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第一章
第22話 突撃
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今回は問題が子供の奴隷ということでルファーとリファも一緒に来てくれた。
すでにレベルが50レベルまで上がっているのでそこら辺の王族の近衛兵よりも強いってジムさんが言ってた。
50レベルで王族の近衛兵よりも強いって凄いな~。僕はどうなっちゃうんだろう?
「あそこだな」
ファバルさんが先行していたんだけど、戻ってきて報告してくれる。
僕らのほかにはジムさん達がいる。彼らも同じパーティーになったから当たり前といった様子。子供を金もうけに使うやつらはゆるせない。絶対に捕まえてやる。
森の中の洞窟、洞窟の前に小さな小屋もあって身を隠して取引が出来るようにしてるみたいだ。奴隷の子供達は全員洞窟の中か?
「奴隷の服が洞窟の外に有った。あそこに奴隷が集められてるんだろう」
「!? じゃあみんな裸ってこと!」
「ゆ、許せない!」
木陰に身を隠しながらファバルさんの報告に耳を向ける。報告を聞いてイレレイさんとルリが怒りの声をあげる。
「奴隷に服は不要と思っているのか、それとも服が不要になったか……」
「そ、それってまさか……」
ファバルさんが憶測を話す。
リファが予想に顔を歪めるとファバルさんは『ああ』と言って頷く。
「死んでるってこと?」
「すぐにでも突入しよう。準備はいいか!」
『おお!』
イレレイさんの呟きに我慢できなくなったジムさんが立ち上がって剣を構える。
僕らもそれにこたえて魔法で自分の属性の剣と盾を作り出す。
「マナよ。炎を纏い我の武具となれ【マナウェポン】【マナガード】」
ベルルさんに教わった詠唱を唱える。僕は無難に炎にしたけど、ルリ達はそれぞれの属性を身に纏った。リファは防具だけを光で作ってるね。彼女は戦闘を好まないみたいだから、回復要員として一緒に来た感じかな。
まあ、ルファーが守るって言ったから大丈夫でしょう。
「敵は見当たらねえな。小屋に入って洞窟から出た所を仕留めていくぞ」
「了解。じゃあ私は横の木の影から狙うね」
ファバルさんの言葉にイレレイさんが答える。僕らも頷いて小屋へと入って行く。せっかく魔法を使ったのに使わずにみんな武器をしまってる。
狩人のイレレイさんは隠れて戦ったほうが優位に立てるから木の陰。流石はベテランと言ったところかな。
「ん? 机と椅子だけか……」
「完全に取引専用なんだな」
ジムさんとワッタさんが呟く。
六畳間の部屋が二つの小屋。奥の部屋にはベッドがあるけど、入ってすぐの部屋には向かい合わせの椅子とその間にある机だけ。まるで刑務所のアクリル板のない面会室みたいだ。
「ん、なんか変な匂いがする?」
「え? 僕は何も感じないけど?」
「うん。私も変な匂いがする」
「私も」
ベルルさんの言葉に違和感を感じるとルリとリファも匂いを感じたみたい。
匂いについてはジムさんとワッタさんとファバルさんは感じないみたい。僕とルファーも感じないってことは女の子が感じる匂いってことかな?
「ん、あった……」
「燃やした木?」
ベッドの下をベルルさんが覗くと焦げた木があったみたい。煙がまだ少し出ているけど、煙たくなるほどじゃないみたい。
「な、なんだか体が熱い……」
「私も」
「ん、ルリ。体を保護するから詠唱して。体を覆え【シャインガード】って」
ルリとリファが服をパタパタとさせて涼んでいるとベルルさんが顔を赤くさせて魔法を唱えさせる。
ルリが言われた通り魔法を唱えると三人とも赤かった顔が元に戻っていく。
「ん、媚薬をしみこませた木だと思う。それも魔法で女性にだけ効くようになってる」
「な! それって」
「うん。小屋にベッドがあった時からそうだと思ったけど……」
ベルルさんの言葉にジムさんが顔を歪める。媚薬ってあれだよね……。だから、ルリ達しか熱くならなかったのか。
僕らは全然ならなかったからおかしいと思ったよ。
「ルリ、リファ大丈夫?」
「あっ。うん。大丈夫だよフィル」
「あの、フィル。今は触らないほうがいいよ」
ルリの手を握って声をかけるとリファが声をあげた。まだ媚薬の効果が残ってたっぽい。ルリの顔がみるみる赤くなってく。
「あっごめん」
「うんん、大丈夫だよ。ありがとうフィル」
急いで手を離す。ルリが顔を赤くさせて僕の握っていた手を頬にあてがう。艶っぽくて思わずドキッとしてしまった。子供に色気を感じてしまうなんて、僕も媚薬が効いていたのかな。
「おいっ、お客さんが来たぜ」
ルリに見惚れているとファバルさんから声が上がった。窓から洞窟の方を見つめてる。
「は~。まったく」
ファバルさんと一緒に見ていると複数の男達が洞窟から出てきてる。明らかに疲れている様子?
「付き合い切れねえ!」
「ああ」
なぜか男達は愚痴をこぼしてる。窓が開いてるとはいえ、結構離れてるのに聞こえてくる。
「リーダーはなんであんな女と」
「知らねえよ!」
どうやら、男達は親分さんに不満があるみたい。
女って言ってるけど、媚薬に関係してるのかな?
すでにレベルが50レベルまで上がっているのでそこら辺の王族の近衛兵よりも強いってジムさんが言ってた。
50レベルで王族の近衛兵よりも強いって凄いな~。僕はどうなっちゃうんだろう?
「あそこだな」
ファバルさんが先行していたんだけど、戻ってきて報告してくれる。
僕らのほかにはジムさん達がいる。彼らも同じパーティーになったから当たり前といった様子。子供を金もうけに使うやつらはゆるせない。絶対に捕まえてやる。
森の中の洞窟、洞窟の前に小さな小屋もあって身を隠して取引が出来るようにしてるみたいだ。奴隷の子供達は全員洞窟の中か?
「奴隷の服が洞窟の外に有った。あそこに奴隷が集められてるんだろう」
「!? じゃあみんな裸ってこと!」
「ゆ、許せない!」
木陰に身を隠しながらファバルさんの報告に耳を向ける。報告を聞いてイレレイさんとルリが怒りの声をあげる。
「奴隷に服は不要と思っているのか、それとも服が不要になったか……」
「そ、それってまさか……」
ファバルさんが憶測を話す。
リファが予想に顔を歪めるとファバルさんは『ああ』と言って頷く。
「死んでるってこと?」
「すぐにでも突入しよう。準備はいいか!」
『おお!』
イレレイさんの呟きに我慢できなくなったジムさんが立ち上がって剣を構える。
僕らもそれにこたえて魔法で自分の属性の剣と盾を作り出す。
「マナよ。炎を纏い我の武具となれ【マナウェポン】【マナガード】」
ベルルさんに教わった詠唱を唱える。僕は無難に炎にしたけど、ルリ達はそれぞれの属性を身に纏った。リファは防具だけを光で作ってるね。彼女は戦闘を好まないみたいだから、回復要員として一緒に来た感じかな。
まあ、ルファーが守るって言ったから大丈夫でしょう。
「敵は見当たらねえな。小屋に入って洞窟から出た所を仕留めていくぞ」
「了解。じゃあ私は横の木の影から狙うね」
ファバルさんの言葉にイレレイさんが答える。僕らも頷いて小屋へと入って行く。せっかく魔法を使ったのに使わずにみんな武器をしまってる。
狩人のイレレイさんは隠れて戦ったほうが優位に立てるから木の陰。流石はベテランと言ったところかな。
「ん? 机と椅子だけか……」
「完全に取引専用なんだな」
ジムさんとワッタさんが呟く。
六畳間の部屋が二つの小屋。奥の部屋にはベッドがあるけど、入ってすぐの部屋には向かい合わせの椅子とその間にある机だけ。まるで刑務所のアクリル板のない面会室みたいだ。
「ん、なんか変な匂いがする?」
「え? 僕は何も感じないけど?」
「うん。私も変な匂いがする」
「私も」
ベルルさんの言葉に違和感を感じるとルリとリファも匂いを感じたみたい。
匂いについてはジムさんとワッタさんとファバルさんは感じないみたい。僕とルファーも感じないってことは女の子が感じる匂いってことかな?
「ん、あった……」
「燃やした木?」
ベッドの下をベルルさんが覗くと焦げた木があったみたい。煙がまだ少し出ているけど、煙たくなるほどじゃないみたい。
「な、なんだか体が熱い……」
「私も」
「ん、ルリ。体を保護するから詠唱して。体を覆え【シャインガード】って」
ルリとリファが服をパタパタとさせて涼んでいるとベルルさんが顔を赤くさせて魔法を唱えさせる。
ルリが言われた通り魔法を唱えると三人とも赤かった顔が元に戻っていく。
「ん、媚薬をしみこませた木だと思う。それも魔法で女性にだけ効くようになってる」
「な! それって」
「うん。小屋にベッドがあった時からそうだと思ったけど……」
ベルルさんの言葉にジムさんが顔を歪める。媚薬ってあれだよね……。だから、ルリ達しか熱くならなかったのか。
僕らは全然ならなかったからおかしいと思ったよ。
「ルリ、リファ大丈夫?」
「あっ。うん。大丈夫だよフィル」
「あの、フィル。今は触らないほうがいいよ」
ルリの手を握って声をかけるとリファが声をあげた。まだ媚薬の効果が残ってたっぽい。ルリの顔がみるみる赤くなってく。
「あっごめん」
「うんん、大丈夫だよ。ありがとうフィル」
急いで手を離す。ルリが顔を赤くさせて僕の握っていた手を頬にあてがう。艶っぽくて思わずドキッとしてしまった。子供に色気を感じてしまうなんて、僕も媚薬が効いていたのかな。
「おいっ、お客さんが来たぜ」
ルリに見惚れているとファバルさんから声が上がった。窓から洞窟の方を見つめてる。
「は~。まったく」
ファバルさんと一緒に見ていると複数の男達が洞窟から出てきてる。明らかに疲れている様子?
「付き合い切れねえ!」
「ああ」
なぜか男達は愚痴をこぼしてる。窓が開いてるとはいえ、結構離れてるのに聞こえてくる。
「リーダーはなんであんな女と」
「知らねえよ!」
どうやら、男達は親分さんに不満があるみたい。
女って言ってるけど、媚薬に関係してるのかな?
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