりがあるのかもしれない。
「私もそれなりのクランを動かしている。違和感は感じていたんだ。うちの団長にね」
「金色の旗の団長?」
「ああ」
ルワースさんとばかり会うから団長さんはアレイストさんみたいに放浪しているのかと思っていたけど王都にいるみたいです。
「金色の旗の団長というと確かダイヤさんでしたか?」
「そうです、ダイヤです。いつも私は彼の代わりにクランの経営をしているのです。ある程度の期間で帰ってくるのですが、最近は音沙汰がなくてとうとう死んでくれたかと思っていたのですが」
どうやら、ルワースさんはその団長さんにこき使われていたようです。音沙汰ないことでルワースさんは不敵な笑みを浮かべています。よっぽどダイヤっていう人にこき使われていたんだろうね。
「ダイヤを見たという人が現れたのです。まあ、それはシルフィだったのですがね。王城への門を通って行ったのを見たそうなんです。それでバックルからルーク君達の話を聞いて、いろいろと合点がいったんですよね」
ルワースさんはそう言ってヤレヤレと首を横に振った。
「ほかにも何か気になることが?」
「ええ、実は最近、王都の周りで人がいなくなるという事件が多発しているのです」
ルナさんの疑問にルワースさんが事件の話を始めた。
「魔物がいなくなったことは知っているだろ?それで調査に出していた冒険者達が近隣の村へ着くと数人の村人がいなくなっているという報告を受けたんだ。そのいなくなったものが王城の門を通ったという話も出てきて混乱していたんだよ」
村人が行方不明で王城への門に入ったのが確認された?どういうことだろう。
「私はデマだと思っていたのですが操られているというじゃないですか」
「城に人が集められているということですね」
「う~ん」
ルワースさんの話を聞いてルナさんが考察していく。ノーブルローズがそれをやっているのなら目的は恵みを分け合うっているノルディック様の考えのはずだけど、村人も団長のダイヤさんも帰ってきていないのを見ると別の何かをしようとしているのかな?
「ルーク!そういえばユアンから連絡はあったの?」
「ああっ!」
そういえば、城の調査をしてほしいって言ってからしばらく音沙汰なかった。それにクレイラット卿を守ってほしいって言ったんだった。二人は無事なのかな?
「ルークの魔法で調べられないの?」
「今やってる。・・・ユアンは輝いているからわかりやすいんだ」
光と闇のマナを使って、門の中を調べていく、全体を調べ終わるとアルテナ様がいた塔に数人の人がいてその中にユアンがいるのが確認できた。それ以外はユアンの宮殿に一人と城に複数人といった感じ。城の地下に少し反応があったので調べてみると真っ暗になって調べられなくなった。マナが入れないほどの濃いマナが充満しているみたい。
「ルーク君は本当になんでもできるんだね」
「あっとこれは内密で」
「アレイストが押してくるはずだよ。クランの話は後々だね。今は操られている人達だ」
ルワースさんは僕の報告を聞いて感心していた。早速、僕をクランに誘いたそうにしているんだけど、今はそんなときじゃないといってあきらめてくれました。これが終わったらすぐにでも王都を出よう。
「じゃあ、操られている人たちは地下にいるとみていいのかな?」
「そうですね。他はそれほど人はいないし、塔にはユアンがいるのでたぶん大丈夫。ユアンはそうそう操られないと思うから」
地下に人が多くいる、ということは操られている人が集められている可能性が大きい。ユアンは大丈夫だと思うからアルテナ様を守っているんだと思う。塔の複数の反応はティリス様とアルテナ様なのは確定だとして、あとはクレイラット様もいるとみている、反応はもう一人いるのでそれはアリス様っているティリス様のお姉さんだと思うんだけど違うかな?
「ユアンが危ないなら急いだほうがいいんじゃない?」
「ううん、大丈夫だよ。塔が襲われているわけじゃないし」
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「知らせるだけ知らせたほうがよさそうだから行くけどね」
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