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第一章 始まり
第四十話 知恵のある戦い
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「ワーウルフの群れには狼もいるぞ。用心しろ」
ベイツは周りに聞こえるように叫んだ。
ワーウルフの群れには狼も多く含まれている。全体の7割が狼でワーウルフ達は100匹といった大所帯である。
「しかし、これだけの群れを形成しているのを見るとやはりいるか?」
ベイツはこういった群れとの戦闘をいくらか戦った事がある。そのベイツが危惧しているのはワーウルフに上位種がいるのではないかという事だ。上位種はウォーリアやソルジャーなどの職業持ちの事だ。
通常の職業であるウォーリアやソルジャーではこういった100匹単位の統率はできるはずもない、その為それ以上の位であるノーブルやジェネラルといった存在を想像してしまう。
ロードやキングの場合はこれでは済まない規模になるので心配していないがベイツはノーブルとジェネラルはいると警戒している。
「とにかく俺達は狼を重点的に狩るぞ。ワーウルフを発見した場合はすぐに俺に言えよ」
周りの低レベルの冒険者達はベイツに頷いて答える。低レベルの冒険者ではワーウルフの攻撃に単純なステータスで耐える事ができない、ベイツはそれを考えて忠告している。ベイツはBランク冒険者、ワーウルフの攻撃をガードする為の盾も持っているので抑えることも倒す事も可能だ。ベイツはワーウルフとの戦闘経験もあるので低レベルパーティーを率いて戦功をあげていく。
ルーク達は一匹のはぐれのようなワーウルフを倒してみんなが戦っているエリアではない森を通ってクルシュの屋敷に近づいて行く。
しばらく、敵と会わない事にメイは不審に思い始めた。何故かと言うと、ワーウルフ達は統率されている。なのに、森での戦闘を選ばずに平野での戦闘を選んだのだ。これがメイの勘を反応させる。
「今回の襲撃はかなり上の者がいると私は踏んでいます」
「ワーウルフの上って事ですか?」
「そうです」
木の枝をかき分けながらメイさんに疑問を投げかけるとメイさんは肯定した。
「ワーウルフの上ってキングとか?」
「そうですね。ノーブルやジェネラルは確実です」
メイさんはこれまでの経験を踏まえてそう言った。だから、おかしいと首を傾げる。
「おかしいんですよ。わざわざ兵を捨てるような戦い方をしている事が・・・」
ノーブルやジェネラルがいた場合こういった正面からの戦闘を嫌って攻めてくるはず、メイは自問しながら森を探索して屋敷へと近づいて行く。
ルークとモナーナもそれに追従する。二人はメイのような経験値はない。なのでメイについて行くのみである。
「クルシュ様の屋敷に向かわなくて大丈夫ですか?」
「あの量のワーウルフでは一匹通るのが関の山でしょう」
メイさんは凄い自信でモナーナの疑問に答えた。メイの考え通り確かに屋敷には一匹の侵入ですみ、城壁の外で撃退出来ている。あと少しで冒険者達の援軍が外のワーウルフの群れに接触しようとしている。その冒険者達の先頭にバッツの率いる[虎狼]も含まれている。すぐに鎮圧される事は火を見るよりも明らかだ。
「ニャ~」
「ミスリーどうした?」
「ルークどこに?」
ミスリーが鳴きだした。僕は鎧に引っ張られるように森の中を屋敷の方角から離れていく。モナーナとメイはそれを見て首を傾げながらついて行く。
「ミスリーが何かを感じ取ってるみたい」
僕は二人にそう言ってミスリーの案内する方向へと歩いて行く。
「ウニャ」
しばらく移動しているとミスリーが小さく鳴いた。目的の場所についたみたい。
「敵がいます。屈んでください」
周りの異変に気付いたメイさんが屈むようにジェスチャーをして促しながら言った。僕とモナーナはそれに従って警戒する。
「やはり今戦っているワーウルフ達は全員前座ですね。本隊かはわかりませんが戦力を隠していたようですね」
僕らにそう言うと顎に手を当てて考え始める。
「今、私達の戦力がクルシュ様の屋敷に集中してしまっています。この本隊が街を襲ったら城壁を超えてしまうかもしれない。多くの人が被害にあうかも」
「「・・・」」
屋敷に冒険者達はクルシュ様を助けに行っちゃっている。だから街には衛兵さんだけになってる。守れるだけの戦力はないみたい。
「じゃあ僕らがこの本隊を」
「出来るわけないでしょ」
「でも、街の人達に被害が出てしまうんでしょ?黙って見ているわけにはいかないよ」
「黙っているつもりはないですが私の任務はあなたとモナーナさんの護衛なんです。この状態で私達が攻撃したら一瞬で私達は殺されます。流石に多勢に無勢です」
メイさんは冷静に現状を把握していく、だけど僕は黙っているつもりはない。街には衛兵のエイベルさんやニャムさんそれにスリンさんやルンちゃんがいるんだ。街のみんなの命が危ないんだ、黙っているわけには行かない。
僕はアレイストさんの言葉を思い出した。
(だからあんたが初めてのレベル1の何かになるんだよ)
僕みたいな1レベルでも何かになっていいんだよね。
僕の足が勝手にワーウルフの軍団へと歩き出していた。モナーナは急な事に対処できずに声もでないようだ。
メイさんはすぐにモナーナを抱き上げてクルシュ様の屋敷の方へ駆けていった。
メイに抱えられたモナーナは必死に小さくなっていくルークの名を呼んだが彼は振り向く事さえなかった。
ベイツは周りに聞こえるように叫んだ。
ワーウルフの群れには狼も多く含まれている。全体の7割が狼でワーウルフ達は100匹といった大所帯である。
「しかし、これだけの群れを形成しているのを見るとやはりいるか?」
ベイツはこういった群れとの戦闘をいくらか戦った事がある。そのベイツが危惧しているのはワーウルフに上位種がいるのではないかという事だ。上位種はウォーリアやソルジャーなどの職業持ちの事だ。
通常の職業であるウォーリアやソルジャーではこういった100匹単位の統率はできるはずもない、その為それ以上の位であるノーブルやジェネラルといった存在を想像してしまう。
ロードやキングの場合はこれでは済まない規模になるので心配していないがベイツはノーブルとジェネラルはいると警戒している。
「とにかく俺達は狼を重点的に狩るぞ。ワーウルフを発見した場合はすぐに俺に言えよ」
周りの低レベルの冒険者達はベイツに頷いて答える。低レベルの冒険者ではワーウルフの攻撃に単純なステータスで耐える事ができない、ベイツはそれを考えて忠告している。ベイツはBランク冒険者、ワーウルフの攻撃をガードする為の盾も持っているので抑えることも倒す事も可能だ。ベイツはワーウルフとの戦闘経験もあるので低レベルパーティーを率いて戦功をあげていく。
ルーク達は一匹のはぐれのようなワーウルフを倒してみんなが戦っているエリアではない森を通ってクルシュの屋敷に近づいて行く。
しばらく、敵と会わない事にメイは不審に思い始めた。何故かと言うと、ワーウルフ達は統率されている。なのに、森での戦闘を選ばずに平野での戦闘を選んだのだ。これがメイの勘を反応させる。
「今回の襲撃はかなり上の者がいると私は踏んでいます」
「ワーウルフの上って事ですか?」
「そうです」
木の枝をかき分けながらメイさんに疑問を投げかけるとメイさんは肯定した。
「ワーウルフの上ってキングとか?」
「そうですね。ノーブルやジェネラルは確実です」
メイさんはこれまでの経験を踏まえてそう言った。だから、おかしいと首を傾げる。
「おかしいんですよ。わざわざ兵を捨てるような戦い方をしている事が・・・」
ノーブルやジェネラルがいた場合こういった正面からの戦闘を嫌って攻めてくるはず、メイは自問しながら森を探索して屋敷へと近づいて行く。
ルークとモナーナもそれに追従する。二人はメイのような経験値はない。なのでメイについて行くのみである。
「クルシュ様の屋敷に向かわなくて大丈夫ですか?」
「あの量のワーウルフでは一匹通るのが関の山でしょう」
メイさんは凄い自信でモナーナの疑問に答えた。メイの考え通り確かに屋敷には一匹の侵入ですみ、城壁の外で撃退出来ている。あと少しで冒険者達の援軍が外のワーウルフの群れに接触しようとしている。その冒険者達の先頭にバッツの率いる[虎狼]も含まれている。すぐに鎮圧される事は火を見るよりも明らかだ。
「ニャ~」
「ミスリーどうした?」
「ルークどこに?」
ミスリーが鳴きだした。僕は鎧に引っ張られるように森の中を屋敷の方角から離れていく。モナーナとメイはそれを見て首を傾げながらついて行く。
「ミスリーが何かを感じ取ってるみたい」
僕は二人にそう言ってミスリーの案内する方向へと歩いて行く。
「ウニャ」
しばらく移動しているとミスリーが小さく鳴いた。目的の場所についたみたい。
「敵がいます。屈んでください」
周りの異変に気付いたメイさんが屈むようにジェスチャーをして促しながら言った。僕とモナーナはそれに従って警戒する。
「やはり今戦っているワーウルフ達は全員前座ですね。本隊かはわかりませんが戦力を隠していたようですね」
僕らにそう言うと顎に手を当てて考え始める。
「今、私達の戦力がクルシュ様の屋敷に集中してしまっています。この本隊が街を襲ったら城壁を超えてしまうかもしれない。多くの人が被害にあうかも」
「「・・・」」
屋敷に冒険者達はクルシュ様を助けに行っちゃっている。だから街には衛兵さんだけになってる。守れるだけの戦力はないみたい。
「じゃあ僕らがこの本隊を」
「出来るわけないでしょ」
「でも、街の人達に被害が出てしまうんでしょ?黙って見ているわけにはいかないよ」
「黙っているつもりはないですが私の任務はあなたとモナーナさんの護衛なんです。この状態で私達が攻撃したら一瞬で私達は殺されます。流石に多勢に無勢です」
メイさんは冷静に現状を把握していく、だけど僕は黙っているつもりはない。街には衛兵のエイベルさんやニャムさんそれにスリンさんやルンちゃんがいるんだ。街のみんなの命が危ないんだ、黙っているわけには行かない。
僕はアレイストさんの言葉を思い出した。
(だからあんたが初めてのレベル1の何かになるんだよ)
僕みたいな1レベルでも何かになっていいんだよね。
僕の足が勝手にワーウルフの軍団へと歩き出していた。モナーナは急な事に対処できずに声もでないようだ。
メイさんはすぐにモナーナを抱き上げてクルシュ様の屋敷の方へ駆けていった。
メイに抱えられたモナーナは必死に小さくなっていくルークの名を呼んだが彼は振り向く事さえなかった。
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