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第二章 黒煙
第三十八話 許したわけではありません
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「お帰りなのじゃ」
「クコ?」
嗜む子牛亭に帰ってくると外で子供達が遊んでいた。カルロ君とクコも一緒に遊んでいて微笑ましい光景。
ラザラさんと一緒に暮らしていた子供達は小さな子で3歳、大きくても6歳といった感じ。中には年齢が分からないっていう子もいるけど、たぶんそのくらいの年齢だと思う。ボールも数個作ったからみんなに行きわたってる、よかったよかった。
「ここは天国なんじゃな。こんなに可愛いものがいっぱい」
クコは目を血走らせて子供達を追いかける。子供達は鬼ごっこだと思っているようで笑いながら逃げています。捕まると頬ずりして次の子へといった感じです。見境が無い。
「ルークお兄ちゃんもあそぼ~」
一人の少女が僕へと声をかけてきた。この子は一番小さな子、確か名前はエスリちゃんだったかな。
「そうだね。今日は依頼にもいかないしみんなと遊ぼうかな」
「やった~」
暗くなるまで子供達と遊んだ。仕事から帰ってきた子供達とも少し遊んでいるとモナーナとニャムさんが買い物から帰ってきた。
「みんな、お洋服買ってきたよ~」
「みんなにぴったりの服にゃ」
モナーナとニャムさんはみんなの服を買うために出かけていた、何故かユアンも。キウイ村で助けた子供達も教会の孤児院にいた子供達もお世辞にも綺麗な服とはいえない物だったんだ。みんなの服も作ろうと思ったんだけど僕が作ると恐ろしいものになってしまうのでやめた方がいいとモナーナに言われてしまいました。
「ね、ユアンさん。これなんか似合うんじゃないかな?」
「え、あ~そうだね。この子にはこういうのがいいかもね」
モナーナがユアンと一緒に女の子の服を選んでいる。男のユアンにそう言うの言っても分からないと思うけどな~。っていうかあの三人すっごい仲良しになってる。やっぱり英雄候補のユアンは人気があるな~。ちょっぴり寂しいよ。
「ルーク、こっちに来てみんなに会う服を選んでよ」
「そうにゃ。ルークが選んであげないと意味がないにゃ」
モナーナとニャムさんがそう言って僕に手招きをしている。でも、僕の服のセンスはそんなに良くないと思うからな~。そんな事を考えているとユアンが僕の手を引っ張った。
「ほら、兄さん。みんなが待ってるよ」
「う~、ユアンだって僕のセンス知ってるでしょ」
「それでも兄さんが選ぶことに意味があるんだよ」
そんな大層な人間じゃないよ僕は。ユアンの大袈裟な言い分に僕は俯いて引っ張られる。モナーナとニャムさんに服を選んでもらっている子供達は笑顔で遊びに戻って行き、僕に選ばれた子達は頬を赤くして俯いちゃった。やっぱり、恥ずかしいのかな。ちょっとショックです。
「ほら、みんな喜んでる」
「う~ん、そうなのかな?僕には恥ずかしがっているように見えるけど」
「兄さんの悪い所だよ。何事も悪い方に考えすぎ」
「そうかな~」
僕が悲観的な考えでいるとユアンが僕を諭す。それでもそう見えてしまうのだからしょうがないじゃないか。
続いて子供達に服を選んであげていると住宅への道から大荷物を持った男達が8人やってきた。誰だろう?
「あねさん、もってきやした」
「もう歩けねえよ」
「はい、お疲れ様~」
「ご苦労様にゃ~、もう帰っていいにゃ」
「へ?これはどういう事?」
荷物を降ろした男達は息を切らせて座り込んでしまった。彼らを見ると僕に喧嘩を売ってきたチンピラ達だと気付いて身構える。
あれ?今、モナーナの事をあねさんって言った?ニャムさんはもう帰れってシッシと手を振っているし。
僕は耳を疑ってモナーナを見つめた。
「あのね。街で買い物してたら急に現れて私の事をあねさんって言ってきて困ってたらニャムが荷物を持たせてここまで持って来いって言っちゃって」
「いいにゃいいにゃ、立っている者は親でも使えって言うにゃ、それに喜んでいるようだしにゃ~」
そう言う事か。息を切らせて座っているチンピラ達はまだ帰らないみたいで子供達を見つめている。
「君達、あまり子供を見つめるもんじゃないよ」
「いえ、俺達は別に・・・」
ユアンがその視線に気付いて剣で威嚇する。チンピラ達は手を振りながら否定している。
「俺達は孤児院で育ったんだ。それで懐かしくなっちまって」
やっぱり、孤児院出身の冒険者は多いんだね。こういう世界じゃしょうがない。
街道を一人で歩くと次の日には魔物に襲われてしまうような世界、孤児はどうしても増えてしまう、孤児院が無かったら成り立たないと言っても過言ではないかもしれない。孤児院出身でもこんなに立派に育つんだね。
まあ、差別はいけないけど1レベルな僕もいけないっちゃいけないんだよね。早くランクをある程度上げないと無駄にこういう絡んでくる人が出てきちゃうんだよね。
「そういえば、足が折れてたみたいだけど大丈夫だった?」
「へい、兄さんの置いて行ったポーションを飲んだら持病の腰も治りました。怪我する前よりも元気でさ~!」
兄さんって、僕より一回りは年上でしょ。オークみたいな体躯で何を言っているんだ。しかし、僕のポーションは性能が良すぎる。エリントスでも腰やら目やらが治ったっていって凄い事になっていた。これからワインプールでもそうなると思うと喜んでいいんだか悪いんだか、複雑な気分です。
「じゃあ、俺らは邪魔者なんで退散します」
「また、何か大きな荷物があるようだったらいってくだせえ。リザードマンの事もあるので待機中なんで、暇なんです」
チンピラさん達はそう言って住宅への道へトボトボと歩いて行く。その時、一番小さな少女、エスリちゃんがオークのような男の手を取って見つめた。
「遊んでくれないの?」
「えっ、でも、俺達」
エスリちゃんと僕らを交互に見た男、僕が頷くと涙目になって子供達と遊び始めた。根は悪い人ではないんだよね。みんな、いい笑顔で遊んでいてとても良い光景です。今後もあの人達に協力してもらって孤児院を経営出来ればいいかな。あの人達、弱いから冒険者なんて廃業した方がいいしね。
チンピラのリーダーはオックと言うらしい。オークのような男だけあって名前も似ている。その他のチンピラさんの名前は・・・聞くの忘れてました。と言うより覚える気がありません。
僕的には許しきれていませんからしょうがありません。モナーナの事をいやらしい目で見た事は忘れていないからね。
という事で新しい荷物持ち兼子供達のおもちゃが加わりました。
「クコ?」
嗜む子牛亭に帰ってくると外で子供達が遊んでいた。カルロ君とクコも一緒に遊んでいて微笑ましい光景。
ラザラさんと一緒に暮らしていた子供達は小さな子で3歳、大きくても6歳といった感じ。中には年齢が分からないっていう子もいるけど、たぶんそのくらいの年齢だと思う。ボールも数個作ったからみんなに行きわたってる、よかったよかった。
「ここは天国なんじゃな。こんなに可愛いものがいっぱい」
クコは目を血走らせて子供達を追いかける。子供達は鬼ごっこだと思っているようで笑いながら逃げています。捕まると頬ずりして次の子へといった感じです。見境が無い。
「ルークお兄ちゃんもあそぼ~」
一人の少女が僕へと声をかけてきた。この子は一番小さな子、確か名前はエスリちゃんだったかな。
「そうだね。今日は依頼にもいかないしみんなと遊ぼうかな」
「やった~」
暗くなるまで子供達と遊んだ。仕事から帰ってきた子供達とも少し遊んでいるとモナーナとニャムさんが買い物から帰ってきた。
「みんな、お洋服買ってきたよ~」
「みんなにぴったりの服にゃ」
モナーナとニャムさんはみんなの服を買うために出かけていた、何故かユアンも。キウイ村で助けた子供達も教会の孤児院にいた子供達もお世辞にも綺麗な服とはいえない物だったんだ。みんなの服も作ろうと思ったんだけど僕が作ると恐ろしいものになってしまうのでやめた方がいいとモナーナに言われてしまいました。
「ね、ユアンさん。これなんか似合うんじゃないかな?」
「え、あ~そうだね。この子にはこういうのがいいかもね」
モナーナがユアンと一緒に女の子の服を選んでいる。男のユアンにそう言うの言っても分からないと思うけどな~。っていうかあの三人すっごい仲良しになってる。やっぱり英雄候補のユアンは人気があるな~。ちょっぴり寂しいよ。
「ルーク、こっちに来てみんなに会う服を選んでよ」
「そうにゃ。ルークが選んであげないと意味がないにゃ」
モナーナとニャムさんがそう言って僕に手招きをしている。でも、僕の服のセンスはそんなに良くないと思うからな~。そんな事を考えているとユアンが僕の手を引っ張った。
「ほら、兄さん。みんなが待ってるよ」
「う~、ユアンだって僕のセンス知ってるでしょ」
「それでも兄さんが選ぶことに意味があるんだよ」
そんな大層な人間じゃないよ僕は。ユアンの大袈裟な言い分に僕は俯いて引っ張られる。モナーナとニャムさんに服を選んでもらっている子供達は笑顔で遊びに戻って行き、僕に選ばれた子達は頬を赤くして俯いちゃった。やっぱり、恥ずかしいのかな。ちょっとショックです。
「ほら、みんな喜んでる」
「う~ん、そうなのかな?僕には恥ずかしがっているように見えるけど」
「兄さんの悪い所だよ。何事も悪い方に考えすぎ」
「そうかな~」
僕が悲観的な考えでいるとユアンが僕を諭す。それでもそう見えてしまうのだからしょうがないじゃないか。
続いて子供達に服を選んであげていると住宅への道から大荷物を持った男達が8人やってきた。誰だろう?
「あねさん、もってきやした」
「もう歩けねえよ」
「はい、お疲れ様~」
「ご苦労様にゃ~、もう帰っていいにゃ」
「へ?これはどういう事?」
荷物を降ろした男達は息を切らせて座り込んでしまった。彼らを見ると僕に喧嘩を売ってきたチンピラ達だと気付いて身構える。
あれ?今、モナーナの事をあねさんって言った?ニャムさんはもう帰れってシッシと手を振っているし。
僕は耳を疑ってモナーナを見つめた。
「あのね。街で買い物してたら急に現れて私の事をあねさんって言ってきて困ってたらニャムが荷物を持たせてここまで持って来いって言っちゃって」
「いいにゃいいにゃ、立っている者は親でも使えって言うにゃ、それに喜んでいるようだしにゃ~」
そう言う事か。息を切らせて座っているチンピラ達はまだ帰らないみたいで子供達を見つめている。
「君達、あまり子供を見つめるもんじゃないよ」
「いえ、俺達は別に・・・」
ユアンがその視線に気付いて剣で威嚇する。チンピラ達は手を振りながら否定している。
「俺達は孤児院で育ったんだ。それで懐かしくなっちまって」
やっぱり、孤児院出身の冒険者は多いんだね。こういう世界じゃしょうがない。
街道を一人で歩くと次の日には魔物に襲われてしまうような世界、孤児はどうしても増えてしまう、孤児院が無かったら成り立たないと言っても過言ではないかもしれない。孤児院出身でもこんなに立派に育つんだね。
まあ、差別はいけないけど1レベルな僕もいけないっちゃいけないんだよね。早くランクをある程度上げないと無駄にこういう絡んでくる人が出てきちゃうんだよね。
「そういえば、足が折れてたみたいだけど大丈夫だった?」
「へい、兄さんの置いて行ったポーションを飲んだら持病の腰も治りました。怪我する前よりも元気でさ~!」
兄さんって、僕より一回りは年上でしょ。オークみたいな体躯で何を言っているんだ。しかし、僕のポーションは性能が良すぎる。エリントスでも腰やら目やらが治ったっていって凄い事になっていた。これからワインプールでもそうなると思うと喜んでいいんだか悪いんだか、複雑な気分です。
「じゃあ、俺らは邪魔者なんで退散します」
「また、何か大きな荷物があるようだったらいってくだせえ。リザードマンの事もあるので待機中なんで、暇なんです」
チンピラさん達はそう言って住宅への道へトボトボと歩いて行く。その時、一番小さな少女、エスリちゃんがオークのような男の手を取って見つめた。
「遊んでくれないの?」
「えっ、でも、俺達」
エスリちゃんと僕らを交互に見た男、僕が頷くと涙目になって子供達と遊び始めた。根は悪い人ではないんだよね。みんな、いい笑顔で遊んでいてとても良い光景です。今後もあの人達に協力してもらって孤児院を経営出来ればいいかな。あの人達、弱いから冒険者なんて廃業した方がいいしね。
チンピラのリーダーはオックと言うらしい。オークのような男だけあって名前も似ている。その他のチンピラさんの名前は・・・聞くの忘れてました。と言うより覚える気がありません。
僕的には許しきれていませんからしょうがありません。モナーナの事をいやらしい目で見た事は忘れていないからね。
という事で新しい荷物持ち兼子供達のおもちゃが加わりました。
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