58 / 79
第二章 学校
第58話 じーじなの
しおりを挟む
黒い人たちを追い払って校長先生の部屋にやってきたの。すぐに帰ろうと思ったら先生に引き留められたの。
捕まえた二人は、真黒な鉄の牢屋にいれたから大丈夫なの、逃げられないの。
「あの二人は後で尋問するとして、少し二人には儂の過去を話そうかの」
「暴虐の魔法使いの過去ですか?」
校長先生が椅子に腰かけてため息をつくと話し始めたの。先生は過去に凄いことをした人みたいなの。
「儂が若い頃は、力の限りを尽くして暴れまわったもんでの~。その力が欲しいと言って貴族達がやってきたもんじゃが、全員、蹴散らしていたらそんな二つ名がついたんじゃよ」
力を持っていると貴族さんとか王族さんがやってくるってことなの? なんだか大変なの。
「アイちゃんも気を付けて力を使いなさい。儂の様になっちゃいかん」
「そんなことないの。アイはゴルグィード校長先生みたいになりたいの」
先生はみんなに優しくて、いけないことをした子たちも許して助けるような人なの。アイたちをいじめてきた子たちも校長先生の言葉で謝ってくれたの。アイも謝って仲直りしたの。先生はすごいの。
「アイちゃんは優しいの~」
「それで、なぜそれを私たちに?」
微笑んでみていたレイお姉ちゃんが聞いているの。なんで過去の話をしてくれたの?
「その暴れまわった頃に黒き光からも誘いが来たんじゃよ」
「え!?」
「まあ、蹴散らしてやったがの」
先生は胸を張って自慢しているの。流石、先生なの。
「金文字のフードを被ったふたりがいたじゃろ」
「はい、ゲーヒンともう一人ですね」
「そうじゃ、その金文字は順位を表しておる。10番のゲーヒンは強く感じたがもう一人は強くはなかった。なのに、あやつは5の文字を持って居った。文字は変形されていたがの」
数字みたいな文字はやっぱり数字だったの。ゲーヒンさんの方が弱い番号なのに、強い番号を守ったの?
「おかしいですよね。弱いのに上位の番号を持っているなんて」
「そうなんじゃよ。そこで気になったのが精霊じゃ。彼は闇と光の精霊を持って居った」
そうなの、あの人は黒い猫さんと白いくじらさんが一緒にいたの。目つきが怖かったけど確かにいたの。
「光と闇は相性が悪い、普通は持つことができないんじゃよ。アイちゃんと儂は特別ということじゃ。そこで、思ったことがあるんじゃ」
先生はそう言って椅子から立ち上がって壁を指さす、少しすると壁に文字がずらっと並んでいったの。文字を読んでいくと光と影が命を作るって書いてあるの。アイも勉強してるから色々分かるようになったの。ルナちゃんが厳しいから頭よくなってきたの~。
「命を作る……」
「そうじゃよ。奴らは黒き光の創設者、グランダークを蘇らせようとしているようなんじゃ」
「グランダーク」
「フォッフォッフォ。誘われたときに殺してやった男じゃよ。いや~懐かしいの~」
「……」
先生は天井を見上げてニヤニヤしているの~。先生はやっぱりすごい人なの。
「グランダークは強かった。儂よりも弱かっただけでかなりの強さじゃったよ」
「蘇ったらまた倒せばいいのでは?」
「儂も歳じゃ。全盛期の半分も出せんよ」
先生は椅子に座り直して俯いてしまったの。先生は元気がないみたいなの。
「元気出してほしいの」
「フォッフォッフォ、アイちゃんは優しいの~」
先生に抱き着いて慰めるの。お父さんもお仕事に身が入らない時にやってあげると喜んでくれたの。アイのパワーが元気にするって言ってくれたから先生にもアイのパワーをあげるの。
「なるほどの~。アイちゃんは精霊だけではなく、別の力を持って居るようじゃの~。かなりパワーが上がったぞ」
「アイには不思議な力があるってお父さんも言っていたの」
「お父さんか。そういえばアイちゃんのご両親はどこにいるんじゃ? 挨拶がしたいんじゃがの~」
「……まだ見つからないの」
先生に聞かれて答えると先生は微笑んで頭をなでなでしてくれたの。とっても温かい手でじ~じを思い出したの。じーじとばーばとも会いたいの。
「アイちゃんは二人を探しておるんじゃな」
「なんでわかったの?」
「フォッフォッフォ、校長にもなると考えておることが分かるんじゃよ。じゃから儂の事はじーじと呼んでくれていいんじゃぞ」
「いいの?」
先生がじーじって呼んでいいって言ってくれたの。アイが聞き返すと微笑んで頷いてくれたの。アイは喜んでじーじって呼んで抱き着いたの。先生はすっごい喜んでくれてるの。アイも嬉しいの。
「アイちゃんは儂が守るから心配しなくていいからの」
じーじはそういってくれたの。それからしばらく、じーじは教室に遊びに来なくなったの……。
捕まえた二人は、真黒な鉄の牢屋にいれたから大丈夫なの、逃げられないの。
「あの二人は後で尋問するとして、少し二人には儂の過去を話そうかの」
「暴虐の魔法使いの過去ですか?」
校長先生が椅子に腰かけてため息をつくと話し始めたの。先生は過去に凄いことをした人みたいなの。
「儂が若い頃は、力の限りを尽くして暴れまわったもんでの~。その力が欲しいと言って貴族達がやってきたもんじゃが、全員、蹴散らしていたらそんな二つ名がついたんじゃよ」
力を持っていると貴族さんとか王族さんがやってくるってことなの? なんだか大変なの。
「アイちゃんも気を付けて力を使いなさい。儂の様になっちゃいかん」
「そんなことないの。アイはゴルグィード校長先生みたいになりたいの」
先生はみんなに優しくて、いけないことをした子たちも許して助けるような人なの。アイたちをいじめてきた子たちも校長先生の言葉で謝ってくれたの。アイも謝って仲直りしたの。先生はすごいの。
「アイちゃんは優しいの~」
「それで、なぜそれを私たちに?」
微笑んでみていたレイお姉ちゃんが聞いているの。なんで過去の話をしてくれたの?
「その暴れまわった頃に黒き光からも誘いが来たんじゃよ」
「え!?」
「まあ、蹴散らしてやったがの」
先生は胸を張って自慢しているの。流石、先生なの。
「金文字のフードを被ったふたりがいたじゃろ」
「はい、ゲーヒンともう一人ですね」
「そうじゃ、その金文字は順位を表しておる。10番のゲーヒンは強く感じたがもう一人は強くはなかった。なのに、あやつは5の文字を持って居った。文字は変形されていたがの」
数字みたいな文字はやっぱり数字だったの。ゲーヒンさんの方が弱い番号なのに、強い番号を守ったの?
「おかしいですよね。弱いのに上位の番号を持っているなんて」
「そうなんじゃよ。そこで気になったのが精霊じゃ。彼は闇と光の精霊を持って居った」
そうなの、あの人は黒い猫さんと白いくじらさんが一緒にいたの。目つきが怖かったけど確かにいたの。
「光と闇は相性が悪い、普通は持つことができないんじゃよ。アイちゃんと儂は特別ということじゃ。そこで、思ったことがあるんじゃ」
先生はそう言って椅子から立ち上がって壁を指さす、少しすると壁に文字がずらっと並んでいったの。文字を読んでいくと光と影が命を作るって書いてあるの。アイも勉強してるから色々分かるようになったの。ルナちゃんが厳しいから頭よくなってきたの~。
「命を作る……」
「そうじゃよ。奴らは黒き光の創設者、グランダークを蘇らせようとしているようなんじゃ」
「グランダーク」
「フォッフォッフォ。誘われたときに殺してやった男じゃよ。いや~懐かしいの~」
「……」
先生は天井を見上げてニヤニヤしているの~。先生はやっぱりすごい人なの。
「グランダークは強かった。儂よりも弱かっただけでかなりの強さじゃったよ」
「蘇ったらまた倒せばいいのでは?」
「儂も歳じゃ。全盛期の半分も出せんよ」
先生は椅子に座り直して俯いてしまったの。先生は元気がないみたいなの。
「元気出してほしいの」
「フォッフォッフォ、アイちゃんは優しいの~」
先生に抱き着いて慰めるの。お父さんもお仕事に身が入らない時にやってあげると喜んでくれたの。アイのパワーが元気にするって言ってくれたから先生にもアイのパワーをあげるの。
「なるほどの~。アイちゃんは精霊だけではなく、別の力を持って居るようじゃの~。かなりパワーが上がったぞ」
「アイには不思議な力があるってお父さんも言っていたの」
「お父さんか。そういえばアイちゃんのご両親はどこにいるんじゃ? 挨拶がしたいんじゃがの~」
「……まだ見つからないの」
先生に聞かれて答えると先生は微笑んで頭をなでなでしてくれたの。とっても温かい手でじ~じを思い出したの。じーじとばーばとも会いたいの。
「アイちゃんは二人を探しておるんじゃな」
「なんでわかったの?」
「フォッフォッフォ、校長にもなると考えておることが分かるんじゃよ。じゃから儂の事はじーじと呼んでくれていいんじゃぞ」
「いいの?」
先生がじーじって呼んでいいって言ってくれたの。アイが聞き返すと微笑んで頷いてくれたの。アイは喜んでじーじって呼んで抱き着いたの。先生はすっごい喜んでくれてるの。アイも嬉しいの。
「アイちゃんは儂が守るから心配しなくていいからの」
じーじはそういってくれたの。それからしばらく、じーじは教室に遊びに来なくなったの……。
0
お気に入りに追加
714
あなたにおすすめの小説
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる