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第二章 黒煙
第四十四話 解体中に
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休憩で眠くなってしまったのですぐに解体に戻った。二階は終わったので一階部分をコネコネしていきます。一階の玄関以外をやり終わって一息つくとある物に気が付いた。
玄関の二階に上がる階段の下に扉が付いていて物置のようになっていた。僕はその物置の床が隠し扉だと気づいたんだ。
「物置の下に何を入れているんだろう?」
興味本位で隠し扉の中へ入っていく、扉の先にははしごがある、下っていくと洞窟のようなジメジメした空間が。はしごを降りて通路を直進していくと更に下る階段があった。
「どこまで続いているんだろ?」
とりあえず調べておかないと危険かもしれないので進んでいく。
「・・・」
「君達は・・」
通路を歩いて行くと広間が現れて鉄の檻の中に小さな子供達が入っていた。
孤児院とは違って色々な種族の子供達、これはどういう事?まさか、子供達を売っていたのか、領主と言う隠れ蓑を使って子供を売っていたっていう事みたい。
これはダリルさんに伝えてルザーの刑を重くするようにしてもらわないとダメだね。
「僕はルザー達の仲間じゃないよ」
「・・・」
ルザー達に怯えていると思って僕はそう言ったんだけど子供達はみんな怯えて縮こまっている。もしかしてこの子達は言葉が話せないんじゃ?
奴隷としてこういった子供達を買う者達は喋れない方が都合がいいのだ。この世界の悲しき現実にルークは悔しさを滲ませた。
「こんなに近くにいたのに気付いてあげられなくてごめんね。怪我している子もいるみたいだからみんなに魔法を使うけど怯えないでね」
子供達の中には足や手がない子や種族の特徴ともいえる耳などの欠損が見受けられた。なので僕は広間いっぱいに回復魔法を使った。
みるみる子供達の欠損は回復していく。だけど子供達は俯いたり横たわったまま動けないでいた。
僕は首を傾げていると体の欠損がなくなった事で子供達のお腹から鳴き声が聞こえてきた。ああ、そうか、
「お腹空いていたんだね。気付けなくてごめんね」
僕はアイテムバッグから料理を取り出した。ダリルさんに作ってもらっていたパンとかの残り物だけどアイテムバッグに入っているので暖かいまんまなのだ。
残り物もちゃんともっていられるって最強だね、こんなに美味しい物を捨てるなんてもったいないからね。
「食べ?」
「いいよいいよ。どんどん食べて」
この中で一番年上かなって思う位の子がカタコトで僕に食べていいのか聞いてきた。
僕は身振り手振りを加えて勧めると花が咲いたように笑顔を見せてパンにかぶりついた。
ざっと見ても30人はいるこの子達をどうしたものか。孤児院を作ったのは良いけど流石に30人を加えるほどはでかく作ってません。これは更に拡張する必要があるね。
「君は少し言葉が分かるのかな?」
「すこ し」
パンを食べながら少年は僕に答えた。少しでもわかるんだったら助かるけどこの子以外はみんな話せないみたい。
「あ の お兄さ ん 友 回復 させ て くれ て ありがと」
「ううん、僕は当たり前のことをしただけだよ。でもごめんね」
僕は涙目で少年の頭を撫でる。少年は頬を赤く染めてされるがままになってる。
この子はエルフと言われている子なのかな、エリシーナちゃんみたいに耳が長くて尖っている。こんな小さな子供にこんな仕打ちをするなんてほんとに腹が立つ。
「みんなついて来てね」
檻には鍵がかかっていたので鉄格子を捻じ曲げて子供達を出しました。
子供達は目を大きく開けて驚いていました。もっと魔法なんかで助けた方がかっこよかったかなと反省、今後に生かします。
二列で手をつないでもらって、僕を先頭に通路を歩いて行く。お腹もいっぱいになって元気になった子供達はとても元気に笑いながらついて来ている。
最初あった時は絶望を表情に出していたけど、今は幸せいっぱいといった表情になってる。
「ルーク、大丈夫?」
「その子たちはどうしたんだにゃ?」
僕の姿が見えなくなって心配したモナーナ達が隠し扉をみつけて降りてきたみたい。子供達を見て驚愕しています。人数も凄いからそりゃ驚くよね。
「ルク さん この人 達は?」
「ああ、僕の仲間のモナーナとニャムさん、あと弟のユアンだよ」
僕の後ろにいたエルフの子が心配そうに聞いてきて、僕はモナーナ達の紹介をすると安心したようで微笑んでいました。
「アウアウ」
「だ め このひと たちは おかあさん じゃ ない」
「どうしたの?」
「この子 が ニャムさ みて おかあさん だって」
猫の獣人の子供が言葉にならない声をだしていたのでエルフの子に通訳してもらうとニャムさんをお母さんだと思ってしまったようです。この子達は親を知らない子供達のようで何だか悲しい。
「お母さんじゃないけどにゃ、今日からみんな友達にゃ」
ニャムさんはそう言って子供達と手をつないでいく。子供達も嬉しそうにニャムさんの手を取りあって笑顔になっていく。
ユアンとモナーナも子供達と手をつないで洞窟の通路を歩いて行く、梯子まで着くと子供達を一人一人昇らせていった、上にはユアンが先に上がっているので安心してください。
子供達を全員、嗜む子牛亭の方へ案内してダリルさんに報告すると頭を抱えていました。
お金関係の話は大丈夫なんだけどラザラさん一人じゃ孤児院を維持できないと悩んでいます。あのチンピラ達じゃあんまり期待できないしな~。
玄関の二階に上がる階段の下に扉が付いていて物置のようになっていた。僕はその物置の床が隠し扉だと気づいたんだ。
「物置の下に何を入れているんだろう?」
興味本位で隠し扉の中へ入っていく、扉の先にははしごがある、下っていくと洞窟のようなジメジメした空間が。はしごを降りて通路を直進していくと更に下る階段があった。
「どこまで続いているんだろ?」
とりあえず調べておかないと危険かもしれないので進んでいく。
「・・・」
「君達は・・」
通路を歩いて行くと広間が現れて鉄の檻の中に小さな子供達が入っていた。
孤児院とは違って色々な種族の子供達、これはどういう事?まさか、子供達を売っていたのか、領主と言う隠れ蓑を使って子供を売っていたっていう事みたい。
これはダリルさんに伝えてルザーの刑を重くするようにしてもらわないとダメだね。
「僕はルザー達の仲間じゃないよ」
「・・・」
ルザー達に怯えていると思って僕はそう言ったんだけど子供達はみんな怯えて縮こまっている。もしかしてこの子達は言葉が話せないんじゃ?
奴隷としてこういった子供達を買う者達は喋れない方が都合がいいのだ。この世界の悲しき現実にルークは悔しさを滲ませた。
「こんなに近くにいたのに気付いてあげられなくてごめんね。怪我している子もいるみたいだからみんなに魔法を使うけど怯えないでね」
子供達の中には足や手がない子や種族の特徴ともいえる耳などの欠損が見受けられた。なので僕は広間いっぱいに回復魔法を使った。
みるみる子供達の欠損は回復していく。だけど子供達は俯いたり横たわったまま動けないでいた。
僕は首を傾げていると体の欠損がなくなった事で子供達のお腹から鳴き声が聞こえてきた。ああ、そうか、
「お腹空いていたんだね。気付けなくてごめんね」
僕はアイテムバッグから料理を取り出した。ダリルさんに作ってもらっていたパンとかの残り物だけどアイテムバッグに入っているので暖かいまんまなのだ。
残り物もちゃんともっていられるって最強だね、こんなに美味しい物を捨てるなんてもったいないからね。
「食べ?」
「いいよいいよ。どんどん食べて」
この中で一番年上かなって思う位の子がカタコトで僕に食べていいのか聞いてきた。
僕は身振り手振りを加えて勧めると花が咲いたように笑顔を見せてパンにかぶりついた。
ざっと見ても30人はいるこの子達をどうしたものか。孤児院を作ったのは良いけど流石に30人を加えるほどはでかく作ってません。これは更に拡張する必要があるね。
「君は少し言葉が分かるのかな?」
「すこ し」
パンを食べながら少年は僕に答えた。少しでもわかるんだったら助かるけどこの子以外はみんな話せないみたい。
「あ の お兄さ ん 友 回復 させ て くれ て ありがと」
「ううん、僕は当たり前のことをしただけだよ。でもごめんね」
僕は涙目で少年の頭を撫でる。少年は頬を赤く染めてされるがままになってる。
この子はエルフと言われている子なのかな、エリシーナちゃんみたいに耳が長くて尖っている。こんな小さな子供にこんな仕打ちをするなんてほんとに腹が立つ。
「みんなついて来てね」
檻には鍵がかかっていたので鉄格子を捻じ曲げて子供達を出しました。
子供達は目を大きく開けて驚いていました。もっと魔法なんかで助けた方がかっこよかったかなと反省、今後に生かします。
二列で手をつないでもらって、僕を先頭に通路を歩いて行く。お腹もいっぱいになって元気になった子供達はとても元気に笑いながらついて来ている。
最初あった時は絶望を表情に出していたけど、今は幸せいっぱいといった表情になってる。
「ルーク、大丈夫?」
「その子たちはどうしたんだにゃ?」
僕の姿が見えなくなって心配したモナーナ達が隠し扉をみつけて降りてきたみたい。子供達を見て驚愕しています。人数も凄いからそりゃ驚くよね。
「ルク さん この人 達は?」
「ああ、僕の仲間のモナーナとニャムさん、あと弟のユアンだよ」
僕の後ろにいたエルフの子が心配そうに聞いてきて、僕はモナーナ達の紹介をすると安心したようで微笑んでいました。
「アウアウ」
「だ め このひと たちは おかあさん じゃ ない」
「どうしたの?」
「この子 が ニャムさ みて おかあさん だって」
猫の獣人の子供が言葉にならない声をだしていたのでエルフの子に通訳してもらうとニャムさんをお母さんだと思ってしまったようです。この子達は親を知らない子供達のようで何だか悲しい。
「お母さんじゃないけどにゃ、今日からみんな友達にゃ」
ニャムさんはそう言って子供達と手をつないでいく。子供達も嬉しそうにニャムさんの手を取りあって笑顔になっていく。
ユアンとモナーナも子供達と手をつないで洞窟の通路を歩いて行く、梯子まで着くと子供達を一人一人昇らせていった、上にはユアンが先に上がっているので安心してください。
子供達を全員、嗜む子牛亭の方へ案内してダリルさんに報告すると頭を抱えていました。
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