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第2章 国
第51話 十階
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「強いんだな……」
「だから言ったぴよ~」
「ぴよぴよ~」
双子のハーピーは敵を蹂躙した。飛び回り、自由に魔法を放っていた。魔法名すら言わずに使っているのを鑑みるとスキルのようなものなのが伺える。
「サファイアは水の加護があるぴよ。ルビーは炎の加護があるぴよ。それで魔法を使えるっぴ」
「ぴよぴよ」
サファイアの言葉にルビーが肯定して頷いている。加護っていう物があるのか。それは魔物特有の物なのかな?
七階もすべて終わり次は八階と魔法陣の部屋に入る。七階の魔物はスライム系統が多く、魔法が利くタイプだった。ハーピーたちが勝てたのもそれが大きかっただろうな。マジックバッグがてにはいってから手荷物がかさばらなくて楽々だ。マイルも荷物を拾ってくれるし、俺が何もしなくていいくらいな状況になっているよ。
準備も済んだので早速、八階へと転移する。
それから十階までは駆け足で進んでいく。ハーピー達が加わったことで戦力を増やさなくても難なく進むことが出来た。核や素材は多く手に入っていくがこれと言って特別なものはドロップしなかった。素材ばかりで冒険者っていうのはもっと宝物が手に入るもんだと思ったんだけどな。少しがっかりした。
十階にたどり着きいつも通りの部屋でくつろぐ。
「十階のボスは五階とは違うのか?」
率直に疑問をマイルに投げかける。マイルは困った様子でうつむいた。流石に、そこまでは聞けていないようだ。五階のボスで驚かれるほどだったからな。普通は十階のボスなんて会えないだろうから知られていないんだろうな。
「まあ、すぐに会えるからそんなにしょんぼりしなくて大丈夫だぞ」
「すみません。もっとしっかり調べておけば」
マイルが俯いてしまった。アイリが頭をなでなでして慰めている。
「大丈夫だよお母さん。お兄ちゃんは優しいから怒らないよ」
「ありがとう、アイリ」
は~、何だかこの二人を見ていると癒されるな~。
「いいな~」
「なんだ? リックも撫でてほしいか? お~よしよし」
「あう、そうじゃないですよ~……」
リックが呟くもんだから頭を撫でてやったら言葉では嫌がっている様子だけど、止めようとしない。まだまだ子供なんだから甘えていいんだけどな~。
「さて、そろそろ行くか~」
「サファイアも撫でてほしいぴよ」
「ルぴよ~」
さてと重い腰をあげようとしたら双子が頬に抱き着いてきた。まったく、さっき撫でてやったばかりだと言うのに。
俺はハイハイと撫でてやると嬉しそうに頭の上をくるくるとまわって喜んでいる。
ハーピー達の機嫌も取ったのでボスへの扉に手をかける。
「……棺か?」
扉を開けると棺がいくつもある部屋が現れた。ゲームの知識がある俺はいち早く戦力をばら撒く。魔法のある世界でアンデッド系はやばい。
「みんな、注意してくれ。アンデッドのボスっぽい!」
リビングアーマーを三体と鉄騎士を2体だして、敵が来たら手あたり次第攻撃するように指示を出した。みんなには元の部屋から出ないようにしてもらうことにする。一発で死ぬような魔法は勘弁だからな。
「ゾンビならまだ大丈夫だけど……。すぐに杖達を作る」
ゴースト系の魔物が出たら物理最強の剣君も勝てないからな。魔法最強の杖達を5体、生成する。ここまでで得られた素材で十分作ることが出来る。杖を作るほどでもないと思っていたがこういった敵が来ることを考えておくべきだったな。
「主! ゴーストが来た」
「おっ! 早速、杖君の出番だ!」
半透明の幽霊みたいなやつが現れて口をパクパクしている。少しすると幽霊の前に魔法陣のようなものが出て氷や炎の魔法がリビングアーマーと鉄騎士に放たれた。当たってるけどノーダメージっぽいな。
こっちにはダメージないみたいだけど、剣君達の攻撃も当たっていない様子だ。やっぱり、物理無効みたいだ。
「杖君蹴散らしてあげなさい!」
「御意! 【爆裂水流弾】」
五体の杖君が魔法を放つ。爆発する水の塊がゴーストたちを襲う。恐ろしいほどの爆発で棺が無残なことになっているよ。炎のエレメンタルとの戦闘でも見せなかった魔法を使って、派手に始末してしまってる。
「上級の魔法も使えるなんて……。私も頑張らないと」
「今のが上級なのか?」
「はい、上級の一種ですね。後は【ウォーターカッター】という魔法もあって、これは一体に集中的に攻撃する魔法です」
ほうほう、なるほどね。爆裂水流弾は全体攻撃のようなものって事か……。それで敵が全滅しているってやばない?
棺が無残になっていたので一個一個覗いてみたんだけど全部に偉そうな屍が横たわってたんだよね。たぶん、リッチとかネクロマンサーとかそう言った魔物だったんじゃないかな? 魔物だというのは確定なんだよね。アイテムドロップしているからさ。
ドロップは宝石とか水晶がいくつも出て来たよ。かなり高位の存在なんじゃないかな? 先手撃ててよかったかもな、絶対に【デス】みたいな即死魔法使ってきただろうこいつら。ゲームなら復活できるだろうけど、残念ながら現実だからな。死んだらそれで終わりだ。そんな即死魔法なんてやらせないっての。
「ここのボスは複数だったのかな?」
「そのようです。確かにそう言った情報は聞いていましたから……」
「……ォォォォォ」
「え!」
「【スピリットブレイク】」
全滅したと思ったら天井から王冠を被った死体が現れた。これが本当のボスだったようだ。魔法陣を召喚して魔法を放ってきた。
しかし、俺達には効かなかったようだ。
「【水流斬】」
「ォォォォォ……」
杖達の集中攻撃で王冠持ちが粉みじんになっていく。
「【スピリットブレイク】は精神崩壊させる上級魔法です。なんで私は大丈夫だったのでしょうか?」
「あ~、たぶん、杖君が何かしておいてくれたんじゃないかな?」
「【魔法の盾】を使っています。それにより皆さんは魔法に対して耐性が備わっております」
憶測を言うと杖君が肯定してくれた。マイルの説明だとかなりの魔法だったみたいだな。それをガードしちゃうなんてやっぱり杖君も凄いんだな。
「だから言ったぴよ~」
「ぴよぴよ~」
双子のハーピーは敵を蹂躙した。飛び回り、自由に魔法を放っていた。魔法名すら言わずに使っているのを鑑みるとスキルのようなものなのが伺える。
「サファイアは水の加護があるぴよ。ルビーは炎の加護があるぴよ。それで魔法を使えるっぴ」
「ぴよぴよ」
サファイアの言葉にルビーが肯定して頷いている。加護っていう物があるのか。それは魔物特有の物なのかな?
七階もすべて終わり次は八階と魔法陣の部屋に入る。七階の魔物はスライム系統が多く、魔法が利くタイプだった。ハーピーたちが勝てたのもそれが大きかっただろうな。マジックバッグがてにはいってから手荷物がかさばらなくて楽々だ。マイルも荷物を拾ってくれるし、俺が何もしなくていいくらいな状況になっているよ。
準備も済んだので早速、八階へと転移する。
それから十階までは駆け足で進んでいく。ハーピー達が加わったことで戦力を増やさなくても難なく進むことが出来た。核や素材は多く手に入っていくがこれと言って特別なものはドロップしなかった。素材ばかりで冒険者っていうのはもっと宝物が手に入るもんだと思ったんだけどな。少しがっかりした。
十階にたどり着きいつも通りの部屋でくつろぐ。
「十階のボスは五階とは違うのか?」
率直に疑問をマイルに投げかける。マイルは困った様子でうつむいた。流石に、そこまでは聞けていないようだ。五階のボスで驚かれるほどだったからな。普通は十階のボスなんて会えないだろうから知られていないんだろうな。
「まあ、すぐに会えるからそんなにしょんぼりしなくて大丈夫だぞ」
「すみません。もっとしっかり調べておけば」
マイルが俯いてしまった。アイリが頭をなでなでして慰めている。
「大丈夫だよお母さん。お兄ちゃんは優しいから怒らないよ」
「ありがとう、アイリ」
は~、何だかこの二人を見ていると癒されるな~。
「いいな~」
「なんだ? リックも撫でてほしいか? お~よしよし」
「あう、そうじゃないですよ~……」
リックが呟くもんだから頭を撫でてやったら言葉では嫌がっている様子だけど、止めようとしない。まだまだ子供なんだから甘えていいんだけどな~。
「さて、そろそろ行くか~」
「サファイアも撫でてほしいぴよ」
「ルぴよ~」
さてと重い腰をあげようとしたら双子が頬に抱き着いてきた。まったく、さっき撫でてやったばかりだと言うのに。
俺はハイハイと撫でてやると嬉しそうに頭の上をくるくるとまわって喜んでいる。
ハーピー達の機嫌も取ったのでボスへの扉に手をかける。
「……棺か?」
扉を開けると棺がいくつもある部屋が現れた。ゲームの知識がある俺はいち早く戦力をばら撒く。魔法のある世界でアンデッド系はやばい。
「みんな、注意してくれ。アンデッドのボスっぽい!」
リビングアーマーを三体と鉄騎士を2体だして、敵が来たら手あたり次第攻撃するように指示を出した。みんなには元の部屋から出ないようにしてもらうことにする。一発で死ぬような魔法は勘弁だからな。
「ゾンビならまだ大丈夫だけど……。すぐに杖達を作る」
ゴースト系の魔物が出たら物理最強の剣君も勝てないからな。魔法最強の杖達を5体、生成する。ここまでで得られた素材で十分作ることが出来る。杖を作るほどでもないと思っていたがこういった敵が来ることを考えておくべきだったな。
「主! ゴーストが来た」
「おっ! 早速、杖君の出番だ!」
半透明の幽霊みたいなやつが現れて口をパクパクしている。少しすると幽霊の前に魔法陣のようなものが出て氷や炎の魔法がリビングアーマーと鉄騎士に放たれた。当たってるけどノーダメージっぽいな。
こっちにはダメージないみたいだけど、剣君達の攻撃も当たっていない様子だ。やっぱり、物理無効みたいだ。
「杖君蹴散らしてあげなさい!」
「御意! 【爆裂水流弾】」
五体の杖君が魔法を放つ。爆発する水の塊がゴーストたちを襲う。恐ろしいほどの爆発で棺が無残なことになっているよ。炎のエレメンタルとの戦闘でも見せなかった魔法を使って、派手に始末してしまってる。
「上級の魔法も使えるなんて……。私も頑張らないと」
「今のが上級なのか?」
「はい、上級の一種ですね。後は【ウォーターカッター】という魔法もあって、これは一体に集中的に攻撃する魔法です」
ほうほう、なるほどね。爆裂水流弾は全体攻撃のようなものって事か……。それで敵が全滅しているってやばない?
棺が無残になっていたので一個一個覗いてみたんだけど全部に偉そうな屍が横たわってたんだよね。たぶん、リッチとかネクロマンサーとかそう言った魔物だったんじゃないかな? 魔物だというのは確定なんだよね。アイテムドロップしているからさ。
ドロップは宝石とか水晶がいくつも出て来たよ。かなり高位の存在なんじゃないかな? 先手撃ててよかったかもな、絶対に【デス】みたいな即死魔法使ってきただろうこいつら。ゲームなら復活できるだろうけど、残念ながら現実だからな。死んだらそれで終わりだ。そんな即死魔法なんてやらせないっての。
「ここのボスは複数だったのかな?」
「そのようです。確かにそう言った情報は聞いていましたから……」
「……ォォォォォ」
「え!」
「【スピリットブレイク】」
全滅したと思ったら天井から王冠を被った死体が現れた。これが本当のボスだったようだ。魔法陣を召喚して魔法を放ってきた。
しかし、俺達には効かなかったようだ。
「【水流斬】」
「ォォォォォ……」
杖達の集中攻撃で王冠持ちが粉みじんになっていく。
「【スピリットブレイク】は精神崩壊させる上級魔法です。なんで私は大丈夫だったのでしょうか?」
「あ~、たぶん、杖君が何かしておいてくれたんじゃないかな?」
「【魔法の盾】を使っています。それにより皆さんは魔法に対して耐性が備わっております」
憶測を言うと杖君が肯定してくれた。マイルの説明だとかなりの魔法だったみたいだな。それをガードしちゃうなんてやっぱり杖君も凄いんだな。
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