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第一章 始まり

第十話 製作中

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 夜は宿屋で過ごすことにしたのだが寝てしまったので眠れません。なので僕は製作した物のあまりを使って有る物を作ってみようと思いました。

 この街に来る途中、僕は荷物が多くて困ったんだよね。だからそうならない為のアイテム、アイテムバックを作る事が出来ないかと思った。アイテムバックは伝説級のアイテムなんだけど存在している限り最高レベルである僕なら作れるはずだ...自分で僕なら作れるなんて言うのは何だかこっぱずかしい。だがいけるはずだ。

「皮の残りと糸を使って巾着袋を作る」

 ここまでは普通の袋と一緒だ。ここからが違う。

「スキルカードは~っと」

 僕はスキルカードを手に取って製作スキル欄の魔道具製作を触る。割り振りポイントから7注いでマックスです。しかし、このスキルポイントも訳が分からないな~。確か普通の人はスキルを使えば使うほどレベルがあがるはず。なのに僕は何かをするとポイントが増えている。その何かが分かれば全部ポイント使っちゃうんだけど。まあ、今のポイントでも十分製作系のスキルを全取得できるのでいいんですけどね。

「という事で!じゃっじゃ~ん出来ました~」

 魔道具製作スキルがマックスの為、魔力を注ぐという工程が要らなくなってます。本当なら魔道具を作るのに相当なマナが必要なんだけどそれがほぼ0になっているのでレベル1の僕でも大丈夫。ちなみに今僕が作ったアイテムは伝説級のアイテム、なので熟練の魔術師の人が3人で24時間体制でマナを注いで3日かかるとか聞いた事がある代物です。

「僕のアイテムバッグちゃん!」

 そうです、僕が作ったのはアイテムバッグです。世にも珍しい亜空間と繋がるアイテム入れ、時間も止まってアツアツの料理はアツアツのまま、冷たい料理も冷たいままなんですよ。魔法って凄いな~。勇者って言われていた英雄が持ち歩いてたって聞いて作れるかなと思ったら出来てしまいました、流石スキルレベル7。

 でも、アイテムバッグは伝説級のアイテムだから、あんまり見せびらかさない方がいい。特に僕みたいなレベル1が持ってたら殺されて奪われちゃう。

「ブルブルッ、考えただけで怖いよ。僕は何て物を作っちゃったんだろう。よ~し、殺されない為にも、もっと作るぞー」

 ルークは殺されないためにと言って強力な装飾品を作ってしまう。また、それも狙われる物になりうるというのに。

「全身骨骨~、だけど、神聖な波動があるね」

 ボーンアーマーを作ってみたんだけど、魔道具製作が最高レベルになっている為か、月下の剣よりもオーラが凄い事になってる。今気づいたんだけど、こんなものホイホイ売っても狙われるんじゃ?。

 やっと気づいたかルーク、流石にそれは売れないぞ。

「...まあ、いいか。売らないで、もしもの時用に取っておこう。まだまだ、作るぞ~」

 製作が楽しすぎてルークの夜は長くなっていく。しかし、ルークはいつ気付くんだ。スタミナが減らない事に。

「うふふふ~、骨だからボンチャンかな~」

 ルークの製作は止まらない。アイテムバッグが手に入った事で荷物の心配はなくなった。なのでこの暴走は留まる事を知らないのだ。

「あ~そうだ~。野草も拾っておいたからポーションも作ってみよ~」

 やめられない止まらない、誰もルークを止められない。

 手持ちの野草をポーションに変換させていくルーク。アイテムバッグのような便利な物を持っていなかった為、数は少ないがスキルのおかげで少量でも相当な数が出来上がっていく。

「コラ!今何時だと思ってるんだい!!」
「ヒァ!!」

 と思ったらスリンがカンカンに怒って部屋に入ってきた。部屋に乱雑に置かれた伝説級のアイテムを見ることなくスリンはルークに近づき拳骨をくわえた。

 ルークは製作に夢中で時間を忘れていた。もう、夜の2時である。よいこは寝ましょう。

「寝てしまって眠れないのは分かるが私らは眠いんだよ。だから、もう寝なさい」
「あう、...は~い」
「ふふ、時間はいくらでもあるんだ。そんなに急がなくていいんだよ。お金だってあんたなら大丈夫さ」

 僕が拳骨に驚いて俯いているとスリンさんは僕の頭を撫でた。何だか本当にお母さんと言いそうになるがグッと堪えた。僕は15歳になったんだ。成人している子がそんなんじゃダメだもんね。

「じゃあ、お休み」
「おやすみなさい」

 僕はすぐに散らかっていたアイテムをしまう。スリンさんはアイテムを見てはいなかったみたいだけど、こういう事があるから作ったらすぐにしまおう。

 僕は今日の事を心に刻んで眠りにつく。

「眠くないからさっき作った睡眠のポーションを飲もう」

 通常、毒として用いられる睡眠ポーション。簡単な草で作られるのだがポーション製作のスキルランクが4は、いっていないと作れない。なのでとても貴重な物である。

「あ~眠くなってきた~」

 パタッとルークは倒れた、まるで毒でも盛られて死んだように。
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