制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
上 下
50 / 59
第2章 国

第50話 ルビーとサファイア

しおりを挟む
「ピイピイ!」

「可愛い~」

 赤い羽根のハーピーがアイリの頭の上で鳴いている。アイリはハーピーの頭を撫でてあげてる。

「七階の部屋は同じ石造りですね」

「七~、ピイピイ?」

 リックの頭の上には青い羽根のハーピー。少しずつ言葉を覚えて言っているようだ。賢いな。
 リックは可愛いと思っているが撫でまわそうとは思っていないみたいだな。

「お兄ちゃん! ハーピーさんのお名前どうするの?」

「ん? あ~名前か、そう言えば決めてなかったな」

 ハーピーの名前か~、街の名前の時もそうだけど、適当になっちゃうんだよな。ここはマイル達に決めてもらうか。

「マイル達が決めてくれよ。あんまり俺ってこういうの得意じゃないから」

「そんなことありません。町の名前はとてもよかったじゃないですか」

「カイジョウってかっこいいと思います!」

 みんなに聞こうと思ったらマイルとリックがすっごい褒めてきた。

「ヒフミ~、ピイピイ。なまえ~?」

「ピイピイ!」

「お兄ちゃん、双子ちゃんはお兄ちゃんに決めてほしいみたいだよ~」

 アイリの頭に双子が止まって俺を見つめてきた。アイリが代弁しているけど、本当かな? 双子をつんつんすると指を抱きしめてきたよ。少なくとも青い方は何をしているのか分かっている感じだな~。赤い方は抱き着きたいだけで何をしているのか理解してないな。
 
「マイルがつけて」

「ぴよ、ヒフミ~」

「……マイルが」

「ヒフミ~」

「……じゃあ、リック」

「ヒフミ~がいい~ぴよ」

 おう、とうとう普通に話してきたな。青い子はかなり頭がいいように思えるぞ。っていうか、そんなに俺に決めてほしいのか。

「分かったよ。俺が決める」

「「ピイピイ!」」

 双子は一緒に鳴き出した。実は赤い方も分かっているんじゃないのか?
 しかし、鳥の名前か、動物は飼ったことなかったからな。
 動物の名前を付けると考えずにこの双子を見て考えるか。
 赤い瞳に赤い羽根、青い瞳に青い羽根……難しく考えずに色で行けばいいか。

「お前はルビー、お前はサファイア。宝石の名前でどっちの二人の色の宝石だぞ」

「ルビぴよ?」

「サファイアぴよ~!」

 ん? 赤い方も言葉を理解し始めている? 実は二人とも頭いいのか? サファイアは完全に理解してきて普通に話しているな。二人は俺の周りを飛び回って両頬にキスして抱き着いてきた。なつかれるのも嬉しいもんだな。

「二人はリビングアーマーの中に入ってろ、危ないからな」

「ぴよ?」

「ヒフミ戦うのかぴよ?」

 双子は首を傾げて聞いてきた。頷いて答えると双子は顔を見合って頷いたと思ったらマイルとアイリの頭に止まった。

「一緒に戦うぴよ~」

「たたかう~ぴよ~」

 どうやら、やる気なようだ。生まれたばかりのハーピーが七階は危ないんじゃないか? この世界の住人はかなりレベルが低いように思えるし。

「駄目って言っても無駄っぽいな……」

「「無駄ぴよ~」」

「はぁ~」

 説得しても駄目っぽかったんだけど、一応聞いてみた。絶対に離れないみたいです。

「そのサイズの装備はないんだぞ」

 剣君はルビー達のサイズで作っていない守ってくれるとは思うけど、完璧には守れないだろう。

「大丈夫だっぴ。サファイアとルビーは強いっぴよ~」

「お、おう……」

 サファイアがこの短い間に完璧に話せるようになっている。ルビーはまだまだっぽいが……決意は固いようなのでやらせてみる事にした。なにもなくて強がることはないと思うんだよな。まあ、勘だけど。

「じゃあ、行くぞ。剣君はみんなを守ってくれよ」

「御意」

 マジックバッグから取り出した剣君達に指示する。剣君達は拾ったものも精霊生成薬で精霊化している。安心してみんなを任せられるよ。

 一度深呼吸して、七階の扉を開いた。俺達は新たなエリアへと足を踏み入れる
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。 女の子と言われてしまう程可愛い少年。 アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。 仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。 そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた 願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル 14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり 奥さんも少女もいなくなっていた 若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました いや~自炊をしていてよかったです

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

魔王を倒したので砂漠でも緑化しようかと思う【完】

流水斎
ファンタジー
 死後、神様に頼まれて転生したが特にチートな加護も無く、魔王を倒すのに十年掛かった。 英雄の一人ではあったので第二の人生を愉しもうかと思ったが、『狡兎死して走狗煮らる』とも言う。 そこで地方で内政に励む事にして、トロフィー代わりに砂漠の緑化を目標に定めた男の物語である。

異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
アイは鮎川 愛って言うの お父さんとお母さんがアイを置いて、何処かに行ってしまったの。 真っ白なお人形さんがお父さん、お母さんがいるって言ったからついていったの。 気付いたら知らない所にいたの。 とてもこまったの。

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~

うみ
ファンタジー
 恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。  いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。  モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。  そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。  モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。  その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。  稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。 『箱を開けるモ』 「餌は待てと言ってるだろうに」  とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

処理中です...