55 / 165
第二章 黒煙
第十一話 力を誇示したい人達
しおりを挟む
ワティスさんとのパイプが出来て僕は少し安心した。商人の人と関わり合えれば売り買いも簡単だからね。エリントスで売っていた装飾品関係は卸さないけど、あれを卸すとまた目立っちゃいそうだしこの街の装飾品を売っている店に怒られちゃうもんね。
僕はギルドにやってきた。日課の掃除の依頼を受けに来ました。
「おいおい、なんか臭くねえか?」
えっ、何だろう。変なにおいするかな?匂いを嗅いでみたけどこれと言って臭くないと思うけど。
ギルドに入ると入口すぐの壁に設置されていたベンチに座る冒険者の一人が大きな声で呟いてる。それを聞いた同じベンチに座ってる人達がニヤニヤとしている。何だか嫌な感じ。
「ああ、くせえくせえ。1レベルの匂いがするぜ」
「おっとくせえと思ったら、1レベルでエリントスを救ったとかいうデマ流してるルーク君じゃねえか」
「・・・」
ええ、僕の情報がワインプールまで流れてるの?最初にギルドに来た時は反応なかったから大丈夫だと思ったのに。
「おいおい、英雄様は俺達なんか眼中にないってか?」
「無視とはいい御身分だな~」
この人達は僕をいじめたいみたい、ジグとザグみたいに僕は無視する事にしました。
「おじさん達だ~れ?」
無視しようと思ったらクコが反応してしまった。若干怒っているように感じる。
「あ~、何だ~」
クコに睨みを利かせる冒険者、子供を威嚇するなんて人として終わってるね。まあ、クコは黒煙龍なので大丈夫だろうけど。
「おい、こいつはワティスの所の」
「ん?ああ、あの盗賊に身ぐるみはがされて両親が殺されたとか言うガキか」
お、やっぱり、結構ワティスさんは有名みたい。
「ワティスの所と仲良くなって取り入ろうとしてるって事か、浅ましいな~英雄さんよ~」
何がそんなに面白くないのかわからない、この人達は何か嫌な事でもあったのかな?いつもならアレイストさんが来てくれるんだけど、周りを見る限りアレイストさんはいないみたい。たぶん、アレイストさんが前回いたから絡んでこなかったのかも。
どうしよう、この人達をのしてしまうと目立ってしまう。
「お前はいつまで無視してんだ!」
「わっ」
いつまでも声を出さない僕に苛立ちを募らせた坊主頭の男が僕へと木の棒を振り下ろしてきた。僕は目を瞑ってしまう。
「ぐあっ」
「ええっ」
目を開くと坊主頭が吹っ飛ばされて壁に穴を作った。僕の手には木の棒が・・・僕っていつから達人になったの?
「この野郎、やりやがったな」
坊主頭の仲間が武器を取り出してきた。流石に刃物を取り出すのはよくないよ。
「そこまでだ」
ギルドの奥から赤い羽根がついた帽子を被った髭のダンディーな男の人が現れた。明らかに強者の風貌です。
「ギルマス・・・」
絡んできた冒険者が呟く。赤い羽根帽子の男の人は帽子をクイッとさせて冒険者に武器をしまわせる。
「君が”1”ルーク君か」
凄んで僕に詰め寄るギルドマスターさん、凄い圧を感じる。
「さっきの投げは噂にたがわない技だったよ」
ギルマスにそう言われて僕は首を傾げる。目を瞑っていたので自分が何をしたのかわからないんだよね。
剣術スキル7にもなると敵の攻撃をオートカウンターしてしまう、坊主頭の男が死ななかったのはルークが何も持っていなかったおかげである。
もしもルークが手に紙や木の棒なんかを持っていたら坊主頭の男は死んでいただろう。達人は敵の武器も自分の武器として使ってしまう、坊主頭の武器はオートカウンターによってルークに奪われたのだった。
「ギルマスが完全装備になってるぞ」
「たぶん、あの1ルークを試そうとしてんじゃねえか?」
コソコソと話す声が聞こえてくる。まさか、
「不肖ながらレッドソードの異名を持つ私と模擬戦をしてもらえないだろうか?」
「・・・」
思った通り模擬戦を申し込まれてしまいました。僕は掃除の依頼をもらいに来ただけなのに。
「すいません、僕は1レベルなのであなたと戦ったらたぶん、死んでしまいます」
「聞いていた通りの反応だ。自分の強さを誇示せず驕らない。まさに英雄としてふさわしい。ますます、腕を見てみたい」
僕の反応に輝かんばかりの目で迫ってきた。どうすりゃいいの?
「ルークお兄ちゃん、やってあげなよ」
「クコ、何をいってるんだよ」
僕が悩んでいるとクコが僕にやるように促してきた。必要な時以外、僕は力を誇示したくないよ。
「ダメダメ・・・掃除の依頼をください」
ギルドマスターとクコを無視して僕は受付に座って依頼をもらった。受付嬢さんも驚いてたけど素直にくれました。こういう時は断る事も必要だよね。誰でも相手にしてたらきりがないし。
こういった状況になれてきたルークはスルースキルを手に入れた。
「おい、本当に行ってしまうのか。私の立場は?」
「面白くないの~」
「ちょっとクコ、素に戻ってるよ」
完全装備のギルドマスターが何かいってるけど僕はそのまま外へと逃げていきます。
全く冒険者の人って言うのはなんでこうも強さを誇示したがる人ばっかなんだろう。今度はアレイストさんがいるかいないか確認してから入ろう。
僕はギルドにやってきた。日課の掃除の依頼を受けに来ました。
「おいおい、なんか臭くねえか?」
えっ、何だろう。変なにおいするかな?匂いを嗅いでみたけどこれと言って臭くないと思うけど。
ギルドに入ると入口すぐの壁に設置されていたベンチに座る冒険者の一人が大きな声で呟いてる。それを聞いた同じベンチに座ってる人達がニヤニヤとしている。何だか嫌な感じ。
「ああ、くせえくせえ。1レベルの匂いがするぜ」
「おっとくせえと思ったら、1レベルでエリントスを救ったとかいうデマ流してるルーク君じゃねえか」
「・・・」
ええ、僕の情報がワインプールまで流れてるの?最初にギルドに来た時は反応なかったから大丈夫だと思ったのに。
「おいおい、英雄様は俺達なんか眼中にないってか?」
「無視とはいい御身分だな~」
この人達は僕をいじめたいみたい、ジグとザグみたいに僕は無視する事にしました。
「おじさん達だ~れ?」
無視しようと思ったらクコが反応してしまった。若干怒っているように感じる。
「あ~、何だ~」
クコに睨みを利かせる冒険者、子供を威嚇するなんて人として終わってるね。まあ、クコは黒煙龍なので大丈夫だろうけど。
「おい、こいつはワティスの所の」
「ん?ああ、あの盗賊に身ぐるみはがされて両親が殺されたとか言うガキか」
お、やっぱり、結構ワティスさんは有名みたい。
「ワティスの所と仲良くなって取り入ろうとしてるって事か、浅ましいな~英雄さんよ~」
何がそんなに面白くないのかわからない、この人達は何か嫌な事でもあったのかな?いつもならアレイストさんが来てくれるんだけど、周りを見る限りアレイストさんはいないみたい。たぶん、アレイストさんが前回いたから絡んでこなかったのかも。
どうしよう、この人達をのしてしまうと目立ってしまう。
「お前はいつまで無視してんだ!」
「わっ」
いつまでも声を出さない僕に苛立ちを募らせた坊主頭の男が僕へと木の棒を振り下ろしてきた。僕は目を瞑ってしまう。
「ぐあっ」
「ええっ」
目を開くと坊主頭が吹っ飛ばされて壁に穴を作った。僕の手には木の棒が・・・僕っていつから達人になったの?
「この野郎、やりやがったな」
坊主頭の仲間が武器を取り出してきた。流石に刃物を取り出すのはよくないよ。
「そこまでだ」
ギルドの奥から赤い羽根がついた帽子を被った髭のダンディーな男の人が現れた。明らかに強者の風貌です。
「ギルマス・・・」
絡んできた冒険者が呟く。赤い羽根帽子の男の人は帽子をクイッとさせて冒険者に武器をしまわせる。
「君が”1”ルーク君か」
凄んで僕に詰め寄るギルドマスターさん、凄い圧を感じる。
「さっきの投げは噂にたがわない技だったよ」
ギルマスにそう言われて僕は首を傾げる。目を瞑っていたので自分が何をしたのかわからないんだよね。
剣術スキル7にもなると敵の攻撃をオートカウンターしてしまう、坊主頭の男が死ななかったのはルークが何も持っていなかったおかげである。
もしもルークが手に紙や木の棒なんかを持っていたら坊主頭の男は死んでいただろう。達人は敵の武器も自分の武器として使ってしまう、坊主頭の武器はオートカウンターによってルークに奪われたのだった。
「ギルマスが完全装備になってるぞ」
「たぶん、あの1ルークを試そうとしてんじゃねえか?」
コソコソと話す声が聞こえてくる。まさか、
「不肖ながらレッドソードの異名を持つ私と模擬戦をしてもらえないだろうか?」
「・・・」
思った通り模擬戦を申し込まれてしまいました。僕は掃除の依頼をもらいに来ただけなのに。
「すいません、僕は1レベルなのであなたと戦ったらたぶん、死んでしまいます」
「聞いていた通りの反応だ。自分の強さを誇示せず驕らない。まさに英雄としてふさわしい。ますます、腕を見てみたい」
僕の反応に輝かんばかりの目で迫ってきた。どうすりゃいいの?
「ルークお兄ちゃん、やってあげなよ」
「クコ、何をいってるんだよ」
僕が悩んでいるとクコが僕にやるように促してきた。必要な時以外、僕は力を誇示したくないよ。
「ダメダメ・・・掃除の依頼をください」
ギルドマスターとクコを無視して僕は受付に座って依頼をもらった。受付嬢さんも驚いてたけど素直にくれました。こういう時は断る事も必要だよね。誰でも相手にしてたらきりがないし。
こういった状況になれてきたルークはスルースキルを手に入れた。
「おい、本当に行ってしまうのか。私の立場は?」
「面白くないの~」
「ちょっとクコ、素に戻ってるよ」
完全装備のギルドマスターが何かいってるけど僕はそのまま外へと逃げていきます。
全く冒険者の人って言うのはなんでこうも強さを誇示したがる人ばっかなんだろう。今度はアレイストさんがいるかいないか確認してから入ろう。
20
お気に入りに追加
5,466
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる