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第1章
第18話 シデン雷槍
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「シデン。いっぱいいるし~」
「ん、やばいよ」
魔物の群れがオクライナに来ていて、それのはぐれが王都へと向かっているようだ。
そのため近隣の村々が被害にあっている。それを守るように私達が来たのだがはぐれにしては数が多すぎる。
魔物としては弱いゴブリンが多い、オークやコボルトも混ざっているが主にゴブリンといった様子だ。
これだけのはぐれがいるということはオクライナは……。
「隊長! 村人は無事に馬車に入りました!」
「早く撤退するし!」
弓の名手、ソラが弓を魔物達に向けて射って話す。その間にもこちらに向かってくる魔物が。
「時間を稼ぐ。【アイシクルスパイク】」
ソラに続いて、ダークエルフのロロが魔法を放った。ロロは賢者としてあらゆる魔法を扱うことが出来る。流石に上級魔法は時間がかかるので使えないみたいで中級魔法を扇状に放っている。
氷の棘が魔物に突き刺さり、氷の壁を作り出した。氷の壁をさけてくる魔物はソラ率いる弓隊が片付けている。
「撤退しながら数を減らすぞ。このまま魔物達を王都につれていくのはまずい」
王都ウラスの外にはダークたちがいる。彼女達の守るものに傷をつけるわけにはいかない。少しでも数を減らしていかなくては。
「後方の馬車が捕まりそうだし!」
矢を放ちながらソラが言って来た。
私たちは5台の馬車でやってきた。ソラの弓隊とロロの魔法部隊。それに私の重装部隊。後の二台は村人を収容するための馬車。一番後ろは私の部隊だ。しんがりとして配置したが一番重いみたいで食いつかれそうになっている。仕方ない少し時間を稼ぐか。
「ロロ!」
「ん、今やってる。【オールアップ】」
ロロに合図するとすぐに全ステータスをアップさせる魔法を使ってくれた。長くパーティーを組んでいるとこういう時早くて助かる。
「二人はみんなを頼む」
「「了解!」」
先頭の馬車、私の乗っていた馬車から飛び降りて後方へと走り抜ける。
後方で戦っている馬車と並走してコボルトを切り払う。
「隊長! 俺達は大丈夫です。先に行ってください」
「何を言っている! あの数にお前たちでは無理だ! ここは私が時間を稼ぐ」
「しかし!」
長槍で戦闘をしていた部下の言葉に答え、後方から飛びついてきたコボルトを薙ぎ払う。コボルトは馬車に追いつくほどの速度で走れる。厄介極まりない。
「隊長!」
「お前たちは依頼を遂行しろ。心配するな。この程度の魔物に私はやられない。【ヒュドラキラー】だぞ。私は」
微笑んで部下を説得すると彼らは泣きそうな声で『隊長』と話した。まったく、重装部隊はフルプレートだから顔はわからないが可愛い奴らだ。ちなみに私たちの部隊は全員女だ。アマゾネスと行ってくるやつらもいるほど有名で色んな貴族から専属にならないかと言い寄られている。まったく、貴族は美人部隊を手に入れたいらしいな。いい迷惑だ。
おっと、そんなことを考えている場合ではない。狼にまたがったゴブリンも増えてきた。コボルトとゴブリンの高速部隊だな。
「王都まで気を抜くなよ! また会おう」
「たいちょ~!」
馬車から離れて剣を構える。私を囲うように魔物達が集まってきた。
馬車へ向かっている魔物は見えないな。あれならば安全に王都に行けそうだ。
「ん、雨か。運が向いてきたようだ」
私は雷を操るシデン。雨の中で負けたことはない!
「死にたいものからかかってこい。雨の中の私は強いぞ」
剣に雷を付与して中段に構える。バチバチと鳴り響く剣があたりをてらす。
うなる狼の背にはゴブリン。ニヤニヤして手斧を構え、一つ二つ放ってきた。
「隙だらけだ」
一つ一つの動作を間違えると私の前では首を落とすことになる。
斧を躱して放ってきたゴブリンと隣にいたゴブリンを狼ごと切り捨てる。
切り捨てた死骸が紫に燃えて霧散していった。
その様子をみた魔物達はしり込みしている。雨の濡れた顔が焦っているように見える。
こいつらを従えている魔物がいるはずだが、その魔物の恐怖で従えられているのかもしれないな。そうじゃなかったらこの時点で撤退を決めているはずだ。
「十分距離を離しただろう。こいつらを始末してすぐに私も王都に向かおう」
剣の雷を強め、地面へと雷撃が揺れる。
「こないのならこちらから行くぞ。生憎、時間がないからな!」
剣を掲げると空により一層黒い雲が作られていく。バチバチと鳴く黒雲は剣と地面に共鳴してアンサンブルを奏でていく。
「【雷槍】!」
一瞬静かになり黒雲から紫に輝く槍が光速で降り、地面に突き刺さった。その速度は目にも止まらないものでゴブリン達は自分が焦げたことにも気づかずに霧散していった。
「やはり雨の日の私は無敵! ロロにも感謝だな。付与のおかげで早く追いつけそうだ」
剣を鞘に納めて辺りを見回す。群がっていた魔物はすべていなくなったようだ。
これならば撤退して大丈夫だろう。
「グアァァァァァ!」
楽観視していると不意に耳をつんざく声が聞こえて耳を塞いだ。
元来た道を見ると狼の人。ワーウルフが立っていた。隣に見える木と同じ身長のワーウルフ。あれはワーウルフロードだと思われる。
「そうたやすくは帰してくれないか」
しまった剣を取り出し。王都へと走り出す。
やつの姿を見てすぐに後退しながら応戦することを決めた。少しでも【彼ら】の近くに行かなくては命が危ない。私の本能がそうさせたのだった。
「ん、やばいよ」
魔物の群れがオクライナに来ていて、それのはぐれが王都へと向かっているようだ。
そのため近隣の村々が被害にあっている。それを守るように私達が来たのだがはぐれにしては数が多すぎる。
魔物としては弱いゴブリンが多い、オークやコボルトも混ざっているが主にゴブリンといった様子だ。
これだけのはぐれがいるということはオクライナは……。
「隊長! 村人は無事に馬車に入りました!」
「早く撤退するし!」
弓の名手、ソラが弓を魔物達に向けて射って話す。その間にもこちらに向かってくる魔物が。
「時間を稼ぐ。【アイシクルスパイク】」
ソラに続いて、ダークエルフのロロが魔法を放った。ロロは賢者としてあらゆる魔法を扱うことが出来る。流石に上級魔法は時間がかかるので使えないみたいで中級魔法を扇状に放っている。
氷の棘が魔物に突き刺さり、氷の壁を作り出した。氷の壁をさけてくる魔物はソラ率いる弓隊が片付けている。
「撤退しながら数を減らすぞ。このまま魔物達を王都につれていくのはまずい」
王都ウラスの外にはダークたちがいる。彼女達の守るものに傷をつけるわけにはいかない。少しでも数を減らしていかなくては。
「後方の馬車が捕まりそうだし!」
矢を放ちながらソラが言って来た。
私たちは5台の馬車でやってきた。ソラの弓隊とロロの魔法部隊。それに私の重装部隊。後の二台は村人を収容するための馬車。一番後ろは私の部隊だ。しんがりとして配置したが一番重いみたいで食いつかれそうになっている。仕方ない少し時間を稼ぐか。
「ロロ!」
「ん、今やってる。【オールアップ】」
ロロに合図するとすぐに全ステータスをアップさせる魔法を使ってくれた。長くパーティーを組んでいるとこういう時早くて助かる。
「二人はみんなを頼む」
「「了解!」」
先頭の馬車、私の乗っていた馬車から飛び降りて後方へと走り抜ける。
後方で戦っている馬車と並走してコボルトを切り払う。
「隊長! 俺達は大丈夫です。先に行ってください」
「何を言っている! あの数にお前たちでは無理だ! ここは私が時間を稼ぐ」
「しかし!」
長槍で戦闘をしていた部下の言葉に答え、後方から飛びついてきたコボルトを薙ぎ払う。コボルトは馬車に追いつくほどの速度で走れる。厄介極まりない。
「隊長!」
「お前たちは依頼を遂行しろ。心配するな。この程度の魔物に私はやられない。【ヒュドラキラー】だぞ。私は」
微笑んで部下を説得すると彼らは泣きそうな声で『隊長』と話した。まったく、重装部隊はフルプレートだから顔はわからないが可愛い奴らだ。ちなみに私たちの部隊は全員女だ。アマゾネスと行ってくるやつらもいるほど有名で色んな貴族から専属にならないかと言い寄られている。まったく、貴族は美人部隊を手に入れたいらしいな。いい迷惑だ。
おっと、そんなことを考えている場合ではない。狼にまたがったゴブリンも増えてきた。コボルトとゴブリンの高速部隊だな。
「王都まで気を抜くなよ! また会おう」
「たいちょ~!」
馬車から離れて剣を構える。私を囲うように魔物達が集まってきた。
馬車へ向かっている魔物は見えないな。あれならば安全に王都に行けそうだ。
「ん、雨か。運が向いてきたようだ」
私は雷を操るシデン。雨の中で負けたことはない!
「死にたいものからかかってこい。雨の中の私は強いぞ」
剣に雷を付与して中段に構える。バチバチと鳴り響く剣があたりをてらす。
うなる狼の背にはゴブリン。ニヤニヤして手斧を構え、一つ二つ放ってきた。
「隙だらけだ」
一つ一つの動作を間違えると私の前では首を落とすことになる。
斧を躱して放ってきたゴブリンと隣にいたゴブリンを狼ごと切り捨てる。
切り捨てた死骸が紫に燃えて霧散していった。
その様子をみた魔物達はしり込みしている。雨の濡れた顔が焦っているように見える。
こいつらを従えている魔物がいるはずだが、その魔物の恐怖で従えられているのかもしれないな。そうじゃなかったらこの時点で撤退を決めているはずだ。
「十分距離を離しただろう。こいつらを始末してすぐに私も王都に向かおう」
剣の雷を強め、地面へと雷撃が揺れる。
「こないのならこちらから行くぞ。生憎、時間がないからな!」
剣を掲げると空により一層黒い雲が作られていく。バチバチと鳴く黒雲は剣と地面に共鳴してアンサンブルを奏でていく。
「【雷槍】!」
一瞬静かになり黒雲から紫に輝く槍が光速で降り、地面に突き刺さった。その速度は目にも止まらないものでゴブリン達は自分が焦げたことにも気づかずに霧散していった。
「やはり雨の日の私は無敵! ロロにも感謝だな。付与のおかげで早く追いつけそうだ」
剣を鞘に納めて辺りを見回す。群がっていた魔物はすべていなくなったようだ。
これならば撤退して大丈夫だろう。
「グアァァァァァ!」
楽観視していると不意に耳をつんざく声が聞こえて耳を塞いだ。
元来た道を見ると狼の人。ワーウルフが立っていた。隣に見える木と同じ身長のワーウルフ。あれはワーウルフロードだと思われる。
「そうたやすくは帰してくれないか」
しまった剣を取り出し。王都へと走り出す。
やつの姿を見てすぐに後退しながら応戦することを決めた。少しでも【彼ら】の近くに行かなくては命が危ない。私の本能がそうさせたのだった。
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