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4巻
4-3
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「【レッドドラゴン召喚】!」
「なっ!」
すぐにレッドドラゴンのジェムを使って召喚してみる。すると、アースドラゴンと同じように魂石が消えた。
『クウンクウン』
『ギャオギャオ~』
復活したレッドドラゴンは、アースドラゴンと頬をすり合わせて愛を確かめ合っている。なんと微笑ましい光景だろうか。
「こ、こんなことが……」
「信じられないと思うけど、僕にはこういうことができるんだよ。無駄な抵抗はやめたほうがいいと思うけどな~」
力のある者は、人々や魔物達を守ることだってできるはずだ。アザベルも力を持つのであれば、こういうことに使ってほしい。
「ふふ、ははは。なるほど、あなたはわたくし達レッドトライアイズを滅ぼしたのと同じ、異世界の勇者ということですか」
「確かに異世界から来たけど……僕は間違いで召喚された者だよ」
まあ、召喚されるはずだった本物がここに来ていたら、世界は滅んでいたかもしれないけどね。
あの泥棒少年がこちらに来ていたらと思うと、つくづく恐ろしいな。あんまり考えたくないけど、悪行の限りを尽くしていただろう。
「異世界から召喚されたと、正直に言ってしまっていいのですか? いずれにせよ、やはりあなたは勇者ということ。つまりはわたくしの敵だ!」
アザベルは頭を抱えて岩から立ち上がり、僕へと短剣を投げつけてきた。
「レン!」
ファラさんが心配して僕の名前を叫ぶ。
「大丈夫、避けるまでもないよ」
アザベルの放った短剣は、僕の手前で地面に落ちた。何が起こっているのかわからないといった様子で、アザベルは狼狽える。
「なっ! 何をした!」
「タネはわからないから面白いんだよ」
アザベルには教えなかったけど、実は素材〝最上の空気〟でカーテンみたいなものを作ったんだよね。それを被っていると、悪意のある魔法や攻撃を遮ることができるんだ。小さな結界といった感じかな。まだ試作品だからみんなには配っていないけど、今度みんなにもあげよう。
【最上の空気のカーテン】悪意のある攻撃や魔法を防ぐ。
「レンはやっぱり凄い。流石、私達のリーダーだね」
「そんなことはないよ。ファラのほうが凄いよ」
戦いの途中だけど、僕らはイチャイチャ。みんなのいない間に、イチャイチャするのだ。
そんな僕らの様子を窺いつつ、アザベルはこっそり自分の懐に手を伸ばして呟く。
「ここは一旦、逃げるしかな……」
「逃がさないよ~」
「ぐはっ‼」
しかし、クリアクリスはそれを見逃さない。すかさず豪快なドロップキックをかました。アザベルは少し離れたところまで吹っ飛ばされ、地面をゴロゴロ転がっていく。
「生きてるかな?」
「大丈夫だよ。手加減したから~」
流石に心配になったが、クリアクリスが無邪気に言った。いや、アニメのようにぶっ飛んだんだけど、本当に大丈夫なのかな……? 念のため、転がったまま動かないアザベルの顔を覗き込む。
「大丈夫そうだね。気絶してるけど」
ひとまず安心。
気絶したアザベルの体を持ち上げてアースドラゴンに乗せていると、ファラさんが声を上げた。
「レン、雪が降ってきたよ」
本当だ、目の前に白い雪がちらほら落ちてくる。ファラさんのほうを向くと、彼女は少し潤んだ瞳で空を眺めている。なんだか色っぽい。
少し恥ずかしくなりながら、ファラさんの隣に立って一緒に空を見上げた。
「もう、そんな季節なんだね」
「そうだね。ファラは寒くない?」
「少し寒いかも……」
「じゃあ、私が二人を温める!」
クリアクリスがすかさず僕とファラさんに飛びついてきて、二人一緒に温めてくれる。なんと可愛らしい子だろうか。
「ふふ、ありがと。クリアクリス」
僕は二人を抱き寄せて、その温かさを感じながらほっこりした。
もしこの幸せが理不尽に奪われたら、僕もアザベルのようになってしまうのかな。そうならないためにも、戦力増強待ったなしだ。
第三話 捕まえはしたけれど……
「コネコネっと。これで身動き取れないぞ」
アースドラゴンの背に乗って、僕はアザベルに手枷足枷を取りつけた。贅沢にもアースドラゴンの鱗を使った枷です。いっぱいあるから、遠慮なく使えるのだ。ちなみに性能はこんな感じ。
【アースドラゴンの鱗でできた足枷】STR-3000 VIT-4000 DEX-4000
AGI-5000 INT-4000 MND-4000
【アースドラゴンの鱗でできた手枷】STR-5000 VIT-4000 DEX-4000
AGI-3000 INT-4000 MND-4000
これじゃ、指一本動かせないだろうな。アザベルは魔法陣を使ってくるから、魔法系のステータスを弱化できるのは、かなりありがたい。
「さて、あとは地面に世界樹の枝を刺してっと」
ズボッと世界樹の枝を地面に刺す。これで、ワルキューレとも連絡を取れるはず。
『コヒナタさん』
「ワルキューレ、どうだい? 準備はできた?」
『はい、大丈夫です』
流石、ワルキューレだ。詳しい原理はわからないけど。
「ジャーブルの状況はどう?」
『レイティナ様からの要望で、既にルーラちゃんとイザベラちゃんを派遣したところです」
「ルーラちゃんとイザベラちゃんを?」
なんでその二人なんだろう?
『レイティナ様の話では、逃げたジャーブルの領主に代わる人物を早めに派遣してもらえるよう、ルーラちゃんに教会と王族の間を取り持ってもらいたいそうです。イザベラちゃんは、相談役だと言っていました』
なるほどなるほど、教会と王族の承認があれば、今後の統治がスムーズになるってことかな。
イザベラちゃんは、レイティナ様からの信頼も厚いみたいだ。そうだ、イザベラちゃんのお父さん――ベルティナンドさんは一緒じゃないのかな?
聞いてみると、ワルキューレは苦笑した。
『ベルティナンドさんも行きたいと言ったのですが、イザベラちゃんに断られていました』
「あ~、そうなんだ」
ベルティナンドさん、イザベラちゃんが優秀すぎて親としては寂しいだろうな。
『それと、一つご報告が』
「えっ、何?」
もしかして、また魔族が来たのかな?
『イザベラちゃんのお母様が到着しました。今、ベルティナンドさんとお話ししています』
「あっ、忘れてた……」
そういえば、ベルティナンドさんの話を聞いた後、遠くに住んでいたイザベラちゃんのお母さん――ブレラさんを呼び寄せたんだった。色々と立て込んでたから忘れていたよ。それにしても、随分早い到着だな?
「無事に来たんだな、良かった。予想より早かったけど」
『Aランクの冒険者が護衛を請け負ってくれたようです。ソロの冒険者で【疾風の風】とか名乗っていましたよ。馬上の戦闘を得意としているため、馬も高性能みたいです』
冒険者ギルドのギルドマスター、ライチさんに頼んで、白金貨一枚で依頼を出した甲斐があったね。
それにしても、【疾風の風】……頭痛が痛いみたいな使い方だね。面白い名前をつけるもんだ。
「あ、そうだ。ブレラさん、イザベラちゃんには会っちゃった?」
『いえ、イザベラちゃんとは入れ違いになったようです』
「おっ、ということは、サプライズできそうだね」
『はい!』
僕の言葉に、ワルキューレも弾んだ声を返す。
まあ、イザベラちゃんへのサプライズは一旦置いておくとして。
「とりあえず、アザベルをジャーブルの街に戻そうか」
枷をつけているとはいえ、アザベルみたいな危ない奴を、ピースピアの近くに連れていきたくない。アザベルには、ジャーブルの牢屋にいてもらうことにしよう。ピースピアにはリッチがいるから、安心ではあるんだけどね。
……ん? リッチ?
「ああ、そうか。リッチに来てもらえばいいのか」
死霊術士として最強のリッチをジャーブルに配置して、そこの牢屋にアザベルを入れることにしよう。リッチなら安心して任せられる。
「ドラゴン達を倒した時の素材をあげれば引き受けてくれそうだし、いけるな」
そうこうしているうちに、ワルキューレがこちら側に転移してきた。
「では、リッチもジャーブルに送りますか?」
「びっくりした……うん、そうしてもらおうかな」
アザベルも、気絶している間に完全包囲しておけば流石に諦めるでしょ。
ここからはドラゴンで戻るつもりだったけど、ワルキューレが来てくれたなら転移でいっか。
「おっと、転移の前にアースドラゴンとレッドドラゴンは戻ってね。みんなびっくりするから」
『ギャオギャオ』
『クウン』
二匹の従魔は、ありがとうと僕に囁いた。言葉がわかるわけじゃないけど、そう伝わってきたよ。
「おかえり」
「ただいま」
転移でアザベルの屋敷に戻ると、ルーファスさんが迎えてくれた。世界樹の枝を刺した、隠し通路の入り口あたりだ。
ルーファスさんは、僕の足元に転がって気絶したままのアザベルを見て言う。
「流石、レンだな。見事に捕まえてくれたか」
「まあね。でも、この人にも色々あったみたいで、一方的に悪と決めつけて始末しちゃうのは嫌だなと思って連れてきたんだ」
「そうか……」
ルーファスさんは複雑そうな顔をした。レッドトライアイズが滅んだ理由を考えると、僕の言うことをすぐに受け入れるのは難しいんだろう。もちろん僕も、すぐに理解してくれとは言わない。
「アザベルは手枷足枷を付けてるから心配ない。まずは僕からみんなに経緯を説明するよ」
「わかった。それが一番早いな」
ルーファスさんはみんなを集めると言って、すぐに階段を上っていった。
復讐なんてつまらないのにな、と思うけど、アザベルはわかっていないんだろうか。どうにかして改心させたいな。
「レン……」
不安そうに、僕の名前を呼ぶファラさん。
「ファラさん、心配いらないよ。この人はもう何もできない。怖がらなくて大丈夫だよ。僕もいるし、クリアクリスだって、それにみんなもいるんだから」
「うん、私が守ってあげる!」
「ふふ、そうだったね。私達には、レンやクリアクリスがいるんだった」
ファラさんは、僕らの言葉に安心したように微笑んだ。ファラさんだって強いんだから大丈夫だよ。これから、さらに強い装備も作るしね。
「じゃあ行こう、ファラさん」
「うん!」
「私も~」
僕はファラさんの手を取って、階段を上り始めた。アザベルはワルキューレが担いでくれている。
アザベルがこれからの話し合いで、心を改めてくれればいいんだけどな。
「……というわけなんだ」
とりあえず、僕はみんなにアザベルの過去の話をした。こうして彼の境遇を知ってもらって、色々と判断してもらおうと思ったんだ。
ここは、アザベルの屋敷で一番大きな部屋。ソファーとテーブルを人数分用意して、みんなで向かい合わせに座っている。アザベルは少し離れたところのソファーに寝かせた。
僕がみんなの反応を見ていると、エイハブさんが口を開いた。
「レンは流石だな」
「えっ、何が?」
「気付いてたんだろ? アザベルには何か事情があるって」
「……」
エイハブさんの質問に、僕は無言で返す。
僕は最初、疑問に思ったんだ。
レイティナ様はジャーブルの街の腐敗が許せなかったようだけど、市場の人々の様子からは、それほど街が腐敗しているようには見えなかった。
それに、なぜアザベルがわざわざ領主に成り代わったのか。人族に恨みがあってただ復讐したいなら、わざわざ領主になる必要はない。
行商のルーシーさんが乗っていた馬車を襲った時も、単純に時間稼ぎのためでしかなかった。
アザベルはブザクほどの悪行を働いていないし、不特定多数の人間を殺そうとしているわけでもないように見える。
僕がその推測について話そうとすると、アザベルがそれを遮った。
「事情など、何もありませんよ……」
やっと起きたみたいだね。
「すまないが、起こしてくれませんか? 指一本動かせない」
アザベルはソファーに横たわったまま、口以外は動かせないようだ。アースドラゴンの鱗を使った装備だからね、まあ普通は無理だよな~。
「俺が起こしてやるよ」
ルーファスさんがそう言って、アザベルに近づいていく。殺意ダダ漏れだけど、紳士だから大丈夫だよね、ルーファスさん?
ルーファスさんはアザベルに向かって手を伸ばし、なぜか彼の顔を持ち上げた。逆の手には、これまたなぜかトマトが握られていて……べちゃっとアザベルの顔が赤く染められる。
「おっと~、トマトを持ったままだった、すまないな」
「……いや、ちょうどトマトが食べたかったんだ。ありがとう」
アザベルの顔面で潰されたトマト。あんまり、仕返しでヒートアップしないでほしいんだけど。
仕方ないので僕がトマトまみれの顔を拭いてあげて、改めてアザベルの話を聞くことにする。
「わたくしがここに来たのは、一年と少し前です。この街のスラムは今以上に広く、街の半分に及んでいました。領主に成り代わったのは、そのほうが都合が良いこともあるだろうと思ったからです。もっとも、スラムを整備したのはただの気まぐれですが」
ということは、アザベルが来てからスラムは縮小したのか。
でも、それならなんでレイティナ様に言わなかったんだ?
僕と同じことを考えたようで、レイティナ様が声を荒らげた。
「あなたが改善させたというのなら、なぜあの時、そう言わなかったの? あなたは、裕福な者達の声だけを聞いていたんでしょう? 私の意見に耳を傾けず、さらなる改善を断ったのはなぜ⁉」
「やはり幼稚ですね。一度にすべてを変えることはできないし、そんなことをすれば混乱を生む。貧しい者達を優先し、そこで裕福な者達との軋轢が生まれたらどうしますか?」
確かに、アザベルの言うことにも一理ある。
一度にすべてを変えようとしたら、反対する人が暴れ出すかもね。それに今回の場合、反対するのはお金持ちや武力を持った人だろう。慎重にやらないと、めんどくさいことになりそうだ。
「私は別に、すべてを変えようとしたわけじゃ……」
「だがあなたは、王家の紋章まで持ち出して命じたでしょう? そのような言い訳、王族として恥ずかしくないんですか」
アザベルの反論に、涙目になるレイティナ様。
「……これから、この街をどうするつもり?」
「どうもしない」
ファラさんの質問に、アザベルはぷいとそっぽを向いて答える。
するとエイハブが強い口調で畳みかけた。
「お前の過去は聞いた。人族に恨みがあるんだろ? それなのに、どうもしないってのはどういうことだ。お前はこれから、どうするつもりなんだ?」
「恨みはあります。それを隠すつもりもない。今でもわたくしは、君達――人族を燃やし尽くしてやりたいと思っていますよ」
三つの目をギラギラと赤黒く輝かせて、そう言い切るアザベル。剥き出しの殺意が僕らに向けられている。僕は尋ねた。
「君は復讐を続けるの?」
「……街を襲うつもりはない。差し当たって、今は……」
「今は、か……」
家族を理不尽に奪われて、その仇を取れていないのに、復讐の火が消えるわけないよな。
たとえ仇が取れても、それで気が済むとは限らない。その時になってみないとわからないだろうね。
アザベルの真意はまだわからないけど、ただの腐った奴だとはどうしても思えない。もう少し、アザベルと話す時間が必要だろう。
「とにかく、これからこの街は、レイティナ様とイザベラちゃん主導で手を加えていく。それにはルーラちゃんの協力も必要なんだ。頼むね」
「先ほど教会へ行って、今後の話をしてきた。教会も全面的に協力するのじゃ」
この街にも、星光教会がある。
ワルキューレと一緒に開発した、世界樹の雫を用いた武器、ワールド・ウォータースプラッシュのおかげで、悪意のある人々の力が弱まっている。
教会からも、簡単に協力を得られるだろう。これなら、スラムの問題が改善するのも時間の問題だね。
「……教会も味方につけているのですか」
「つけたつもりはないんだけどね」
アザベルが唖然とした表情で言った。
僕は別に味方につけようと思ってないんだけど、いつの間にかそうなっちゃってるんだよね。
「レンはとても凄い人だから、みんな集まってくるんだよ」
「お兄ちゃんはすご~いの」
ファラさんとクリアクリスがそう言って、僕を見つめる。クリアクリスは大きくバンザイをしていて、元気いっぱいだ。
スキルは確かに凄いかもね。でも僕自身は、う~ん、いつまでもただの優柔不断な男ですよ。
「……では、この街はあなた達に任せますよ。自由にしてください。せっかくですから、わたくしも、少し手を貸してあげましょう。巨人の手をね。勝てたら、有利に事を進められるはずですよ」
「言われなくても自由にするよ……って巨人? あらら……」
巨人の手って何? と聞こうとしたところで、彼の顔がみるみる変化していった。
皮膚がただれて、見るも無残な姿に変わっていく。その体からも、たくさんの虫が這い出てきた。
どうやらアザベルは、いつの間にか影武者を作り出して操っていたようだ。ようやく捕まえたと思ったけど、偽物だったなんて。
「リッチ」
「ああ、わかっている」
中身の抜けたアザベルの体を、すぐにリッチに操らせる。見るも無残なアザベルの体は、リッチの力で立ち上がった。
「痕跡があるのは北東……方角しかわからないな」
生ける屍といった体から、何かを読み取っているらしいリッチが方角を示した。それがわかるだけでも優秀だ。
「そういえば、さっき奴が逃げていたのも北東の方角だね」
目的もなく逃げていると思ってたけど、何かあるのかもな。
その時突然、地面が揺れ始めた。
「ん? 地震?」
「キャ~~‼」
「何だあれは~~!」
揺れが続く中、屋敷の外からけたたましい叫び声が聞こえてきた。地揺れに驚いているというわけでもなさそうだ。その恐怖におののく声に、僕らはすぐに外へと走り出した。
「レン、あれ!」
「うわ~……」
みんなで屋敷から飛び出すと、驚くほど大きな巨人の姿が見えた。
急いで街の城壁から外へ出ると、巨人は街を目指して歩いてきている。
アザベルの言ってた〝巨人の手〟って、あれのことか。勝てたら有利に事を進められるっていうのは、まさかあれを倒して街を守れたら、住民の支持が得られるっていう意味?
「なっ!」
すぐにレッドドラゴンのジェムを使って召喚してみる。すると、アースドラゴンと同じように魂石が消えた。
『クウンクウン』
『ギャオギャオ~』
復活したレッドドラゴンは、アースドラゴンと頬をすり合わせて愛を確かめ合っている。なんと微笑ましい光景だろうか。
「こ、こんなことが……」
「信じられないと思うけど、僕にはこういうことができるんだよ。無駄な抵抗はやめたほうがいいと思うけどな~」
力のある者は、人々や魔物達を守ることだってできるはずだ。アザベルも力を持つのであれば、こういうことに使ってほしい。
「ふふ、ははは。なるほど、あなたはわたくし達レッドトライアイズを滅ぼしたのと同じ、異世界の勇者ということですか」
「確かに異世界から来たけど……僕は間違いで召喚された者だよ」
まあ、召喚されるはずだった本物がここに来ていたら、世界は滅んでいたかもしれないけどね。
あの泥棒少年がこちらに来ていたらと思うと、つくづく恐ろしいな。あんまり考えたくないけど、悪行の限りを尽くしていただろう。
「異世界から召喚されたと、正直に言ってしまっていいのですか? いずれにせよ、やはりあなたは勇者ということ。つまりはわたくしの敵だ!」
アザベルは頭を抱えて岩から立ち上がり、僕へと短剣を投げつけてきた。
「レン!」
ファラさんが心配して僕の名前を叫ぶ。
「大丈夫、避けるまでもないよ」
アザベルの放った短剣は、僕の手前で地面に落ちた。何が起こっているのかわからないといった様子で、アザベルは狼狽える。
「なっ! 何をした!」
「タネはわからないから面白いんだよ」
アザベルには教えなかったけど、実は素材〝最上の空気〟でカーテンみたいなものを作ったんだよね。それを被っていると、悪意のある魔法や攻撃を遮ることができるんだ。小さな結界といった感じかな。まだ試作品だからみんなには配っていないけど、今度みんなにもあげよう。
【最上の空気のカーテン】悪意のある攻撃や魔法を防ぐ。
「レンはやっぱり凄い。流石、私達のリーダーだね」
「そんなことはないよ。ファラのほうが凄いよ」
戦いの途中だけど、僕らはイチャイチャ。みんなのいない間に、イチャイチャするのだ。
そんな僕らの様子を窺いつつ、アザベルはこっそり自分の懐に手を伸ばして呟く。
「ここは一旦、逃げるしかな……」
「逃がさないよ~」
「ぐはっ‼」
しかし、クリアクリスはそれを見逃さない。すかさず豪快なドロップキックをかました。アザベルは少し離れたところまで吹っ飛ばされ、地面をゴロゴロ転がっていく。
「生きてるかな?」
「大丈夫だよ。手加減したから~」
流石に心配になったが、クリアクリスが無邪気に言った。いや、アニメのようにぶっ飛んだんだけど、本当に大丈夫なのかな……? 念のため、転がったまま動かないアザベルの顔を覗き込む。
「大丈夫そうだね。気絶してるけど」
ひとまず安心。
気絶したアザベルの体を持ち上げてアースドラゴンに乗せていると、ファラさんが声を上げた。
「レン、雪が降ってきたよ」
本当だ、目の前に白い雪がちらほら落ちてくる。ファラさんのほうを向くと、彼女は少し潤んだ瞳で空を眺めている。なんだか色っぽい。
少し恥ずかしくなりながら、ファラさんの隣に立って一緒に空を見上げた。
「もう、そんな季節なんだね」
「そうだね。ファラは寒くない?」
「少し寒いかも……」
「じゃあ、私が二人を温める!」
クリアクリスがすかさず僕とファラさんに飛びついてきて、二人一緒に温めてくれる。なんと可愛らしい子だろうか。
「ふふ、ありがと。クリアクリス」
僕は二人を抱き寄せて、その温かさを感じながらほっこりした。
もしこの幸せが理不尽に奪われたら、僕もアザベルのようになってしまうのかな。そうならないためにも、戦力増強待ったなしだ。
第三話 捕まえはしたけれど……
「コネコネっと。これで身動き取れないぞ」
アースドラゴンの背に乗って、僕はアザベルに手枷足枷を取りつけた。贅沢にもアースドラゴンの鱗を使った枷です。いっぱいあるから、遠慮なく使えるのだ。ちなみに性能はこんな感じ。
【アースドラゴンの鱗でできた足枷】STR-3000 VIT-4000 DEX-4000
AGI-5000 INT-4000 MND-4000
【アースドラゴンの鱗でできた手枷】STR-5000 VIT-4000 DEX-4000
AGI-3000 INT-4000 MND-4000
これじゃ、指一本動かせないだろうな。アザベルは魔法陣を使ってくるから、魔法系のステータスを弱化できるのは、かなりありがたい。
「さて、あとは地面に世界樹の枝を刺してっと」
ズボッと世界樹の枝を地面に刺す。これで、ワルキューレとも連絡を取れるはず。
『コヒナタさん』
「ワルキューレ、どうだい? 準備はできた?」
『はい、大丈夫です』
流石、ワルキューレだ。詳しい原理はわからないけど。
「ジャーブルの状況はどう?」
『レイティナ様からの要望で、既にルーラちゃんとイザベラちゃんを派遣したところです」
「ルーラちゃんとイザベラちゃんを?」
なんでその二人なんだろう?
『レイティナ様の話では、逃げたジャーブルの領主に代わる人物を早めに派遣してもらえるよう、ルーラちゃんに教会と王族の間を取り持ってもらいたいそうです。イザベラちゃんは、相談役だと言っていました』
なるほどなるほど、教会と王族の承認があれば、今後の統治がスムーズになるってことかな。
イザベラちゃんは、レイティナ様からの信頼も厚いみたいだ。そうだ、イザベラちゃんのお父さん――ベルティナンドさんは一緒じゃないのかな?
聞いてみると、ワルキューレは苦笑した。
『ベルティナンドさんも行きたいと言ったのですが、イザベラちゃんに断られていました』
「あ~、そうなんだ」
ベルティナンドさん、イザベラちゃんが優秀すぎて親としては寂しいだろうな。
『それと、一つご報告が』
「えっ、何?」
もしかして、また魔族が来たのかな?
『イザベラちゃんのお母様が到着しました。今、ベルティナンドさんとお話ししています』
「あっ、忘れてた……」
そういえば、ベルティナンドさんの話を聞いた後、遠くに住んでいたイザベラちゃんのお母さん――ブレラさんを呼び寄せたんだった。色々と立て込んでたから忘れていたよ。それにしても、随分早い到着だな?
「無事に来たんだな、良かった。予想より早かったけど」
『Aランクの冒険者が護衛を請け負ってくれたようです。ソロの冒険者で【疾風の風】とか名乗っていましたよ。馬上の戦闘を得意としているため、馬も高性能みたいです』
冒険者ギルドのギルドマスター、ライチさんに頼んで、白金貨一枚で依頼を出した甲斐があったね。
それにしても、【疾風の風】……頭痛が痛いみたいな使い方だね。面白い名前をつけるもんだ。
「あ、そうだ。ブレラさん、イザベラちゃんには会っちゃった?」
『いえ、イザベラちゃんとは入れ違いになったようです』
「おっ、ということは、サプライズできそうだね」
『はい!』
僕の言葉に、ワルキューレも弾んだ声を返す。
まあ、イザベラちゃんへのサプライズは一旦置いておくとして。
「とりあえず、アザベルをジャーブルの街に戻そうか」
枷をつけているとはいえ、アザベルみたいな危ない奴を、ピースピアの近くに連れていきたくない。アザベルには、ジャーブルの牢屋にいてもらうことにしよう。ピースピアにはリッチがいるから、安心ではあるんだけどね。
……ん? リッチ?
「ああ、そうか。リッチに来てもらえばいいのか」
死霊術士として最強のリッチをジャーブルに配置して、そこの牢屋にアザベルを入れることにしよう。リッチなら安心して任せられる。
「ドラゴン達を倒した時の素材をあげれば引き受けてくれそうだし、いけるな」
そうこうしているうちに、ワルキューレがこちら側に転移してきた。
「では、リッチもジャーブルに送りますか?」
「びっくりした……うん、そうしてもらおうかな」
アザベルも、気絶している間に完全包囲しておけば流石に諦めるでしょ。
ここからはドラゴンで戻るつもりだったけど、ワルキューレが来てくれたなら転移でいっか。
「おっと、転移の前にアースドラゴンとレッドドラゴンは戻ってね。みんなびっくりするから」
『ギャオギャオ』
『クウン』
二匹の従魔は、ありがとうと僕に囁いた。言葉がわかるわけじゃないけど、そう伝わってきたよ。
「おかえり」
「ただいま」
転移でアザベルの屋敷に戻ると、ルーファスさんが迎えてくれた。世界樹の枝を刺した、隠し通路の入り口あたりだ。
ルーファスさんは、僕の足元に転がって気絶したままのアザベルを見て言う。
「流石、レンだな。見事に捕まえてくれたか」
「まあね。でも、この人にも色々あったみたいで、一方的に悪と決めつけて始末しちゃうのは嫌だなと思って連れてきたんだ」
「そうか……」
ルーファスさんは複雑そうな顔をした。レッドトライアイズが滅んだ理由を考えると、僕の言うことをすぐに受け入れるのは難しいんだろう。もちろん僕も、すぐに理解してくれとは言わない。
「アザベルは手枷足枷を付けてるから心配ない。まずは僕からみんなに経緯を説明するよ」
「わかった。それが一番早いな」
ルーファスさんはみんなを集めると言って、すぐに階段を上っていった。
復讐なんてつまらないのにな、と思うけど、アザベルはわかっていないんだろうか。どうにかして改心させたいな。
「レン……」
不安そうに、僕の名前を呼ぶファラさん。
「ファラさん、心配いらないよ。この人はもう何もできない。怖がらなくて大丈夫だよ。僕もいるし、クリアクリスだって、それにみんなもいるんだから」
「うん、私が守ってあげる!」
「ふふ、そうだったね。私達には、レンやクリアクリスがいるんだった」
ファラさんは、僕らの言葉に安心したように微笑んだ。ファラさんだって強いんだから大丈夫だよ。これから、さらに強い装備も作るしね。
「じゃあ行こう、ファラさん」
「うん!」
「私も~」
僕はファラさんの手を取って、階段を上り始めた。アザベルはワルキューレが担いでくれている。
アザベルがこれからの話し合いで、心を改めてくれればいいんだけどな。
「……というわけなんだ」
とりあえず、僕はみんなにアザベルの過去の話をした。こうして彼の境遇を知ってもらって、色々と判断してもらおうと思ったんだ。
ここは、アザベルの屋敷で一番大きな部屋。ソファーとテーブルを人数分用意して、みんなで向かい合わせに座っている。アザベルは少し離れたところのソファーに寝かせた。
僕がみんなの反応を見ていると、エイハブさんが口を開いた。
「レンは流石だな」
「えっ、何が?」
「気付いてたんだろ? アザベルには何か事情があるって」
「……」
エイハブさんの質問に、僕は無言で返す。
僕は最初、疑問に思ったんだ。
レイティナ様はジャーブルの街の腐敗が許せなかったようだけど、市場の人々の様子からは、それほど街が腐敗しているようには見えなかった。
それに、なぜアザベルがわざわざ領主に成り代わったのか。人族に恨みがあってただ復讐したいなら、わざわざ領主になる必要はない。
行商のルーシーさんが乗っていた馬車を襲った時も、単純に時間稼ぎのためでしかなかった。
アザベルはブザクほどの悪行を働いていないし、不特定多数の人間を殺そうとしているわけでもないように見える。
僕がその推測について話そうとすると、アザベルがそれを遮った。
「事情など、何もありませんよ……」
やっと起きたみたいだね。
「すまないが、起こしてくれませんか? 指一本動かせない」
アザベルはソファーに横たわったまま、口以外は動かせないようだ。アースドラゴンの鱗を使った装備だからね、まあ普通は無理だよな~。
「俺が起こしてやるよ」
ルーファスさんがそう言って、アザベルに近づいていく。殺意ダダ漏れだけど、紳士だから大丈夫だよね、ルーファスさん?
ルーファスさんはアザベルに向かって手を伸ばし、なぜか彼の顔を持ち上げた。逆の手には、これまたなぜかトマトが握られていて……べちゃっとアザベルの顔が赤く染められる。
「おっと~、トマトを持ったままだった、すまないな」
「……いや、ちょうどトマトが食べたかったんだ。ありがとう」
アザベルの顔面で潰されたトマト。あんまり、仕返しでヒートアップしないでほしいんだけど。
仕方ないので僕がトマトまみれの顔を拭いてあげて、改めてアザベルの話を聞くことにする。
「わたくしがここに来たのは、一年と少し前です。この街のスラムは今以上に広く、街の半分に及んでいました。領主に成り代わったのは、そのほうが都合が良いこともあるだろうと思ったからです。もっとも、スラムを整備したのはただの気まぐれですが」
ということは、アザベルが来てからスラムは縮小したのか。
でも、それならなんでレイティナ様に言わなかったんだ?
僕と同じことを考えたようで、レイティナ様が声を荒らげた。
「あなたが改善させたというのなら、なぜあの時、そう言わなかったの? あなたは、裕福な者達の声だけを聞いていたんでしょう? 私の意見に耳を傾けず、さらなる改善を断ったのはなぜ⁉」
「やはり幼稚ですね。一度にすべてを変えることはできないし、そんなことをすれば混乱を生む。貧しい者達を優先し、そこで裕福な者達との軋轢が生まれたらどうしますか?」
確かに、アザベルの言うことにも一理ある。
一度にすべてを変えようとしたら、反対する人が暴れ出すかもね。それに今回の場合、反対するのはお金持ちや武力を持った人だろう。慎重にやらないと、めんどくさいことになりそうだ。
「私は別に、すべてを変えようとしたわけじゃ……」
「だがあなたは、王家の紋章まで持ち出して命じたでしょう? そのような言い訳、王族として恥ずかしくないんですか」
アザベルの反論に、涙目になるレイティナ様。
「……これから、この街をどうするつもり?」
「どうもしない」
ファラさんの質問に、アザベルはぷいとそっぽを向いて答える。
するとエイハブが強い口調で畳みかけた。
「お前の過去は聞いた。人族に恨みがあるんだろ? それなのに、どうもしないってのはどういうことだ。お前はこれから、どうするつもりなんだ?」
「恨みはあります。それを隠すつもりもない。今でもわたくしは、君達――人族を燃やし尽くしてやりたいと思っていますよ」
三つの目をギラギラと赤黒く輝かせて、そう言い切るアザベル。剥き出しの殺意が僕らに向けられている。僕は尋ねた。
「君は復讐を続けるの?」
「……街を襲うつもりはない。差し当たって、今は……」
「今は、か……」
家族を理不尽に奪われて、その仇を取れていないのに、復讐の火が消えるわけないよな。
たとえ仇が取れても、それで気が済むとは限らない。その時になってみないとわからないだろうね。
アザベルの真意はまだわからないけど、ただの腐った奴だとはどうしても思えない。もう少し、アザベルと話す時間が必要だろう。
「とにかく、これからこの街は、レイティナ様とイザベラちゃん主導で手を加えていく。それにはルーラちゃんの協力も必要なんだ。頼むね」
「先ほど教会へ行って、今後の話をしてきた。教会も全面的に協力するのじゃ」
この街にも、星光教会がある。
ワルキューレと一緒に開発した、世界樹の雫を用いた武器、ワールド・ウォータースプラッシュのおかげで、悪意のある人々の力が弱まっている。
教会からも、簡単に協力を得られるだろう。これなら、スラムの問題が改善するのも時間の問題だね。
「……教会も味方につけているのですか」
「つけたつもりはないんだけどね」
アザベルが唖然とした表情で言った。
僕は別に味方につけようと思ってないんだけど、いつの間にかそうなっちゃってるんだよね。
「レンはとても凄い人だから、みんな集まってくるんだよ」
「お兄ちゃんはすご~いの」
ファラさんとクリアクリスがそう言って、僕を見つめる。クリアクリスは大きくバンザイをしていて、元気いっぱいだ。
スキルは確かに凄いかもね。でも僕自身は、う~ん、いつまでもただの優柔不断な男ですよ。
「……では、この街はあなた達に任せますよ。自由にしてください。せっかくですから、わたくしも、少し手を貸してあげましょう。巨人の手をね。勝てたら、有利に事を進められるはずですよ」
「言われなくても自由にするよ……って巨人? あらら……」
巨人の手って何? と聞こうとしたところで、彼の顔がみるみる変化していった。
皮膚がただれて、見るも無残な姿に変わっていく。その体からも、たくさんの虫が這い出てきた。
どうやらアザベルは、いつの間にか影武者を作り出して操っていたようだ。ようやく捕まえたと思ったけど、偽物だったなんて。
「リッチ」
「ああ、わかっている」
中身の抜けたアザベルの体を、すぐにリッチに操らせる。見るも無残なアザベルの体は、リッチの力で立ち上がった。
「痕跡があるのは北東……方角しかわからないな」
生ける屍といった体から、何かを読み取っているらしいリッチが方角を示した。それがわかるだけでも優秀だ。
「そういえば、さっき奴が逃げていたのも北東の方角だね」
目的もなく逃げていると思ってたけど、何かあるのかもな。
その時突然、地面が揺れ始めた。
「ん? 地震?」
「キャ~~‼」
「何だあれは~~!」
揺れが続く中、屋敷の外からけたたましい叫び声が聞こえてきた。地揺れに驚いているというわけでもなさそうだ。その恐怖におののく声に、僕らはすぐに外へと走り出した。
「レン、あれ!」
「うわ~……」
みんなで屋敷から飛び出すと、驚くほど大きな巨人の姿が見えた。
急いで街の城壁から外へ出ると、巨人は街を目指して歩いてきている。
アザベルの言ってた〝巨人の手〟って、あれのことか。勝てたら有利に事を進められるっていうのは、まさかあれを倒して街を守れたら、住民の支持が得られるっていう意味?
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二巻書籍化が決定しました一部ウェブ版とは変わっていますまた、新しい場面を追加しているのでよかったら手に取ってやってください定価1,200円+税となっておりますよろしくお願いします
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