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第1章 異世界

第21話 神の知らせ

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「ん? 何か来たか?」

 町が出来上がり、しばらく大きな家で寛いでいると城門の方が騒がしくなった。なにかったのか?

「どうした?」

「精霊さん達が動き出したみたい」

 レイニーが先に城門に来ていたので聞いてみるとミスリルの剣が敵襲を仕留めたらしい。早速、剣達の性能が見れていいんだが、相手が人と言うのは......

「まったく、また盗賊か」

 毎度おなじみ盗賊さん達だよ。盗賊は短剣とか簡単な装備をくれるからいいんだけどさ、多すぎじゃない?

 仕方なく、外に出て戦利品を石君に運んでもらう。ついでに死体をスライム井戸に運ばせる。せっせと仕事を済ましていると遠くから馬に乗った集団が駆けてくるのが見えたので城門に引くことにした。

「お前が俺の部下を殺した野郎か! 可笑しな魔法を使いやがって~、ぶっ殺してやる」

 城門の上から見下ろすとそんな事を言われた。
 
 どうやら、盗賊の親分みたいだな。という事はこいつを始末すれば終わりって事か。
 敵の親分が自分から出て来てくれるとは、それに大きな斧をプレゼントしてくれるみたいで振り回しているよ。
 早速なので、鉄のマネキンにやらせようと思い二体、城門から出撃させる。盗賊は20人以上いるので丁度いいかもな。

「うっ......てめーがこいよ!」

 鉄の騎士が出てきたもんだから怯えてるよ。勝手に来たくせに文句言うのは違うと思うな。よそ見していていいのかなと思いつつ見ていると盗賊達が鉄の騎士の突撃を受けて吹っ飛んでるよ。
 城門が10メートルあるのでそこと同じくらいの高さまで吹き飛んでるのを鑑みると相当な威力のチャージアタックを受けているんだろうな。人ってあんなに高く飛ぶんだな~。

 チャージアタックで吹き飛んだ盗賊は馬を残して動かなくなった。馬は少し怪我しているが無事だな。

「お、覚えてやがれ!」

 親分は逃げようと踵をかえした。って、帰すわけないだろ。

 鉄の騎士に追わせて親分を撃破。子分は数人逃げられたな。親分の大斧をゲットして、馬も6頭ゲットだ。子分達はまた来てくれないかな~、馬はみんなに使ってもらおう。

 大斧と槍が手に入ったので鉄のマネキンを量産。町の防衛力アップに一躍買ってくれるとは、盗賊も捨てたもんじゃないな。短剣もいっぱい持っていたのでみんなに護身用の武器を持たせることが出来たよ。リビングウェポンが護身用の武器っておかしな話だな。
 
 町の防衛力もアップした所でエレベスへと貿易を行うことにした。
 予め、ヤンバには言ってある、なんの心配もなく向かわせられるよ。常時必要な糸と布を毎回調達してもらって、鉄を卸そう。ミスリルはこれから使うようになるからな、少しにしよう。地下鉱山で無限に近い程、掘られてくるから大丈夫なんだけど、あんまり出すとこの町が狙われそうだからな。自重していこう。
 
 鉄騎士の馬車を二台、中には卸す素材と金貨の入った袋、それに護衛として剣君達を20体。この馬車を襲えるのは軍隊じゃないと無理だろうな。まったく、ベリーハードとはどこの事なのかって感じだ。

「ふ~、これで安泰だな~」

 鉄騎士が帰ってくれば布地が手に入る。それをみんなが加工して卸す商品にもなる。寝ていればお金が手に入る寸法だ。畑は時間かかるがこれなら、素材を売るだけで大抵のものが手に入る。
 食べ物も貿易で得てもいい、塩だけは仕入れているんだけど、他のはよくわからないから仕入れていないんだよな。食い物に欲はないからおいしければいいといった感じだ。とりあえず、これでこの村は安泰だな。

「ふ~、極楽極楽~」

『ピンポンパンポン! 順位発表~!』

 鉄騎士を見送って、家でのんびりしているとテセリウスの声が聞こえてきた。

『みんなお待ちかねだっただろ。今回は凄いぞ~。三人も逝っちゃった』

 テセリウスの楽しそうな声が聞こえてくる。三人いっちゃったって言うのは死んだって事なのか? そう思って俺は息を吞んだ。
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