17 / 59
第1章 異世界
第17話 帰り道
しおりを挟む
「よかったんですか?」
「何が?」
ヤンバに道具を揃えてもらって、大八車に運んでもらうと少し時間も出来たので食事をしている。金も手に入ったし時間も出来たから三人でゆっくりと食事をしようと思ったんだ。スタミナポーションばっかり飲んでいても精神には良くないからな。主に俺の為だ。
酒場のような店に入って料理が来るのを待っている。周りを見渡すと手首にタトゥーを入れている人が多いんだよな。ファッションにしてはみんな同じ柄だから、目立たないしな。まあ、気にしてもしょうがないか。
「俺も食べたかったんだよ。スタミナポーションでも、お腹はいっぱいになるけど、味気ないだろ」
「アイリは美味しいから大丈夫だけど、このお肉やパンは美味し~」
マイルの質問に答えるとアイリが笑顔で白いパンとお肉を頬張った。リスみたいに膨らむ頬をマイルが突っつくと微笑んでいるよ。
酒場の様な店だが、家族連れも利用しているようで明るい店内。マイルとアイリがいなかったら、不審がられそうな感じだ。
白いパンと塊肉を一口サイズに切って焼いただけの料理。塩は普通に手に入るようで俺も買っておいた。流石に調味料がないのはきついから、といっても塩もなしに焼いただけの肉を食べて美味しいと感じてしまってたけどな。
調味料は塩がたっぷりとあったが砂糖はなかった。貴族が扱う店にはあるらしいがかなり高いと言われた。ヤンバに渡した欲しい物リストには書いておいたんだ。他には胡椒とか書いておいたんだが、それは普通に発見されていないみたいで首を傾げていたよ。元の世界よりも時代の進みは遅いのかもしれないな。魔物がいるから一人で行動することが出来ないとか? 偉大な人物って一人で動き回って新発見する奴多いからな。この世界で一人で行動するのは自殺と一緒だ。マイルとアイリ達みたいに集団でいても盗賊に捕まるのに一人だったら、普通に身ぐるみはがされて終わりだろ。改めて、この世界の事を知らないのが分かったな。
「お兄ちゃんごちそうさまでした」
「ヒフミ様ありがとうございます」
食事を終えて店を出ると二人がお礼を言ってきた。
「俺も楽しめたから気にしないでいいよ」
「はい」
「美味しくて楽しかった~」
二人は楽しそうに頷いた。
食事も終わったので帰ることにした。馬車に乗り込んで出発だ。今は昼だからすぐに夜になる。夜も走っていれば早くつけるんだが、それは精霊達だけの交渉の時にやればいい。ヤンバにはこれからは精霊が売り買いをすると言っておいた。門番のおっさんにも言っておいて、残りのスタミナポーションを賄賂で渡しておいたから大丈夫だろう。こういった賄賂がいい仕事するんだよな。継続しないといけないのが大変だが、やる価値がある。
「怪しい馬が数機」
「やっぱりそうか...」
馬車を走らせて街道を外れしばらく走ると上空でついてくるように言った剣君が報告してきた。町で少々目立ちすぎたようだな。馬に乗って外套をがぶったやつが10人ついてきているようだ。外套を被っている時点で盗賊確定だろうな。アイリもいるのであんまり死体を見せたくないな。剣君達で始末させるか。
「相手の武器を確保したいな」
自分で作れる装備には限りがある。剣と斧と盾くらいだもんな。鎧もまだまだ皮くらいしかないしな。
「二人は先に帰っててくれ。お客さんみたいなんだ」
「...分かりました。アイリは前の車へ」
「えっと、マイルさんも..」
「私はヒフミ様の部下です。ヒフミ様を残して帰れません」
「でも」
「ヒフミ様の身に何かあったら!」
「わ、分かりましたからそんなに迫ってこないで..」
「す、すいません」
マイルさんは頑なに先に帰るのを嫌がった。まさかこんなに反対してくるとは思わなかったな。とりあえず、アイリに見せなければいいからいいんだけど、本当はマイルさんもこんな事に付き合わせたくないな。辛い思いをしたんだから、ゆっくりしていてほしいもんだ。
「じゃあ、これを渡しておきますよ。こいつも自分で動くから守ってくれます。盾君もつけるけど、もしもの時はこいつを相手に投げてください」
「わ、分かりました」
まあ、敵が俺達に接敵する事はないんだけどね。
「何が?」
ヤンバに道具を揃えてもらって、大八車に運んでもらうと少し時間も出来たので食事をしている。金も手に入ったし時間も出来たから三人でゆっくりと食事をしようと思ったんだ。スタミナポーションばっかり飲んでいても精神には良くないからな。主に俺の為だ。
酒場のような店に入って料理が来るのを待っている。周りを見渡すと手首にタトゥーを入れている人が多いんだよな。ファッションにしてはみんな同じ柄だから、目立たないしな。まあ、気にしてもしょうがないか。
「俺も食べたかったんだよ。スタミナポーションでも、お腹はいっぱいになるけど、味気ないだろ」
「アイリは美味しいから大丈夫だけど、このお肉やパンは美味し~」
マイルの質問に答えるとアイリが笑顔で白いパンとお肉を頬張った。リスみたいに膨らむ頬をマイルが突っつくと微笑んでいるよ。
酒場の様な店だが、家族連れも利用しているようで明るい店内。マイルとアイリがいなかったら、不審がられそうな感じだ。
白いパンと塊肉を一口サイズに切って焼いただけの料理。塩は普通に手に入るようで俺も買っておいた。流石に調味料がないのはきついから、といっても塩もなしに焼いただけの肉を食べて美味しいと感じてしまってたけどな。
調味料は塩がたっぷりとあったが砂糖はなかった。貴族が扱う店にはあるらしいがかなり高いと言われた。ヤンバに渡した欲しい物リストには書いておいたんだ。他には胡椒とか書いておいたんだが、それは普通に発見されていないみたいで首を傾げていたよ。元の世界よりも時代の進みは遅いのかもしれないな。魔物がいるから一人で行動することが出来ないとか? 偉大な人物って一人で動き回って新発見する奴多いからな。この世界で一人で行動するのは自殺と一緒だ。マイルとアイリ達みたいに集団でいても盗賊に捕まるのに一人だったら、普通に身ぐるみはがされて終わりだろ。改めて、この世界の事を知らないのが分かったな。
「お兄ちゃんごちそうさまでした」
「ヒフミ様ありがとうございます」
食事を終えて店を出ると二人がお礼を言ってきた。
「俺も楽しめたから気にしないでいいよ」
「はい」
「美味しくて楽しかった~」
二人は楽しそうに頷いた。
食事も終わったので帰ることにした。馬車に乗り込んで出発だ。今は昼だからすぐに夜になる。夜も走っていれば早くつけるんだが、それは精霊達だけの交渉の時にやればいい。ヤンバにはこれからは精霊が売り買いをすると言っておいた。門番のおっさんにも言っておいて、残りのスタミナポーションを賄賂で渡しておいたから大丈夫だろう。こういった賄賂がいい仕事するんだよな。継続しないといけないのが大変だが、やる価値がある。
「怪しい馬が数機」
「やっぱりそうか...」
馬車を走らせて街道を外れしばらく走ると上空でついてくるように言った剣君が報告してきた。町で少々目立ちすぎたようだな。馬に乗って外套をがぶったやつが10人ついてきているようだ。外套を被っている時点で盗賊確定だろうな。アイリもいるのであんまり死体を見せたくないな。剣君達で始末させるか。
「相手の武器を確保したいな」
自分で作れる装備には限りがある。剣と斧と盾くらいだもんな。鎧もまだまだ皮くらいしかないしな。
「二人は先に帰っててくれ。お客さんみたいなんだ」
「...分かりました。アイリは前の車へ」
「えっと、マイルさんも..」
「私はヒフミ様の部下です。ヒフミ様を残して帰れません」
「でも」
「ヒフミ様の身に何かあったら!」
「わ、分かりましたからそんなに迫ってこないで..」
「す、すいません」
マイルさんは頑なに先に帰るのを嫌がった。まさかこんなに反対してくるとは思わなかったな。とりあえず、アイリに見せなければいいからいいんだけど、本当はマイルさんもこんな事に付き合わせたくないな。辛い思いをしたんだから、ゆっくりしていてほしいもんだ。
「じゃあ、これを渡しておきますよ。こいつも自分で動くから守ってくれます。盾君もつけるけど、もしもの時はこいつを相手に投げてください」
「わ、分かりました」
まあ、敵が俺達に接敵する事はないんだけどね。
0
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。
女の子と言われてしまう程可愛い少年。
アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。
仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。
そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた
願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~
異世界転生したら【スキル】が【グミ】でした 【魔王】の友達もできたので世界を平和にしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はエガワ シュンヤ。グミが好きだった僕は異世界に転生した
とても珍しいスキルを手に入れたけれど、人攫いにあってしまって両親と離れ離れ
やっと成人して冒険者になれたけど、珍しいスキルが発動することはなかった
だけど、レベルが上がったことで世界が変わった
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました
第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった
服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです
レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる