上 下
20 / 59
第1章 異世界

第20話 魔法

しおりを挟む
「ふぁ~よく寝た~」

 大きな家を建てたのでそこを俺の住居にした。三階建ての大きな家で体育館程の大きさだ。左右対称の屋敷って感じだな。家具はベッドとタンスをとりあえず設置しておいた。
 糸と針を買ったからこれから服は量産されていくはず、タンスはみんなの家にも数個設置している。女性ばかりだから、タンスは重宝するからな。

「おはようございます!」

「あっ、ああ、おはよう」

 マイルとアイリとリックは一緒に住むことになった。二階の二つの部屋をマイルとアイリに一部屋とリックに一部屋だ。アイリとリックは大変仲がいいし、マイルとアイリは親子なので一緒にいたいんだってさ。そこになんで俺が入るかと言うとマイルがどうしても俺の世話をしたいと言ってきたんだ。別にいいって言ったんだけど、恩を返すっていきこんでるんだよ。本当は三人で住む感じだったんだけど、そこはリックにお願いして四人での同居を実現させたよ。流石に美人なマイルと二人っきりになるのはやめておく。こっちも健全な男なのでね。色々と困るのだった。

 みんなと軽く挨拶をして、軽い食事を済ませる。畑が出来たのはいいが野菜が実るのは早くても一週間はかかるんだと、そう言う経験がないから分からんけど、ゲームでは六日くらいで実ってたな~。ジャガイモみたいな野菜なら蒸し器とか欲しいな。
 
 マイルとアイリの美人親子で目の保養をして、製作を進める。ミスリルの剣や盾を作って、鉄の槍や弓矢を作っていく。精霊生成薬も武器達分作って精霊化させる。
 ミスリルはかなりの高価な物の様なので壁と壁の間に罠のように設置し、防衛を命令しておいた。指示は敵対組織が手に取ってきたら切り付けろ、だ。
 高価なミスリルの剣が無造作に置かれていたら回収したくてしょうがなくなるところを狙った罠だ。盗賊なんかは簡単に引っかかるだろうな。
 弓矢は壁の上に配置してミスリルの剣の罠にはまった兵士の叫び声を合図に中と外に矢を射かける。命尽きるまで矢を出せる仕様なのでかなり無敵感が強いな、更に飛べるので無敵感が増す。俺だったら即刻降参の白旗だよ。

「ヒフミ様、それは?」

「ああ、盗賊達が持っていた装備だよ。短剣は作れないからな」

 小さな剣は製作スキルにあがってこない。なので盗賊達が持っていた短剣を使っているんだ。
 鉄で出来ている物だからそれなりに使える。みんなに護身用として持たせたいんだよな。精霊化すれば強力な護衛をつけられるってわけだ。改めて、製作スキルはチートだな。

「ヒフミ様、木の杖を一本いただいてもよろしいでしょうか?」

「ん? ああ、大丈夫だよ」

「ありがとうございます」

「杖なんて何に使うの?」

「私とアイリは魔法を覚えようと思いまして...」

「ああ、ヤンバに頼んでいた本か..」

 エレベスの町のヤンバに必要な物リストを渡して、アイテムを揃えてもらった。その時にマイルが別に頼んでいた物があったんだよな。本だから気にならなかったんだけど、あれが魔導書の様なものなのか?

「はい、魔法の入門書のようなものです。精霊様達よりは弱いのですが、ヒフミ様の為にも力をつけてこの町を守りたいと思います」

「まもる~」

 マイルとアイリが本と木の杖を掲げて宣言した。

「あんまり無茶はしないでくださいね」

「はい! ありがとうございます」

 二人はお辞儀をして、外へと出ていった。

「僕はどうしようかな...」

「アイリが後衛なんだから、リックは前衛だろ。ほいっ」

「え? これは?」

 盗賊の持っていた短剣を二本と皮の鎧をリックに渡した。皮の鎧は製作スキルにあったので作っておいた。サイズは自動調整されるみたいなのでリックでも着れる。便利だな。自動調整はその人が手に持つと小さくなったり大きくなったりするみたいだ。

「今はまだ剣を触れないだろ。短剣なら小さいリックでも振れる。それに、精霊化も済ませてあるからサポートしてくれるはずだ」

「……ありがとうございますヒフミ様。僕、頑張ってみます」

 リックは少し涙目になって外へと走っていった。アイリ達と合流して訓練をするんだろうな。スライム井戸に向かうスライムを狩っていればその内レベルは上がるだろうけど、それじゃ訓練にならない。狼くらいは倒せるようにならないとダメだぞリック。って何だか偉そうになってしまった。いつもいつも精霊に倒させている俺が言えた義理じゃないな。

「さてさて、製作製作」

 大きな家ばかりでは芸もないので小さな家と普通の家も量産していく。城門を最初に作った小屋の前に作ったのでそこからオークの住処まで長方形の壁で覆った。壁に沿うように普通の家と小さな家を交互に作ってみる。デコボコがいい感じだな。木の伐採は斧君達が頑張ってくれて、切り株は鉄の馬で外されているので壁内は全部、拓けている。どんどん作っていくとレベルが28まで上がった。いいペースだな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

てぃー☆ちゃー
ファンタジー
旧タイトル)オレはゴーレム、異世界人だ。あ、今は人では無いです 3/20 タイトル変更しました 仕事を辞めて、さあ就職活動だ! そんな矢先に別世界へ強制移動とゴーレムへの強制変化! こんな再就職なんて望んでません! 新たな体を得た主人公が異世界を動き回る作品です

のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ
ファンタジー
逆恨みから1000回目の転生に繋がる異世界転生、全ての世界の経験が1人の元少女を強くする!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

異世界で俺はチーター

田中 歩
ファンタジー
とある高校に通う普通の高校生だが、クラスメイトからはバイトなどもせずゲームやアニメばかり見て学校以外ではあまり家から出ないため「ヒキニート」呼ばわりされている。 そんな彼が子供のころ入ったことがあるはずなのに思い出せない祖父の家の蔵に友達に話したのを機にもう一度入ってみることを決意する。 蔵に入って気がつくとそこは異世界だった?! しかも、おじさんや爺ちゃんも異世界に行ったことがあるらしい?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

聖なる幼女のお仕事、それは…

咲狛洋々
ファンタジー
とある聖皇国の聖女が、第二皇子と姿を消した。国王と皇太子達が国中を探したが見つからないまま、五年の歳月が過ぎた。魔人が現れ村を襲ったという報告を受けた王宮は、聖騎士団を差し向けるが、すでにその村は魔人に襲われ廃墟と化していた。  村の状況を調べていた聖騎士達はそこである亡骸を見つける事となる。それこそが皇子と聖女であった。長年探していた2人を連れ戻す事は叶わなかったが、そこである者を見つける。  それは皇子と聖女、二人の子供であった。聖女の力を受け継ぎ、高い魔力を持つその子供は、二人を襲った魔人の魔力に当てられ半魔になりかけている。聖魔力の高い師団長アルバートと副団長のハリィは2人で内密に魔力浄化をする事に。しかし、救出したその子の中には別の世界の人間の魂が宿りその肉体を生かしていた。  この世界とは全く異なる考え方に、常識に振り回される聖騎士達。そして次第に広がる魔神の脅威に国は脅かされて行く。

召喚体質、返上希望

篠原 皐月
ファンタジー
 資産運用会社、桐生アセットマネジメント勤務の高梨天輝(あき)は、幼少期に両親を事故で失い、二卵性双生児の妹、海晴(みはる)の他は近親者がいない、天涯孤独一歩手前状態。しかし妹に加え、姉妹を引き取った遠縁の桐生家の面々に囲まれ、色々物思う事はあったものの無事に成長。  長じるに従い、才能豊かな妹や義理の兄弟と己を比較して劣等感を感じることはあったものの、25歳の今現在はアナリストとしての仕事にも慣れ、比較的平穏な日々を送っていた。と思いきや、異世界召喚という、自分の正気を疑う事態が勃発。   しかもそれは既に家族が把握済みの上、自分以外にも同様のトラブルに巻き込まれた人物がいたらしいと判明し、天輝の困惑は深まる一方。果たして、天輝はこれまで同様の平穏な生活を取り戻せるのか?  以前、単発読み切りで出した『備えあれば憂いなし』の連載版で、「カクヨム」「小説家になろう」からの転載作品になります。

処理中です...