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第一章 新しき世界
第28話 武器
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「わ~、綺麗な武具。まるで芸術品」
温泉を満喫した次の日。早速武具を買いに工房にやってきました。
飾られる武具に目をキラキラさせるヴィスさんが声をあげています。私も思わず頷いてしまう美麗さ、流石はエルフの国。
「世界樹の枝を頂き作っている武具。美しいに決まっています」
レリックさんがそう言って自慢げに胸を張っています。
「気に入ったものがあったらお声かけください」
「ありがとうございます」
工房主のエルフさんがそう言って奥の部屋に入って行く。薄っすらとした光が見えました。鍛冶場になっているようですね。
「僕は大きな武器がいいな~」
「ヴィスさんは素早いんですから短剣の方がいいのでは?」
「え~、そうかな~」
ヴィスさんが自分よりも大きな大剣をもって話す。彼の戦い方は素早さで翻弄する。大剣とはあまり相性は悪いでしょう。
「そういうマモルさんはどれにするつもりなんですか?」
「そうですね~。やはり大きな斧でしょうか。夢がありますよね~」
オットーさんも持っていた武器。男は大きくて強そうな武器が好きですからね~。
「なんだ~、マモルさんだってそう言う武器が好きなんじゃないですか~」
「ははは、そういえばそうですね」
ヴィスさんに笑われてしまいました。やはり男は大きな武器を持ちたいですよね。ステータスさえあげればそんな武器も持てる。こんな世界に来てしまったのですから楽しむのも一興ですね。
「僕はこれ! 【ストームソード】。風の魔法が付与されてるやつ!」
「付与ですか?」
ヴィスさんが声をあげて自分よりも大きな大剣を掲げています。魔法が付与されているようですがどういった効果なんでしょう?
「魔法が付与されている武具は色んな使い方が出来ます。ストームソードは風を操る。自分の速度をあげたり、相手の速度を落としたり、更には竜巻を作り出すことも出来ます」
「それは凄いですね。魔法はそんなことも出来るんですね」
レリックさんが得意げに説明してくれる。私の魔法も大概ですが普通の魔法も凄いことができるんですね。
「では私は普通の剣と盾にしましょうかね」
「え? 斧じゃないんですか?」
「いや~、こういうのはバランスが大事ですからね。ヴィスさんが攻めで私が守る形で落ち着きましょう」
全員が大きな武器を持っていたらカッコ悪いと思うんですよね。
「遠隔の武器は使わないのですか?」
「弓ですか……あまりパッとしませんね」
「弓が難しいならボウガンと言うのも最近出来ましたよ」
「ん~、それなら弓の方がいいですね」
ルリさんがボウガンを持ってきておすすめしてくれますがステータスがあるならボウガンよりも弓の方が大きなダメージを当てられますよね。
しかし、大きな弓ですね。長弓というやつでしょうか? 形は和弓と言った感じですが。
「弦を引けるのか!?」
「ははは、お恥ずかしいですが少々やったことがありまして」
弦を引いて見せるとレリックさんに驚かれてしまいました。弓道を少々かじったことがあるんですよね。
「弓もいいかもしれないですね」
「ではこっちの【アイスキュリオス】をどうぞ。氷の魔法が付与されている長弓です」
「氷ですか」
ルリさんが手渡してくる弓を受け取る。しっくりとくる重みひんやりして気持ちがいいですね。
「後は剣と盾ですが」
「剣はこっちの【ライトニングソード】がいいぞ。盾は断然【アースシールド】だな。どちらもエルフの兵士達が使っている使い勝手のいい武具だ」
「レリックさんありがとうございます」
兵士さん達御用達なら信用できますね。武器を雷の魔法のついたものにするのは定石なんでしょうか。ゼットとかいう冒険者も雷の付与武器だったようですが。
「雷の付与は速度を早くしたり、当たった敵を麻痺させたり出来るからな。多くの武芸者が好む付与だ」
「やはりそうですか」
思っていた通りの説明をしてくれるレリックさん。戦闘をシミュレートして武具を選ぶ、なんだかRPGしてますね~。ワクワクしてきました。
「ちきしょう。俺のボルテックスアックス……。げ!? な、なんでお前ら!」
「おや」
噂をすればゼットさんが工房に入ってきました。私達を見て声をもらすと睨みつけてくる。
「話は聞いたぞゼット」
「げげ!? レリック! なんでお前まで。と言うかお前ら知り合いか!」
どうやら、レリックさんと知り合いのようです。胸ぐらを掴まれるゼットさんが嫌そうな顔になっています。
「エルフの面汚しが! 他所の種族だからと言って喧嘩を売るんじゃない!」
「う、うるせぇ! あんな黒い奴がいたら喧嘩売るに決まってんだろ!」
レリックさんの荒らげる声にゼットさんがヴィスさんを指さして答えた。差別意識は強いようですね。
「肌が黒いから災いと言いたいのか? そんなわけがないだろう。日の強いところで育てば人族も黒くなるものなんだ」
「はんっ! お生憎様。俺はエルフだ。そんな環境でも黒くはならねえよ」
「馬鹿! ダークエルフもいるんだぞ! 死の大陸の恐怖がいつしかやってくる。それに立ち向かうには一致団結せねば勝てないのだ。我々が意識を変えなければ後のものがついてこない。わかっているだろ」
「……へっ。うるせえよ」
レリックさんが泣きそうになりながら声をあげる。彼女は予言を聞いて動いていたようですね。それに引き換えゼットさんは。
掴まれていた腕をほどいて工房の受付に歩いていくゼットさん。
「おい、新しい武器を頼んでおいただろ。出来てるか?」
「あっ、ゼットさん。出来てますよ」
「【ライトニングアクス】か。まあ、【ボルテックスアックス】より小さいが二刀にすれば行けるか。ありがとよ」
手斧と言った大きさの斧を受け取るとお代を置いていくゼットさん。ちゃんとお礼も言えて礼儀正しい。同じエルフには優しいんですね。
「まったく……」
「まあまあ、仕方ないんじゃないですか?」
お店をあとにするゼットさんを見送るとため息にも似た声をもらすレリックさん。なだめると更に大きなため息をついています。
「ではこちらもお代を」
「大丈夫ですよ。我々が払いますから」
「それは困ります。ちゃんと払いますよ」
「いえいえ、お父様から頂いていますから」
金貨を取り出してお代を払おうと思ったらルリさんに遮られてしまいました。ここで借りを作られたら大変です。意地でも払いますよ~。
「きゃ~~~~!」
「え!? な、なんです?」
何度かルリさんと小競り合いをしていたら外から大きな悲鳴が聞こえてきました。
もしや、ヒカールスが言っていた魔物でしょうか?
温泉を満喫した次の日。早速武具を買いに工房にやってきました。
飾られる武具に目をキラキラさせるヴィスさんが声をあげています。私も思わず頷いてしまう美麗さ、流石はエルフの国。
「世界樹の枝を頂き作っている武具。美しいに決まっています」
レリックさんがそう言って自慢げに胸を張っています。
「気に入ったものがあったらお声かけください」
「ありがとうございます」
工房主のエルフさんがそう言って奥の部屋に入って行く。薄っすらとした光が見えました。鍛冶場になっているようですね。
「僕は大きな武器がいいな~」
「ヴィスさんは素早いんですから短剣の方がいいのでは?」
「え~、そうかな~」
ヴィスさんが自分よりも大きな大剣をもって話す。彼の戦い方は素早さで翻弄する。大剣とはあまり相性は悪いでしょう。
「そういうマモルさんはどれにするつもりなんですか?」
「そうですね~。やはり大きな斧でしょうか。夢がありますよね~」
オットーさんも持っていた武器。男は大きくて強そうな武器が好きですからね~。
「なんだ~、マモルさんだってそう言う武器が好きなんじゃないですか~」
「ははは、そういえばそうですね」
ヴィスさんに笑われてしまいました。やはり男は大きな武器を持ちたいですよね。ステータスさえあげればそんな武器も持てる。こんな世界に来てしまったのですから楽しむのも一興ですね。
「僕はこれ! 【ストームソード】。風の魔法が付与されてるやつ!」
「付与ですか?」
ヴィスさんが声をあげて自分よりも大きな大剣を掲げています。魔法が付与されているようですがどういった効果なんでしょう?
「魔法が付与されている武具は色んな使い方が出来ます。ストームソードは風を操る。自分の速度をあげたり、相手の速度を落としたり、更には竜巻を作り出すことも出来ます」
「それは凄いですね。魔法はそんなことも出来るんですね」
レリックさんが得意げに説明してくれる。私の魔法も大概ですが普通の魔法も凄いことができるんですね。
「では私は普通の剣と盾にしましょうかね」
「え? 斧じゃないんですか?」
「いや~、こういうのはバランスが大事ですからね。ヴィスさんが攻めで私が守る形で落ち着きましょう」
全員が大きな武器を持っていたらカッコ悪いと思うんですよね。
「遠隔の武器は使わないのですか?」
「弓ですか……あまりパッとしませんね」
「弓が難しいならボウガンと言うのも最近出来ましたよ」
「ん~、それなら弓の方がいいですね」
ルリさんがボウガンを持ってきておすすめしてくれますがステータスがあるならボウガンよりも弓の方が大きなダメージを当てられますよね。
しかし、大きな弓ですね。長弓というやつでしょうか? 形は和弓と言った感じですが。
「弦を引けるのか!?」
「ははは、お恥ずかしいですが少々やったことがありまして」
弦を引いて見せるとレリックさんに驚かれてしまいました。弓道を少々かじったことがあるんですよね。
「弓もいいかもしれないですね」
「ではこっちの【アイスキュリオス】をどうぞ。氷の魔法が付与されている長弓です」
「氷ですか」
ルリさんが手渡してくる弓を受け取る。しっくりとくる重みひんやりして気持ちがいいですね。
「後は剣と盾ですが」
「剣はこっちの【ライトニングソード】がいいぞ。盾は断然【アースシールド】だな。どちらもエルフの兵士達が使っている使い勝手のいい武具だ」
「レリックさんありがとうございます」
兵士さん達御用達なら信用できますね。武器を雷の魔法のついたものにするのは定石なんでしょうか。ゼットとかいう冒険者も雷の付与武器だったようですが。
「雷の付与は速度を早くしたり、当たった敵を麻痺させたり出来るからな。多くの武芸者が好む付与だ」
「やはりそうですか」
思っていた通りの説明をしてくれるレリックさん。戦闘をシミュレートして武具を選ぶ、なんだかRPGしてますね~。ワクワクしてきました。
「ちきしょう。俺のボルテックスアックス……。げ!? な、なんでお前ら!」
「おや」
噂をすればゼットさんが工房に入ってきました。私達を見て声をもらすと睨みつけてくる。
「話は聞いたぞゼット」
「げげ!? レリック! なんでお前まで。と言うかお前ら知り合いか!」
どうやら、レリックさんと知り合いのようです。胸ぐらを掴まれるゼットさんが嫌そうな顔になっています。
「エルフの面汚しが! 他所の種族だからと言って喧嘩を売るんじゃない!」
「う、うるせぇ! あんな黒い奴がいたら喧嘩売るに決まってんだろ!」
レリックさんの荒らげる声にゼットさんがヴィスさんを指さして答えた。差別意識は強いようですね。
「肌が黒いから災いと言いたいのか? そんなわけがないだろう。日の強いところで育てば人族も黒くなるものなんだ」
「はんっ! お生憎様。俺はエルフだ。そんな環境でも黒くはならねえよ」
「馬鹿! ダークエルフもいるんだぞ! 死の大陸の恐怖がいつしかやってくる。それに立ち向かうには一致団結せねば勝てないのだ。我々が意識を変えなければ後のものがついてこない。わかっているだろ」
「……へっ。うるせえよ」
レリックさんが泣きそうになりながら声をあげる。彼女は予言を聞いて動いていたようですね。それに引き換えゼットさんは。
掴まれていた腕をほどいて工房の受付に歩いていくゼットさん。
「おい、新しい武器を頼んでおいただろ。出来てるか?」
「あっ、ゼットさん。出来てますよ」
「【ライトニングアクス】か。まあ、【ボルテックスアックス】より小さいが二刀にすれば行けるか。ありがとよ」
手斧と言った大きさの斧を受け取るとお代を置いていくゼットさん。ちゃんとお礼も言えて礼儀正しい。同じエルフには優しいんですね。
「まったく……」
「まあまあ、仕方ないんじゃないですか?」
お店をあとにするゼットさんを見送るとため息にも似た声をもらすレリックさん。なだめると更に大きなため息をついています。
「ではこちらもお代を」
「大丈夫ですよ。我々が払いますから」
「それは困ります。ちゃんと払いますよ」
「いえいえ、お父様から頂いていますから」
金貨を取り出してお代を払おうと思ったらルリさんに遮られてしまいました。ここで借りを作られたら大変です。意地でも払いますよ~。
「きゃ~~~~!」
「え!? な、なんです?」
何度かルリさんと小競り合いをしていたら外から大きな悲鳴が聞こえてきました。
もしや、ヒカールスが言っていた魔物でしょうか?
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