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第一章 新しき世界
第7話 レベルアップ
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◇
「どこまで行くんですか?」
私は強くなるためにオットーさんに連れられて山奥にやってきた。頂上まで上がってくると私が働いていたクーナリア王都が見下ろせます。
「あと少しだよ。ほら、あそこだ」
「あれは洞窟ですか?」
頂上を少し歩いていくと地面に入って行くような洞窟が見えてくる。オットーさんは私を一度見てからその洞窟に入って行く。
「これはなダンジョンと言われる魔物の巣窟だ」
「ダンジョン?」
「ああ、レベルを上げるにはもってこいなんだ。それに魔物が落とす素材もマモルにピッタリなものなんだぞ~」
オットーさんはよだれを拭いながら説明してくれる。私にピッタリで彼が涎を垂らすということは……。
「オーク肉オーク肉!」
「……やはり」
解体で見たことがある魔物、オーク。大量に前からやってくる。オットーさんの目がお肉になっていて次々と倒していく。
「え? 解体していないのに肉の塊に?」
「ダンジョンの魔物は外の魔物と違う。戦利品を残して消えていくんだ。魔物も時間で無限に湧いてくるからな。重宝するぜ!」
私が首を傾げて声をあげているとオークを倒しながら説明してくれる。あんな大きな斧を振り回しながら息も切れていませんね。私もあれを目指さないといけないんでしょうか?
「よっと! マモル。これにとどめをさしてみな」
「うっ。そ、そうですよね。私もやらないといけないんですよね」
オットーさんが瀕死のオークを引きずってくる。口から血を出してるオーク。恨めしそうに私を見つめてくる。
「とどめをささないと経験値は入らないぞ。強くならないとこの後も大変だ。それに魔物相手にとどめもさせないと人相手じゃもっと無理だ。お前を狙ってくる相手は魔物だけとは限らないからな」
オットーさんの話を聞きながら持たせてもらったショートソードを握る。瀕死のオークに首に刃を当てて、目を瞑って体重をかけて行く。
「うう……」
ショートソードからオークを切り裂く感触が伝わってくる。嫌な感触で今にも胃の内容物を出してしまいたくなります。
「マモル。今はいいけどよ。目は瞑るな。命から目を背けたらそれだけ自分の命を失うのが近づくと思え」
「そ、そうですよね。いついかなる時も目を開けていないと」
「そう言うことだ」
オットーさんの言葉に頷いてオークの最後を見届ける。お肉を残して消えていくオーク。罪悪感が半端ないですね。
『レベルが上がりました』
「上がりましたね」
オークを一体倒しただけでレベルが上がりました。これで21レベル。
「オークは30レベルでやっとの敵だからな。とりあえず入口付近で戦って30レベルを目指すぞ」
「は、はぁ……。こんなことをあと9回以上やらないといけないんですね」
オットーさんの言葉に元気なく答える。
お肉がタダで手に入るならなんとか我慢します。皆さんに喜んでいただけるんですから。
「マジックバッグは便利だな~。いっそのこと俺とパーティー組まないか?」
「私とオットーさんとじゃ釣り合わないですよ。私が振り回されるだけなのが目に見えてます」
「がはは、確かにそうだな。おっとオークが湧き始めた。時間ピッタリだ」
オットーさんの冗談に答えていると壁からオークが生まれる。まるで粘土から這い出るように生まれるんですね。
「よっと! 残り1体だ。やってみろ」
「ええ!? 戦うんですか?」
「そうだよ! 他に何をするってんだ?」
オットーさんの言うこともごもっともですね。さっきも言っていましたが魔物との戦いに躊躇していたら人との戦いなんて絶対にできません。男は度胸! やってやります!
「フゴ!」
「ひっ!?」
威圧してくるオーク。さっきのオークは瀕死、今回のオークは無傷。やはり、迫力が違います。
「槍に気をつけろ。ただのオークはそれでしか攻撃してこない」
「な、なるほど。リーチはあちらにありますね」
オットーさんはオークを始末し終えて応援に徹していますね。流石というかなんと言うか。しかし、槍と剣って私が不利なんじゃないですか?
「フゴ!」
「わっ!」
「フゴフゴ!」
「わっわ!」
槍を何度も突いてくるオーク。私はくねくねと躱す。そんな私の様子を見てオットーさんが笑っています。戦いなんて初めてやるんですから仕方ないでしょ。
「この!」
「フゴ!?」
槍を掴む腕にショートソードを振り下ろす。うまく腕に食い込んでオークが槍を手放して傷ついた腕を抑えた。私は必死に追撃してオークの頭をかち割った。
『レベルが上がりました』
「はぁ~……。なんとか勝てました」
システム音声さんが聞こえてきてホッと胸を撫でおろす。オークもお肉になって消えていますね。
「ははは、面白い動きだったがそれが功を奏していたな。中々いい戦いだったぞ」
「オットーさんは笑いすぎです。私も必死だったんですからね」
オットーさんが笑うものだから私は少し不機嫌ですよ。
「すまんすまん。でも最高に面白かったぞ」
「む、まだ笑いますか。オットーさんはよっぽど私の料理が食べたくないようですね」
「だ~。それだけはやめてくれ。俺の胃袋はもうあんたの料理がないと死んじまうんだ」
私の奥の手を披露するとオットーさんが跪いてきました。やはり胃袋を掴んだものが勝者ですね。
「どこまで行くんですか?」
私は強くなるためにオットーさんに連れられて山奥にやってきた。頂上まで上がってくると私が働いていたクーナリア王都が見下ろせます。
「あと少しだよ。ほら、あそこだ」
「あれは洞窟ですか?」
頂上を少し歩いていくと地面に入って行くような洞窟が見えてくる。オットーさんは私を一度見てからその洞窟に入って行く。
「これはなダンジョンと言われる魔物の巣窟だ」
「ダンジョン?」
「ああ、レベルを上げるにはもってこいなんだ。それに魔物が落とす素材もマモルにピッタリなものなんだぞ~」
オットーさんはよだれを拭いながら説明してくれる。私にピッタリで彼が涎を垂らすということは……。
「オーク肉オーク肉!」
「……やはり」
解体で見たことがある魔物、オーク。大量に前からやってくる。オットーさんの目がお肉になっていて次々と倒していく。
「え? 解体していないのに肉の塊に?」
「ダンジョンの魔物は外の魔物と違う。戦利品を残して消えていくんだ。魔物も時間で無限に湧いてくるからな。重宝するぜ!」
私が首を傾げて声をあげているとオークを倒しながら説明してくれる。あんな大きな斧を振り回しながら息も切れていませんね。私もあれを目指さないといけないんでしょうか?
「よっと! マモル。これにとどめをさしてみな」
「うっ。そ、そうですよね。私もやらないといけないんですよね」
オットーさんが瀕死のオークを引きずってくる。口から血を出してるオーク。恨めしそうに私を見つめてくる。
「とどめをささないと経験値は入らないぞ。強くならないとこの後も大変だ。それに魔物相手にとどめもさせないと人相手じゃもっと無理だ。お前を狙ってくる相手は魔物だけとは限らないからな」
オットーさんの話を聞きながら持たせてもらったショートソードを握る。瀕死のオークに首に刃を当てて、目を瞑って体重をかけて行く。
「うう……」
ショートソードからオークを切り裂く感触が伝わってくる。嫌な感触で今にも胃の内容物を出してしまいたくなります。
「マモル。今はいいけどよ。目は瞑るな。命から目を背けたらそれだけ自分の命を失うのが近づくと思え」
「そ、そうですよね。いついかなる時も目を開けていないと」
「そう言うことだ」
オットーさんの言葉に頷いてオークの最後を見届ける。お肉を残して消えていくオーク。罪悪感が半端ないですね。
『レベルが上がりました』
「上がりましたね」
オークを一体倒しただけでレベルが上がりました。これで21レベル。
「オークは30レベルでやっとの敵だからな。とりあえず入口付近で戦って30レベルを目指すぞ」
「は、はぁ……。こんなことをあと9回以上やらないといけないんですね」
オットーさんの言葉に元気なく答える。
お肉がタダで手に入るならなんとか我慢します。皆さんに喜んでいただけるんですから。
「マジックバッグは便利だな~。いっそのこと俺とパーティー組まないか?」
「私とオットーさんとじゃ釣り合わないですよ。私が振り回されるだけなのが目に見えてます」
「がはは、確かにそうだな。おっとオークが湧き始めた。時間ピッタリだ」
オットーさんの冗談に答えていると壁からオークが生まれる。まるで粘土から這い出るように生まれるんですね。
「よっと! 残り1体だ。やってみろ」
「ええ!? 戦うんですか?」
「そうだよ! 他に何をするってんだ?」
オットーさんの言うこともごもっともですね。さっきも言っていましたが魔物との戦いに躊躇していたら人との戦いなんて絶対にできません。男は度胸! やってやります!
「フゴ!」
「ひっ!?」
威圧してくるオーク。さっきのオークは瀕死、今回のオークは無傷。やはり、迫力が違います。
「槍に気をつけろ。ただのオークはそれでしか攻撃してこない」
「な、なるほど。リーチはあちらにありますね」
オットーさんはオークを始末し終えて応援に徹していますね。流石というかなんと言うか。しかし、槍と剣って私が不利なんじゃないですか?
「フゴ!」
「わっ!」
「フゴフゴ!」
「わっわ!」
槍を何度も突いてくるオーク。私はくねくねと躱す。そんな私の様子を見てオットーさんが笑っています。戦いなんて初めてやるんですから仕方ないでしょ。
「この!」
「フゴ!?」
槍を掴む腕にショートソードを振り下ろす。うまく腕に食い込んでオークが槍を手放して傷ついた腕を抑えた。私は必死に追撃してオークの頭をかち割った。
『レベルが上がりました』
「はぁ~……。なんとか勝てました」
システム音声さんが聞こえてきてホッと胸を撫でおろす。オークもお肉になって消えていますね。
「ははは、面白い動きだったがそれが功を奏していたな。中々いい戦いだったぞ」
「オットーさんは笑いすぎです。私も必死だったんですからね」
オットーさんが笑うものだから私は少し不機嫌ですよ。
「すまんすまん。でも最高に面白かったぞ」
「む、まだ笑いますか。オットーさんはよっぽど私の料理が食べたくないようですね」
「だ~。それだけはやめてくれ。俺の胃袋はもうあんたの料理がないと死んじまうんだ」
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