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第二章
第45話 動き出す
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「おいおい。なんだこりゃ!」
やっと町にたどり着くとすぐに目についたものがあった。ファバルさんが指さして驚いてる。
「反逆者フェリアン。懸賞金白金貨10枚……」
「ど、どうなってるのフィル……」
「わからないよ」
爵位をくれるって言ってすぐにこんなことになったってことは僕のせいなのかな。それともガストの証拠を黒幕に見せたとか?
僕らも証拠は見ておいたけど、宰相のガイアンとかいう人が関わっていたはずだ。
王族であるフェリアン様が反逆者なんてありえない、十中八九その宰相に貶められたんだ。
「ケルトさん!」
いつも門を守ってくれてる兵士のケルトさんに声をかける。兵士達はみんな警戒してるみたいでいつもよりも人数が多い。これもフェリアン様を警戒してなのかな。
「フィル。大変なことになったよ」
「ど、どういうことなんですか?」
ケルトさんに事の詳細を聞く。
彼は事細かに説明してくれた。
「ガストを殺して王様を殺そうとした!?」
「ああ、そういうことらしい」
フェリアン様が父親である王を殺そうとした?
あんな優しい人がそんな事するはずない。ガストだって、フェリアン様が殺すなんて考えられない。証人でもあるし、殺してもなんのメリットもないから。
「ケルト持ち場に戻れ」
「ハイ、隊長。じゃあ私は戻るよフィル君」
「あ、ありがとうございます」
ケルトさんが持ち場に戻っていく。僕らはとりあえずギルドに戻ることになった。冒険者のみんなも一緒だったから迷惑になっちゃうからね。
ギルドに戻って酒場にみんなで集まる。ゴブリンの群れを倒したばかりだからか、みんな自然と集まって会議みたいに話し合いが始まる。
「グレイドル。説明してくれ」
「ん? いや、俺は何も知らねえ。ここはフィルだな」
ガルトさんが声をあげるとグレイドルさんが僕を見つめて話した。
「えっと、事の詳細はケルトさんに聞いた話しか分かりませんが説明します」
僕は分かる範囲で説明する。といってもフェリアン様がガストを捕まえていたこととか宰相が怪しいって言う話だけ、それ以外は憶測になっちゃうから言わないでおく。
「なるほどね。王様は病に伏せている。それをいいことに宰相が我が物顔で王子を追放したって感じね」
憶測は言わないでおこうと思っていたらネルナーデさんが呟いてしまう。そうするとファバルさんやグレイドルさん達が憤りを露わにして、
「「フェリアン様を助けよう!」」
と声をあげる。
まあ、僕らはフェリアン様を知っているからこうなるよね。
「フィル」
「ルリ? どうしたの?」
「王様って病気になってるんだよね?」
「うん、そうらしいよ。それで貴族がわがままばかり言ってるみたいだから」
ルリの疑問に答えると彼女からごもっともな意見を言われた。
「私達の魔法で回復させちゃえばいいんじゃないかな?」
『!? それだ!』
冒険者ギルドにいるみんなが声をそろえる。
「そうよ! 王様を治しちゃえばこんな騒ぎ一瞬で終わりよ」
「ジェラルド様が宰相を一蹴してくれればそれで終わるわけだ!」
イレレイさんとジムさんがハイタッチをして声をあげた。
「でも、回復するには近づかないといけないよ」
「それは僕らなら簡単でしょ」
リファが不安そうにいうとルファーが僕を見つめて答えた。
確かに僕らなら、って言うかウンディーネに眠らせてもらえばいいんだよね。簡単すぎてなんだか申し訳ないな~。
「あ~、ホッとしたら冷たいエールが飲みたくなったぜ~。ルファ~~」
「はいはい」
ファバルさんがエールを頼むと周りの冒険者達もエールを頼みだした。
その時ふと厨房を見るとマスターの姿が見えない。
「……マスターはフェリアン様のところかな?」
「あっ。そういえば、いつの間にかいなくなって……」
僕がつぶやくとオリーブさんが厨房をのぞいてうつむいて話した。
マスターのギレンさんはフェリアン様と親密な関係だった。フェリアン様が賞金首みたいな扱いになったからギルドからはなれたのかもしれない。
「私達にも何も言わずに行っちゃった」
「オリーブさん……」
オリーブさんや受付にいたギルドの職員さん達が俯いてる。すぐにでも回復しに行きたいけど……。
「孤児院の様子を見てから城に向かおう」
「ギルベンさんのことも気になるね」
マスターがいないってことはギルベンさんもどうなってるのか気になる。もしかしたら宰相の手が伸びてるかもしれない。まずは周辺の人の安全確保を優先しよう。
「ジムさん達はギルベンさんと会ってもらっていいですか」
「ああ、任せてくれ」
「ちょっと飲んじまったけど任せろ」
ジムさんにお願いすると快く引き受けてくれた。ファバルさんはエールを一杯一気飲みして答える。木のジョッキ一杯でちょっとは無理があるでしょ。
「まったく、ファバルは子供なんだな」
「ん、反省してなかったみたい」
「大丈夫だって、一杯だけだからよ」
ワッタさんとベルルさんが呆れて声をもらすとファバルさんがにっこりと微笑んで話した。大きなため息が出るのも致し方ない。
やっと町にたどり着くとすぐに目についたものがあった。ファバルさんが指さして驚いてる。
「反逆者フェリアン。懸賞金白金貨10枚……」
「ど、どうなってるのフィル……」
「わからないよ」
爵位をくれるって言ってすぐにこんなことになったってことは僕のせいなのかな。それともガストの証拠を黒幕に見せたとか?
僕らも証拠は見ておいたけど、宰相のガイアンとかいう人が関わっていたはずだ。
王族であるフェリアン様が反逆者なんてありえない、十中八九その宰相に貶められたんだ。
「ケルトさん!」
いつも門を守ってくれてる兵士のケルトさんに声をかける。兵士達はみんな警戒してるみたいでいつもよりも人数が多い。これもフェリアン様を警戒してなのかな。
「フィル。大変なことになったよ」
「ど、どういうことなんですか?」
ケルトさんに事の詳細を聞く。
彼は事細かに説明してくれた。
「ガストを殺して王様を殺そうとした!?」
「ああ、そういうことらしい」
フェリアン様が父親である王を殺そうとした?
あんな優しい人がそんな事するはずない。ガストだって、フェリアン様が殺すなんて考えられない。証人でもあるし、殺してもなんのメリットもないから。
「ケルト持ち場に戻れ」
「ハイ、隊長。じゃあ私は戻るよフィル君」
「あ、ありがとうございます」
ケルトさんが持ち場に戻っていく。僕らはとりあえずギルドに戻ることになった。冒険者のみんなも一緒だったから迷惑になっちゃうからね。
ギルドに戻って酒場にみんなで集まる。ゴブリンの群れを倒したばかりだからか、みんな自然と集まって会議みたいに話し合いが始まる。
「グレイドル。説明してくれ」
「ん? いや、俺は何も知らねえ。ここはフィルだな」
ガルトさんが声をあげるとグレイドルさんが僕を見つめて話した。
「えっと、事の詳細はケルトさんに聞いた話しか分かりませんが説明します」
僕は分かる範囲で説明する。といってもフェリアン様がガストを捕まえていたこととか宰相が怪しいって言う話だけ、それ以外は憶測になっちゃうから言わないでおく。
「なるほどね。王様は病に伏せている。それをいいことに宰相が我が物顔で王子を追放したって感じね」
憶測は言わないでおこうと思っていたらネルナーデさんが呟いてしまう。そうするとファバルさんやグレイドルさん達が憤りを露わにして、
「「フェリアン様を助けよう!」」
と声をあげる。
まあ、僕らはフェリアン様を知っているからこうなるよね。
「フィル」
「ルリ? どうしたの?」
「王様って病気になってるんだよね?」
「うん、そうらしいよ。それで貴族がわがままばかり言ってるみたいだから」
ルリの疑問に答えると彼女からごもっともな意見を言われた。
「私達の魔法で回復させちゃえばいいんじゃないかな?」
『!? それだ!』
冒険者ギルドにいるみんなが声をそろえる。
「そうよ! 王様を治しちゃえばこんな騒ぎ一瞬で終わりよ」
「ジェラルド様が宰相を一蹴してくれればそれで終わるわけだ!」
イレレイさんとジムさんがハイタッチをして声をあげた。
「でも、回復するには近づかないといけないよ」
「それは僕らなら簡単でしょ」
リファが不安そうにいうとルファーが僕を見つめて答えた。
確かに僕らなら、って言うかウンディーネに眠らせてもらえばいいんだよね。簡単すぎてなんだか申し訳ないな~。
「あ~、ホッとしたら冷たいエールが飲みたくなったぜ~。ルファ~~」
「はいはい」
ファバルさんがエールを頼むと周りの冒険者達もエールを頼みだした。
その時ふと厨房を見るとマスターの姿が見えない。
「……マスターはフェリアン様のところかな?」
「あっ。そういえば、いつの間にかいなくなって……」
僕がつぶやくとオリーブさんが厨房をのぞいてうつむいて話した。
マスターのギレンさんはフェリアン様と親密な関係だった。フェリアン様が賞金首みたいな扱いになったからギルドからはなれたのかもしれない。
「私達にも何も言わずに行っちゃった」
「オリーブさん……」
オリーブさんや受付にいたギルドの職員さん達が俯いてる。すぐにでも回復しに行きたいけど……。
「孤児院の様子を見てから城に向かおう」
「ギルベンさんのことも気になるね」
マスターがいないってことはギルベンさんもどうなってるのか気になる。もしかしたら宰相の手が伸びてるかもしれない。まずは周辺の人の安全確保を優先しよう。
「ジムさん達はギルベンさんと会ってもらっていいですか」
「ああ、任せてくれ」
「ちょっと飲んじまったけど任せろ」
ジムさんにお願いすると快く引き受けてくれた。ファバルさんはエールを一杯一気飲みして答える。木のジョッキ一杯でちょっとは無理があるでしょ。
「まったく、ファバルは子供なんだな」
「ん、反省してなかったみたい」
「大丈夫だって、一杯だけだからよ」
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