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第一章
第8話 仲間
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「は~やっと着いた~」
「ん、フィル達のおかげで荷物がないからなんとか」
暗くなってきてやっとゲルグガルドに戻ってきた。イレレイさんとベルルさんが声をあげる。
ベルルさんが褒めてくれるものだから、照れてしまう。
「ん~」
「ど、どうしたのルリ?」
なぜかルリが頬を膨らませてそでを掴んできた。何を言いたいのかわからないのでとりあえず、頭を撫でておこう。
ルリは嬉しそうに顔を赤くしてる。かまって欲しかっただけだったみたい。
「さあ、みんなギルドの酒場で打ち上げといこう」
「ひゃっは~。全部ジムのおごりだな?」
「え!? ……よし! 今日はフィルのおかげで結構稼げたからいいぞ!」
「おお~太っ腹~」
ジムさんの声にファバルさんが楽しそうに答える。ジムさんも人が良いからおごってしまうみたいだ。イレレイさんもファバルさんと一緒にジムさんに抱き着いてる。仲のいいパーティーだな~。
「もちろんフィル君とルリちゃんも奢るぞ~!」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます……」
ジムさんは僕に抱き着いてきてルリの頭を撫でてくれる。
「フィルのマジックバッグと二人の魔法のおかげだもんね」
「ん、私の魔法は攻撃系だけだもの。本当に助かった」
イレレイさんとベルルさんも頭を撫でてくれる。ステータスのおかげだけど、これだけ喜ばれると僕らも嬉しい。
「ん~ん~」
「あら~。ルリちゃんに怒られちゃった~」
「ん、ルリもありがとうね」
頬を膨らませるルリをイレレイさんとベルルさんが撫でまわす。顔全体を撫でられてくすぐったいみたいで声を殺して悶えていた。別に声を出してもいいのにな。
「はいはい。小娘共、じゃれてねえで早くいくぞ。ジムの貯金をなくすくらい飲んで食ってやるんだ」
「ちょ、ファバル!」
「うん。おいらも頑張る」
「ええ!? ワッタまで!」
がははと笑ってファバルさんがギルドへと歩き出す。ワッタさんも続くとジムさんが顔を青ざめさせて追いかけていった。
「あ~ん待ってよ~」
「ん、さあ行こう」
イレレイさんが走り出して声をあげるとベルルさんが僕の手を取って走り出す。
ルリも僕の手を取ってくれて両手に花とはこのことか。
この後、ギルドに併設されている酒場で大騒ぎ。他の冒険者達も一緒に宴が進んでいく【クレイモア】のグレイドルさんもメンバーと一緒に騒いでる。大人は騒ぐのが好きだな~。
僕らはお酒が飲めないのでちょっと食事をしたら二階のラフィーリアさんの部屋に入ってベッドに横になった。
ベッドが大きなキングサイズの物が一つ。
ルリは寝転ぶ僕を見て顔を赤くさせた。
「ふ、不束者ですが……」
「……どこでそんな言葉を覚えるの? 気にしないで寝なよ」
「は、はい」
まったく、子供ってどこでこういった言葉をしるんだろうか?
孤児だったから言葉を知ることもないだろうに、はぁ~。
「フィル……」
「どうしたのルリ?」
「ありがとね」
「ん、急に何?」
布団に一緒に入るともじもじと手遊びをしてお礼を言ってくる。
「仲間に入れてくれて、世界が広がった。あのまま路地にいたら今頃あの時と同じように木の棒で殴られてると思う」
「はは、あの人たちもげんきんだよね。金貨を見せたらみんな優しくなるんだもん」
「うん。ほんと……でもそれで」
ルリは僕をまっすぐ見つめる。
「それで世界が変わった。私達の見た目を変えれば孤児も孤児として見られなくなる。お金が少しでもあれば身綺麗にして、それだけで働くことが出来る。そうすれば、ご飯だって盗まなくていい、拾わなくていい」
「そうだね……」
ルリの頭を撫でる。ついついルリが真面目で可愛かったから手が動いてしまった。
「ふぃ、フィルって大人だよね……」
「はは、ルリよりはね」
「ん、そうじゃなくて、未来が見えているみたいな自信が見えるの」
未来っか……確かにこの中世ヨーロッパの世界よりは未来にいたからな~。魔法はないけど。
「明日、路地に行こう」
「え?」
「仲間を増やすんだよ」
今から仲間を増やして置けば出来ることも増える。とにかく、お金が必要って言うのはわかったからね。
ジムさん達の話で孤児院を個人が作っても大丈夫そうだし、とにかくお金だ。
「僕とルリは町の外で稼ぐ。これから仲間になってもらう人には町で稼いでもらうってわけさ」
「ほんとうに~……フィルはすごいな~……。すぅすぅ」
「ルリ? あらら眠っちゃったか。まだまだ子供だな」
話をしていると疲れていたみたいですぐにルリが寝息を立て始めた。またもや思わずルリの頭を撫でてしまう。むにゃむにゃと僕の名前を呼ぶルリ。子供って感じだな。僕の父性愛がやばい。
ギルドに併設されている酒場が騒いでいるなか、僕とルリは静かに眠りについた。
グランドマスターの部屋であるここは結構防音がされているので外でうるさくしていても静かだ。改めてこんな部屋を僕みたいな孤児に用意してくれたラフィーリアさんには感謝しかないな。
「ん、フィル達のおかげで荷物がないからなんとか」
暗くなってきてやっとゲルグガルドに戻ってきた。イレレイさんとベルルさんが声をあげる。
ベルルさんが褒めてくれるものだから、照れてしまう。
「ん~」
「ど、どうしたのルリ?」
なぜかルリが頬を膨らませてそでを掴んできた。何を言いたいのかわからないのでとりあえず、頭を撫でておこう。
ルリは嬉しそうに顔を赤くしてる。かまって欲しかっただけだったみたい。
「さあ、みんなギルドの酒場で打ち上げといこう」
「ひゃっは~。全部ジムのおごりだな?」
「え!? ……よし! 今日はフィルのおかげで結構稼げたからいいぞ!」
「おお~太っ腹~」
ジムさんの声にファバルさんが楽しそうに答える。ジムさんも人が良いからおごってしまうみたいだ。イレレイさんもファバルさんと一緒にジムさんに抱き着いてる。仲のいいパーティーだな~。
「もちろんフィル君とルリちゃんも奢るぞ~!」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます……」
ジムさんは僕に抱き着いてきてルリの頭を撫でてくれる。
「フィルのマジックバッグと二人の魔法のおかげだもんね」
「ん、私の魔法は攻撃系だけだもの。本当に助かった」
イレレイさんとベルルさんも頭を撫でてくれる。ステータスのおかげだけど、これだけ喜ばれると僕らも嬉しい。
「ん~ん~」
「あら~。ルリちゃんに怒られちゃった~」
「ん、ルリもありがとうね」
頬を膨らませるルリをイレレイさんとベルルさんが撫でまわす。顔全体を撫でられてくすぐったいみたいで声を殺して悶えていた。別に声を出してもいいのにな。
「はいはい。小娘共、じゃれてねえで早くいくぞ。ジムの貯金をなくすくらい飲んで食ってやるんだ」
「ちょ、ファバル!」
「うん。おいらも頑張る」
「ええ!? ワッタまで!」
がははと笑ってファバルさんがギルドへと歩き出す。ワッタさんも続くとジムさんが顔を青ざめさせて追いかけていった。
「あ~ん待ってよ~」
「ん、さあ行こう」
イレレイさんが走り出して声をあげるとベルルさんが僕の手を取って走り出す。
ルリも僕の手を取ってくれて両手に花とはこのことか。
この後、ギルドに併設されている酒場で大騒ぎ。他の冒険者達も一緒に宴が進んでいく【クレイモア】のグレイドルさんもメンバーと一緒に騒いでる。大人は騒ぐのが好きだな~。
僕らはお酒が飲めないのでちょっと食事をしたら二階のラフィーリアさんの部屋に入ってベッドに横になった。
ベッドが大きなキングサイズの物が一つ。
ルリは寝転ぶ僕を見て顔を赤くさせた。
「ふ、不束者ですが……」
「……どこでそんな言葉を覚えるの? 気にしないで寝なよ」
「は、はい」
まったく、子供ってどこでこういった言葉をしるんだろうか?
孤児だったから言葉を知ることもないだろうに、はぁ~。
「フィル……」
「どうしたのルリ?」
「ありがとね」
「ん、急に何?」
布団に一緒に入るともじもじと手遊びをしてお礼を言ってくる。
「仲間に入れてくれて、世界が広がった。あのまま路地にいたら今頃あの時と同じように木の棒で殴られてると思う」
「はは、あの人たちもげんきんだよね。金貨を見せたらみんな優しくなるんだもん」
「うん。ほんと……でもそれで」
ルリは僕をまっすぐ見つめる。
「それで世界が変わった。私達の見た目を変えれば孤児も孤児として見られなくなる。お金が少しでもあれば身綺麗にして、それだけで働くことが出来る。そうすれば、ご飯だって盗まなくていい、拾わなくていい」
「そうだね……」
ルリの頭を撫でる。ついついルリが真面目で可愛かったから手が動いてしまった。
「ふぃ、フィルって大人だよね……」
「はは、ルリよりはね」
「ん、そうじゃなくて、未来が見えているみたいな自信が見えるの」
未来っか……確かにこの中世ヨーロッパの世界よりは未来にいたからな~。魔法はないけど。
「明日、路地に行こう」
「え?」
「仲間を増やすんだよ」
今から仲間を増やして置けば出来ることも増える。とにかく、お金が必要って言うのはわかったからね。
ジムさん達の話で孤児院を個人が作っても大丈夫そうだし、とにかくお金だ。
「僕とルリは町の外で稼ぐ。これから仲間になってもらう人には町で稼いでもらうってわけさ」
「ほんとうに~……フィルはすごいな~……。すぅすぅ」
「ルリ? あらら眠っちゃったか。まだまだ子供だな」
話をしていると疲れていたみたいですぐにルリが寝息を立て始めた。またもや思わずルリの頭を撫でてしまう。むにゃむにゃと僕の名前を呼ぶルリ。子供って感じだな。僕の父性愛がやばい。
ギルドに併設されている酒場が騒いでいるなか、僕とルリは静かに眠りについた。
グランドマスターの部屋であるここは結構防音がされているので外でうるさくしていても静かだ。改めてこんな部屋を僕みたいな孤児に用意してくれたラフィーリアさんには感謝しかないな。
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