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第1章 異世界
第1話 いつもの教室
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「おはよう、ヒフミ~」
「おはよう、ハジメ」
俺は海城 一二三(かいじょう ひふみ)挨拶してきたのは金田一 一(きんだいち はじめ)有名な高校生と同じ名前で可愛い系の男の子だ。因みに俺は目が死んでる系男の子だ。目が空いているんだか開いていないんだか、分からん感じだ。
俺達は高校に向かっている途中の高校生。
「眠そうだね」
「ははは、ハジメ。それは嫌みかな?」
「違うよ~」
「冗談だよ。正直ねみい」
昨日はオンラインで建設系ゲームをやっていたからな。みんながせっせと働くもんだから俺も感化されてしまったのだよ。あの人達は社会人のはずだが、俺よりも長くゲームをやっている。いつ寝ているんだ?
ハジメと無難な話をしながら学校に到着。いつもの教室、いつものメンツ。何も変わらないいつもの光景だ。
「今日は文化祭の係を決めてから授業を始めます」
文化祭か、もうそんな時期なんだな。
そう思って先生のいる方を見た。すると一遍、先生が消えて教室が座っている椅子と机を残して、真っ白な部屋に変化していく。
「な、なに?」
「どうなってるんだ?」
クラスメイト達が騒ぎ出す。俺も内心驚いているがクラスメイトの言葉でかき消される程度の声しか出ない。
「ようこそ、僕の世界へ」
みんなで驚いていると俺達の中央の天井が割れて人が降りてきた。芸術品の様な筋肉質な上半身で白い布を腰に巻いている男。まるで神話に出てくるようなそんな男だ。
「僕はテセリウス。別の世界の神さ」
テセリウスと名乗る男は神と言っている。まあ、現状を鑑みると人ではないのが伺えるな。
「ここはどこなの!」
「教室に帰して!」
女子たちが椅子から立ち上がって声を張り上げた。流石にこの状況で悠長にしてられないのだろう。気持ちは分かる。
「今から色々と説明するから。死にたくなかったら黙ってくれよな」
テセリウスはさっきまでの笑顔が何処かへ行ってしまった。
「おい! お前。さっきから聞いていれば偉そうに! 神様だか何だか知らねえけどな急にこんな部屋に連れてきやがって」
クラス一の力持ち、柔道部のオオグリ君が声を張り上げてテセリウスへと迫る。俺もクラスメイト達もやれやれ~とはやし立てる。ハジメは優しいからオドオドしているな。
「じゃあ、死だね」
「あ~?」
バン!
オオグリ君がテセリウスに迫って手を振り上げるとオオグリ君が吹き飛ばされて後ろの壁に叩きつけられてそのまま動かなくなった。クラスメイト達は一瞬で静かになっていった。俺も恐怖で身がすくむ。
「は~い、逆らう事は無駄って事が分かったね。それじゃ説明するよ。今から君たちは僕の世界で暮らしてもらいます。そこで君達の好きなガチャを今からしてもらいます。このガチャはその世界で有益に暮すためのスキルとか境遇とかが得られるので頑張ってくれよな」
綺麗な歯を見せてテセリウスが話してきた。さっきのオオグリ君のことがあったものだからクラスメイト達は青ざめて頷いている。従わないと怖いからな。
「ヒフミ、これって」
「ああ、異世界転移って奴だ」
俺とハジメはこういった小説を何個か読んでいる。今は異世界ブームだからな。バイブルみたいな物だ。
「じゃあ、異世界に行けるんだね。夢みたいだよ」
オオグリ君が殺されたのも忘れてハジメは目をキラキラさせている。全く呑気なもんだな。
「はいはい、どんどんガチャしていってね~」
テセリウスはめんどくさそうに先生が元居た所に移動して寝っ転がっている、教壇は残っているのでそこに寝ているわけだけど、体全部は乗っていない、完全に浮いているよな、あれ。
「よ~し。全員まわしたね」
全員まわし終わると大きな欠伸をしてテセリウスが話し出した。ガチャのカプセルが色んな色になっている。大体、7種類の色になっているな。因みに俺は赤でハジメは黒だ。
「色がそれぞれのレア度を表しています。下から白、黄色、緑、青、紫、赤」
お~やったぜ。一番いい赤だ。ん? 可笑しいなハジメの黒がない?
「あっちゃ~。黒を引いている子がいるね~。それはハズレだよ」
「ハズレ!?」
「ハズレは文字通りハズレさ。誰もいない森や平原に送られて生き抜くベリーハードモードだよ。残念だったね」
テセリウスはハジメの肩を叩いて話した。
「じゃあ、僕は一人で別世界に」
「そうだよ。だけど、みんなよりもいいスキルが手に入るかもよ」
ハジメは涙目だ。テセリウスの笑顔が何ともいやらしいな。
「ヒフミ~」
「ハジメ……」
藁にも縋る思いで俺を見つめてくるハジメ。
「お~君は赤だね。最高レアじゃないか~よかったね~。領民は豊富で能力値も多大。最高の暮らしが待っているよ」
最初から最強とかってゲームで一番つまらない物だよな。ベリーハードゲーム大好きの俺からしたら最低レアだよな。ハジメは最強好きだ、ここはハジメの代わりになってやるしかないか。生き残る力は俺の方があるしな。それに、唯一の親友だしな。
「ハジメ、代わってやるよ」
「えっ! でも...」
「大丈夫、俺はベリーハードゲー大好きだからな。本当に心配ならベリーイージーな生活で俺を探してくれ」
「ヒフミ……分かったよ。僕がベリーハードモードから救いに行くよ」
ハジメにカプセルを渡す。代わりの黒いカプセルを受け取るとハジメが泣き出してしまった。
「いいね~。友情とはこうじゃないとね。さっきのゴリラとは大違いだ。彼が死んでも涙する人はいなかったもんね。特別に交換は許すよ。その状況から上を目指す姿も見てみたいしね~」
オオグリ君の事を悪く言うテセリウス。それでも友達はいたはずだ。恐怖でそんなこと考えられないだけだと思うけどな。
「特別に最低レアの君は最初に送り込んであげよう。定期的に順位を知らせるから楽しみにしててね。その時の名前の欄が黒くなっていたら死んでいるって事だからね。ふふふ、楽しみだね~」
「勝手に!」
「じゃあ、いってらっしゃ~い」
「あ、この!」
テセリウスの合図と共に俺の視界が暗くなっていった。あの野郎いつか仕返ししてやる。
「おはよう、ハジメ」
俺は海城 一二三(かいじょう ひふみ)挨拶してきたのは金田一 一(きんだいち はじめ)有名な高校生と同じ名前で可愛い系の男の子だ。因みに俺は目が死んでる系男の子だ。目が空いているんだか開いていないんだか、分からん感じだ。
俺達は高校に向かっている途中の高校生。
「眠そうだね」
「ははは、ハジメ。それは嫌みかな?」
「違うよ~」
「冗談だよ。正直ねみい」
昨日はオンラインで建設系ゲームをやっていたからな。みんながせっせと働くもんだから俺も感化されてしまったのだよ。あの人達は社会人のはずだが、俺よりも長くゲームをやっている。いつ寝ているんだ?
ハジメと無難な話をしながら学校に到着。いつもの教室、いつものメンツ。何も変わらないいつもの光景だ。
「今日は文化祭の係を決めてから授業を始めます」
文化祭か、もうそんな時期なんだな。
そう思って先生のいる方を見た。すると一遍、先生が消えて教室が座っている椅子と机を残して、真っ白な部屋に変化していく。
「な、なに?」
「どうなってるんだ?」
クラスメイト達が騒ぎ出す。俺も内心驚いているがクラスメイトの言葉でかき消される程度の声しか出ない。
「ようこそ、僕の世界へ」
みんなで驚いていると俺達の中央の天井が割れて人が降りてきた。芸術品の様な筋肉質な上半身で白い布を腰に巻いている男。まるで神話に出てくるようなそんな男だ。
「僕はテセリウス。別の世界の神さ」
テセリウスと名乗る男は神と言っている。まあ、現状を鑑みると人ではないのが伺えるな。
「ここはどこなの!」
「教室に帰して!」
女子たちが椅子から立ち上がって声を張り上げた。流石にこの状況で悠長にしてられないのだろう。気持ちは分かる。
「今から色々と説明するから。死にたくなかったら黙ってくれよな」
テセリウスはさっきまでの笑顔が何処かへ行ってしまった。
「おい! お前。さっきから聞いていれば偉そうに! 神様だか何だか知らねえけどな急にこんな部屋に連れてきやがって」
クラス一の力持ち、柔道部のオオグリ君が声を張り上げてテセリウスへと迫る。俺もクラスメイト達もやれやれ~とはやし立てる。ハジメは優しいからオドオドしているな。
「じゃあ、死だね」
「あ~?」
バン!
オオグリ君がテセリウスに迫って手を振り上げるとオオグリ君が吹き飛ばされて後ろの壁に叩きつけられてそのまま動かなくなった。クラスメイト達は一瞬で静かになっていった。俺も恐怖で身がすくむ。
「は~い、逆らう事は無駄って事が分かったね。それじゃ説明するよ。今から君たちは僕の世界で暮らしてもらいます。そこで君達の好きなガチャを今からしてもらいます。このガチャはその世界で有益に暮すためのスキルとか境遇とかが得られるので頑張ってくれよな」
綺麗な歯を見せてテセリウスが話してきた。さっきのオオグリ君のことがあったものだからクラスメイト達は青ざめて頷いている。従わないと怖いからな。
「ヒフミ、これって」
「ああ、異世界転移って奴だ」
俺とハジメはこういった小説を何個か読んでいる。今は異世界ブームだからな。バイブルみたいな物だ。
「じゃあ、異世界に行けるんだね。夢みたいだよ」
オオグリ君が殺されたのも忘れてハジメは目をキラキラさせている。全く呑気なもんだな。
「はいはい、どんどんガチャしていってね~」
テセリウスはめんどくさそうに先生が元居た所に移動して寝っ転がっている、教壇は残っているのでそこに寝ているわけだけど、体全部は乗っていない、完全に浮いているよな、あれ。
「よ~し。全員まわしたね」
全員まわし終わると大きな欠伸をしてテセリウスが話し出した。ガチャのカプセルが色んな色になっている。大体、7種類の色になっているな。因みに俺は赤でハジメは黒だ。
「色がそれぞれのレア度を表しています。下から白、黄色、緑、青、紫、赤」
お~やったぜ。一番いい赤だ。ん? 可笑しいなハジメの黒がない?
「あっちゃ~。黒を引いている子がいるね~。それはハズレだよ」
「ハズレ!?」
「ハズレは文字通りハズレさ。誰もいない森や平原に送られて生き抜くベリーハードモードだよ。残念だったね」
テセリウスはハジメの肩を叩いて話した。
「じゃあ、僕は一人で別世界に」
「そうだよ。だけど、みんなよりもいいスキルが手に入るかもよ」
ハジメは涙目だ。テセリウスの笑顔が何ともいやらしいな。
「ヒフミ~」
「ハジメ……」
藁にも縋る思いで俺を見つめてくるハジメ。
「お~君は赤だね。最高レアじゃないか~よかったね~。領民は豊富で能力値も多大。最高の暮らしが待っているよ」
最初から最強とかってゲームで一番つまらない物だよな。ベリーハードゲーム大好きの俺からしたら最低レアだよな。ハジメは最強好きだ、ここはハジメの代わりになってやるしかないか。生き残る力は俺の方があるしな。それに、唯一の親友だしな。
「ハジメ、代わってやるよ」
「えっ! でも...」
「大丈夫、俺はベリーハードゲー大好きだからな。本当に心配ならベリーイージーな生活で俺を探してくれ」
「ヒフミ……分かったよ。僕がベリーハードモードから救いに行くよ」
ハジメにカプセルを渡す。代わりの黒いカプセルを受け取るとハジメが泣き出してしまった。
「いいね~。友情とはこうじゃないとね。さっきのゴリラとは大違いだ。彼が死んでも涙する人はいなかったもんね。特別に交換は許すよ。その状況から上を目指す姿も見てみたいしね~」
オオグリ君の事を悪く言うテセリウス。それでも友達はいたはずだ。恐怖でそんなこと考えられないだけだと思うけどな。
「特別に最低レアの君は最初に送り込んであげよう。定期的に順位を知らせるから楽しみにしててね。その時の名前の欄が黒くなっていたら死んでいるって事だからね。ふふふ、楽しみだね~」
「勝手に!」
「じゃあ、いってらっしゃ~い」
「あ、この!」
テセリウスの合図と共に俺の視界が暗くなっていった。あの野郎いつか仕返ししてやる。
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