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第一章 新しき世界
第12話 聖女
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「ミント様、モミジ様をお連れしました」
「そうですか。すぐにお通しください」
ミントちゃんと共に彼女のいた部屋で待っているとすぐにモミジさんがメイドさんに連れられてやってきた。彼女だけが部屋に入るとメイドさんは扉を閉じて帰っていく。
「モミジ様。お初にお目にかかります。大神官のミントと申します」
「モミジです。遠くから来てくださったと聞いています。お手数をおかけします」
二人して自己紹介をしながらお辞儀をする。そのタイミングで私もベランダから姿を現すとモミジさんが驚いて近づいてくる。
「どうも、ユアサ マモルと申します」
「知ってます! やっぱり巻き込まれてしまったんですね! でも良かった。会えた」
驚きながらも喜んでくれてるようです。私のことを知っていたようですけど、召喚された時のことですよね?
「あの子は無事ですか?」
「サクラのことですか? はい、勇者として成長しています。少しむでっぽうですけど。でも、成長しきってしまうと大変なことになるみたいで」
モミジさんが不安な表情で話すと私はミントちゃんに視線を向ける。
「グーダラ王は他国へと攻めようとしています。まずはエルフの国という話です」
「サクラを先頭にね」
ミントちゃんが話すとモミジさんが付け加える。なるほど、戦争に使うために勇者を召喚したんですね。身勝手な理由ですね。
「仕方なく強くなってきましたが戦争なんて許容できません。サクラに人を殺させるなんて……」
「では王様達を懲らしめることに抵抗はありませんね?」
モミジさんの言葉にニヤッと口角をあげて答える。
「え? あっ、はい! むしろやってほしいですけど……できるんですか?」
「出来ます! 今の私ならば!」
すべての属性の息やミントちゃんにもらった職業の力を使えば簡単です!
「マモルさん。やるのはいいのですが約束をしてください。必ず私を連れて行ってくれると」
「み、ミントちゃん……えっと~。そ、そうですね~」
「マモルさん!」
腕を掴んできて声をあげるミントちゃん。仲間になったのだから一緒に旅をしたいみたい。折角目が見えるようになったので綺麗なものを見て回りたいとか。叶えてあげたいのですが、私のようなおじさんが幼女を連れまわすのはいかがなものか。誤魔化しておきましょう。
「ではでは王様に会いましょう。案内をお願いしますミントちゃん」
「マモルさん! 約束~!」
「マモルさんってモテるのね?」
ミントちゃんに腕を抱きしめられておねだりされてしまった。その様子を見てモミジさんがなぜか羨ましそうに見てきています。
「……モミジさん。どこかでお会いしたことありますか?」
「え?」
指を咥えて羨ましそうにしていたモミジさんを見てどこかで見た覚えがあった。思わず質問してしまいました。
「あります。マモルさんとは小学校が一緒で……」
「ええ!? じゃあ同じ小学校だったんですか? じゃあ、あまり私と年齢変わらないんですね」
とても可愛らしいモミジさんなので10は離れていると思ったのですが4、5歳しか違いがないようですね。
「いや~、しかしお恥ずかしいですね。昔の私を知っている方に会うのは」
小学校も中学校も私なんてダメダメでしたからね。それでさらに社会に出たら自炊しか取り柄のないダメ社畜。お恥ずかしい限りです。
「……(カッコよかったのにな~)」
「え? 何か言いましたか?」
「な、何でもないです。玉座の間に行きましょう。そこにグーダラ王がいるはずですから」
モミジさんが小声で何か言ったように聞こえましたが気のせいだったようです。彼女は部屋を出ると早足で案内してくれる。一向にミントちゃんが離れてくれないのですが歩きにくいですね。
「ミント様。盲目だと伺っていたのですが?」
「はい。今もマモル様しか見えていませんから同じようなものですね」
「……見えていますよね?」
「ですから、はいといいましたが?」
目的の玉座の間へと歩いているとモミジさんが後ろを伺い、ジト目でミントさんに声をかける。なぜかバチバチと火花が見えるのは私の気のせいでしょう。
「モミジさん。ミントちゃんの目は治りました。少々不思議な力を手に入れてしまったので治したんです」
「え? じゃあマモルさんが?」
「はい」
話が前へと進まなかったので口を挟むとモミジさんが不思議なものを見るような目で見つめてきた。
「状態異常を治す薬は存在しますが天性的な障害は治せていませんでした。聖女としてこちらに来てもそれが治せなくて……マモルさんは凄いです」
モミジさんは涙を浮かべて私の手を握ってくれる。
「あ、あの……」
「す、すみません。思わず……」
ずっと手を握っているモミジさんに声をかけると彼女は顔を真っ赤にして離れる。旦那様を持っている方といつまでも手を握っているのはよくないですよね。
「あ~! どこへ行ったかと思ったらこんなところにいた~!」
「サクラ!」
少し無言の時間が出来ると通路の奥から声が聞こえてきた。サクラさんだったようで凄い速さで駆けてきます。そして、凄い速さで私にぶつかった。な、なぜ?
「ははは、お久しぶりですねサクラさん」
「ええ!? ぶつかったのに微動だにしてない! やるねおじさん!」
サクラさんの頭をポンポンと叩いて声をかけると拳を構えられてしまいました。次の瞬間、モミジさんが強く彼女の腕を掴んで頭を下げる。
「すみませんマモルさん」
「いえいえ大丈夫ですよモミジさん。元気そうでよかった」
最初に会った時のように二人で頭を下げ合う。サクラさんはそれを見て胸を張っていますね。
「サクラは謝りませ~ん。でも凄いねおじさん。僕の突進を受けとめられるなんて。STR7000なんだよ! 僕!」
サクラさんが私のお腹をポンポン叩いて自慢しています。相当強くなっているようですね。
「ははは、私もまだまだだったのですが色々とありまして。おっとそんな話をしている場合ではありませんよ。王様とお話をしなくては」
「え!? あのちびちび王様に会うの? やめた方がいいよ。悪い王様だから~」
サクラさんはあまりいい印象を受けていないようです。そりゃそうですよね、ダラクの御父上なのですから。子は親を映す鏡といいますしね。
「話をつけないといけなくなってしまって」
「ふ~ん。それでお母さんと一緒に……。じゃあ、僕も仲間に入れてね」
「そのつもりですよ。心強いです」
「えへへ~」
サクラさんも加わって玉座の間へと歩を進める。不思議ですね、ここまで兵士が一人もいません。
「や、奴が来たよ父上!」
「あれか……。ようこそ勇者御一行。変な男を加えて何用かな?」
玉座の間に着くとダラクさんと共に王冠を被った小さな王様、グーダラ王が声をあげています。あの状態から回復するとはまたもや回復魔法というやつでしょうか?
「そうですか。すぐにお通しください」
ミントちゃんと共に彼女のいた部屋で待っているとすぐにモミジさんがメイドさんに連れられてやってきた。彼女だけが部屋に入るとメイドさんは扉を閉じて帰っていく。
「モミジ様。お初にお目にかかります。大神官のミントと申します」
「モミジです。遠くから来てくださったと聞いています。お手数をおかけします」
二人して自己紹介をしながらお辞儀をする。そのタイミングで私もベランダから姿を現すとモミジさんが驚いて近づいてくる。
「どうも、ユアサ マモルと申します」
「知ってます! やっぱり巻き込まれてしまったんですね! でも良かった。会えた」
驚きながらも喜んでくれてるようです。私のことを知っていたようですけど、召喚された時のことですよね?
「あの子は無事ですか?」
「サクラのことですか? はい、勇者として成長しています。少しむでっぽうですけど。でも、成長しきってしまうと大変なことになるみたいで」
モミジさんが不安な表情で話すと私はミントちゃんに視線を向ける。
「グーダラ王は他国へと攻めようとしています。まずはエルフの国という話です」
「サクラを先頭にね」
ミントちゃんが話すとモミジさんが付け加える。なるほど、戦争に使うために勇者を召喚したんですね。身勝手な理由ですね。
「仕方なく強くなってきましたが戦争なんて許容できません。サクラに人を殺させるなんて……」
「では王様達を懲らしめることに抵抗はありませんね?」
モミジさんの言葉にニヤッと口角をあげて答える。
「え? あっ、はい! むしろやってほしいですけど……できるんですか?」
「出来ます! 今の私ならば!」
すべての属性の息やミントちゃんにもらった職業の力を使えば簡単です!
「マモルさん。やるのはいいのですが約束をしてください。必ず私を連れて行ってくれると」
「み、ミントちゃん……えっと~。そ、そうですね~」
「マモルさん!」
腕を掴んできて声をあげるミントちゃん。仲間になったのだから一緒に旅をしたいみたい。折角目が見えるようになったので綺麗なものを見て回りたいとか。叶えてあげたいのですが、私のようなおじさんが幼女を連れまわすのはいかがなものか。誤魔化しておきましょう。
「ではでは王様に会いましょう。案内をお願いしますミントちゃん」
「マモルさん! 約束~!」
「マモルさんってモテるのね?」
ミントちゃんに腕を抱きしめられておねだりされてしまった。その様子を見てモミジさんがなぜか羨ましそうに見てきています。
「……モミジさん。どこかでお会いしたことありますか?」
「え?」
指を咥えて羨ましそうにしていたモミジさんを見てどこかで見た覚えがあった。思わず質問してしまいました。
「あります。マモルさんとは小学校が一緒で……」
「ええ!? じゃあ同じ小学校だったんですか? じゃあ、あまり私と年齢変わらないんですね」
とても可愛らしいモミジさんなので10は離れていると思ったのですが4、5歳しか違いがないようですね。
「いや~、しかしお恥ずかしいですね。昔の私を知っている方に会うのは」
小学校も中学校も私なんてダメダメでしたからね。それでさらに社会に出たら自炊しか取り柄のないダメ社畜。お恥ずかしい限りです。
「……(カッコよかったのにな~)」
「え? 何か言いましたか?」
「な、何でもないです。玉座の間に行きましょう。そこにグーダラ王がいるはずですから」
モミジさんが小声で何か言ったように聞こえましたが気のせいだったようです。彼女は部屋を出ると早足で案内してくれる。一向にミントちゃんが離れてくれないのですが歩きにくいですね。
「ミント様。盲目だと伺っていたのですが?」
「はい。今もマモル様しか見えていませんから同じようなものですね」
「……見えていますよね?」
「ですから、はいといいましたが?」
目的の玉座の間へと歩いているとモミジさんが後ろを伺い、ジト目でミントさんに声をかける。なぜかバチバチと火花が見えるのは私の気のせいでしょう。
「モミジさん。ミントちゃんの目は治りました。少々不思議な力を手に入れてしまったので治したんです」
「え? じゃあマモルさんが?」
「はい」
話が前へと進まなかったので口を挟むとモミジさんが不思議なものを見るような目で見つめてきた。
「状態異常を治す薬は存在しますが天性的な障害は治せていませんでした。聖女としてこちらに来てもそれが治せなくて……マモルさんは凄いです」
モミジさんは涙を浮かべて私の手を握ってくれる。
「あ、あの……」
「す、すみません。思わず……」
ずっと手を握っているモミジさんに声をかけると彼女は顔を真っ赤にして離れる。旦那様を持っている方といつまでも手を握っているのはよくないですよね。
「あ~! どこへ行ったかと思ったらこんなところにいた~!」
「サクラ!」
少し無言の時間が出来ると通路の奥から声が聞こえてきた。サクラさんだったようで凄い速さで駆けてきます。そして、凄い速さで私にぶつかった。な、なぜ?
「ははは、お久しぶりですねサクラさん」
「ええ!? ぶつかったのに微動だにしてない! やるねおじさん!」
サクラさんの頭をポンポンと叩いて声をかけると拳を構えられてしまいました。次の瞬間、モミジさんが強く彼女の腕を掴んで頭を下げる。
「すみませんマモルさん」
「いえいえ大丈夫ですよモミジさん。元気そうでよかった」
最初に会った時のように二人で頭を下げ合う。サクラさんはそれを見て胸を張っていますね。
「サクラは謝りませ~ん。でも凄いねおじさん。僕の突進を受けとめられるなんて。STR7000なんだよ! 僕!」
サクラさんが私のお腹をポンポン叩いて自慢しています。相当強くなっているようですね。
「ははは、私もまだまだだったのですが色々とありまして。おっとそんな話をしている場合ではありませんよ。王様とお話をしなくては」
「え!? あのちびちび王様に会うの? やめた方がいいよ。悪い王様だから~」
サクラさんはあまりいい印象を受けていないようです。そりゃそうですよね、ダラクの御父上なのですから。子は親を映す鏡といいますしね。
「話をつけないといけなくなってしまって」
「ふ~ん。それでお母さんと一緒に……。じゃあ、僕も仲間に入れてね」
「そのつもりですよ。心強いです」
「えへへ~」
サクラさんも加わって玉座の間へと歩を進める。不思議ですね、ここまで兵士が一人もいません。
「や、奴が来たよ父上!」
「あれか……。ようこそ勇者御一行。変な男を加えて何用かな?」
玉座の間に着くとダラクさんと共に王冠を被った小さな王様、グーダラ王が声をあげています。あの状態から回復するとはまたもや回復魔法というやつでしょうか?
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