3 / 165
第一章 始まり
第二話 いざ、恩恵の儀へ
しおりを挟む
「ハァハァ」
朝日が昇ってきた。僕はこんな毎日を迎えている。洗濯し終わると日が昇り僕が太陽を迎える。僕は急いで部屋にもどり眠りにつくが叔母の朝は早い。
「ルーク!仕事だよ。今日はちょっと少ないから安心おし」
「...は~い」
僕は一時間ほど寝ることが出来た。流石に疲労が目に見えていたのか今日はユアンが出ていった日の洗濯量であった。
「これでも多いんだけど」
「なんか言ったかい?」
「..働きがいがあるな~って」
「そうかい」
ちきちょう!でも早く終わらせて冒険者ギルドに行かなくては、今日は待ちに待った恩恵の儀。つまり僕の誕生日なのだ。僕は今まで洗濯してきた力を発揮してものの3時間で洗濯を終えた。僕は生きてます、ちなみに手は死んでるのでデロ~ンと力が抜けています。
僕はその状態で冒険者ギルドへと向かった。
扉を押して入ると恩恵の儀を行う水晶の前にお姉さんがいた。僕はすぐにそこへ向かってお姉さんに声をかけた。
「お姉さん、僕、今日15歳なんです。恩恵の儀をお願いします」
「キャ!...何だ、驚かせないでよ。恩恵の儀ですね。ちょっと待っててください」
ブロンド髪のお姉さんはそう言って奥の扉に入っていった。その待ち時間にいつも僕をいじめてきたジグとザグのデブが声をかけてきた。
「おっと、恥知らずがやってきたぞ」
「1ルークさんじゃありませんか~?」
僕は半ば無視気味に手を振る。流石に無視するとめんどくさい事になりそうなのでやったのだが、それでも気にくわなかったのか近づいてきた。
「おいおい、1ルークさんは偉くなったな~」
「うちの洗濯をしてくれてた1ルーク様だもんな~。そりゃ偉いよな~」
あ~鬱陶しい。しかし、恩恵の儀をしないといけないので我慢我慢。
「恩恵をもらったって、お前には草むしりくらいしか出来ねえよ」
「そうだ。それよりも裸踊りのスキルじゃねえか?」
デブ二人はそういって大笑いを始める。しかし、ここがどんな所か忘れていたようだ。
「じゃかましい!!騒ぐんなら外へ行け!!」
大きな声と音を纏った褐色の女戦士は鞘に入ったままの大剣を片手で振り回しジグとザグをギルドの外へと吹き飛ばした。その際、扉が壊れないように開けていたのはギルドのお姉さん方だ。何とも優秀な事で。
「お前もお前だ!ユアンの兄と聞いていたが情けないったらありゃしないね!!全く」
「え?僕の事知っているんですか?」
「ああ、世界最高の兄さんだって言っていたよ」
ユアンの奴...また、あいつは俺を泣かせるつもりか。しかしハードルをあげるのはやめてくれ。僕は自分の膝くらいの高さしか飛べないぞ...比喩ではない、本当だ。
「そうですか。でも僕はあのデブ二人が言っていたように役立たずです。だけど今回の恩恵の儀であいつらを見返してやりたいと思って必死になってきたんです」
「..いい目をしているね。確かにあのデブの圧にも負けずによく耐えたよ。今度は男らしい姿で会いたいもんだね」
褐色の女戦士はそういって手をヒラヒラさせて外へ出ていった。
あ、名前を聞くの忘れた。そう思っていると奥の扉が開き恩恵の儀を頼んだ受付の人がカードと水晶を持って僕の前に座った。
「恩恵の儀はこの水晶に血を流して恩恵を授かります。血は水晶を伝いカードに流れて、スキルカードへと変化していきます。これだけでスキルが得られるのですが他に何か質問はありますか?」
僕は首を横に振って水晶に血を一滴流した。みるみる水晶は血を吸い込んでいく、青い水晶は赤色と混ざって元に戻り、下に敷いていたカードへと流れてカードが光だした。
「これで完成です....って!ええ~~」
お姉さんが驚愕の声と表情でカードを覗いた。
朝日が昇ってきた。僕はこんな毎日を迎えている。洗濯し終わると日が昇り僕が太陽を迎える。僕は急いで部屋にもどり眠りにつくが叔母の朝は早い。
「ルーク!仕事だよ。今日はちょっと少ないから安心おし」
「...は~い」
僕は一時間ほど寝ることが出来た。流石に疲労が目に見えていたのか今日はユアンが出ていった日の洗濯量であった。
「これでも多いんだけど」
「なんか言ったかい?」
「..働きがいがあるな~って」
「そうかい」
ちきちょう!でも早く終わらせて冒険者ギルドに行かなくては、今日は待ちに待った恩恵の儀。つまり僕の誕生日なのだ。僕は今まで洗濯してきた力を発揮してものの3時間で洗濯を終えた。僕は生きてます、ちなみに手は死んでるのでデロ~ンと力が抜けています。
僕はその状態で冒険者ギルドへと向かった。
扉を押して入ると恩恵の儀を行う水晶の前にお姉さんがいた。僕はすぐにそこへ向かってお姉さんに声をかけた。
「お姉さん、僕、今日15歳なんです。恩恵の儀をお願いします」
「キャ!...何だ、驚かせないでよ。恩恵の儀ですね。ちょっと待っててください」
ブロンド髪のお姉さんはそう言って奥の扉に入っていった。その待ち時間にいつも僕をいじめてきたジグとザグのデブが声をかけてきた。
「おっと、恥知らずがやってきたぞ」
「1ルークさんじゃありませんか~?」
僕は半ば無視気味に手を振る。流石に無視するとめんどくさい事になりそうなのでやったのだが、それでも気にくわなかったのか近づいてきた。
「おいおい、1ルークさんは偉くなったな~」
「うちの洗濯をしてくれてた1ルーク様だもんな~。そりゃ偉いよな~」
あ~鬱陶しい。しかし、恩恵の儀をしないといけないので我慢我慢。
「恩恵をもらったって、お前には草むしりくらいしか出来ねえよ」
「そうだ。それよりも裸踊りのスキルじゃねえか?」
デブ二人はそういって大笑いを始める。しかし、ここがどんな所か忘れていたようだ。
「じゃかましい!!騒ぐんなら外へ行け!!」
大きな声と音を纏った褐色の女戦士は鞘に入ったままの大剣を片手で振り回しジグとザグをギルドの外へと吹き飛ばした。その際、扉が壊れないように開けていたのはギルドのお姉さん方だ。何とも優秀な事で。
「お前もお前だ!ユアンの兄と聞いていたが情けないったらありゃしないね!!全く」
「え?僕の事知っているんですか?」
「ああ、世界最高の兄さんだって言っていたよ」
ユアンの奴...また、あいつは俺を泣かせるつもりか。しかしハードルをあげるのはやめてくれ。僕は自分の膝くらいの高さしか飛べないぞ...比喩ではない、本当だ。
「そうですか。でも僕はあのデブ二人が言っていたように役立たずです。だけど今回の恩恵の儀であいつらを見返してやりたいと思って必死になってきたんです」
「..いい目をしているね。確かにあのデブの圧にも負けずによく耐えたよ。今度は男らしい姿で会いたいもんだね」
褐色の女戦士はそういって手をヒラヒラさせて外へ出ていった。
あ、名前を聞くの忘れた。そう思っていると奥の扉が開き恩恵の儀を頼んだ受付の人がカードと水晶を持って僕の前に座った。
「恩恵の儀はこの水晶に血を流して恩恵を授かります。血は水晶を伝いカードに流れて、スキルカードへと変化していきます。これだけでスキルが得られるのですが他に何か質問はありますか?」
僕は首を横に振って水晶に血を一滴流した。みるみる水晶は血を吸い込んでいく、青い水晶は赤色と混ざって元に戻り、下に敷いていたカードへと流れてカードが光だした。
「これで完成です....って!ええ~~」
お姉さんが驚愕の声と表情でカードを覗いた。
36
お気に入りに追加
5,464
あなたにおすすめの小説
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる