制作スキル持ちのリビングマスター ~異世界覇者への道~

カムイイムカ(神威異夢華)

文字の大きさ
上 下
39 / 59
第2章 国

第39話 ダンジョンの種類

しおりを挟む
「ここが二階になるのかな?」

 出現した魔法陣に入って次の階層へと転移。
 転移された部屋は先ほどとは違って鉄で出来た部屋の中だった。一階と同じように部屋を調べておくが何もなかった。まあ、転移先に宝箱なんてないよな。

 同じように一つの扉があるので出ると、一階とは違って人工物のような通路が広がっていた。大体、五人くらいが横並びに歩ける通路で突き当りに部屋が見える。剣君達を先行させて進んでいって、先に扉を開いてもらうと鉄の鎧を着たゴブリンが5匹、こっちに気づいて飛び出してきた。武器は短剣なのでそれほど脅威はないように思える。

「お兄ちゃん!」

「ああ、分かってるって」

 先ほど、戦いたいと言われたので瞬殺せずにみんなで戦うことにした。危なくなったら剣君達が動き出すので安心して、自分の戦闘に集中する。

 五匹いるので一匹は剣君達に牽制させておいてもらって一人一匹と対峙する。

「アイリは一人で大丈夫なのか?」

「大丈夫! 短剣君がガードしてくれるから~」

 短剣が動くって事はダメなんじゃないのかと思いながらも安心する。やっぱり、リビングウェポン達は優秀だよ。

 俺も人の心配をしている場合じゃない。しっかりとゴブリンを見据えて動きを読むぞ。といっても、ゴブリンの動きは単調で大きく振りかぶってくるから避けやすい。リックも簡単に鎧の隙間に剣を差し込んでゴブリンを倒しているよ。
 ゴブリンたちは大きく振りかぶって武器に振り回されてよろけるから簡単に倒せるんだよな。

「【ファイアボール】」

「ギャ~」

 マイルは鉄装備のゴブリンに容赦なく炎の魔法を当てて吹き飛ばし、絶命させていった。ゴブリンをものともしない魔法を覚えているから簡単に倒せたな。

「【ファイア】」

「ギャ! ギャ~」

 アイリの魔法はゴブリンに当たっているけど、マイルの魔法よりは弱いみたいでゴブリンに少し当たって倒れて行ったよ。ファイアボールの方が少し強めの魔法なのかな?

 俺はというと、リックと同じように転倒したゴブリンの首あたりにある鎧の隙間に剣を差し込んでとどめを刺した。全部倒すとドロップを残して地面に消えて行った。そういえば、一階では自分で倒していなかったから分からなかったけど、ダンジョンに還っていくっていうのはこういう事だったのか。
 ドロップ品は鉄の鎧と短剣、それに核だ。核もたまってきたからゴブリンの鎧とかをリビングアーマーに変えていくかな。という事で五体のゴブリンアーマーが完成だ。ゴブリンの体躯の鎧なので俺の胸当たりくらいの身長だ。
 牽制していたゴブリンはアイリに倒させた。少し心配していたけど、心配いらなかったみたいだ。この世界の住人はみんな逞しい。

 ゴブリンリビングアーマーに荷物を持たせて次に向かう。今いる部屋の奥に扉が見えるので開けると左右に通路が広がっている。所々に部屋が見えるのでとにかく、全部開いていく。もちろん、剣君達に開かせるよ。何があるかわからないからな。
 思った通り、扉を開けると石が飛び出してくる部屋があった。剣君は的が小さいから当たらなかったけど、人が開けていたら腹部などにダメージを負っていただろうな。

「扉を開けると魔物が気付く感じなのかな?」

 全部の扉を開いたからか、すべての部屋から魔物が出て来た。大体、4匹の魔物が一部屋にいて、五部屋分の二十匹の魔物。ゴブリンやコボルト、それにゾンビのような人型がいたよ。全部、鉄装備なので素材過多だな。

「ん? ゾンビも核があるのか?」

 人型の魔物であるゾンビを倒すと核がドロップした。盗賊達を倒した時は核はでなかった、なので人には核がないんだと思ったけどゾンビにはあるみたいだ。これはどういう事なんだ?

「人の死体にスライムが入って寄生していると聞いたことがありますよ」

「なるほどね」

 魔物を捌きながら、マイルに説明される。人の死体を消化するだけじゃなくて寄生することがあるのか。……下手するとスライム井戸でも発生していたのかもしれないな。

「街の死体処分場でもいたのですけど、知りませんでしたか?」

「やっぱり」

「精霊様達が一瞬で片付けてしまうので知らなくてもおかしくないですよ」

 俯いて聞いていると自信を無くしたと思ったのか、マイルが慰めるように説明してくれた。剣君達が優秀過ぎるんだよな。

 魔物の核は全部一個ずつだから、弱い魔物なんだな。オーク達は五個ずつとか落としていたからオークの方が単純に強いんだろう。数も数なのでリビングアーマーや剣君達にも手伝ってもらって全部捌く。核や鎧や武器がいっぱいになったので新たにリビングアーマーを作成して、荷物持ちを作成……これって全部魔法陣に乗るのかな?

 こうして、リビングアーマーが十五体になりました。精霊生成薬をもっと作れたらもっと増やせる。これって、帰った時に受付の部屋に入れるのかな?
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話

yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。 知らない生物、知らない植物、知らない言語。 何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。 臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。 いや、変わらなければならない。 ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。 彼女は後にこう呼ばれることになる。 「ドラゴンの魔女」と。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団体とは一切関係ありません。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。 女の子と言われてしまう程可愛い少年。 アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。 仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。 そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた 願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル 14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり 奥さんも少女もいなくなっていた 若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました いや~自炊をしていてよかったです

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

魔王を倒したので砂漠でも緑化しようかと思う【完】

流水斎
ファンタジー
 死後、神様に頼まれて転生したが特にチートな加護も無く、魔王を倒すのに十年掛かった。 英雄の一人ではあったので第二の人生を愉しもうかと思ったが、『狡兎死して走狗煮らる』とも言う。 そこで地方で内政に励む事にして、トロフィー代わりに砂漠の緑化を目標に定めた男の物語である。

異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
アイは鮎川 愛って言うの お父さんとお母さんがアイを置いて、何処かに行ってしまったの。 真っ白なお人形さんがお父さん、お母さんがいるって言ったからついていったの。 気付いたら知らない所にいたの。 とてもこまったの。

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~

うみ
ファンタジー
 恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。  いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。  モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。  そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。  モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。  その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。  稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。 『箱を開けるモ』 「餌は待てと言ってるだろうに」  とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

処理中です...