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第一章 神様からの贈り物
第十話 噂の田舎者
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「美味しかったね」
「ほんと」
ラナさんの料理を堪能した。今、僕らは食事を終えて、自分達の部屋に案内されてくつろいでいる。
「同じ部屋でよかったの?」
「うん、村でも何度か一緒に寝たでしょ」
「そうだけどさ・・」
ウサギの宿屋はあんまり人が来ないみたいで部屋は空いているんだけど、シーナは一緒の部屋にすると言ってきた。二部屋にすると高くつくし一緒に寝たこともあるからいいでしょという事でそうなりました。一つの部屋を借りればいいので安い、安い事はいい事だよね。
「そういえば、ステータスを見れるとか言ってたね」
「そんな事言ってたね」
冒険者ギルドで得た登録の紙。ステータスの話をしていると手元に出てきた。折角なのでステータスの確認をしてみよう。
アレク
レベル 3
【HP】100
【MP】50
【STR】22
【VIT】22
【DEX】24
【AGI】20
【INT】17
【MND】17
ギフト
裁縫(速度5 完成度10 スキル8)
ギフトもステータスにのるみたい。フェイブルファイア様が言っていたようにギフトにもステータスがある。速度は服の完成する速度だとして、他の二つも特にスキルって言うのは重要になるよね。
「どうだった?」
「うん。フェイブルファイア様が作っただけあってよくわからないや。ただ、作るのが早かったのはギフトにステータスがあって成長していたって事かな」
「成長するギフト、何だか凄いね」
シーナは満面の笑顔で僕の言葉を聞いていく。ワクワクが止まらないって感じで僕も影響されてワクワクしちゃったよ。
「マスター? あの子たちがどうしたんですか?」
「ん、ああ、何でもない」
私はドルドランの町の冒険者ギルドを任されているドラン。元Sランクの冒険者だった私も驚きなことが今日起こったんだ。
「ハイヒールで欠損まで回復など・・・ハイプリーストか、それ以上のギフトだ、聞いたこともない」
これまで幾多もの僧侶やハイプリーストと会ったが欠損まで回復させるためには上級かそれ以上の魔法を増幅させないと出来ない。それだけ彼女の魔法は凄いものなんだ。
「あれ? 俺・・・」
「ダナ! 治ったんだな」
「欠損まで回復できるなんてエリクサーを使ってくれたんですか。ありがとうございますドランさん」
怪我人を治した事で俺は感謝されてしまった。俺は何もできずに眺めていただけなのに、あの子たちは目立つことを嫌っていた。ここは素直にお礼を受け取って後であの子達へと何か還元しよう。まだこの町で活動してくれるだろうからな。
ただ、この件で冒険者ギルドに来にくくなってしまったはずだ。出来れば探し出して、他言しないと伝えなくては。
「マスタ~!」
「今度は何だ!!」
色々とあの子達の事を考えているとウーナが焦りながら部屋に入ってきた。ギルドの入り口を指さしてあたふたとしている何があったというんだ!
「なっ!? [路地裏の狼]!」
ギルドの入り口で縄をかけられて気絶している男たち。こいつらの一人は元Aランクの冒険者だった路地裏の狼というクランメンバーだ。こいつらは冒険者家業をやめて裏の世界に身を置いて、そこいらの田舎者を狩って暮らしていた者達。奴隷に落としたり、身ぐるみはいで殺したりとやりたい放題の者達だ。元Aランクの冒険者だけあって相当な使い手たちだったはずだった、俺も探していたんだ。
「俺達が捕まえました!」
「嘘をつけ! Cランクのお前達じゃ無理だ。ちゃんと説明しろ。報酬はちゃんと払う」
まだまだ新米の青年のクランがピンと手を挙げて捕まえたといってきているが絶対に嘘だ。[路地裏の狼]は勝てる戦いしかしないずる賢い連中だ。挟み撃ちを主軸に色々な汚い手を使ってくる連中なんだ。この青年たちでは10年経っても勝てないだろう。
「路地裏でのびていたのが見えて捕まえました・・・」
「やはりな・・・」
青年は俯いて答えた。俺の圧で嘘をつけるはずがないんだよ。全く、功を急ぐと早死にするぞ。
しかし、これは偶然か? ハイヒールで欠損を治した少女と少年が出ていってすぐにこいつらが捕まった。
「田舎者だと思って襲って返り討ちにあったか・・・」
「マスター何か言った?」
「いや」
ウーナが俺の呟きを気にして言ってきたが俺は口を閉じる。彼らには感謝しかないからな。
「ほんと」
ラナさんの料理を堪能した。今、僕らは食事を終えて、自分達の部屋に案内されてくつろいでいる。
「同じ部屋でよかったの?」
「うん、村でも何度か一緒に寝たでしょ」
「そうだけどさ・・」
ウサギの宿屋はあんまり人が来ないみたいで部屋は空いているんだけど、シーナは一緒の部屋にすると言ってきた。二部屋にすると高くつくし一緒に寝たこともあるからいいでしょという事でそうなりました。一つの部屋を借りればいいので安い、安い事はいい事だよね。
「そういえば、ステータスを見れるとか言ってたね」
「そんな事言ってたね」
冒険者ギルドで得た登録の紙。ステータスの話をしていると手元に出てきた。折角なのでステータスの確認をしてみよう。
アレク
レベル 3
【HP】100
【MP】50
【STR】22
【VIT】22
【DEX】24
【AGI】20
【INT】17
【MND】17
ギフト
裁縫(速度5 完成度10 スキル8)
ギフトもステータスにのるみたい。フェイブルファイア様が言っていたようにギフトにもステータスがある。速度は服の完成する速度だとして、他の二つも特にスキルって言うのは重要になるよね。
「どうだった?」
「うん。フェイブルファイア様が作っただけあってよくわからないや。ただ、作るのが早かったのはギフトにステータスがあって成長していたって事かな」
「成長するギフト、何だか凄いね」
シーナは満面の笑顔で僕の言葉を聞いていく。ワクワクが止まらないって感じで僕も影響されてワクワクしちゃったよ。
「マスター? あの子たちがどうしたんですか?」
「ん、ああ、何でもない」
私はドルドランの町の冒険者ギルドを任されているドラン。元Sランクの冒険者だった私も驚きなことが今日起こったんだ。
「ハイヒールで欠損まで回復など・・・ハイプリーストか、それ以上のギフトだ、聞いたこともない」
これまで幾多もの僧侶やハイプリーストと会ったが欠損まで回復させるためには上級かそれ以上の魔法を増幅させないと出来ない。それだけ彼女の魔法は凄いものなんだ。
「あれ? 俺・・・」
「ダナ! 治ったんだな」
「欠損まで回復できるなんてエリクサーを使ってくれたんですか。ありがとうございますドランさん」
怪我人を治した事で俺は感謝されてしまった。俺は何もできずに眺めていただけなのに、あの子たちは目立つことを嫌っていた。ここは素直にお礼を受け取って後であの子達へと何か還元しよう。まだこの町で活動してくれるだろうからな。
ただ、この件で冒険者ギルドに来にくくなってしまったはずだ。出来れば探し出して、他言しないと伝えなくては。
「マスタ~!」
「今度は何だ!!」
色々とあの子達の事を考えているとウーナが焦りながら部屋に入ってきた。ギルドの入り口を指さしてあたふたとしている何があったというんだ!
「なっ!? [路地裏の狼]!」
ギルドの入り口で縄をかけられて気絶している男たち。こいつらの一人は元Aランクの冒険者だった路地裏の狼というクランメンバーだ。こいつらは冒険者家業をやめて裏の世界に身を置いて、そこいらの田舎者を狩って暮らしていた者達。奴隷に落としたり、身ぐるみはいで殺したりとやりたい放題の者達だ。元Aランクの冒険者だけあって相当な使い手たちだったはずだった、俺も探していたんだ。
「俺達が捕まえました!」
「嘘をつけ! Cランクのお前達じゃ無理だ。ちゃんと説明しろ。報酬はちゃんと払う」
まだまだ新米の青年のクランがピンと手を挙げて捕まえたといってきているが絶対に嘘だ。[路地裏の狼]は勝てる戦いしかしないずる賢い連中だ。挟み撃ちを主軸に色々な汚い手を使ってくる連中なんだ。この青年たちでは10年経っても勝てないだろう。
「路地裏でのびていたのが見えて捕まえました・・・」
「やはりな・・・」
青年は俯いて答えた。俺の圧で嘘をつけるはずがないんだよ。全く、功を急ぐと早死にするぞ。
しかし、これは偶然か? ハイヒールで欠損を治した少女と少年が出ていってすぐにこいつらが捕まった。
「田舎者だと思って襲って返り討ちにあったか・・・」
「マスター何か言った?」
「いや」
ウーナが俺の呟きを気にして言ってきたが俺は口を閉じる。彼らには感謝しかないからな。
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