120 / 165
第三章 王都リナージュ
第十六話 カテジナ叔母さん
しおりを挟む
僕たちはユアンの家、王城の横の宮殿にやってきた。門を通る時、さっきの衛兵さんが驚いた顔をしていた。僕がユアンの本当のお兄さんだとわかったから驚いていたんだと思う。
宮殿の前で僕は胸を抑えて緊張しています。思えばリバーハブ村をでて初めて会うんだよね。本当にいい叔母さんになっているのかな。
「なんだか緊張するね」
「えっ、うんそうなんだけど、なんでモナーナ達も緊張してるの?」
モナーナとルナさんも一緒になって胸を抑えています。話から察するに緊張しているみたいなんだけど、別に二人は緊張しなくてもいいんじゃないのかな?
「ははは、みんな緊張しすぎだよ。あっそういえばシャラもここで暮らしているんだ。驚かないでね」
ユアンの言葉を聞いて僕らは驚いています。災厄の龍とひとつ屋根の下で暮らしているのかと驚きました。容姿は確かに可愛い少女だからおかしくもないのだけど、やっぱりね~。
「それよりも兄さん。ちゃんと入ってくるときもレインの枝で調べてみた?」
「えっ、ああ、ちゃんと調べたよ。どうやら、城の中に数人いるみたい。ついでにスキル7にした魔法で中の人を調べたんだけど、身の回りの世話をする人たちとか兵士がいっぱいいてどれに入っているのかとか絞れなかったよ」
「そうか~、しばらく、僕も外へ行くの控えようかなー。またシルフィ達に迷惑かけることになっちゃうな~」
門から宮殿までの間に枝を取り出して調べたんだ。その時に、城の中にいる人数とか調べたんだけど特定できそうもなかった。アルテナ様のノーブルローズを切り離したのが別のノーブルローズ?に知られていたら隠すはず、簡単には姿を見せないかもね。
ユアンは叔母さんを守るために宮殿からあまり外に出ないことにするみたい、シルフィさん達にまた迷惑がかかるから申し訳なさそうにしている。確かにシルフィさんとダネンさんは冒険者としての仕事ができないといって嘆いていた。でも、良い人たちだから、分かってくれるよ。本当にいい仲間ができていて、兄として誇らしい。
「外で長話も何だし、そろそろ入ろうか」
「そうだね」
宮殿の大きな扉をユアンが押し込んでいく。僕らの身長の二倍はある扉なので結構、重そうです。
「あ~、お帰りユアン。それに、ふふふっルークも、大きくなって~」
「カテジナ叔母さん・・・」
宮殿に入るとカテジナ叔母さんが僕とユアンを抱きしめてきた。こんなことリバーハブ村ではなかったので驚きです。だけど、涙がこみ上げてきて、頬に流れた。
「あらあら、ルークったらこんなに泣き虫だったかしらね」
カテジナ叔母さんが僕の涙を指で拭ってくれた。カテジナ叔母さんは本当に良い人だったんだね。
「さあさあ、みんな集まったんだから夕食にしましょ。今日は私がみんなの為に作ったんだから」
「カテジナ叔母さんが?」
「二人を驚かせたくてね。ルークの友達もいるだろうと思って10人分くらい作っちゃったよ」
リバーハブ村でのカテジナ叔母さんを思い出してさらに涙がこぼれてしまう。カテジナ叔母さんは笑いながら涙をぬぐってくれて、キッチンへと歩いて行った。
「聞いていたような人じゃないんだね」
「うん、宮殿で暮らすようになって変わったみたいなんだ。お金の心配も要らなくて人肌恋しいみたい」
「おかげで俺がユアンのいない間の抱き枕だよ」
「「シャラ」」
二階への階段からだるそうに降りてきたシャラ。服装はネグリジェのような服なので僕は反射的に目を隠した。
「何という姿で・・」
「しょうがないだろ。これ以外着せてくれんのだから」
「母さんの趣味の服しかないからね。あれが一番似合うんだってさ」
「布地の多い服を着ようとするとだめだと言われる。着ないとルークから許可の出ていた果物をくれないというんだ。どうにかしてくれ」
けだるそうに話すシャラだったけど、どこか憎めない様子だった。内心はこの状況を楽しんでいるのかも。
「みんな~、並べるの手伝って~」
キッチンの方からそんな声が聞こえてきた。カテジナ叔母さんが平たい皿にスープやお肉を盛り付けていてそれを机に運んでほしいみたい。僕らはみんなで食事の準備。孤児院でもそうだったけど、みんなで食べるご飯っていいよね。
宮殿の前で僕は胸を抑えて緊張しています。思えばリバーハブ村をでて初めて会うんだよね。本当にいい叔母さんになっているのかな。
「なんだか緊張するね」
「えっ、うんそうなんだけど、なんでモナーナ達も緊張してるの?」
モナーナとルナさんも一緒になって胸を抑えています。話から察するに緊張しているみたいなんだけど、別に二人は緊張しなくてもいいんじゃないのかな?
「ははは、みんな緊張しすぎだよ。あっそういえばシャラもここで暮らしているんだ。驚かないでね」
ユアンの言葉を聞いて僕らは驚いています。災厄の龍とひとつ屋根の下で暮らしているのかと驚きました。容姿は確かに可愛い少女だからおかしくもないのだけど、やっぱりね~。
「それよりも兄さん。ちゃんと入ってくるときもレインの枝で調べてみた?」
「えっ、ああ、ちゃんと調べたよ。どうやら、城の中に数人いるみたい。ついでにスキル7にした魔法で中の人を調べたんだけど、身の回りの世話をする人たちとか兵士がいっぱいいてどれに入っているのかとか絞れなかったよ」
「そうか~、しばらく、僕も外へ行くの控えようかなー。またシルフィ達に迷惑かけることになっちゃうな~」
門から宮殿までの間に枝を取り出して調べたんだ。その時に、城の中にいる人数とか調べたんだけど特定できそうもなかった。アルテナ様のノーブルローズを切り離したのが別のノーブルローズ?に知られていたら隠すはず、簡単には姿を見せないかもね。
ユアンは叔母さんを守るために宮殿からあまり外に出ないことにするみたい、シルフィさん達にまた迷惑がかかるから申し訳なさそうにしている。確かにシルフィさんとダネンさんは冒険者としての仕事ができないといって嘆いていた。でも、良い人たちだから、分かってくれるよ。本当にいい仲間ができていて、兄として誇らしい。
「外で長話も何だし、そろそろ入ろうか」
「そうだね」
宮殿の大きな扉をユアンが押し込んでいく。僕らの身長の二倍はある扉なので結構、重そうです。
「あ~、お帰りユアン。それに、ふふふっルークも、大きくなって~」
「カテジナ叔母さん・・・」
宮殿に入るとカテジナ叔母さんが僕とユアンを抱きしめてきた。こんなことリバーハブ村ではなかったので驚きです。だけど、涙がこみ上げてきて、頬に流れた。
「あらあら、ルークったらこんなに泣き虫だったかしらね」
カテジナ叔母さんが僕の涙を指で拭ってくれた。カテジナ叔母さんは本当に良い人だったんだね。
「さあさあ、みんな集まったんだから夕食にしましょ。今日は私がみんなの為に作ったんだから」
「カテジナ叔母さんが?」
「二人を驚かせたくてね。ルークの友達もいるだろうと思って10人分くらい作っちゃったよ」
リバーハブ村でのカテジナ叔母さんを思い出してさらに涙がこぼれてしまう。カテジナ叔母さんは笑いながら涙をぬぐってくれて、キッチンへと歩いて行った。
「聞いていたような人じゃないんだね」
「うん、宮殿で暮らすようになって変わったみたいなんだ。お金の心配も要らなくて人肌恋しいみたい」
「おかげで俺がユアンのいない間の抱き枕だよ」
「「シャラ」」
二階への階段からだるそうに降りてきたシャラ。服装はネグリジェのような服なので僕は反射的に目を隠した。
「何という姿で・・」
「しょうがないだろ。これ以外着せてくれんのだから」
「母さんの趣味の服しかないからね。あれが一番似合うんだってさ」
「布地の多い服を着ようとするとだめだと言われる。着ないとルークから許可の出ていた果物をくれないというんだ。どうにかしてくれ」
けだるそうに話すシャラだったけど、どこか憎めない様子だった。内心はこの状況を楽しんでいるのかも。
「みんな~、並べるの手伝って~」
キッチンの方からそんな声が聞こえてきた。カテジナ叔母さんが平たい皿にスープやお肉を盛り付けていてそれを机に運んでほしいみたい。僕らはみんなで食事の準備。孤児院でもそうだったけど、みんなで食べるご飯っていいよね。
20
お気に入りに追加
5,630
あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる