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第1章 新たな始まり
第9話 新たな仲間ウィド
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「お前は親分になっても悪さをやめなかったってことだな?」
「ああ。強い奴と戦えると思ったしな。まあ、予想以上に強い奴があらわれちまったが」
ウィドを捕まえて帰ってくると離れの小屋で尋問を始めるレッグス。
今回の村の事件の話もすると確かに仲間の盗賊がしたと証言する。嘘は言わないみたいだ。
「もうアキラ。こんなところにいたのね。子供が見るものじゃないって言ってるでしょ」
「バブ……」
エミが僕を見つけると抱き上げて家に帰る。ウィドの話を聞きたいんだけどな。
「ふう……」
悩んでいるとレッグスが小屋から出てくる。
疲れた様子の彼、それもそのはず寝る時間だもんな~。
「さてどうするか……」
「レグルスエイドに連行するの?」
レッグスの呟きにエミが声をあげる。すると彼は僕と一緒にエミを抱きしめる。
「ウィドはアキラを気に入ったらしくてな。悪いことはしないから兵士としておいてほしいと言ってきた」
「はぁ!? そんなの許せるはずないじゃない」
レッグスの声にエミが憤りを露わにする。ウィドのやつ、そんなこと言ってるのか。自分が何をしたのかわかってるのか?
「俺も許せない。だから奴隷契約をしようと思う。こういう時のために村には【隷属の首輪】があるんだからな」
奴隷契約? レッグスの声に首をかしげる。
「アキラに変な影響があると困るわ……」
「わかってるよ。村の入り口を守るようにさせるさ。アキラには近づけないようにもする。お前も知ってるだろ? 奴隷契約は主人の設定ができて主人の命令の制限を受けるって」
心配するエミにレッグスが答える。
なるほど、奴隷契約ってそんなことが出来るのか。
「よう! アキラ!」
それから二日ほどが経つ。気さくに声をかけてくるウィド。今は村の仕事をこなすおじさんとなった。だけど、僕を抱き上げてくれてるエミはいい顔をしていない。
「ちょっと声もかけないで! レッグス!」
「あ~、すまんすまんエミ、アキラ。ウィド、村の外に魔物がいる。退治しに行くぞ」
エミが声を荒らげるとレッグスがすぐに飛んできて彼を連れていく。
村の代表だったあの女性がいなくなってしまったからレッグスが代表になったんだよな。
仕事が増えて大変みたいだけど、ウィドが役に立っていて助かってるみたいだ。彼は取り入るのがうまいのかもしれないな。盗賊の親分になっていたわけだしね。
「はぁ、なんであんな人。奴隷にしても自由に村を歩いて……。アキラ、あの人と話しちゃだめよ。いいわね?」
「ば、バブ……」
エミが怖い顔で言ってくる。まあ僕はウィドと話すことはない。
もう少し大きくなったら話すこともあるだろうけどね。なんせ僕はまだ言葉を話せないから。
「お~い、魔石持ってきたぞ~。使うだろ?」
そう思っていたらウィドが警備から帰ってきて家にやってきた。彼の家は町の中央の家になったはずなんだけどな。
それでも魔石はまだまだほしい。召喚を使って帰れる可能性は見つけているからね。
「今日はコボルトとオークが出てきた。俺が仕留めたのはコボルト。お前のお父さんがオークを仕留めた。ほんとレッグスは強いな」
ニッコリと爽やかに笑みを浮かべるウィド。家には上がらずに魔石だけを僕に差し出してくる。
エミが睨みつけているけど、彼はそんな彼女にも笑顔を向けてくる。そんな彼にエミは優しいから、いつまでも嫌うことはできないんだろうな。
「じゃあ、またなアキラ」
ウィドはそう言って爽やかに去っていく。カッコいいな。
これで魔石が4つ、といっても黒い世界に入る方法と地球に帰る方法はわかってない。とにかく本を読み進める必要があるな。
「バブ……」
「あら? また読書?」
本を持ってきてドサッと床に置く。するとエミが嬉しそうに眺めて台所で料理を始める。いい匂いが漂う中、召喚についての記述を読む。
「バブバブ」
召喚魔法は属性魔法に属さない。
召喚を行うと、黒い世界から魔物が現れる。それを【従魔】と呼び従わせる。ここまでは知ってるな。
黒き世界、【魔界】はこちらの世界に魔石を降らせている世界と言われている。【光生教会】はそれを敵とみなしている。
【魔界】に入る方法は死ぬことと言われている。召喚魔法は死んだ者も召喚できると言われているが実証した者はいない。……天国や地獄のようなものってことか。
でも、それじゃ僕は死なないと帰れない?
「アキラ~、ご飯よ~」
「バブ!?」
エミはそう言って抱き上げてくる。まだまだ乳離れできない僕は仕方なくお乳をもらう。恥ずかしいんだよな~。
「バブ……、ゲフッ」
食事を終えてゲップを元気よく吐く。そして、召喚魔法についての記述に視線を落とす。
【魔界】と反対の世界【天界】からも召喚は行える。魔石を複数集め、魔石を溶かすことが出来れば魔物を融合させられる。融合したことで強力なものを呼び出すことができるのだ。
その中には天使も含まれている。天使は強力な魔法を保有……。こんなことを調べているわけじゃないんだけどな。
【魔界】についての話から脱線してしまって意気消沈。僕は帰れるのだろうか。
「ああ。強い奴と戦えると思ったしな。まあ、予想以上に強い奴があらわれちまったが」
ウィドを捕まえて帰ってくると離れの小屋で尋問を始めるレッグス。
今回の村の事件の話もすると確かに仲間の盗賊がしたと証言する。嘘は言わないみたいだ。
「もうアキラ。こんなところにいたのね。子供が見るものじゃないって言ってるでしょ」
「バブ……」
エミが僕を見つけると抱き上げて家に帰る。ウィドの話を聞きたいんだけどな。
「ふう……」
悩んでいるとレッグスが小屋から出てくる。
疲れた様子の彼、それもそのはず寝る時間だもんな~。
「さてどうするか……」
「レグルスエイドに連行するの?」
レッグスの呟きにエミが声をあげる。すると彼は僕と一緒にエミを抱きしめる。
「ウィドはアキラを気に入ったらしくてな。悪いことはしないから兵士としておいてほしいと言ってきた」
「はぁ!? そんなの許せるはずないじゃない」
レッグスの声にエミが憤りを露わにする。ウィドのやつ、そんなこと言ってるのか。自分が何をしたのかわかってるのか?
「俺も許せない。だから奴隷契約をしようと思う。こういう時のために村には【隷属の首輪】があるんだからな」
奴隷契約? レッグスの声に首をかしげる。
「アキラに変な影響があると困るわ……」
「わかってるよ。村の入り口を守るようにさせるさ。アキラには近づけないようにもする。お前も知ってるだろ? 奴隷契約は主人の設定ができて主人の命令の制限を受けるって」
心配するエミにレッグスが答える。
なるほど、奴隷契約ってそんなことが出来るのか。
「よう! アキラ!」
それから二日ほどが経つ。気さくに声をかけてくるウィド。今は村の仕事をこなすおじさんとなった。だけど、僕を抱き上げてくれてるエミはいい顔をしていない。
「ちょっと声もかけないで! レッグス!」
「あ~、すまんすまんエミ、アキラ。ウィド、村の外に魔物がいる。退治しに行くぞ」
エミが声を荒らげるとレッグスがすぐに飛んできて彼を連れていく。
村の代表だったあの女性がいなくなってしまったからレッグスが代表になったんだよな。
仕事が増えて大変みたいだけど、ウィドが役に立っていて助かってるみたいだ。彼は取り入るのがうまいのかもしれないな。盗賊の親分になっていたわけだしね。
「はぁ、なんであんな人。奴隷にしても自由に村を歩いて……。アキラ、あの人と話しちゃだめよ。いいわね?」
「ば、バブ……」
エミが怖い顔で言ってくる。まあ僕はウィドと話すことはない。
もう少し大きくなったら話すこともあるだろうけどね。なんせ僕はまだ言葉を話せないから。
「お~い、魔石持ってきたぞ~。使うだろ?」
そう思っていたらウィドが警備から帰ってきて家にやってきた。彼の家は町の中央の家になったはずなんだけどな。
それでも魔石はまだまだほしい。召喚を使って帰れる可能性は見つけているからね。
「今日はコボルトとオークが出てきた。俺が仕留めたのはコボルト。お前のお父さんがオークを仕留めた。ほんとレッグスは強いな」
ニッコリと爽やかに笑みを浮かべるウィド。家には上がらずに魔石だけを僕に差し出してくる。
エミが睨みつけているけど、彼はそんな彼女にも笑顔を向けてくる。そんな彼にエミは優しいから、いつまでも嫌うことはできないんだろうな。
「じゃあ、またなアキラ」
ウィドはそう言って爽やかに去っていく。カッコいいな。
これで魔石が4つ、といっても黒い世界に入る方法と地球に帰る方法はわかってない。とにかく本を読み進める必要があるな。
「バブ……」
「あら? また読書?」
本を持ってきてドサッと床に置く。するとエミが嬉しそうに眺めて台所で料理を始める。いい匂いが漂う中、召喚についての記述を読む。
「バブバブ」
召喚魔法は属性魔法に属さない。
召喚を行うと、黒い世界から魔物が現れる。それを【従魔】と呼び従わせる。ここまでは知ってるな。
黒き世界、【魔界】はこちらの世界に魔石を降らせている世界と言われている。【光生教会】はそれを敵とみなしている。
【魔界】に入る方法は死ぬことと言われている。召喚魔法は死んだ者も召喚できると言われているが実証した者はいない。……天国や地獄のようなものってことか。
でも、それじゃ僕は死なないと帰れない?
「アキラ~、ご飯よ~」
「バブ!?」
エミはそう言って抱き上げてくる。まだまだ乳離れできない僕は仕方なくお乳をもらう。恥ずかしいんだよな~。
「バブ……、ゲフッ」
食事を終えてゲップを元気よく吐く。そして、召喚魔法についての記述に視線を落とす。
【魔界】と反対の世界【天界】からも召喚は行える。魔石を複数集め、魔石を溶かすことが出来れば魔物を融合させられる。融合したことで強力なものを呼び出すことができるのだ。
その中には天使も含まれている。天使は強力な魔法を保有……。こんなことを調べているわけじゃないんだけどな。
【魔界】についての話から脱線してしまって意気消沈。僕は帰れるのだろうか。
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