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第一章
第15話 新たな仲間
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「ん、私達にも言えないこと?」
ゴブリン達を一か所に集めながらベルルさんに質問される。ゴブリンを一掃してからマジックバッグに入れているんだけど、量が多すぎるから一か所に集めてくれてる。
パーティーのことはパーティーメンバーだけの秘密にするつもりだから彼女達にも言えないんだよな~。
「冷たいな~フィル君。体はこんなに温かいのに~」
「あうっ」
「はは、フィルもイレレイにはタジタジなんだな」
イレレイさんが僕に抱き着いてくる。それをみてワッタさんが笑っているけど、ベルルさんは真剣なまなざしで僕を見つめてる。
恩人でもあるベルルさんに黙っているのも不義理かな。
それに知っている大人の人がいるって言うのも安心できるし、伝えてみようかな。
「ベルルさん……」
「ん? やっぱり何かあるの?」
「はい。実は」
ベルルさんやイレレイさんもちろん、ワッタさんにも僕のチートだと思う【パーティー】について話す。
「わ~凄いね。そのラフィーリアさん」
「うん。おいらたちじゃ倒せないような魔物を倒してるんだろうな~」
イレレイさんとワッタさんはラフィーリアさんについて驚いてる。あまりパーティーについては驚いてないみたい。
そんななか、ベルルさんは険しい顔で考え込んでた。
「ん、フィルは絶対に貴族や教会に渡しちゃダメってことかな?」
「え?」
「ん、王族はともかく、多くの貴族は私利私欲に走る人が多いの。そのパーティーっていうスキルかな? それは例え戦わなくても強くなれる力だから、悪用されたら大変なことになる。フィルは守る!」
何か考えていたベルルさんが声をあげた。フンスと鼻息荒く、決意を口にすると僕の手をとって目を見つめてきた。
「フィルを守るには力が必要。フィルがダメって言うなら諦めるけど、私もパーティーに入れてくれないかな?」
彼女はそういって僕の手を握る手に力を込めた。
「フィル。ベルルさん達はいい人だと思う。私は信頼してるよ」
ルリにも意見を聞こうと思って顔を向けると彼女は頷いて答えてくれた。
詠唱を教えてくれたり庇ってくれたりしてくれたベルルさん達。ジムさんやファバルさんも良い人だし、僕も信頼してる。
冒険者ギルドの人達も本当にいい人が多い。中にはグレイドルさんみたいに守ってくれる人も多くてありがたい。
考えてみれば、信頼できる大人は多くいるんだな~。みんなに僕の力を知らせるべきかと言われるとそうじゃないと思うけどね。
「ベルルさん」
「ん」
「この数日でベルルさん達と行動して、みんな良い人って言うのは分かってます」
「ん」
「これから僕はゲルグガルドに孤児院を作ろうと思ってます」
「「「え!?」」」
僕の言葉に三人は驚く。顔を見合う三人、ジムさん達も孤児院を作るって言うのを言っていたからそのせいかな。
「その為にお金を貯めてるんです」
「それで氷を販売したり」
「ギルドに雇われたりしてるってことなんだな?」
僕の話を聞いて頷きながらイレレイさんとワッタさんが呟く。
「ん、ますますフィル達と組みたくなった。私達の目的と一緒」
ベルルさんはそういって僕の両手をもって嬉しそうに微笑む。
「僕も皆さんのような方たちと協力できればいいな。なんて思います」
「じゃ、じゃあ」
「はい。元孤児の僕らですがよろしくお願いします」
「!? こちらこそよろしくね!」
「あぷっ!」
よろしくお願いしますと言うとベルルさんが抱きしめてきた。程よいお胸が心地いいんだけど、ルリが怖い顔になってるのでベルルさんには離れてもらいました。
「じゃあ。ベルルさん、イレレイさん、ワッタさん。拳を突き出してください」
「ん?」
「こう?」
拳を突き出すジェスチャーをすると首をかしげながらも真似をする三人。一人ずつごつんと拳を当てる。
「これで僕らはパーティーだね」
「「「?」」」
僕の掛け声に三人とも首を傾げてる。まるで子供みたいでなんだか可愛い。
「こ、これでいいの?」
「はい。これでしばらくするとラフィーリアさんが狩った魔物の経験値が入ってレベルアップのコールがされます」
イレレイさんの質問に答えると三人とも唖然として目をまんまるにした。パーティーになるのに特別な何かがあると思っていたみたい。
確かにこんな簡単なことで経験値を共有することが出来るなんておかしな話だもんな。唖然としてしまうのも仕方ないな。
「ん、本当にこんなことで?」
「わっ! レベルアップした!」
ベルルさんが疑問に思っているとイレレイさんが驚いてレベルアップを告げる。
ベルルさんとワッタさんはまだレベルアップしないみたい。
それぞれ、次のレベルまでの経験値が違うから時間差があるみたい。
って言うかラフィーリアさんは休まず狩りをしてるんだな~。僕も何回かレベルアップしてるし、休憩すらしないのかな? 少し心配になるな~。
「ん、私も上がった……。しばらく上がってなかったから嬉しい」
しばらくするとベルルさんが上がってワッタさんも上がってた。ゲルグガルドに帰りながら様子を見るとそれぞれ更にレベルが上がったと話してた。
それで気になったことがある。ルリがしばらくレベルが上がっていない、パーティーメンバーが多くなって経験値が上がっていると思ったらそれは僕だけの効果のようだ。
この後、無事にゲルグガルドに帰りついて報酬を受け取り、ジムさんとファバルさんともパーティーになって更に経験値が上がることとなった。5の倍数で特典として経験値アップが付くみたい。
増やせば増やすほど、僕だけ得をする……。なんだかみんなに悪い気がするけど、みんなも得をしてるわけだから五分五分ってことでいいでしょう。
ゴブリン達を一か所に集めながらベルルさんに質問される。ゴブリンを一掃してからマジックバッグに入れているんだけど、量が多すぎるから一か所に集めてくれてる。
パーティーのことはパーティーメンバーだけの秘密にするつもりだから彼女達にも言えないんだよな~。
「冷たいな~フィル君。体はこんなに温かいのに~」
「あうっ」
「はは、フィルもイレレイにはタジタジなんだな」
イレレイさんが僕に抱き着いてくる。それをみてワッタさんが笑っているけど、ベルルさんは真剣なまなざしで僕を見つめてる。
恩人でもあるベルルさんに黙っているのも不義理かな。
それに知っている大人の人がいるって言うのも安心できるし、伝えてみようかな。
「ベルルさん……」
「ん? やっぱり何かあるの?」
「はい。実は」
ベルルさんやイレレイさんもちろん、ワッタさんにも僕のチートだと思う【パーティー】について話す。
「わ~凄いね。そのラフィーリアさん」
「うん。おいらたちじゃ倒せないような魔物を倒してるんだろうな~」
イレレイさんとワッタさんはラフィーリアさんについて驚いてる。あまりパーティーについては驚いてないみたい。
そんななか、ベルルさんは険しい顔で考え込んでた。
「ん、フィルは絶対に貴族や教会に渡しちゃダメってことかな?」
「え?」
「ん、王族はともかく、多くの貴族は私利私欲に走る人が多いの。そのパーティーっていうスキルかな? それは例え戦わなくても強くなれる力だから、悪用されたら大変なことになる。フィルは守る!」
何か考えていたベルルさんが声をあげた。フンスと鼻息荒く、決意を口にすると僕の手をとって目を見つめてきた。
「フィルを守るには力が必要。フィルがダメって言うなら諦めるけど、私もパーティーに入れてくれないかな?」
彼女はそういって僕の手を握る手に力を込めた。
「フィル。ベルルさん達はいい人だと思う。私は信頼してるよ」
ルリにも意見を聞こうと思って顔を向けると彼女は頷いて答えてくれた。
詠唱を教えてくれたり庇ってくれたりしてくれたベルルさん達。ジムさんやファバルさんも良い人だし、僕も信頼してる。
冒険者ギルドの人達も本当にいい人が多い。中にはグレイドルさんみたいに守ってくれる人も多くてありがたい。
考えてみれば、信頼できる大人は多くいるんだな~。みんなに僕の力を知らせるべきかと言われるとそうじゃないと思うけどね。
「ベルルさん」
「ん」
「この数日でベルルさん達と行動して、みんな良い人って言うのは分かってます」
「ん」
「これから僕はゲルグガルドに孤児院を作ろうと思ってます」
「「「え!?」」」
僕の言葉に三人は驚く。顔を見合う三人、ジムさん達も孤児院を作るって言うのを言っていたからそのせいかな。
「その為にお金を貯めてるんです」
「それで氷を販売したり」
「ギルドに雇われたりしてるってことなんだな?」
僕の話を聞いて頷きながらイレレイさんとワッタさんが呟く。
「ん、ますますフィル達と組みたくなった。私達の目的と一緒」
ベルルさんはそういって僕の両手をもって嬉しそうに微笑む。
「僕も皆さんのような方たちと協力できればいいな。なんて思います」
「じゃ、じゃあ」
「はい。元孤児の僕らですがよろしくお願いします」
「!? こちらこそよろしくね!」
「あぷっ!」
よろしくお願いしますと言うとベルルさんが抱きしめてきた。程よいお胸が心地いいんだけど、ルリが怖い顔になってるのでベルルさんには離れてもらいました。
「じゃあ。ベルルさん、イレレイさん、ワッタさん。拳を突き出してください」
「ん?」
「こう?」
拳を突き出すジェスチャーをすると首をかしげながらも真似をする三人。一人ずつごつんと拳を当てる。
「これで僕らはパーティーだね」
「「「?」」」
僕の掛け声に三人とも首を傾げてる。まるで子供みたいでなんだか可愛い。
「こ、これでいいの?」
「はい。これでしばらくするとラフィーリアさんが狩った魔物の経験値が入ってレベルアップのコールがされます」
イレレイさんの質問に答えると三人とも唖然として目をまんまるにした。パーティーになるのに特別な何かがあると思っていたみたい。
確かにこんな簡単なことで経験値を共有することが出来るなんておかしな話だもんな。唖然としてしまうのも仕方ないな。
「ん、本当にこんなことで?」
「わっ! レベルアップした!」
ベルルさんが疑問に思っているとイレレイさんが驚いてレベルアップを告げる。
ベルルさんとワッタさんはまだレベルアップしないみたい。
それぞれ、次のレベルまでの経験値が違うから時間差があるみたい。
って言うかラフィーリアさんは休まず狩りをしてるんだな~。僕も何回かレベルアップしてるし、休憩すらしないのかな? 少し心配になるな~。
「ん、私も上がった……。しばらく上がってなかったから嬉しい」
しばらくするとベルルさんが上がってワッタさんも上がってた。ゲルグガルドに帰りながら様子を見るとそれぞれ更にレベルが上がったと話してた。
それで気になったことがある。ルリがしばらくレベルが上がっていない、パーティーメンバーが多くなって経験値が上がっていると思ったらそれは僕だけの効果のようだ。
この後、無事にゲルグガルドに帰りついて報酬を受け取り、ジムさんとファバルさんともパーティーになって更に経験値が上がることとなった。5の倍数で特典として経験値アップが付くみたい。
増やせば増やすほど、僕だけ得をする……。なんだかみんなに悪い気がするけど、みんなも得をしてるわけだから五分五分ってことでいいでしょう。
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