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第一章
第34話 魔族
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火口のような縦穴の螺旋階段を下っていく。
松明の火が見えた底まで着くと横穴が見える。
「あそこしかないね」
「いこ」
リーシャとルラナが周りを見回して呟く。ルラナに引っ張られてみんなで向かうと穴の前で鼻を摘まんだ。
「くせえ!」
「だ、大丈夫?」
ステインがいち早く声をあげた。ステインが叫ぶものだからミーシャが心配して見下ろしてくる。手を振って大丈夫だと伝えるとホッと胸を撫でおろしていた。
しかし、凄い異臭だ。思わず口と鼻を抑えてしまう。
「ん、【我、この世の人ならざる者。力に答え、風を起こせ】」
ルラナが本を開き詠唱を行った。風が巻き起こって僕らを囲う。
「これで大丈夫?」
「ありがとうルラナ」
「ありがと」
ルラナの頭を撫でてお礼を言う。リーシャにも言われると顔を真っ赤にした。彼もリーシャを意識してるのかな。かわいい子にお礼を言われたら嬉しいものだものな。
「寝室にもしてるのか? こんなくせえ所に良く住めるな……」
横穴に入ると一本道の左右に部屋がいくつもあった。岩肌を削っただけの部屋だけど、結構な数ある。
「奥に光がついてるよ」
リーシャの声で通路の先に視線を向ける。薄っすらと光が見える。左右にあった部屋は真っ暗だったのに奥の松明はついてるのか。ちょっと不自然だな。
「ん? 盗賊は上にいるのになんで外とか奥に松明に火がついてるの?」
「僕もそう思ってたところ」
ルラナが呟くと僕も同意した。すべての盗賊は僕らが捕まえていたはず、まだ仲間がいるのか?
「と、とにかく、奥に」
「ちょっと待て……、これを見てくれ」
奥に行こうと思ったらステインが声をあげた。僕らは彼の持ち上げたベッドの裏を見て驚愕した。
「え!? 指?」
「ああ、人のものだな。このベッドだけ不自然な方向を向いていたから気になったんだ」
リーシャが物体を見て声をあげるとステインが答える。確かに彼の言う通りベッドが一つだけ別の方向を向いてた。それによく見ると他にもおかしなところがいくつか見える。
「この絵画おかしい……。やっぱり」
岩肌の部屋には不釣り合いな絵画。まるで別の誰かが持ってきたような物。ルラナが剥がして裏を見ると血がついていた。絵画の裏にもついているのを見るとつい最近なのが伺える。
額縁もないし、その場で書いて張り付けたようなそんな印象をうけるな。
「こっちも机がずらされてる跡があるよ」
「こっちの部屋もいくつかあるな……。こりゃおかしいぜ。用心していくぞ」
雑に隠されているけど、この場で何かが起こったのが伺える。盗賊に残りがいたのは分かるけど、それが何者かに襲われたってことになる。それもつい最近だ。
ステインを先頭に武器を構えて奥へと進んでいく。みんなの強化も入念にしておこう。やりすぎても問題はないからね。
「灯りが続いてるな」
奥の通路の松明は全部ついていた。穴に入ってすぐはついていなかったのにおかしいな。
不思議に思いながら進んでいると声が聞こえてくる。
「ゲヒ! 人間どもは美味しいな。おい!」
「ああ、最高の餌だ。しかし、人を飼ってたやつらは不味かったな~」
「ゲヒヒ。食われ損だなあいつら」
声を聞いて僕らは動きを止める。顔を見合うとみんな冷や汗をかいていた。
それもそのはずだ、声の内容からして人ではないのが伺えるから。
「ゲヒヒ。さ~って。あの不味い奴らは食べていいって言われてたがこいつら全員を連れて行くのは大変そうだな~」
「馬車なんてないからな。歩かせるしかないか」
声が更に聞こえてくる。どうやら、人が捕まってるみたいだ。話の内容から殺される心配はなさそうだな。
「外に出てくるみたいだな。それを待ち伏せするか」
ステインが囁く。その言葉にみんな頷いて踵を返す。しかし、そんな生易し奴らじゃなかった。
「ゲヒ? 魔法の匂い?」
「ふむ、我々の異臭を嫌った人間が魔法を使っているようだ」
「!? 一度逃げるぞ!」
声が聞こえてきてステインが声をあげる。僕らは走り出したが出口は封鎖されてしまう。
「なっ!」
「ごめん。罠に気づけなかった……。魔法が仕掛けられてたみたい」
大きな岩が通路を塞いでる。ルラナが申し訳なさそうに俯いて声をもらした。ルラナでも気づかないんじゃ僕らにはどうしようもない。
「さあ、出てこい」
「ゲヒ、ゲヒヒ。食べれる人間が来たか。嬉しいぞ~」
通路から部屋に入ると大きく開かれた部屋が広がる。奥には壁一面に檻が飾ってあった。そのすべてに人が入っているのが見える。まるで監獄だ。
そして、檻の前に二体の黒い、人ではないものが立っていた。
「ゲヒヒ、やったぞルベジャン! ハーフエルフと精霊だ!」
「く、くっくっく。ああ、ドラッグ! 最高の食事だ」
舌なめずりして僕らを値踏みする二体のバケモノ。二本足なのは僕らと同じだけど、体躯が明らかに人ではない。
嬉しそうに跳ねている姿が異様で僕らは冷や汗が止まらない。
「さあさあ、我々の餌さん。折角ですから名前を聞いておきましょうか。自己紹介をしてください。美味しい物の名前は後世に伝えなければ」
長身のバケモノ、ルベジャンが声をあげた。僕らは情報を得るために答えた。
「僕はヒューイだ。こっちがステインでリーシャとルラナ。君たちは」
「ゲヒヒ、ルベジャン! そんなのいいから早く食べようぜ」
自己紹介をして聞き出そうと思ったらドラッグと言われた小さい方のバケモノが言葉を遮った。よだれがポタポタと地面に落ちて湯気が立ってる。あのよだれには気をつけないといけないな。
「ドラッグ。餌となるものにもそれなりの歴史を持っているのです。ちゃんと話を聞いてあげましょう。さあ、何ですか餌のヒューイさん」
「……」
「何もないならすぐにでも食べてしまいますよ」
ドラッグを制止するルベジャン。思わず無言になってしまった。折角のチャンスだ、何者か聞かないと。
「ま、まって。君たちは何者? ここにいた盗賊と知り合い?」
ルベジャンがため息をついて声をあげたのを見て、僕は焦って声をあげた。
「ここの盗賊には人を集めさせていたんですがね。もう、用済みということで処分を言い渡されたんですよ」
「ルベジャン! 言っていいのか? それ」
「構わないでしょう。だって」
ルベジャンがため息交じりに答えるとドラッグがぴょんぴょん跳ねて問いかけた。それに答えようとしたルベジャンが僕らを見つめて殺気を放ってきた。生暖かい風が僕らを横切る。
「この方々はここで私達の餌になるのですから」
殺気が通った刹那。正面にいたはずのルベジャンの姿が消えて、声が横から聞こえてきた。
「横だおかしな人間」
「くっ!」
ディアボロスの声で刀を真横へと流す。確かな手応えを感じて、そのまま振り切ると壁へと黒い物体が吹き飛んでいった。
「ルベジャン!? ゲヒ、こいつらただものじゃないな」
壁にぶつかったものを見てドラッグが声をあげてる。どうやら、僕の横にルベジャンが移動していたみたいだ。あの一瞬であの距離を詰めてくる、危険なやつだな。
「くっ……くっくっく。これはこれは、元気のいい餌だ。さしずめ勇者というところでしょうか?」
土煙の上がる中から声が上がる。煙がおさまっていくとルベジャンが傷ついた腕を抑えて声をあげてるのが見える。強化してる僕の刀を受けて仕留められない? 分かっていたことだけど、こいつら普通じゃないな。
松明の火が見えた底まで着くと横穴が見える。
「あそこしかないね」
「いこ」
リーシャとルラナが周りを見回して呟く。ルラナに引っ張られてみんなで向かうと穴の前で鼻を摘まんだ。
「くせえ!」
「だ、大丈夫?」
ステインがいち早く声をあげた。ステインが叫ぶものだからミーシャが心配して見下ろしてくる。手を振って大丈夫だと伝えるとホッと胸を撫でおろしていた。
しかし、凄い異臭だ。思わず口と鼻を抑えてしまう。
「ん、【我、この世の人ならざる者。力に答え、風を起こせ】」
ルラナが本を開き詠唱を行った。風が巻き起こって僕らを囲う。
「これで大丈夫?」
「ありがとうルラナ」
「ありがと」
ルラナの頭を撫でてお礼を言う。リーシャにも言われると顔を真っ赤にした。彼もリーシャを意識してるのかな。かわいい子にお礼を言われたら嬉しいものだものな。
「寝室にもしてるのか? こんなくせえ所に良く住めるな……」
横穴に入ると一本道の左右に部屋がいくつもあった。岩肌を削っただけの部屋だけど、結構な数ある。
「奥に光がついてるよ」
リーシャの声で通路の先に視線を向ける。薄っすらと光が見える。左右にあった部屋は真っ暗だったのに奥の松明はついてるのか。ちょっと不自然だな。
「ん? 盗賊は上にいるのになんで外とか奥に松明に火がついてるの?」
「僕もそう思ってたところ」
ルラナが呟くと僕も同意した。すべての盗賊は僕らが捕まえていたはず、まだ仲間がいるのか?
「と、とにかく、奥に」
「ちょっと待て……、これを見てくれ」
奥に行こうと思ったらステインが声をあげた。僕らは彼の持ち上げたベッドの裏を見て驚愕した。
「え!? 指?」
「ああ、人のものだな。このベッドだけ不自然な方向を向いていたから気になったんだ」
リーシャが物体を見て声をあげるとステインが答える。確かに彼の言う通りベッドが一つだけ別の方向を向いてた。それによく見ると他にもおかしなところがいくつか見える。
「この絵画おかしい……。やっぱり」
岩肌の部屋には不釣り合いな絵画。まるで別の誰かが持ってきたような物。ルラナが剥がして裏を見ると血がついていた。絵画の裏にもついているのを見るとつい最近なのが伺える。
額縁もないし、その場で書いて張り付けたようなそんな印象をうけるな。
「こっちも机がずらされてる跡があるよ」
「こっちの部屋もいくつかあるな……。こりゃおかしいぜ。用心していくぞ」
雑に隠されているけど、この場で何かが起こったのが伺える。盗賊に残りがいたのは分かるけど、それが何者かに襲われたってことになる。それもつい最近だ。
ステインを先頭に武器を構えて奥へと進んでいく。みんなの強化も入念にしておこう。やりすぎても問題はないからね。
「灯りが続いてるな」
奥の通路の松明は全部ついていた。穴に入ってすぐはついていなかったのにおかしいな。
不思議に思いながら進んでいると声が聞こえてくる。
「ゲヒ! 人間どもは美味しいな。おい!」
「ああ、最高の餌だ。しかし、人を飼ってたやつらは不味かったな~」
「ゲヒヒ。食われ損だなあいつら」
声を聞いて僕らは動きを止める。顔を見合うとみんな冷や汗をかいていた。
それもそのはずだ、声の内容からして人ではないのが伺えるから。
「ゲヒヒ。さ~って。あの不味い奴らは食べていいって言われてたがこいつら全員を連れて行くのは大変そうだな~」
「馬車なんてないからな。歩かせるしかないか」
声が更に聞こえてくる。どうやら、人が捕まってるみたいだ。話の内容から殺される心配はなさそうだな。
「外に出てくるみたいだな。それを待ち伏せするか」
ステインが囁く。その言葉にみんな頷いて踵を返す。しかし、そんな生易し奴らじゃなかった。
「ゲヒ? 魔法の匂い?」
「ふむ、我々の異臭を嫌った人間が魔法を使っているようだ」
「!? 一度逃げるぞ!」
声が聞こえてきてステインが声をあげる。僕らは走り出したが出口は封鎖されてしまう。
「なっ!」
「ごめん。罠に気づけなかった……。魔法が仕掛けられてたみたい」
大きな岩が通路を塞いでる。ルラナが申し訳なさそうに俯いて声をもらした。ルラナでも気づかないんじゃ僕らにはどうしようもない。
「さあ、出てこい」
「ゲヒ、ゲヒヒ。食べれる人間が来たか。嬉しいぞ~」
通路から部屋に入ると大きく開かれた部屋が広がる。奥には壁一面に檻が飾ってあった。そのすべてに人が入っているのが見える。まるで監獄だ。
そして、檻の前に二体の黒い、人ではないものが立っていた。
「ゲヒヒ、やったぞルベジャン! ハーフエルフと精霊だ!」
「く、くっくっく。ああ、ドラッグ! 最高の食事だ」
舌なめずりして僕らを値踏みする二体のバケモノ。二本足なのは僕らと同じだけど、体躯が明らかに人ではない。
嬉しそうに跳ねている姿が異様で僕らは冷や汗が止まらない。
「さあさあ、我々の餌さん。折角ですから名前を聞いておきましょうか。自己紹介をしてください。美味しい物の名前は後世に伝えなければ」
長身のバケモノ、ルベジャンが声をあげた。僕らは情報を得るために答えた。
「僕はヒューイだ。こっちがステインでリーシャとルラナ。君たちは」
「ゲヒヒ、ルベジャン! そんなのいいから早く食べようぜ」
自己紹介をして聞き出そうと思ったらドラッグと言われた小さい方のバケモノが言葉を遮った。よだれがポタポタと地面に落ちて湯気が立ってる。あのよだれには気をつけないといけないな。
「ドラッグ。餌となるものにもそれなりの歴史を持っているのです。ちゃんと話を聞いてあげましょう。さあ、何ですか餌のヒューイさん」
「……」
「何もないならすぐにでも食べてしまいますよ」
ドラッグを制止するルベジャン。思わず無言になってしまった。折角のチャンスだ、何者か聞かないと。
「ま、まって。君たちは何者? ここにいた盗賊と知り合い?」
ルベジャンがため息をついて声をあげたのを見て、僕は焦って声をあげた。
「ここの盗賊には人を集めさせていたんですがね。もう、用済みということで処分を言い渡されたんですよ」
「ルベジャン! 言っていいのか? それ」
「構わないでしょう。だって」
ルベジャンがため息交じりに答えるとドラッグがぴょんぴょん跳ねて問いかけた。それに答えようとしたルベジャンが僕らを見つめて殺気を放ってきた。生暖かい風が僕らを横切る。
「この方々はここで私達の餌になるのですから」
殺気が通った刹那。正面にいたはずのルベジャンの姿が消えて、声が横から聞こえてきた。
「横だおかしな人間」
「くっ!」
ディアボロスの声で刀を真横へと流す。確かな手応えを感じて、そのまま振り切ると壁へと黒い物体が吹き飛んでいった。
「ルベジャン!? ゲヒ、こいつらただものじゃないな」
壁にぶつかったものを見てドラッグが声をあげてる。どうやら、僕の横にルベジャンが移動していたみたいだ。あの一瞬であの距離を詰めてくる、危険なやつだな。
「くっ……くっくっく。これはこれは、元気のいい餌だ。さしずめ勇者というところでしょうか?」
土煙の上がる中から声が上がる。煙がおさまっていくとルベジャンが傷ついた腕を抑えて声をあげてるのが見える。強化してる僕の刀を受けて仕留められない? 分かっていたことだけど、こいつら普通じゃないな。
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